標準報酬月額とは?決定時期・変更するタイミングと社会保険料の算出方法について解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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標準報酬月額とは?決定時期・変更するタイミングと社会保険料の算出方法について解説

ハートが描かれたブロック

標準報酬月額とは、社会保険料の算出を簡単にするため、社員の月々の給料を一定範囲に分けて区分した値をいいます。社会保険料の算出の基礎になるものが標準報酬月額です。

しかし「標準報酬月額を用いた社会保険料の計算方法がよくわからない」と、お悩みの方もいるでしょう。

そこで本記事では、標準報酬月額の概要と決定時期・変更するタイミングについて解説します。社会保険料の算出方法も紹介しているので、標準報酬月額について深く理解したい方はぜひ最後までお読みください。

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給与計算は間違いが許されない、確認作業が何回も必要な業務です。 また、給与明細の発行や、封入作業、郵送作業など従業員一人ひとりに対しての対応に手間がかかっている方も多いのではないでしょうか。

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1. 標準報酬月額とは

必要なお金を計算する

標準報酬月額とは、社会保険料の計算を簡単にするため、社員の月々の給料を一定範囲に分けて区分したものです。健康保険と厚生年金では、以下のように等級の範囲が異なります。

  • 健康保険:1等級(5万8,000円)〜50等級(139万円)
  • 厚生年金:1等級(8万8,000円)〜32等級(65万円)

標準報酬月額は、全国健康保険協会が年ごとに公開している「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」の値を参考にしてください。

例として、以下に東京都の令和6年3月からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表を参考にした標準報酬月額の一部を記載しています。

標準報酬 報酬月額

以上~未満

等級 月額
1 5万8,000円 6万3,000円
2 6万8,000円 6万3,000円~7万3,000円
3 7万8,000円 7万3,000円~8万3,000円
4(厚生年金1等級) 8万8,000円 8万3,000円~9万3,000円
5 9万8,000円 9万3,000円~10万1,000円
6 10万4,000円 10万1,000円~10万7,000円
7 11万円 10万7,000円~11万4,000円
8 11万8,000円 11万4,000円~12万2,000円
9 12万6,000円 12万2,000円~13万円
10 13万4,000円 13万円~13万8,000円
11 14万2,000円 13万8,000円~14万6,000円
12 15万円 14万6,000円~15万5,000円
13 16万円 15万5,000円~16万5,000円
14 17万円 16万5,000円~17万5,000円
15 18万円 17万5,000円~18万5,000円
16 19万円 18万5,000円~19万5,000円
17 20万円 19万5,000円~21万円
18 22万円 21万円~23万円
19 24万円 23万円~25万円
20 26万円 25万円~27万円
21 28万円 27万円~29万円
22 30万円 29万円~31万円
23 32万円 31万円~33万円
24 34万円 33万円~35万円
25 36万円 35万円~37万円
26 38万円 37万円~39万5,000円
27 41万円 39万5,000円~42万5,000円
28 44万円 42万5,000円~45万5,000円
29 47万円 45万5,000円~48万5,000円
30 50万円 48万5,000円~51万5,000円
31 53万円 51万5,000円~54万5,000円
32 56万円 54万5,000円~57万5,000円
33 59万円 57万5,000円~60万5,000円
34 62万円 60万5,000円~63万5,000円
35(厚生年金32等級) 65万円 63万5,000円~66万5,000円
50 139万円 135万5,000円以上

参照:令和6年度保険料額表 令和6年3月分から|全国健康保険協会

それぞれの等級に対して標準報酬月額が設定されており、健康保険や厚生年金などの社会保険料を算出可能です。

標準報酬月額を用いれば、残業代などにより月々の給与が変動しても控除する保険料が一定になります。社員の保険料の把握が簡単になるでしょう。

2. 標準報酬月額に該当するものとしないもの

女性

標準報酬月額に該当するものとしないものは以下のとおりです。

区分 該当するもの 該当しないもの
お金で支給されるもの ・基本給(日給・週休・月給)

・年4回以上支給される賞与

・残業代

・住宅手当

・通勤手当

・休職手当

・役付手当など

・見舞金

・交際費

・慶弔費

・退職手当

・傷病手当金

・年3回まで支給される賞与

・年金など

現物で支給されるもの ・通勤定期券

・食事代や食券

・社宅や社員寮

・食事(自身の負担額が現物給与の価額の2/3以上のケース)

・制服や作業服

参照:算定基礎届の記入・提出のガイドブック令和5年度|日本年金機構

標準報酬月額に該当する報酬は、給料だけに限りません。通勤の際に使う定期券など、労働の代わりとして支給されている現物も報酬に含まれます

しかし、一般的に月々に受け取ることがない交際費や慶弔費などの一時的な手当は、報酬に含まれないため、注意が必要です。

賞与の場合は、年に3回以下であれば一時的な報酬とみなされ、標準報酬月額に該当しません。もし会社として、年に4回の賞与を支給している場合は報酬に含まれるので、計算する際に注意が必要です。

