雇用保険料の端数処理方法と端数が出たときの雇用保険料を解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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雇用保険料の端数処理方法と端数が出たときの雇用保険料を解説

電卓

 

 

労働保険制度の一種である雇用保険は、企業側が保険料を全額負担する労災保険とは異なり、労働者からも保険料を徴収しなくてはいけません。徴収する保険料は企業側が計算することになりますが、その際に端数が出た場合はどのように処理することが正解なのでしょうか。

この記事では、雇用保険料の端数が出た場合の処理方法について解説します。法令に則った処理方法を理解して、正しく保険料を徴収・納付しましょう。

雇用保険料の端数はどこで切り上げる?

端数処理の方法は法律で定められており、一定のルールに基づいて処理する必要があります。

雇用保険の徴収方法によって端数の切り捨て・切り上げの対応が異なるため、注意しなければなりません。

とはいえ、端数処理の決まりがわからず、お困りの方もいらっしゃるでしょう。

「端数処理ってどうやるの?」
「自社でおこなっている端数処理の方法が法律に則っているのかわからない」
「具体的に、どんな法律が関わっているのか知りたい」
という方に向けて、端数処理の方法やよくある質問、システムを利用して給与計算業務をミスなく楽におこなう方法について解説した資料を用意しました。

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1. 端数が出た場合の雇用保険料はどうする?

計算する様子
雇用保険に加入している労働者が所属している企業は、毎月保険料の計算対象となる従業員の給与と雇用保険料率をもとに保険料を計算し、給与から控除する必要があります。

雇用保険料の計算には小数点以下の雇用保険料率を用いますが、端数が出たときに「切り捨てればいいのか、切り上げればいいのか」迷ってしまう企業も多いでしょう。まずは、端数が出た場合の雇用保険料の基本的なルールについて解説します。

1-1. 雇用保険料の計算では端数が出るケースがある

そもそも、雇用保険料の計算で端数が出ることは決して珍しいケースではありません。

雇用保険料の計算方法は「計算対象となる給与×雇用保険料率」です。雇用保険料率は業種によって異なり、令和6年度の保険料率は以下のように定められています。[注1]

雇用保険料率

引用:令和6年度雇用保険料率のご案内|厚生労働省

(1)失業等給付・育児休業給付の保険料率
(2)雇用保険二事業の保険料率

雇用保険料の計算には小数点以下の乗法が必要になるため、端数が出ることは非常に多いです。

この端数の取り扱いについて、明確なルールを設けておかないと混乱が生じてしまうおそれがあります。スムーズかつ公平な賃金計算をするためにも、端数が発生したときの処理方法を理解しておくことは重要なのです。

また、雇用保険以外の社会保険(厚生年金保険や健康保険など)でも端数が発生することがあるため、不安な方は同様に確認しておきましょう。

関連記事:雇用保険料の引き上げ内容は?背景・理由や影響について解説
関連記事:厚生年金保険料とは?概要と計算方法、法改正などによる注意点を解説

1-2. 基本「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」に則って処理する

雇用保険料の端数処理は、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」に則っておこなうことが基本となります。このことは厚生労働省からも周知されており、政府としての公式な見解だと考えて問題ありません。[注2]

「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」の2条1~2項および3条1項をまとめると、以下のような内容になります。[注3]

◎第2条
通貨の額面価格の単位は円とし、1円未満の金額の計算単位は「銭」および「厘」とする。銭は円の100分の1をいい、厘は銭の10分の1である。

◎第3条
債務の弁済を現金の支払いによりおこなう場合において、支払うべき金額を以下のとおり処理する。
50銭未満の端数があるときは、その端数を切り捨てる
50銭以上1円未満の端数があるときは、1円として計算する

後述しますが、雇用保険料の徴収方法によって細かい処理方法は変わってくるため、計算の際は注意が必要です。

[注2]労働保険料の申告・納付|厚生労働省
[注3]通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律|e-Gov法令検索

1-3. 企業の慣習や特約に応じて処理することも可能

雇用保険料の端数の基本的な処理方法は先述のとおりですが、労使の間に慣習的な取り扱いなどの特約がある場合は、それに応じた処理をすることも可能です。

実際「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」の3条には、「特約がある場合には、この限りでない」と記載があります。そのため、必ずしも法令通りの処理をおこなわなければいけないというわけではないのです。

