【2026年4月施行】在職老齢年金とは?法改正の内容や計算方法を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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【2026年4月施行】在職老齢年金とは?法改正の内容や計算方法を解説

年金と貯金箱

在職老齢年金は、年金を受け取りながら働く従業員に関係する制度です。仕組みが複雑なうえに2026年4月から制度の変更もあり、すべての内容を把握できている人事担当者は少ないのではないでしょうか。

本記事では、在職老齢年金の基本的な仕組みや法改正の内容、計算方法をわかりやすく解説します。制度を正しく理解し、法改正への対応を進めるためにもぜひご覧ください。

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1. 在職老齢年金とは

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在職老齢年金は、年金と収入の合計額が一定以上の場合に、年金の受取額が調整される制度です。最初に対象者や全体像を押さえましょう。

1-1. 在職老齢年金の対象者

在職老齢年金は、次の条件を満たす従業員が対象者です。

  • 老齢厚生年金を受給している
  • 厚生年金の適用事業所で働いている
  • 厚生年金保険の被保険者である(70歳未満の場合)

年金を受け取っていても、厚生年金保険の被保険者に該当しない人や、自営業やフリーランスとして働いている人は対象外です。

年金が受け取れるのは原則として65歳からですが、60歳以上65歳未満の従業員でも、次に該当する場合は年金を受け取っているため、在職老齢年金の対象となります。

  • 特別支給の老齢厚生年金の受給権者
  • 年金の繰上げ受給をおこなう人

特別支給の老齢厚生年金とは、一定の生年月日に該当する場合に、老齢厚生年金の一部を65歳以前から受給できる仕組みです。男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前に生まれた人が対象で、生年月日に応じて受給開始年齢が決まります。

年金の繰上げ受給は、年金を65歳よりも前倒しで受け取る制度です。繰り上げた月数に応じて、年金が減額されて支給されます。

なお、厚生年金保険の被保険者資格は70歳になると喪失しますが、適用事業所で働いている場合は在職老齢年金の対象になるため注意しましょう。

参考:60歳以降も引き続き勤めます。勤めていても年金は受けられますか。|日本年金機構

参考:特別支給の老齢厚生年金|日本年金機構

1-2. 年金が支給停止になる仕組み

在職老齢年金は、働いている人が老齢厚生年金を受け取っている場合、年金の受取額が調整される制度です。次の計算式で算出された額が停止されます。

(総報酬月額相当額 + 基本月額 − 支給停止調整額)÷ 2

  • 総報酬月額相当額:標準報酬月額(※1)と1年間の(※2)標準賞与額を12で割った額を足した金額。
  • 基本月額:老齢厚生年金の年額を12で割った額。
  • 支給停止調整額:51万円(2026年4月以降分からは65万円)

つまり、老齢厚生年金と年収(厳密には給与や賞与に基づき算出された額)の合計が支給停止調整額を超えると、超えた分の半額だけ毎月の年金受け取り額が減ります。計算や減額の対象となるのは老齢厚生年金のみで、老齢基礎年金には影響がありません。

なお、以前は65歳未満と65歳以降で支給停止調整額が異なっていましたが、現在は統一されています。

(※1)標準報酬月額:厚生年金の保険料や年金額の基準となる額です。毎月の給与の額に基づいて従業員ごとに設定されます。

(※2)標準賞与額:賞与(ボーナス)の1,000円未満を切り捨てた額です。

関連記事:標準報酬月額とは?調べ方や社会保険料の算出方法について解説

2. 【2026年4月施行】在職老齢年金の見直し内容

はてなと虫眼鏡

2026年4月から、在職老齢年金には新しいルールが適用されます。法改正の内容や影響を確認しましょう。

2-1. 支給停止調整額の引き上げ

2026年4月から支給停止調整額が65万円へ引き上げられます。

支給停止調整額とは、年金の受け取りが減額される基準となる額です。年金の月額と年収を12で割った額が支給停止調整額を超えた場合に、年金の受取額が調整されます。

2026年3月までの支給停止調整額は51万円ですが、2026年4月からは65万円に引き上げられる予定です。

参考:働きながら年金を受給する皆さま 在職老齢年金制度が改正されます|厚生労働省

2-2. 見直しによる年金額への影響

支給停止調整額が引き上げられると、在職老齢年金により年金の受取額が減る従業員が少なくなる可能性があります。

現行の在職老齢年金では、年金が減額される基準は月額51万円です。改正によって支給停止調整額が引き上げられると、年金と収入の合計が65万円を超えるまでは在職老齢年金の影響を受けなくなり、年金を満額受け取れます。

年金への影響を懸念し意図的に働き控えをするシニア世代が減り、今よりも長く働きたいと考える従業員が増えるでしょう。

2-3. 改正の背景

在職老齢年金が改正された背景には、少子高齢化による労働力不足があります。少子高齢化が進む現代の日本では、20代から50代のいわゆる働き盛り世代の人口は減少傾向です。働き手不足を解消するには、シニア世代の活用が今後ますます重要といわれています。

一方で、在職老齢年金は働いて収入が増えるほど、受け取れる年金が減る仕組みとなっているため、高齢者の働く意欲を削ぐ原因となっています。

今回の改正によって、在職老齢年金の影響を減らし、高齢者の就労意欲を促す効果が期待されています。

3. 在職老齢年金の計算方法

電卓

シニア世代の従業員が在職老齢年金に関して最も気になるのは「自分の年金の受け取り額が減る可能性があるか」です。質問を受けた場合に答えられるよう、計算方法の全体像を押さえましょう。

