所定休日と法定休日の違いとは?休日出勤時の割増賃金の考え方も解説
更新日: 2026.3.31 公開日: 2021.9.8 jinjer Blog 編集部

会社が労働日を決めるときは、従業員に与える休日についても考えなくてはいけません。休日には「所定休日」と「法定休日」の2種類があり、それぞれの定義や運用方法は異なるため、きちんと区別することが大切です。
この記事では、所定休日と法定休日の違いやそれぞれに出勤した場合の割増賃金の取り扱いを説明します。正しく意味の違いを把握して、法律を遵守して休日の管理をしていきましょう。
人事担当者の皆さまは、労働基準法における休日・休暇のルールを詳細に理解していますか?
従業員に休日労働をさせた場合、代休や振休はどのように取得させれば良いのか、割増賃金の計算はどのようにおこなうのかなど、休日労働に関して発生する対応は案外複雑です。
そこで当サイトでは、労働基準法にて定められている内容をもとに、振休や代休など休日を取得させる際のルールを徹底解説した資料を無料で配布しております。
「休日出勤させた際の対応を知りたい」「代休・振休の付与ルールを確認したい」という人事担当者の方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. 所定休日と法定休日の違い


従業員にとっては、所定休日も法定休日も同じように感じるかもしれませんが、両者は法的な扱いがまったく異なります。さっそく、それぞれの違いについて見ていきましょう。
1-1. 法定休日とは


法定休日とは、労働基準法で定められた休日のことです。同法35条では、週に1日もしくは4週に4日の休日を与えることが義務付けられています。
なお、日数の要件さえ満たしていれば、1週間のうちいつ法定休日を取得させても問題ありません。日曜日に法定休日を決めている会社が多いですが、火曜日や水曜日などを法定休日とすることも可能です。
一方で、法定休日を付与するだけでは、法定労働時間の要件を満たせないケースが多い点には注意が必要です。労働基準法第32条では、労働時間は1日8時間、週40時間を超えてはならないと定められています。
例えば、1日8時間労働の会社が週1日の法定休日のみで勤務体制を組むと、週の労働時間は48時間となり、法定労働時間を超えてしまうのです。そのため、1日8時間勤務の会社では法定休日とは別にもう1日の休日を設ける、または週6日勤務とする場合には1日あたりの労働時間を6時間40分以内に抑えるなど、法令に違反しないための工夫が求められます。
1-2. 所定休日(法定外休日)とは
所定休日とは、「法定外休日」とよばれることもある休日です。その名の通り法に定められている休日ではなく、会社が独自に決められる休日のことを言います。法定休日(週1日または4週4日)を除いた休日が所定休日となります。
一般的に多く見られるのは、週末2日間の休みのうち、土曜日を所定休日と決めている会社です。勘違いされやすいのですが、国民の祝日は労働基準法上で定められている休日ではありません。
したがって、休みにするためには所定休日として規定しておく必要があります。休ませる日数やスケジュールは、会社が自由に決めることが可能です。なお、決めた所定休日は、就業規則や休日規程などで明確にしておくことが重要です。
関連記事:所定休日とは?その意味や設定のポイント・注意点を解説
指定休日とは
指定休日とは、会社があらかじめ特定した休日を指す実務上の用語で、法定休日を特定した日を指す場合や、所定休日の中で明示された日を指す場合など、用い方は会社によって異なります。
例えば、会社が「毎週日曜日を法定休日とする」と就業規則などで定めた場合、この日曜日を「指定休日」とよぶこともありますが、法律上の正式な用語ではありません。そのため、指定休日という言葉の意味や取り扱いは、各会社の就業規則や勤務制度に基づいて確認することが重要です。
1-3. 所定休日と法定休日を分ける理由
所定休日と法定休日は、そもそも定義や要件が異なるため区別されています。しかし、ほかにも両者を分けて考えておくべき理由はあります。詳しくは次の章で紹介しますが、両者では休日出勤をしたときに発生する手当や割増賃金が異なるためです。
会社にとっては法定休日に働かせるほうがコストが大きいので、区別したうえで休日出勤させる必要があります。会社側はもちろん、従業員側にも各休日の違いを理解してもらい、正しい賃金について把握してもらうことが大切です。
関連記事:法定休日と祝日の違いとは?重なる場合の処理や注意点を解説
1-4. 【労基法改正?】所定休日と法定休日の特定義務はある?
現行の労働基準法では、法定休日や所定休日を特定すること自体を明示的に義務づける規定はありません。法定休日や所定休日を特定しておかないと、意図せず36協定違反につながったり、賃金計算にミスが生じたりするおそれがあるので注意が必要です。
行政通達(昭和23年5月5日基発682号、昭和63年3月14日基発150号)では、法の趣旨に照らし、就業規則において法定休日を特定しておくことが望ましいとの考え方が示されています。具体的には、次のような方法で法定休日を定めることが考えられます。
- 毎週○曜日を法定休日とする
- シフト表で定める週1日を法定休日とする
なお、現在、新しい時代の働き方に対応するため、労働基準法の改正に関する議論がおこなわれています。その中では、法定休日の特定をより明確に求めるべきではないかといった意見が示されることもあります。
現時点で法改正が確定しているわけではありませんが、将来的な制度変更に備える意味でも、自社における法定休日と所定休日の位置づけを整理し、就業規則に明記しておくことが望ましいでしょう。
参考:労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇|厚生労働省
参考:「労働基準関係法制研究会」の報告書を公表します|厚生労働省
関連記事:労働基準法第36条に定められた36協定(時間外・休日労働)の内容や様式を解説
関連記事:2026年の労働基準法の改正は見送り?施行時期や議論中のテーマを解説
2. 所定休日や法定休日の割増賃金について

