2024年の健康保険料・国民健康保険料の値上げとは?理由・影響を受ける層について解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

2024年の健康保険料・国民健康保険料の値上げとは?理由・影響を受ける層について解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

2024年の健康保険料・国民健康保険料の値上げとは?理由・影響を受ける層について解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

2024年の健康保険料・国民健康保険料の値上げとは?理由・影響を受ける層について解説

2024年のブロック

「健康保険料と国民健康保険料はなぜ値上がりするの?」

「保険料の値上がりはどういう影響があるの?」

上記のような悩みを抱えている経理・労務担当者の方は多いでしょう。

健康保険料の値上げは、保険料収入の増加と高齢者の医療費用確保が目的です。

本記事では、健康保険料が値上げされた理由や影響を受ける年収層について解説しています。健康保険料について正しく理解し、適正に給与計算ができるよう参考にしてください。

これ一冊で給与計算のシステム化・Excel・アウトソーシングの比較ができる!

給与計算は間違いが許されない、確認作業が何回も必要な業務です。 また、給与明細の発行や、封入作業、郵送作業など従業員一人ひとりに対しての対応に手間がかかっている方も多いのではないでしょうか。

今回は「給与計算の手間を削減したいけど、この課題ってどの解決策が一番いいの?」とお考えの 給与担当者様向けに、「給与計算効率化BOOK」をご用意しました。 資料は無料ですので、ぜひご覧ください。

1. 健康保険料の決まり方

矢印と%がブロックに書かれている

健康保険料の決まり方は以下のとおりです。

社会保険の健康保険料 収入を元にした標準報酬月額と地域ごとの健康保険料で決まる
国民健康保険料 収入と年齢、地域により決まる

社会保険の健康保険料は、従業員の収入をもとに標準報酬月額により確定します。

標準報酬月額とは、従業員の収入を1〜50の等級に分割し、保険料の計算をしやすくするために区分したものです。報酬とは、毎年4〜6月に企業から支払われる給与、交通費、役職手当、残業手当などを指します。

健康保険料の計算式は以下のとおりです。

健康保険料=標準報酬月額 × 健康保険料率

具体例を見てみましょう。

健康保険料の具体例「東京都に在住で協会けんぽに加入、収入が40万円の場合」
保険料率:9.98%

標準報酬月額:41万円

41万円×9.98%=40,918円

健康保険料は、企業と従業員で折半します。そのため実際に従業員が支払う金額は上記の式で求めた金額の1/2です。経理・労務担当者は注意してください。

上記の計算結果から企業は、40,918円の1/2である20,459円を負担することになります。

参照:令和6年3月(4月納付分)からの健康保険料・厚生年金保険の保険料額表|全国健康保険協会

参照:令和6年度都道府県単位保険料率|全国健康保険協会

2. 2024年の健康保険料・国民健康保険料の値上げとは

費用が上がる

2024年には社会保険の健康保険料と国民健康保険料の値上げが発生しています

社会保険の健康保険料率は都道府県ごとに改定され、値上げ・値下げが決定する仕組みです。2024年(令和6年度)の改定で一部の都道府県が値上げとなっています。

国民健康保険料は、厚生労働省が2024年の上限を2万円引き上げました

2023年の国民健康保険は基礎賦課額65万円、後期高齢者支援金賦課額22万円、介護分17万円の計104万円でした。しかし2024年は、後期高齢者支援金賦課額が2万円上昇し24万円となり計106万円です。

参照:令和6年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます | 協会けんぽ | 全国健康保険協会

参照:国民健康保険料、上限2万円引き上げ 24年度に106万円|日本経済新聞

3. 2024年の健康保険料・国民健康保険料が値上げされる理由

チェック

健康保険料と国民健康保険料が値上げされた理由は以下の2つです。

  • 高齢者医療費の確保
  • 中間層への保険料負担への配慮

従業員から質問を受けた際に、なぜ保険料が値上げされたのかを説明できるよう、参考にしてください。

3-1. 高齢者医療費の確保

値上げ理由の1つ目は、高齢者医療費の確保です。

日本の人口における高齢者の割合は上昇し続けています。その証拠に2024年1月の概算値では75歳以上の割合が16.3%でした。この数値は前年同月比で3.83%増加しています。

こうした高齢者の増加に対応するため、医療費確保を目的とし値上げが実施されました。

参照:人口推計 2024年(令和6年)1月報|統計局

3-2. 中間層への保険料負担への配慮

値上げ理由の2つ目は、中間層への保険料負担を配慮していることです。こちらは国民健康保険の値上げの理由となります。

国民健康保険は、学生、退職し職場の健康保険を脱退した人、働いているが職場の健康保険に加入していないアルバイトなどが加入しているものです。

そのため、企業の健康保険に加入しているサラリーマンと比較して給与が少ない傾向にあります。所得が少ない被保険者の負担が増加するため、保険料の上限を引き上げ、高所得者に負担してもらう仕組みが採用されました

