150万円の壁とは?配偶者特別控除と特定親族特別控除、社会保険の壁を解説!
更新日: 2026.6.30 公開日: 2025.3.25 jinjer Blog 編集部

年収150万円の壁とは、満額の配偶者特別控除が適用される被扶養者の年収ラインでした。しかし、令和7年度(2025年度)の税制改正によって、150万円の年収ラインは160万円に引き上げられ、さらに2026年には169万円へと変動しています。
また、2025年に新設された特定親族特別控除の満額控除の年収ラインが、もう一つの150万円の壁として知られています(2026年は159万円まで引き上げられています)。さらに、扶養される側が大学生世代(19歳以上23歳未満)の場合、社会保険上の扶養認定における年収要件も年収130万円から150万円へと引き上げられており、複数の150万円の壁を整理する必要があります。
この記事では、かつて150万円の壁とよばれていた配偶者特別控除と2025年に新設された特定親族特別控除、さらに社会保険上の「150万円の壁」について解説します。
2026年4月から「年収の壁」が178万円へと引き上げられました。さらに、社会保険の加入対象が大幅に広がる「106万円の壁の撤廃」も可決・成立しており、企業への影響は必至です。
対象となるパート・アルバイト従業員の労働時間増加による人手不足の緩和が期待できる一方、社会保険手続きの急増など、労務担当者の実務負担は増すばかりです。この大きな制度変化を、企業の成長機会へと変えるための準備はできていますか?
▼この資料でわかること
- 結局どう変わる?複雑な制度改正のタイムラインと企業への影響
- 今後急増する社会保険手続きへの具体的な備え
- 法改正対応で想定される、システム更新のコストと実務の盲点
複雑化する「年収の壁」問題について、2026年の最新動向を図表でわかりやすく解説しました。ぜひこちらから資料をダウンロードのうえ、貴社のスムーズな法改正対応にお役立てください。
1. 150万円の壁とは


150万円の壁とは、もともと配偶者特別控除を満額受けられる配偶者の年収ラインとして知られていました。しかし、税制改正によって配偶者特別控除の基準が見直され、現在では従来の150万円の壁は変更されています。
また、2025年に新設された特定親族特別控除では、満額控除を受けられる年収ラインが150万円とされたため、新たな150万円の壁として認知されました。ただし、こちらも2026年には159万円に変更されているため注意が必要です。
つまり、税制度上の150万円の壁は、現在ではいずれも別の年収ラインに変更されています。一方で、社会保険上には19歳以上23歳未満の被扶養者に関する150万円基準が残っています。
この章では、かつて150万円の壁と呼ばれていた配偶者特別控除と、2025年時点で新たな150万円の壁とされた特定親族特別控除について解説します。社会保険上の150万円基準については、4章であわせて整理します。
| 種類 | 対象 | 内容 | 2026年5月現在の扱い |
| 配偶者特別控除の150万円の壁 | 配偶者 | 満額の配偶者特別控除を受けられる年収ライン | 現在は169万円へ引き上げ |
| 特定親族特別控除の150万円の壁 | 19歳以上23歳未満の親族 | 満額の特定親族特別控除を受けられる年収ライン | 現在は159万円へ引き上げ |
| 社会保険の150万円基準 | 19歳以上23歳未満の被扶養者 | 健康保険の被扶養者認定における年間収入要件 | 2026年5月時点では150万円のまま |
1-1. 配偶者特別控除における150万円の壁(現在は169万円の壁)
配偶者特別控除とは、配偶者の年収が配偶者控除の枠を超えた場合でも、一定の収入までは段階的に控除を受けられる制度です。2025年の改正前までは、配偶者の年収が150万円まで満額の配偶者特別控除を受けることができたため「150万円の壁」とよばれていました。
しかし、令和8年度税制改正大綱によって年収ラインが169万円まで引き上げられたため、現在では169万円の壁となっています。また、この年収ラインを超えたからといってただちに控除がなくなるわけではありません。配偶者の年収が増えるにつれて段階的に控除額が減っていき201万円を超えると控除がなくなる仕組みです。
関連記事:年収201万の壁をわかりやすく!配偶者特別控除とは?配偶者控除との違いも解説
1-2. 特定親族特別控除における150万円の壁(現在は159万円の壁)
2025年に新設された特定親族特別控除では、19歳以上23歳未満の子どもなど一定条件を満たす親族は、年収が150万円以下であれば、扶養する側が満額の控除を受けられます。この150万円以下という基準をもとに、特定親族特別控除が新たな「150万円の壁」とよばれました。
なお、2026年からは満額控除を受けられる年収ラインが159万円へ引き上げられています。
2. 特定親族特別控除の概要や制度新設の背景


特定親族特別控除とは2025年の税改正で新設された所得控除制度です。この章では特定親族特別控除の概要や創設された背景について解説します。
2-1. 制度の概要
特定親族特別控除とは、2025年度の税制改正で創設された所得控除です。給与年収136万円から197万円以下の特定親族(19歳以上23歳未満)を扶養している場合に、扶養している側が所得控除を受けられる制度です。
2025年の制定当時は、年収150万円までが特定親族特別控除の満額の控除を受けられる年収ラインだったため、150万円の壁とよばれていました。2026年の改正により、満額の控除を受けられる年収ラインは159万円まで引き上げられています。
2-2. 新設された背景
特定親族特別控除が導入された背景には、いわゆる「103万円の壁」による就業調整の問題があります。従来、パート・アルバイトで働く大学生世代の子どもは、年収103万円を超えると親が受けていた特定扶養控除が適用されなくなるため、働き控えが発生しやすい状況にありました。こうした背景から学生アルバイトの働き控えの解消を目的として特定親族特別控除が新設されました。
関連記事:2025年新設!特定親族特別控除の概要や控除額・申請方法をわかりやすく解説
3. 2026年以降、配偶者特別控除はどう変わる?