在職老齢年金の計算方法を、次のモデルケースをもとに解説します。

老齢厚生年金1月分(基本月額):15万円
標準報酬月額:36万円
標準賞与額(年間の合計):120万円

3-1. 対象者の「基本月額」と「総報酬月額相当額」を算出する

基本月額とは、従業員が受け取る老齢厚生年金の月額で、今回の場合は15万円です。

総報酬月額相当額は、標準報酬月額と、標準賞与額を12で割った額を合計して算出します。

基本月額:15万円

総報酬月額相当額:36万円 + 120万円 ÷ 12 = 46万円

3-2. 基本月額と総報酬月額相当額の合計から支給停止調整額を引く

続いて、基本月額と総報酬月額相当額の合計から、支給停止調整額を引きます。支給停止調整額は2026年3月分までは51万円、2026年4月分以降は65万円です。

2026年3月分まで:15万円 + 46万円 – 51万円 = 10万円

2026年4月分以降:15万円 + 46万円 – 65万円 = -4万円 < 0

3-3. 計算結果が0より大きい場合は半額を年金額から引く

計算した結果が0より大きい場合、算出した額の半額の年金が支給停止されます。0円以下の場合は年金の支給停止はなく、満額が支給されます。

支給停止される年金

2026年3月分まで:10万円 ÷ 2 = 5万円

2026年4月分以降:0円以下のため支給停止なし

今回の例の場合、2026年3月分までの老齢厚生年金は月額5万円が支給停止されますが、2026年4月分以降は支給停止はありません。年間で60万円の差と考えると、大きな改正であることがわかります。

4. 法改正を踏まえた企業に必要な対応

貯金箱

在職老齢年金は仕組みが複雑で理解しにくいものの、受け取れる年金額に大きく関係する制度のため、影響を気にする従業員が多くいます。人事担当として押さえておくべき対応を3点解説します。

4-1. 制度概要や改正内容の案内

在職老齢年金の対象となる従業員に、制度の概要や法改正の内容を案内しましょう。全体像を簡潔に説明するだけでも、1から説明する手間を減らせます。

65歳間近で年金の受給が始まる従業員や、70歳になり厚生年金保険の資格を喪失する従業員を中心に影響を案内するとよいでしょう。

4-2. 従業員からの質問への対応準備

概要を案内した場合でも、従業員から個別に質問を受ける可能性はあります。想定質問に対する回答を事前に準備しておきましょう。

想定質問 回答
年金が増えるか確認してほしい 在職老齢年金の仕組みを説明し、具体的な計算は自身でおこなうか、年金事務所へ確認するよう案内する
年金の受け取り方法 年金請求書と必要書類を年金機構へ提出する
在職老齢年金に関する手続き 従業員自身がおこなう手続きは特にない

正確な年金額は従業員の給与に関する情報のほか、加入実績やほかに受け取っている年金の有無によって変わります。人事担当者としては影響額の算出まではせず、概要の案内に留めるのが現実的な対応です。

4-3. 高年齢再雇用制度の見直し

高年齢再雇用制度の見直しも重要です。法改正で支給停止調整額が引き上げられると、在職老齢年金の影響を気にせずに働けるシニア世代が増えると考えられます。年金の受取額を考慮して意図的に就労制限をしている従業員が、フルタイムで働きたいと申し出る可能性もあるでしょう。

支給停止調整額の引き上げは、企業にとってもシニア世代の労働力を有効活用するチャンスです。シニア世代がより働きやすくなり、人手不足の解消につながるよう、自社の再雇用制度を見直しましょう。

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現状の高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用確保が企業に義務付けられています。

令和6年度高年齢者雇用状況等報告」によると、高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%で、ほぼすべての企業で導入済みです。

在職老齢年金の影響が少なくなると、65歳を超えても働き続けようとする従業員が増えると予想されます。現状、70歳までの就業機会の確保は努力義務に留まりますが、今後法改正があるかもしれません。企業の実情に合わせて、今のうちからシニア世代活用の準備を進めましょう。

解説:社会保険労務士

5. 在職老齢年金を理解して正しく従業員に説明しよう

年金手帳

本記事では、在職老齢年金の基本的な仕組みや法改正の内容、計算方法を詳しく解説しました。

在職老齢年金は、高齢者が働いている場合に年金が調整される可能性のある制度です。シニア世代のライフプランに与える影響が大きいものの、仕組みや計算方法が複雑で、多くの人にとって正確に理解するのは難しいでしょう。

高齢者の就労意欲を促進するためにも、正しく従業員に説明できるよう、法改正も含めた全体像を正確に押さえましょう。

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労務担当者の実務の中で、給与計算は出勤簿を基に正確な計算が求められる一方で、Excelからの手入力や別システムからのデータ共有の際、毎月のミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
さらに、昇格や人事異動に伴う給与体系の変更や、給与計算に関連する法令改正があった場合、更新すべき情報も多く、管理方法とメンテナンスにお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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  • 勤怠データをワンクリックで取り込めるため、勤怠の締めから給与計算までをスムーズに自動化できる

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