従業員にとっては法定休日と所定休日のいつ出勤しても「休日出勤」であることに変わりませんが、会社側の給与計算はどちらに該当するかで大きく異なってきます。法定休日と所定休日それぞれの割増賃金の取り扱いは次の通りです。
|
休日出勤の種類 |
法定休日 |
所定休日 |
|
付与日数 |
週1日または4週4日 |
労働契約に基づく |
|
割増賃金 |
「休日労働」の割増賃金が発生 |
法定労働時間を超えた場合には「時間外労働」の割増賃金が発生 |
|
割増率 |
休日労働:35%以上 |
時間外労働(月60時間以下):25%以上 時間外労働(月60時間超過):50%以上 |
ここからは、それぞれの割増賃金の計算のポイントを詳しく見ていきましょう。
2-1. 法定休日に出勤したときの割増賃金(休日労働)
労働基準法で義務付けられている休日は「法定休日」です。法定休日に労働させた場合、労働基準法第37条に基づき、通常の賃金に35%以上の割増率を掛けて休日手当(休日労働の割増賃金)を支払う必要があります。
例えば、時給1,500円の労働者が法定休日に10時間働いた場合、次のように休日手当は計算されます。
1,500円 × 1.35 × 10時間 = 20,250円
なお、法定休日の労働はすべて休日労働として取り扱われ、時間外労働とは別に計算されるため、時間外労働の時間数に含めないよう注意が必要です。
関連記事:休日手当とは?割増率と割増賃金の計算方法、休日手当が発生しない場合を解説
2-2. 所定休日に出勤したときの割増賃金(時間外労働または発生なし)
所定休日は法で定められた休日ではないため、休日手当は発生しません。ただし、所定休日に法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える労働をさせた場合、25%以上の時間外手当(時間外労働の割増賃金)を支払わなければなりません。なお、その月の時間外労働が60時間を超える場合は割増率が25%以上から50%以上に引き上げられる点にも注意が必要です。
例えば、月〜金で8時間ずつ勤務している会社で、土曜日(所定休日)にさらに8時間働かせた場合、週の労働時間が48時間となるため、超過分の8時間に対して時間外手当を支払う必要があります。一方で、週全体の労働時間が40時間以内に収まっている場合であれば、たとえ所定休日に8時間働かせても、割増賃金の支払い義務は発生しません。
関連記事:休日出勤は残業に含まれる?残業代・残業時間の計算方法や割増賃金の取り扱いも解説!
2-3. 所定休日・法定休日に夜勤があったら深夜労働の割増賃金も発生する
所定休日と法定休日のいずれであっても、深夜帯(22時~翌5時)に労働させた場合には、深夜労働として25%以上の割増賃金が発生します。法定休日に夜勤をさせる場合は、休日労働(35%以上)と深夜労働(25%以上)が重複するため、それぞれの割増率を加算し、60%以上の割増賃金を支払わなければなりません。
一方、所定休日に夜勤をおこなう場合、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えない範囲であれば、深夜労働分として25%以上の割増賃金を支払えば足ります。しかし、法定労働時間を超えて夜勤をさせた場合には、時間外労働と深夜労働の割増が重複して適用され、次の割増率となります。
- 時間外労働(月60時間以下)と深夜労働:50%以上
- 時間外労働(月60時間超)と深夜労働:75%以上
このように、所定休日と法定休日のいずれに夜勤が生じた場合であっても、深夜労働に対する割増率(25%以上)を加算したうえで、適切に割増賃金を計算する必要があります。
関連記事:割増賃金とは?深夜や休日の割増賃金率や計算、副業の取扱などをわかりやすく解説
3. 振替休日と代休の違い