参照:国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について|厚生労働省

4. 社会保険の健康保険料が値上げ・値下げとなる都道府県

ビックリマークが浮かんでいる

健康保険料が2024年に値上げ・値下げされた都道府県を以下の流れでそれぞれ解説します。

  • 値上げした都道府県
  • 値下げした都道府県

保険料は勤務先が所属している協会けんぽ支部によって異なります。従業員の住所ではないため注意してください。また神奈川県のみ10.2%で据え置きです。

4-1. 値上げした都道府県

値上げした都道府県は以下のとおりです。

都道府県 令和5年 令和6年 変化率 都道府県 令和5年 令和6年 変化率
福島県 9.53% 9.59% 0.06% 滋賀県 9.73% 9.89% 0.16%
群馬県 9.76% 9.81% 0.05% 京都府 10.09% 10.13% 0.04%
新潟県 9.33% 9.35% 0.02% 大阪府 10.29% 10.34% 0.05%
富山県 9.57% 9.62% 0.05% 兵庫県 10.17% 10.18% 0.01%
石川県 9.66% 9.94% 0.28% 奈良県 10.14% 10.22% 0.08%
福井県 9.91% 10.07% 0.16% 和歌山県 9.94% 10.00% 0.06%
山梨県 9.67% 9.94% 0.27% 広島県 9.92% 9.95% 0.03%
長野県 9.49% 9.55% 0.06% 山口県 9.96% 10.20% 0.24%
岐阜県 9.80% 9.91% 0.11% 香川県 10.23% 10.33% 0.10%
静岡県 9.75% 9.85% 0.10% 愛媛県 10.01% 10.03% 0.02%
愛知県 10.01% 10.02% 0.01% 大分県 10.20% 10.25% 0.05%
三重県 9.81% 9.94% 0.13% 宮崎県 9.76% 9.85% 0.09%

参照:令和6年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます | 協会けんぽ | 全国健康保険協会

4-2. 値下げした都道府県

値下げした都道府県は以下のとおりです。

都道府県 令和5年 令和6年 変化率 都道府県 令和5年 令和6年 変化率
北海道 10.29% 10.21% -0.08% 鳥取県 9.82% 9.68% -0.14%
青森県 9.79% 9.49% -0.30% 島根県 10.26% 9.92% -0.34%
岩手県 9.77% 9.63% -0.14% 岡山県 10.07% 10.02% -0.05%
宮城県 10.05% 10.01% -0.04% 徳島県 10.25% 10.19% -0.06%
秋田県 9.86% 9.85% -0.01% 高知県 10.10% 9.89% -0.21%
山形県 9.98% 9.84% -0.14% 福岡県 10.36% 10.35% -0.01%
茨城県 9.73% 9.66% -0.07% 佐賀県 10.51% 10.42% -0.09%
栃木県 9.96% 9.79% -0.17% 長崎県 10.21% 10.17% -0.04%
埼玉県 9.82% 9.78% -0.04% 熊本県 10.32% 10.30% -0.02%
千葉県 9.87% 9.77% -0.10% 鹿児島県 10.26% 10.13% -0.13%
東京都 10.00% 9.98% -0.02% 沖縄県 9.89% 9.52% -0.37%

参照:令和6年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます | 協会けんぽ | 全国健康保険協会

5. 国民健康保険料の値上げで影響を受ける年収層

ビジネスマンがお金を抱えている

国民健康保険料の値上げで影響を受ける年収層は、年収もしくは年金の収入が約1,160万円以上の方です。所得に換算すると約980万円となります。

なお、健康保険料の値上げにともない、賦課(課税)限度額を引き上げることで、前年度は合計1.33%だった限度額該当世帯割合の伸びが1.42%から1.35%に減少する推計となりました。結果、値上げにより年収に影響がある人が変更前と比較して減少することを意味します。

引用:国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について|厚生労働省

2024年に後期高齢者支援金賦課額が22万円から24万円と、上限が2万円引き上げられた結果です。

もし後期高齢者支援金賦課額の上限を引き上げない場合、限度額該当世帯の割合は2.25%となります。令和5年の1.97%と比較し大幅に増加する想定です。

上記のように国民健康保険料の値上げによる影響は一部の高所得者になるように設定されています。

参照:国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について|厚生労働省

6. 給与計算の際は健康保険料を正しく計算しよう

電卓で計算する人

健康保険料の計算には標準報酬月額と健康保険料率が必要です。これらの金額は定期的に更新されるため、経理・労務担当者は最新の情報を獲得できるように準備しておきましょう。

さらに2024年には社会保険の健康保険料改定による値上げ・値下げや、国民健康保険料の上限の値上げが実施されました。保険料の上限拡大には高所得者に負担してもらい、中間層以下の人たちの負担割合を下げる目的があります。

健康保険料改正後の急な値上がりに驚く従業員もいるはずです。値上がりした理由を聞かれた際には、説明できるようにしておきましょう。また正しい知識をもとに、給与計算に反映できるようにしておくことが重要です。

これ一冊で給与計算のシステム化・Excel・アウトソーシングの比較ができる!

給与計算は間違いが許されない、確認作業が何回も必要な業務です。 また、給与明細の発行や、封入作業、郵送作業など従業員一人ひとりに対しての対応に手間がかかっている方も多いのではないでしょうか。

今回は「給与計算の手間を削減したいけど、この課題ってどの解決策が一番いいの?」とお考えの 給与担当者様向けに、「給与計算効率化BOOK」をご用意しました。 資料は無料ですので、ぜひご覧ください。

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

勤怠・給与計算のピックアップ

新着記事