産後パパ育休とは?育児休業との違いや申請方法、給付金について解説
更新日: 2026.2.26 公開日: 2024.10.14 jinjer Blog 編集部

「産後パパ育休を取得させたいが、育児休業との違いがわからない」
「男性従業員にも育休を促進したいが、制度の活用方法が不安」
そのようなお悩みはないでしょうか。
産後パパ育休(出生時育児休業)は、2022年に新設された育休制度で、子の出生後8週間以内に最大4週間の育児休業を取得できる仕組みです。しかし、詳しい内容や育児休業との違いが十分に理解されていないケースも少なくありません。
本記事では、産後パパ育休の概要や取得対象、育児休業やパパ・ママ育休プラスとの違いをわかりやすく解説します。申請方法や給付金、導入・運用のポイントにいたるまで丁寧に説明します。男性従業員の育休取得を後押しするために、ぜひお役立てください。
4月から施行された育児・介護休業法の改正では、子の看護休暇の拡大をはじめ、子の年齢に応じた柔軟な働き方への措置などが取り入れられました。
これによって、企業側にも柔軟な働き方の実現に向けた対応が強く求められます。そのため、人事労務担当者は特に改正ポイントを正しく理解しておくべきです。
しかし、「結局何をどう整備すればいいのか分からない」「うちの就業規則、今のままで大丈夫?」と悩む人事・労務担当者も多いのではないでしょうか。
そんな方に向けて、当サイトでは改正箇所をわかりやすく図解し、出産前から年齢別に利用できる制度をまとめた資料を無料配布しています。
制度を“知っている”だけで終わらせず、“対応できる”企業になるために。ぜひこちらから資料をダウンロードの上、法改正への備えにお役立てください。
1. 産後パパ育休(出生時育児休業)とは


産後パパ育休(正式名称:出生時(しゅっしょうじ)育児休業)とは、子の出生後8週間以内の期間で、父親が最大4週間の休業を取得できる育休制度です。2022年10月に創設された育児支援制度で、従来の「育児休業」とは別で取得ができます。
大きな特徴は、2回まで分割して取得できる点と、休業中であっても労使協定に基づいて一部就業が認められる点です。業務への影響を抑えながらも、出産直後のサポートが必要なタイミングで父親が休みを取りやすくなる、柔軟性の高い制度です。
関連記事:男性の育児休暇とは?取得条件や期間、法改正について詳しく解説
1-1. 産後パパ育休の対象者
産後パパ育休の対象者は、子の出生後8週間以内に休業を希望する従業員です。主に男性の取得を想定した制度ですが、養子縁組や里親制度などの要件を満たす場合は、女性も対象となります。
また、正社員だけでなく、一定の要件を満たす契約社員やパート・アルバイトも対象ですが、役員は対象外です。
具体的には、次のすべての要件を満たす必要があります。
- 子の出生後、8週間以内の期間で休業すること
- 有期雇用の従業員の場合、「子の出生後8週間経過する翌日から6ヵ月以内」に雇用契約が終了することが明らかでないこと
参考:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第九条の二|e-Gov法令検索
なお、労使協定を締結すると、次の3点のいずれかに該当する従業員を産後パパ育休の対象外とすることが可能です。
- 入社1年未満の従業員
- 申出の日から8週間以内に労働契約が終了することが明らかな従業員
- 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員
1-2. 産後パパ育休の利用回数と利用期間
産後パパ育休の取得可能日数は、最大で4週間(28日間)です。出産予定日と実際の出生日の関係によって取得可能期間は変動しますが、取得可能日数が「最大4週間(28日間)」である点は変動しないため、注意しましょう。
「子の出生後、8週間以内の期間」に取得する必要がありますが、この期間は出産予定日と出生日の関係によって変動します。
- 出産予定日どおりに出生した場合(出生日=出産予定日)
→ 出生日から起算して8週間を経過する日の翌日まで - 出産予定日より前に出生した場合(早産)
→ 出生日から、出産予定日から起算して8週間を経過する日の翌日まで - 出産予定日より後に出生した場合(予定日超過)
→ 出産予定日から、出生日から起算して8週間を経過する日の翌日まで
申請期限は、原則として「休業開始予定日の2週間前まで」とされており、従来の育児休業(原則1ヵ月前までの申出)と比べて、申請期限が短くなっています。ただし、雇用環境整備など、法令を上回る取り組みに関する労使協定の締結によって、申出期限を「最長1ヵ月前まで」延長することも可能です。
産後パパ育休は、取得可能日数の範囲内であれば、まとめての取得だけでなく、最大2回までの分割取得も認められています。ただし、分割取得を希望する場合は、最初の申請時にまとめて申し出る必要があります。まとめての申請がなかった場合、2回目の取得は、企業が拒否することも可能です。


