勤怠管理システムの費用対効果とは?判断方法を詳しく解説
更新日: 2024.11.20
公開日: 2023.11.10
OHSUGI
勤怠管理システムを導入する際には、費用対効果を検証することが重要です。費用に見合う効果があると判断できれば、導入を前向きに進められ、導入後も十分な業務改善を実現できます。
しかし、費用対効果を検証するにあたって「具体的な方法がわからない」と悩んでいる労務担当者の方が多いのではないでしょうか。「そもそもどのような勤怠管理システムが自社に適しているかわからない」方もいるかもしれません。
本記事では、勤怠管理システムの費用対効果の判断方法や費用、導入するメリットなどを解説します。
勤怠管理システムの導入を検討されている方や、費用対効果について検証を実施していない方は、ぜひご一読ください。
目次
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1. 勤怠管理システムの費用対効果とは
費用対効果とは、支払った費用と得られる効果を比較し、コストに見合うだけの価値があるか否かを判断する指標です。コストより得られる効果が上回る場合は費用対効果が高いと判断でき、勤怠管理システムを導入する意味があると考えられます。
勤怠管理システムを導入する際は、費用対効果を必ず検証しましょう。
勤怠管理システムの費用対効果を検証する方法として、以下の2点を勤怠管理システム導入前後で比較してみてください。
効果 | 導入前後で比較する点 |
業務の効率化 | 勤怠データの集計にかかる時間や人数 |
労務管理の高度化 | 従業員の有給取得率や労働時間 |
勤怠管理システム導入後、勤怠データの集計にかかる作業時間や人数が削減されていれば業務の効率化が上がっていると考えられます。労務管理の高度化は、従業員の有給取得率や労働時間の削減率が向上しているかに目を向けてみましょう。
費用に対して上記の効果が十分に出ていれば、費用対効果が高いと判断できます。
2. 勤怠管理システムの2つの種類と費用の目安
勤怠管理システムは2種類あり、それぞれの特徴や費用目安は以下のとおりです。
種類 | 特徴 | 費用の目安 |
クラウド型 | ・主に中小企業で導入される
・サーバーがクラウド上にある ・初期費用を抑えられる ・インターネット環境があればどこでも利用できる |
・初期費用:約3~50万円
・月額利用料:従業員1人あたり約200円~500円 |
パッケージ型 | ・主に大企業で導入される
・自社のサーバーにソフトウェアをインストールして使用する ・運用コストが発生する ・カスタマイズが可能 |
・初期費用:約30~200万円
・運用・管理コスト:約1万円/月 |
それぞれの特徴を把握したうえで、自社に必要な機能を兼ね備えた勤怠管理システムを選ぶことが重要です。種類ごとに詳しく見ていきましょう。
2-1. クラウド型
クラウド型勤怠管理システムはサーバーがクラウド上にあるため、インターネット環境下で利用可能です。
クラウド契約後はすぐに利用でき、IDとパスワードでログインすればどこでも勤怠管理ができます。自宅のパソコンを使って勤怠管理ができるため、テレワークの際も安心です。
クラウド型の費用の目安は、初期費用が約3〜50万円、月額利用料が従業員1人あたり約200〜500円となっています。
製品によっては初期費用が無料のものもあり、パッケージ型と比較すると安価であることがメリットです。利用料は従業員の人数分高くなるため、主に中小企業で導入されています。
2-2.パッケージ型
パッケージ型の勤怠管理システムは、自社のサーバーに専用ソフトウェアをインストールして使用します。
初期費用は約30〜200万円ほどかかるのでクラウド型と比べると高くなりますが、一度導入すれば月額のサービス利用料は発生しません。
サーバーを運用・管理するための費用が月1万円程度発生するものの、長期で利用することを考慮すればランニングコストは抑えられます。
また、勤怠システムの内容を自社の特性に合わせてカスタマイズでき、機能の追加が可能です。主に従業員が1,000人以上の大企業で導入されています。
関連記事:勤怠管理システムとは?はじめての導入にはクラウド型がおすすめ
3. 勤怠管理システムを導入する3つのメリット
勤怠管理システムを導入するメリットは以下の3点です。
- 適切な労働時間管理ができる
- コストを削減できる
- 法改正に対応できる
それぞれのメリットについて解説していきましょう。
3-1. 適切な労働時間管理ができる