3. 標準報酬月額の決定時期・変更するタイミング3選

イラスト

標準報酬月額の決定時期・変更するタイミングは、以下のとおりです。

  1. 年に1度の定時決定
  2. 随時改定
  3. 資格取得時

標準報酬月額を活用したい方は、ぜひ参考にしてください。

3-1. 年に1度の定時決定

標準報酬月額を決定するタイミングとして、定時決定があります。定時決定とは、毎年4〜6月までの3ヵ月間の賃金をもとに、年に1度だけ標準報酬月額を見直すタイミングのことです

7月1日時点で在籍している社員を対象に手続きを実施して、新しい標準報酬月額へ変更するためにおこないます。新たな標準報酬月額は、変更した年の9月から次の年の8月まで有効です。

ただし、4〜6月までの3ヵ月間はそれぞれの月で17日以上の報酬支払基礎日数が必要になります。報酬支払基礎日数が基準を満たしていなければ、新しい標準報酬月額に変更できません。これまでの標準報酬月額が引き続き適用されます。

参照:定時決定(算定基礎届)|日本年金機構

3-2. 随時改定

標準報酬月額は、随時改定で変更する場合があります。随時改定とは、定時決定以外の期間に、大幅な報酬額の変動があった際におこなう標準報酬月額決定の手続きのことです

随時改定を実施する際は、以下の3つの条件を満たされなければなりません。

  • 固定的賃金が変動した場合
  • 変動月からの3ヵ月間に支給された報酬の平均月額に該当する標準報酬月額とこれまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた場合
  • 変動があった3ヵ月の各月の報酬支払基礎日数がそれぞれ17日以上ある場合

しかし、3ヵ月の平均報酬から算出した標準報酬月額がこれまでよりも下がる場合は、随時改定に該当しないので注意しましょう。例えば、基本給が上がっても残業代が減ったことにより給料が下がるなどです。

参照:随時改定(月額変更届)|日本年金機構

3-3. 資格取得時

標準報酬月額を決定するタイミングとして、社会保険に加入するときがあります。新入社員が入社して社会保険に加入する際は「被保険者資格取得届」の提出が必要です。

雇用開始日から5日以内に管轄の年金事務所もしくは事務センターに提出しなければなりません。

標準報酬月額の適用期間は、以下のように入社した月で異なります。

  • 1〜5月末までに資格を取得したケース:同じ年の8月まで
  • 6〜12月までに資格を取得したケース:次の年の8月まで

入社条件として提示した給与や雇用契約書に記載されている報酬をもとに、標準報酬月額が決定します。

参照:資格取得時の決定|日本年金機構

4. 標準報酬月額に則った社会保険料の計算方法

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標準報酬月額に則った以下の社会保険料の計算方法を以下の流れで解説します。

  • 健康保険料の計算方法
  • 厚生年金保険料の計算方法

社会保険料を算出する際は、ぜひ参考にしてください。

4-1. 健康保険料の計算方法

標準報酬月額に則った健康保険料の計算方法は、以下のとおりです。

健康保険料=標準報酬月額×健康保険料率÷2

健康保険料率は各都道府県によって異なるので、算出する際には要注意です。今回は令和6年度の東京都の9.98%※を例に、標準報酬月額が25万円のケースでの健康保険料を求めました。

25万円×9.98%÷2=1万2,475円

標準報酬月額が25万円の場合は、会社が支払う健康保険料は12,475円です。

参照:令和6年3月分~適用 ・厚生年金保険料率|全国健康保険協会

4-2. 厚生年金保険料の計算方法

標準報酬月額に則った厚生年金保険料の計算方法は、以下のとおりです。

厚生年金保険料=標準報酬月額×厚生年金保険料率÷2

令和6年の厚生年金保険料は、全国一律で18.3%※です。例えば、標準報酬月額を25万円としたときの、厚生年金保険料は以下の計算式で求められます。

25万円×18.3%÷2=2万2,875円

標準報酬月額が25万円の場合、会社が負担する金額は2万2,875円です。

令和6年3月分~ 適用 ・厚生年金保険料率|全国健康保険協会

5. 標準報酬月額の手続きは正しく実施しよう

リスキングとリカレント教育の違い

社会保険料の計算を簡単にするため、社員の月々の給料を一定範囲に分けて区分した値が標準報酬月額です

健康保険で50等級、厚生年金で32等級と等級の範囲が異なるため、計算する際は注意しなければなりません。

また標準報酬月額の報酬として、該当するものとしないものがあります。金銭だけでなく現物支給で該当する場合もあるため、要注意です。

標準報酬月額の手続きを正しく実施して、正確な社会保険料を求めましょう。

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OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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