1-3. 産後パパ育休中の就業可否
産後パパ育休中は、労使協定で「休業中の就業を認める」と定めている場合に限り、従業員が申し出ることで休業期間中に一部就業できます。就業を希望する従業員には、休業開始予定日の前日までに「就業可能日」と「就業可能時間帯」などを記載した書面を提出させ、就業日時などを合意する必要があります。
休業中の就業日数、労働時間数には上限があります。
- 休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分以下
- 休業開始・終了予定日を就業日とする場合は、当該日の所定労働時間数未満
例:
1日8時間、1週間の所定労働日が5日の従業員
産後パパ育休2週間・休業期間中の所定労働日10日・休業期間中の所定労働時間80時間の場合
⇒就業日数上限5日、就業時間上限40時間、休業開始・終了予定日の就業は8時間未満
2. 産後パパ育休が創設された背景と取得促進の制度


次に、産後パパ育休が創設された背景と、男性の育児休業取得を促進する関連制度について解説します。これらの施策は少子化対策のため、男性が育児に参画しやすい環境づくりを後押ししています。
2-1. 男性の育児休業の取得状況
政府は、男性の育児休業取得率を2025年までに50%、2030年までに85%へ引き上げるという目標を掲げています。
日本における男性の育児休業取得率は長らく低水準でしたが、近年は法改正や意識変化を背景に大きく向上しています。厚生労働省「令和6年度 雇用均等基本調査」によれば、男性の育休取得率は過去最高の40.5%に達しました。
しかし依然として女性の取得率(同調査で86.6%)に比べると開きがあり、特に中小企業では男性が育休を取りにくい風土も残っています。
2025年には、育児・介護休業法が改正されました。企業としては、引き続き制度の存在を周知し、職場全体で取得を後押しすることが重要でしょう。
参考:令和5年度育児休業取得率の調査結果公表、改正育児・介護休業法等の概要について|厚生労働省
2-2. 男性育休取得状況の公表義務
男性の育児休業取得促進策の一つとして、取得状況の公表義務が段階的に導入されました。2023年4月1日施行の育児・介護休業法改正により、まず従業員1,000人超の企業に対して男性育休取得率等の年1回の公表が義務化されました。続いて2025年4月以降は、この義務が従業員300人を超える企業まで拡大されています。
【男性育休取得率の計算方法】
引用:2025年4月から、男性労働者の育児休業取得率等の公表が 従業員が300人超1,000人以下の企業にも義務化されます|厚生労働省 都道府県労働局
2-3. 出生後休業支援給付金の創設
政府は男性の出産直後の育休をさらに後押しするため、「出生後休業支援給付金」という新たな給付制度を創設しました。
2025年4月から開始された制度で、共働き夫婦がともに育児休業を取得する場合に適用されます。具体的には父母それぞれ通算14日以上育児休業を取得した場合に、最大28日間、通常の育児休業給付金に加えて賃金日額の13%相当を上乗せして支給するものです。
育児休業給付金および出生後休業支援給付金はいずれも非課税で、育休中は社会保険料も免除されるため、手取りベースでほぼ100%相当の収入が確保できる仕組みです(支給額には上限があります)。
3. 産後パパ育休中の給付金と社会保険料


産後パパ育休中も、一定の収入保障や社会保険料の優遇があります。主に次の2点がポイントです。
3-1. 出生時育児休業給付金・出生後休業支援給付金の支給
産後パパ育休を取得した場合、雇用保険から「出生時育児休業給付金」が支給されます。従来の育児休業給付金と同様で、支給対象となるためには、「1-1. 産後パパ育休の対象者」の要件に加えて、次の条件を満たす必要があります。
- 休業前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12ヵ月以上あること
- 休業中に賃金が支払われていない、もしくは80%未満であること
【支給額】
休業開始時賃金日額×支給日数×67%
【手続き方法】
「出生時育児休業給付金支給申請書」をハローワークに提出
3-2. 社会保険料が免除になる場合
次のいずれかの要件を満たすときに給与の社会保険料が免除になります。
- 社会保険料の対象月となる末日が産後パパ育休中であるとき
- 同一月内に産後パパ育休を取得・復職する場合は、休業日数が14日以上のとき
ただし、賞与の社会保険料の免除要件は、次のとおりです。
- 賞与月の最終日を含んで連続1ヵ月を超える育休を取得するとき
産後パパ育休は最大28日間のため、賞与の社会保険料は免除にはなりません。ただし、産後パパ育休から続けて育児休業を取得することで、連続1ヵ月を超える場合には、賞与にかかる社会保険料も免除となります。
関連記事:産後パパ育休の社会保険料は免除される?給与・賞与の条件と手続き方法を解説
4. ほかの育休制度との違い