勤怠管理システムを利用すれば、従業員の労働時間や休暇取得率などをいつでもチェックでき、適切な労働時間を管理できます。労働時間を超過しそうな従業員や休暇を十分に取得できていない従業員が存在した場合に、勤怠管理システムが警告してくれるためです。
労働基準法では、労働時間は1日に8時間、1週間に40時間までと定められています。また、週1日の休日か4週間を通じて4日以上の休日を取得しなければいけません。
労働基準法を遵守するためには、残業時間を超過しそうな従業員がいないか定期的な確認が必要です。
勤怠管理システムの導入により管理漏れを防止でき、法令遵守につながるでしょう。
3-2. コストを削減できる
勤怠管理システムがあれば、労務担当者の業務をカットできるので、コストを大幅に削減できます。システム上で自動で入力・集計・管理がされるためです。
従業員の労働時間や休暇取得率を集計・管理することは非常に煩雑な業務ですが、勤怠管理システムがあれば簡単な操作のみで済みます。
従来のExcelやタイムカードによる勤怠管理では用紙やタイムカードが必要ですが、勤怠管理システムはパソコンで完結可能です。ペーパーレス化を図ることができ、印刷代やタイムカード代はもちろん、紙の保管コストも削減できるでしょう。
3-3. 法改正に対応できる
一部の勤怠管理システムは、法改正に対応できます。自動アップデートが備わっており、手動で設定をしなくても法改正に適応した状態に整うためです。
近年では働き方改革を実現するため、2019年に残業時間の上限が定められました。今後も法改正がおこなわれる可能性が十分にあるでしょう。
Excelやタイムカードなどのアナログな方法で勤怠管理をしていると、法改正の対応漏れが発生するリスクが高いです。
勤怠管理システムであれば、法改正に対応するために業務フローを変更する手間をかけずに、法改正に対応できます。対応漏れを防げるため、企業が罰則を受ける心配もありません。
4. 勤怠管理システム導入の費用対効果を高めるコツ
勤怠管理システム導入後に費用対効果を高めるコツは以下の2点です。
- 導入した勤怠管理システムを定着させる
- 給与計算システムと連携する
勤怠管理システムを導入するだけで満足せず、導入後は勤怠管理システムを上手に活用し、費用対効果を高めましょう。
それぞれ詳しく解説するので、勤怠管理システムを導入している企業の労務担当者の方は参考にしてみてください。
4-1. 導入した勤怠管理システムを定着させる
勤怠管理システムを導入した後は、従業員に定着させることが重要です。企業にとって有益なシステムを導入しても、従業員が十分に活用してくれなければ期待する効果が得られません。
従業員に勤怠管理システムを導入する目的を説明し、どのように運用していくのか確実に理解してもらいましょう。
具体的には、従業員向け説明会などを開催し、勤怠管理システムについて理解を深める機会を設けることをおすすめします。
4-2. 給与計算システムと提携する
勤怠管理システムで集計したデータは、給与計算システムと連携させることで費用対効果を高められます。勤怠記録をもとに給与の自動計算が可能となるため、複雑な作業を省いて人的ミスやコストを削減可能です。
勤怠管理システムと給与計算システムを提携するメリットには以下があります。
- 勤怠管理システムで集計したデータから自動で給与計算できる
- 法改正など給与の算出方法の変更に対応できる
- 給与計算の人的ミスやコストを削減できる
給与計算システムと勤怠管理システムを提携し、労務担当者や経理担当者にかかるコストや人的ミスを削減させましょう。
関連記事:勤怠管理システムと給与計算を連携させて業務効率をアップしよう
5. 費用対効果を考慮して勤怠管理システムを活用しよう
勤怠管理システムを活用する際は、費用対効果を考慮することが重要です。費用対効果が高い勤怠管理システムを導入することで、業務の効率化やコスト削減など、大きなメリットを得られます。
費用対効果の検証では、導入の前後で業務効率化と労務管理の高度化がどの程度実現するかに注目しましょう。さらに費用対効果を高めるため、社内への定着やほかのシステムとの連携を図ることが大切です。
もし現時点で費用対効果が不十分な勤怠管理システムを利用している場合は、より自社に適したシステムへの変更を検討することをおすすめします。
費用対効果の高い勤怠管理システムを活用し、業務の効率化やコスト削減を図りましょう。
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