「1円未満の金額はいくらであっても切り捨てる」などといった慣習がある場合は、その処理方法を採用し続けでも問題ありません。

2. 雇用保険料の端数処理方法

悩む男女
法令に則って雇用保険料を計算するときは、どのように端数を処理すればいいのでしょうか。

先ほども説明したとおり、雇用保険料の徴収方法によって端数の処理方法は若干異なります。ここでは、具体的な処理方法について2パターンに分けて紹介します。

2-1. 被保険者負担額を源泉控除で徴収するとき

雇用保険の被保険者負担額を源泉控除で徴収する場合は、企業側が従業員に賃金(債務)を弁済することになります。そのため、賃金を従業員に支払う時点で「弁済額である給与」の端数処理をする必要があります。

このケースでは、「50銭以下の場合は切り捨て、50銭1厘以上の場合は切り上げ」の処理をおこないましょう。[注4]

◎計算例 給与が24万3,500円の場合で従業員負担が0.3%の場合
従業員負担額:24万3,500円×0.3%=730.5円 
50銭であるため切り捨てとなり、730円となります。

[注4]雇用保険被保険者からの雇用保険料の控除方法|厚生労働省

2-2. 被保険者負担額を現金で徴収するとき

雇用保険料を被保険者から現金で徴収するときは、従業員が企業から受け取った給与の中から保険料(債権)を支払うという考え方になります。この場合は、従業員が企業に対して債権を弁済することになるので、「従業員負担分の保険料そのもの」の端数処理をおこないましょう。

このケースでは、「50銭未満の場合は切り捨て、50銭以上の場合は切り上げ」の処理をおこないます。

◎計算例 給与が24万3,500円の場合で従業員負担が0.3%の場合
従業員負担額:24万3,500円×0.3%=730.5円(=弁済額)
この従業員負担額自体の端数処理をおこなえばいいので、企業は切り上げをした保険料の731円を受け取ればいいということになります。

このように端数処理の方法が異なる理由は、徴収方法によって適用される法律が異なるためです。それぞれの法律や関連する条文、具体的な計算方法については、こちらの資料でわかりやすく解説しているので、あわせてご確認ください。

関連記事:給与計算における社会保険料の計算方法を分かりやすく解説

3. 雇用保険料の端数処理方法は企業によって異なる?

オフィス
前項まででは、法令に則った雇用保険料の計算方法や端数処理方法について解説しました。しかし、「慣習的な特約がある企業はそれに従っても問題ない」と説明したとおり、実際のところは企業によって端数の処理方法が異なるケースがあります。

もちろん、法令にも記載がある通り企業の方針やルールに従って端数を処理することはまったく問題ありません。慣習的な処理方法を採用していても、適切な保険料を労働基準監督署に申告・納付していれば構わないのです。

ただし、企業によって処理方法が異なると、保険料を徴収される従業員が混乱してしまう可能性がある点に注意しましょう。1円の違いなので気が付かない従業員も多いですが、「月によって端数の処理方法がバラバラ」「転職前の会社と処理方法が異なる」という場合、従業員から不信感を抱かれてしまう可能性があります。

企業としてどのように処理するのか明確なルールを定めておき、質問されたときにしっかりと説明できるように準備しておくことが大切です。

関連記事:雇用保険料に関して会社側の負担額はいくら?社会保険への加入事情も解説

4. 雇用保険料の端数処理方法を押さえて、正しく保険料を徴収しよう!

集金
雇用保険料の計算をするときは、小数点以下の乗法をする必要があるため、1円未満の端数が発生することは多々あります。基本的には、厚生労働省が提示している法令に則った処理方法を採用することになりますが、保険料の徴収方法によって若干計算が変わってくるため、十分に気をつけて処理しましょう。

なお、労使の間で同意が得られていれば、慣習的な特約に従って端数を処理しても問題ありません。どのような処理をおこなうにせよ、従業員に納得してもらえるように「ルールを明示しておく」「説明できるようにしておく」といった準備をすることが肝心です。

雇用保険料の端数はどこで切り上げる?

端数処理の方法は法律で定められており、一定のルールに基づいて処理する必要があります。

雇用保険の徴収方法によって端数の切り捨て・切り上げの対応が異なるため、注意しなければなりません。

とはいえ、端数処理の決まりがわからず、お困りの方もいらっしゃるでしょう。

「端数処理ってどうやるの?」
「自社でおこなっている端数処理の方法が法律に則っているのかわからない」
「具体的に、どんな法律が関わっているのか知りたい」
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YOSHIDA

YOSHIDA

クラウドサービス比較のメディア運営を経て、jinjerBlog編集部に加入。バックオフィス向けサービス「ジンジャー」を導入いただいたお客様に事例取材をおこない、現場の課題をキャッチアップしながら、人事業務や契約業務に役立つ情報をお届けします。

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