「振替休日」と「代休」の違いは、労働者の給与計算にも関わってきます。ここを理解しておかなければ労使間のトラブルにもつながりかねません。認識があいまいな方はここで理解しておきましょう。
まず振替休日は、あらかじめ休日と定められている日を労働日とし、その代わりに他の労働日を休日とすることを指します。一方で代休は、休日出勤がおこなわれた後に、その代償として以後の特定の労働日を休みとする制度です。つまり、振替休日は「事前に休日と勤務日を入れ替えること」であり、代休は「休日勤務した代わりに休みを取ること」を意味しています。


振替休日と代休の違いは、休みを決めるタイミングと給与の計算方法の2つありますが、こちらの記事では給与の支払い方法に絞って解説します。違いを詳細まで確認したい場合は参考記事をご参照ください。
関連記事:振休(振替休日)と代休の違いとは?をわかりやすく徹底解説!
3-1. 振替休日と代休では休日出勤時の割増賃金が異なる
振替休日とは、あらかじめ定められた休日と勤務日を事前に入れ替えておく制度です。この場合、たとえ入れ替えた日がもともとの法定休日であっても、事前に振替が成立していれば休日出勤とはみなされず、35%の割増賃金(休日手当)は不要です。
ただし、振替先の休日が翌週など週をまたぐ場合、振替元の週の労働時間が40時間を超えているときは、超過時間について25%以上の時間外手当が必要となります。これは振替により「法定休日労働」は回避されていても、「時間外労働」としての割増が必要ということです。
一方、代休は、休日出勤の後の別日に休みを与える制度であり、法定休日に実際に労働させた事実は消えないため、休日手当(35%以上)は必ず支払わなければなりません。なお、代休で相殺できるのは通常賃金分のみであり、割増部分の支払い義務は残ります。
また、所定休日に出勤させた場合でも、その週の労働時間が40時間を超えると、超過分に対して25%以上の時間外手当が必要になります。逆に週内で40時間以内であれば、所定休日の労働に対する割増は不要です。正しい割増賃金を支払わないと労働基準法違反になるケースもあるので、しっかり理解しておきましょう。
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3-2. 振替休日・代休の運用でありがちなトラブル
振替休日や代休は、会社側にとっては人件費の調整や業務運営の柔軟化につながり、従業員にとっても休息を確保できる有用な制度です。ただし、制度の趣旨や法的要件を理解せずに運用すると、労働基準法違反となるリスクが高い点には注意が必要です。
例えば、今月の法定休日に出勤が予定されていることを理由に、事前に来月の労働日を休日へ入れ替える「振替休日」を設定した場合、週または4週単位でみたときに法定休日が確保されず、結果として法定休日付与義務を満たさなくなるおそれがあります。
また、今月の所定休日に出勤し、同一の賃金支払期間ではない来月に代休を取得させる運用をおこなう場合、今月分の賃金計算においては、所定休日出勤分の賃金をいったん全額支払わなければなりません。そのうえで、翌月に代休の取得が確認できた段階で、その月の賃金から控除をおこなうことになります。
このように、振替休日や代休は運用を誤ると賃金計算ミスや法令違反につながりやすい制度です。トラブルを防止するためにも、取得期限や対象となる休日の区分、賃金の取扱い方法などを、あらかじめ就業規則に明確に定めておくことが重要です。
関連記事:月またぎの振替休日とは?給与計算方法の注意点も解説!
4. 所定休日や法定休日の運用ポイント