産後パパ育休は従来からある通常の育児休業制度と併用可能ですが、仕組みや条件にいくつか違いがあります。ここでは通常の育児休業およびパパ・ママ育休プラスと産後パパ育休の違いを整理します。それぞれの制度を上手に使い分けて、家庭の状況に応じた柔軟な育児休業取得を実現しましょう。
4-1. 育児休業との違い
産後パパ育休と育児休業は、どちらも従業員が併用して取得できる制度です。主な違いは次のとおりです。
| 産後パパ育休 | 育児休業 | |
| 期間・日数 | 子の出生後8週間以内に、最大で4週間(28日間)まで | 子が1歳に達する日まで
※一定の要件を満たせば最大2歳まで |
| 申請期限 | 休業開始2週間前まで
※労使協定締結で1ヵ月前まで延長可能 |
休業開始1ヵ月前まで
※1歳6ヵ月、2歳までの育休は2週間前まで |
| 分割取得 | 2回まで分割可能(最初にまとめて申請が必要) | 2回まで分割可能(それぞれで申請が可能) |
| 育休中の就業 | 労使協定締結で就業可能 | 原則、就業不可 |
産後パパ育休と育児休業を組み合わせることで、父親と母親の両方が協力して育児しやすくなるでしょう。
なお、次のような場合は、無理に産後パパ育休を使わず最初から通常の育児休業だけを取得する選択もあり得ます。
- 男性従業員が子の誕生後すぐから数ヵ月以上の連続休業を計画している場合
- 子の出産予定日・出生日付近に特に長期休業の希望がなく、有給休暇や企業独自の特別休暇の取得などで対応できる場合
関連記事:「産後パパ育休」と「育休」は併用できる?知っておきたい制度のポイントと実務対応
4-2. パパ・ママ育休プラスとの違い
パパ・ママ育休プラスとは、両親がともに育児休業を取得する場合に、通常は子が1歳になるまでの育児休業期間を「1歳2ヵ月まで」に延長できる制度です。
パパ・ママ育休プラスの利用には次の条件があります。
- 子が1歳に達するまでに配偶者が育児休業を取得していること
- 本人(パパ、もしくはママ)の育児休業開始予定日が子の1歳の誕生日以前であること
- 本人の育児休業開始予定日が配偶者の育児休業の初日以降であること
産後パパ育休は出生直後に父親が取得するものですが、パパ・ママ育休プラスは父親と母親が育児休業のタイミングをずらすことで休業期間を延長できる制度です。
5. 【人事・労務担当者】産後パパ育休の導入方法