近年の税改正により、配偶者特別控除の年収ラインも変更されています。この章では、2025年、2026年の改正によって、配偶者特別控除に関する年収の壁がどのように変化したかを解説します。
3-1. 2025年|配偶者特別控除の150万の壁は160万円へ
従来、満額の配偶者特別控除が受けられる配偶者の年収ラインは150万円でした。しかし2025年の改正によって年収ラインは150万円から160万円まで引き上げられています。基礎控除や給与所得控除の引き上げに連動して実施されたもので、最低賃金の上昇や物価上昇などを踏まえた見直しとされています。これにより、従来の「150万円の壁」は実質的に「160万円の壁」へ移行しました。
3-2. 2026年|160万は169万円へ
2025年に160万円の壁へ移行した配偶者特別控除は、令和8年度税制改正により、満額控除が受けられる年収ラインが169万円まで引き上げられています。
また、配偶者特別控除の適用上限となる年収ラインも、従来の201万円から207万円へ見直されています。これは、給与所得控除の最低保障額が引き上げられたことなどにより、配偶者特別控除の対象となる配偶者の給与収入要件が「136万円超207万円以下」と整理されたためです。
そのため、2026年以降は、控除を満額で受けられる範囲だけでなく、配偶者特別控除の対象となる上限ラインも拡大されている点に注意が必要です。
関連記事:配偶者特別控除の所得金額はいくらまで?年末調整や年収の壁との関係を解説
4. 150万の壁に関する注意点


年収の壁は税制度だけでなく社会保険にも存在します。この章では社会保険の150万円の壁について解説します。
4-1. 社会保険の150万円の壁
社会保険における150万円の壁とは、19歳以上23歳未満の扶養される側(配偶者以外)の年収要件のことです。通常の社会保険の扶養の年収要件は130万円ですが、特定親族特別控除の新設に併せて大学生世代の年収要件を150万円まで引き上げられました。
2026年に特定親族特別控除の150万円の壁が159万円へと引き上げられたものの、2026年5月時点で19歳以上23歳未満を対象にした社会保険上の扶養年収基準の引き上げは正式に発表されていません。今後の見直しが入る場合もあるため、注意が必要です。
参考:19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります|日本年金機構
関連記事:130万円の壁とは?2026年4月から労働契約ベースに計算方法が変更に!
4-2.税制度との違いに注意
税制度の扶養は単純に1月から12月の所得の合計が基準を超えているかで判断されますが、社会保険の場合は明確にいつからいつまでの収入合計といったような実績で判断されるわけではありません。対象者の過去の収入、現時点の収入または将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入を見込んで判断します。
そのため、税制度上の扶養と社会保険上の扶養は必ずしも一致しない点に注意しましょう。
例えば、扶養される側(19歳以上23歳未満)の1月から12月までの収入が160万円だった場合、特定親族特別控除の満額控除の対象からは外れます。しかし、社会保険上の扶養は即時で外れるわけではありません。社会保険の扶養は向こう1年間の収入を見込んで判断されるため、税法上の扶養からは外れるが社会保険上は扶養家族のままというケースもあります。
2026年の税改正によって税制度上の150万円の壁はなくなりましたが、19歳以上23歳未満を対象にした社会保険上の扶養の基準は150万円のままです。ただし、今後、特定親族特別控除の改正に合わせて変更される可能性もあるため、法改正に関する情報をチェックしておきましょう。
また、パートやアルバイトで働く人が、社会保険に加入することで手取り収入が減る「年収の壁」への対策として、「年収の壁・支援強化パッケージ」が導入されています。特に「106万円の壁」への対応を重視しており、従業員が社会保険に加入しても収入減を感じにくいよう、企業側への助成などの支援策が導入されているのでこちらも確認しておきましょう。
5. 「150万円の壁」を正しく理解しよう


150万円の壁とは、かつて配偶者特別控除の満額の控除が受けられる年収ラインのことでした。しかし、税制改正によって配偶者特別控除の基準が見直され、従来の150万円の壁は変化しています。
一方、2025年に新設された特定親族特別控除とは、大学生世代の扶養親族の年収が150万円以下の場合満額控除を受けられる制度です。このため、2025年時点では特定親族特別控除における新たな基準が150万円の壁と呼ばれています。さらに、2026年にはこの基準が159万円へと引き上げられました。
近年は税制改正が相次いでおり、136万円の壁や178万円の壁など150万円の壁以外にも複数の年収の壁が存在します。制度ごとに対象者や判定基準、実務上の取り扱いが異なるため、ひとつひとつの年収の壁について正確な理解が求められます。特に、年末調整や扶養判定への影響も大きいため、最新の改正内容を継続的に確認しましょう。
関連記事:【令和8年度税制改正】178万円の壁に引き上げが決定!何が変わる?企業が注意すべきことを解説
関連記事:年収201万の壁をわかりやすく!配偶者特別控除とは?配偶者控除との違いも解説



2026年4月から「年収の壁」が178万円へと引き上げられました。さらに、社会保険の加入対象が大幅に広がる「106万円の壁の撤廃」も可決・成立しており、企業への影響は必至です。
対象となるパート・アルバイト従業員の労働時間増加による人手不足の緩和が期待できる一方、社会保険手続きの急増など、労務担当者の実務負担は増すばかりです。この大きな制度変化を、企業の成長機会へと変えるための準備はできていますか?
▼この資料でわかること
- 結局どう変わる?複雑な制度改正のタイムラインと企業への影響
- 今後急増する社会保険手続きへの具体的な備え
- 法改正対応で想定される、システム更新のコストと実務の盲点
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