会社が健全な仕事環境を整えるためには、休日の違いを押さえたうえで、適切に運用することが欠かせません。
ここからは、所定休日や法定休日を運用するときのポイントを見ていきましょう。
4-1. 労働基準法の要件を満たす
労働基準法に基づき、休日と労働時間の双方の要件を満たすよう、適切な勤怠管理をおこなう必要があります。なお、休日は原則として0時から24時までの暦日単位で与えなければなりません。そのため、夜勤を導入している事業者においては、休日が成立しなくならないよう、シフトの組み方に十分注意が必要です。
また、法定休日については、毎週1日付与する方法のほか、「4週に4日」の休日を与える方法(いわゆる4週4日制)を採用することも認められています。理論上は、4週間のうち月末の4日間にまとめて休日を付与することも可能です。
しかし、このような運用をおこなうと、週40時間の法定労働時間を超える勤務が発生しやすく、時間外労働が常態化するおそれがあります。労働時間規制との整合性や労働者の健康確保の観点からも、慎重な検討が求められ、望ましい勤務形態とはいえない点に注意が必要です。
参考:労働時間|厚生労働省
関連記事:夜勤明けは休みの日扱いになる?例外や有給休暇で処理できるかも解説!
4-2. 休日出勤があるときは36協定を締結する
36協定とは、1日8時間・週40時間の法定労働時間を超える時間外労働、および法定休日の出勤が発生するときに締結しなくてはいけない協定です。
正式名称は「時間外・休日労働に関する協定書(届)」ですが、労働基準法第36条に記載されている内容であるため、一般的に36協定とよばれています。
対象となる従業員が1人でもいれば協定の締結と労働基準監督署への届出が必要であり、未提出で時間外労働や休日労働をおこなわせた場合は労働基準法違反となります。とくに法定休日に労働をおこなわせる場合は、36協定の締結が不可欠であるため、事前に適切な手続きをしましょう。
関連記事:36協定の届出とは?作成の方法や変更点など基本ポイントを解説
4-3. 就業規則にルールを明記する
労働基準法では、休日の最低基準(週1回または4週4日以上の法定休日)を定めているのみで、具体的な曜日や運用方法については会社の裁量に委ねられています。そのため、自社で設定した休日の取り扱いや運用方法は、就業規則に明記し、適切に従業員に周知しておきましょう。
とくに「いつが法定休日で、いつが所定休日なのか」「休日出勤時の賃金や割増率」については、労使間での認識のズレを防ぐためにも、明示しておくことが重要です。
また、休日出勤が発生しやすい業態では、振替休日や代休の制度を設け、その取扱いを明確にしておくことも欠かせません。具体的には、申請のタイミングや取得できる時期・期限、割増賃金の取扱いなどについて、ルールを整理しておくことが求められます。
このように、休日に関する取扱いを就業規則に具体的かつ体系的に定めておくことで、判断基準が明確になり、従業員・会社双方にとって理解しやすい制度となります。その結果、将来的な労務トラブルの予防にもつながるでしょう。
4-4. 所定休日・法定休日の有給取得に注意
退職する従業員の中には、退職日までに残りの有給休暇が消化できないからと、所定休日や法定休日に有給休暇を申請してくるケースもあるようです。
本来、有給休暇は労働義務のある日に休みを取るための休暇であるので、労働義務のない所定休日や法定休日に取得することはできません。
退職までに有給休暇の取得が難しい場合には、未消化分について会社が買い取ることも可能です(※退職時の未取得分に限り買い取りは違法ではありません)。トラブルを防ぐためにも、従業員との事前の調整や明確な説明が重要となります。
関連記事:有給休暇の買い取りは違法?退職時の対応やトラブル事例を解説
5. 雇用区分・勤務形態別にみる所定休日と法定休日の取扱い


所定休日と法定休日の区別は、雇用区分や勤務形態が変わっても原則は共通ですが、制度ごとに実務上の注意点があります。
ここでは代表的な雇用区分・勤務形態ごとに、休日の考え方と押さえるべきポイントを整理します。
5-1. パートやアルバイト
パートやアルバイトなどの短時間労働者にも労働基準法は適用されます。そのため、週1日以上もしくは4週4日以上の法定休日を確保しなければなりません。
ただし、1日2時間のみ働くなど労働時間が極端に短いケースでは、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えることがなく、所定休日を設けなくても直ちに違法とはならないことがあります。ただし、労働条件の明示や働き方の実態に応じた適正な休日管理は求められます。
5-2. 管理監督者(管理職)
労働基準法第41条に基づく管理監督者には、労働時間・休日・休憩に関する規定が適用されないため、法定休日や所定休日を設けなくても違法とはなりません。
また、時間外労働および休日労働に関する割増賃金の支払い義務もありません。ただし、深夜労働(22時~5時)については割増賃金の支払いが必要です。ただし、安全配慮義務は管理監督者にも及ぶため、過重労働とならないよう、適切に休日や休息を確保する必要があります。
なお、いわゆる「管理職」であっても、すべてが労働基準法上の管理監督者に該当するわけではありません。役職名のみで判断せず、職務内容・権限・待遇等を総合的に確認することが不可欠です。
関連記事:労働時間の上限規制は管理職にもある?管理監督者との違いを理解しよう
5-3. フレックスタイム制
フレックスタイム制では、清算期間内の総労働時間を基準に労働時間管理をおこないますが、法定休日の取扱いが変わるわけではありません。そのため、法定休日に労働した場合は、フレックスタイム制であっても休日労働に該当し、割増賃金の支払いが必要です。
一方、所定休日に労働した場合は、清算期間における総労働時間に算入されます。この結果、法定労働時間の総枠を超える場合には、その超過分について時間外労働として割増賃金を支払う必要があります。
5-4. 変形労働時間制
変形労働時間制(1ヵ月単位・1年単位など)では、業務の繁閑に応じて労働時間を配分することができますが、法定休日の付与義務が免除されるわけではありません。そのため、週1日または4週4日の法定休日を確実に確保する必要があります。
事前に作成する勤務シフトの段階で、法定休日が適切に組み込まれているかを確認することが重要です。労働日や労働時間は原則として事前に特定しておく必要があり、使用者の都合による安易な事後変更は認められず、制度違反と判断されるおそれがあります。
なお、1年単位の変形労働時間制においては、連続労働日数は原則として最長6日(※特定期間を設ける場合は最長12日)までなので注意しましょう。
関連記事:変形労働時間制で従業員のシフト変更は可能?注意点を解説
5-5. 裁量労働制
裁量労働制は、労働時間の「算定方法」をみなしでおこなう制度であり、休日に関する規定まで免除されるものではありません。そのため、裁量労働制を適用している従業員であっても、法令に基づき法定休日を適切に確保する必要があります。
また、法定休日に労働させた場合には、裁量労働制におけるみなし労働時間は適用されず、その労働は休日労働として扱われます。この場合、休日労働(35%以上)の割増賃金を支払わなければなりません。
一方、法定休日ではない所定休日に労働させた場合については、労使協定において所定労働時間を労働したものとみなす定めがあれば、そのみなし時間分の賃金を支払えば足ります。所定休日の労働時間について特段の取り決めがない場合には、実際の労働時間に応じて賃金を支払う必要があります。
なお、所定休日の労働を含めた結果、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える場合には、時間外労働として25%以上の割増賃金の支払いが必要となる可能性があるため注意が必要です。
6. 所定休日と法定休日に関連するよくある質問


ここでは、所定休日と法定休日に関連するよくある質問への回答を紹介します。
6-1. 週休2日制(土日休み)の場合はどちらが所定休日?
週休2日制(土日休み)の会社においては、日曜日を「法定休日」、土曜日を「所定休日」として運用しているケースが多くあります。ただし、法定休日を特定することは法律上の義務ではなく、また日曜日を必ずしも法定休日に定める必要もありません。
なお、週休2日制(土日休み)を採用し、法定休日を特定していない状態で、暦週(日~土)の日曜日と土曜日の両方に労働があった場合には、原則として、暦週のうち後順に位置する土曜日が法定休日労働の取り扱いとなります。また、行政通達(昭和23年5月5日基発682号、昭和63年3月14日基発150号)においても、法定休日を具体的に定めることが望ましいとされています。
法定休日が特定されていない場合で、暦週(日~土)の日曜日及び土曜日の両方に労働した場合は、当該暦週において後順に位置する土曜日における労働が法定休日労働となる。4週4日の休日制を採用する事業場においては、ある休日に労働させたことにより、以後4週4日の休日が確保されなくなるときは、当該休日以後の休日労働が法定休日労働となる。
6-2. 祝日・年末年始休暇は法定休日と所定休日どっち?
祝日や年末年始は多くの企業で休日として扱われていますが、労働基準法上、これらが自動的に「法定休日」となるわけではありません。祝日や年末年始の扱いについて、法律上の明確な定めはなく、「法定休日」とするか「所定休日」とするかは企業の判断に委ねられています。
そのため、法定労働時間や法定休日の要件を満たしていれば、祝日や年末年始に従業員を出勤させること自体は可能です。ただし、1日8時間勤務の場合には、週の法定労働時間(40時間)を超えないよう、労働日の配置や休日の設定を適切に調整する必要があります。
実務上は、従業員の希望や業務の繁閑を踏まえながら、祝日や年末年始、または夏季・冬季など業務量が比較的少ない時期に所定休日を設定するなど、バランスの取れた運用をおこなうことが望ましいでしょう。
関連記事:休日・休暇とは?違いや種類・賃金の注意点など勤怠管理のポイントを解説
6-3. シフト制の場合の所定休日と法定休日の考え方は?
シフト制の職場では、各従業員の勤務日や休日を事前に決める必要があるため、所定休日および法定休日はシフト表に基づいて設定するのが一般的です。とくに1週間単位ではなく4週間を通じて4日以上の休日を確保する「変形休日制」を導入する場合には、労働基準法施行規則第12条の2に基づき、あらかじめ4週間の起算日を就業規則などで明確に定めておくことが義務付けられています。これを怠ると、法定休日が適切に確保されていないと判断される可能性があるため十分に注意が必要です。
7. 所定休日と法定休日の違いや割増率を理解して適切に運用しよう


法定休日とは、労働基準法第35条に基づき、原則として週1日、例外として4週4日以上の休日を与える必要があると定められた休日です。一方、所定休日は会社が独自に設定できる休日であり、法定休日を上回る日数を休日として運用する際に用いられます。両者では法律上の取り扱いや割増賃金の計算が異なるため、明確に区別して運用することが重要です。
法定休日の要件を満たしていれば、所定休日の設定は会社の裁量に任されますが、就業規則などで明示し、従業員に周知する必要があります。労働者の健康やワークライフバランスにも配慮しながら、業務内容に応じた適切な休日管理をおこないましょう。



人事担当者の皆さまは、労働基準法における休日・休暇のルールを詳細に理解していますか?
従業員に休日労働をさせた場合、代休や振休はどのように取得させれば良いのか、割増賃金の計算はどのようにおこなうのかなど、休日労働に関して発生する対応は案外複雑です。
そこで当サイトでは、労働基準法にて定められている内容をもとに、振休や代休など休日を取得させる際のルールを徹底解説した資料を無料で配布しております。
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