産後パパ育休の導入にあたり、人事・労務担当者は次の対応が求められます。
- 就業規則・労使協定の改定
- 社内申請様式の整備
- 従業員に取得意向を確認
- 出生時育児休業給付金・出生後休業支援給付金の申請
- 社会保険料の免除を申請
- 男性育休取得状況の公表
適切に整備・運用して、従業員が安心して制度を利用できる環境を整えましょう。
5‑1. 就業規則・労使協定の改定
産後パパ育休を導入する場合、まずは就業規則への記載が必要です。主に次の事項を記載します。
- 産後パパ育休の対象者
- 申出の手続および申出期限
- 申出の撤回と通知
- 取得可能期間・回数
- 休業中の就業 ※認める場合
- 賃金支給の有無・条件など
また、次のケースでは、労使協定の締結が必要です。合わせて対応しましょう。
- 産後パパ育休の適用除外者を設ける場合
- 産後パパ育休の申請期限を最大1ヵ月まで延長する場合
- 産後パパ育休の休業中の就業を認める場合
就業規則の改定後は、労働基準監督署への届出と合わせて、全従業員に変更内容を周知しましょう。
5‑2. 社内申請様式の整備
従業員が産後パパ育休を申し出る際の社内申請書様式も準備しておきましょう。申出書には、休業開始・終了予定日や取得回数(分割回数)、配偶者の出産予定日・出生日、休業中の就業希望の有無など必要事項を盛り込むとよいでしょう。
厚生労働省のサイトに、ダウンロードして使えるWordの社内様式例があるので、参考にしてください。
5‑3. 従業員に取得意向を確認
男性従業員から配偶者の妊娠・出産の申出を受けた場合、産後パパ育休の制度の存在と内容を説明し、取得意向を確かめましょう。従業員が取得を希望する場合は、あわせて次の事項も確認するとスムーズな休業・復職を促せます。
- 出産予定日
- 産後パパ育休の取得予定期間
- 休業中の就業予定 ※認める場合
- 通常の育児休業の取得有無・予定期間
- 業務の引き継ぎ内容
- 復職後の働き方の希望
- 休業や復職にあたり現時点で周囲に配慮してほしいこと
特に、復職後の働き方や配慮事項は、子どもの成長とともに変化する可能性があります。必要に応じて上司との定期的な面談を設けるなど、子育てと仕事の両立がしやすいようサポートするとよいでしょう。
5‑4. 出生時育児休業給付金・出生後休業支援給付金の申請
従業員が産後パパ育休を取得する場合、企業は「出生時育児休業給付金」の申請手続をおこないます。申請はハローワークへの提出となり、次の書類が必要です。
- 育児休業給付受給資格確認票・出生時育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
- 出産日および出産予定日が確認できるもの(母子手帳のコピーなど)
- 出生時育児休業申出書のコピー
- 支給対象期間を含む賃金台帳
- 支給対象期間を含む出勤簿
申請ミスがあると給付が遅れる可能性があるため、早めの準備・チェックが重要です。
5‑5. 社会保険料の免除を申請
育休中は、一定の要件を満たせば、健康保険・厚生年金の社会保険料が免除されます。産後パパ育休中に免除が適用されるのは、次のケースです。
- 月末時点で産後パパ育休中である
- 同一月内で14日以上産後パパ育休を取得している
なお、産後パパ育休と連続して1ヵ月を超える育休を取得する場合は、賞与も社会保険料免除の対象になる可能性があります。
【届出様式】健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書
【届出先】管轄の年金事務所または事務センター ※健康保険組合加入の企業は、健康保険組合への提出も必要
【届出方法】郵送または管轄の年金事務所へ持参、電子申請
なお、予定より早く復職する場合、「育児休業等取得者終了届」の提出が別途必要です。
5‑6. 男性育休取得状況の公表
従業員が300人を超える企業では、男性従業員の育児休業取得状況の公表が義務づけられています。公表内容は、次のいずれかの割合です。
- 育児休業をした男性従業員数÷配偶者が出産した男性従業員数
- (育児休業をした男性従業員数+小学校入学前のこの育児目的休暇を利用した男性従業員数)÷配偶者が出産した男性従業員数
上記の数値を把握し、インターネットなどの誰でも閲覧できる場所にて公表しましょう。自社ホームページ以外にも、厚生労働省が運営するサイト「両立支援のひろば」での公表も推奨されています。
6. 【従業員】産後パパ育休の申請方法


産後パパ育休を取得したい従業員は、次の流れで申請をおこないましょう。
- 申出時期と方法を確認する
- 就業の有無を相談する
- 必要書類を提出する
6-1. 申出時期と方法を確認する
就業規則を確認し、休業開始予定日の原則「2週間前まで」に、企業へ申出をおこないます。企業によっては、申出期限が「1ヵ月前まで」となっている場合もあるため、事前に就業規則をしっかり確認しておきましょう。
なお、2回に分けて取得を希望する場合は、1回目の申出時に2回分まとめて申請する必要があります。後から追加で申出した場合、拒否される可能性があるため、注意が必要です。
6-2. 就業の有無を相談する
産後パパ育休中は、企業で労使協定が締結されていれば、一部就業することも可能です。就業を希望する場合は、日時などについて事前に企業と十分に相談し、書面で取り決めておきましょう。
6-3. 必要書類の提出する
企業によっては、次のような書類の提出を求められる場合があります。
- 産後パパ育休申出書
- 続けて育児休業の取得予定がある場合はその申出書
申出は書面でおこなうのが一般的ですが、企業によっては電子申請や指定フォーマットを設けている場合もあるため、社内ルールに従って申請しましょう。必要書類や手続きの流れは企業によって異なるため、社内の人事担当者へ早めに相談・確認することをおすすめします。
7. 産後パパ育休を推進する7つのヒント


産後パパ育休の制度が整っていても、実際の取得が進まない原因は社内体制や意識の問題にあることが少なくありません。次のような取り組みを通じて、企業全体で制度を「使える」環境づくりを進めましょう。
- 業務の属人化解消
- 従業員の意識改革
- マタハラ・パタハラ防止措置の整備
- 業務委託や派遣社員の活用
- 育休中や復職後の相談窓口の開設
- 経営者や現場の管理職による積極的な育休取得の呼びかけ
- 育休取得を後押しする人事制度の立案
関連記事:男性の育児休暇に関する義務化はいつから?法改正の内容や企業がおこなうべき準備とは
7‑1. 業務の属人化解消
スムーズな引き継ぎを実現するためには、業務の属人化の解消が大切です。産後パパ育休の取得にあたっては、必ず業務の引き継ぎが発生しますが、属人化された業務は引き継ぎが難しく、周囲の理解を得にくくなる原因にもなります。
共通のマニュアルの作成やプロセスの視覚化、ITツール導入による標準化などを通じて、業務の属人化を解消していきましょう。
7‑2. 従業員の意識改革
男性の育児参加や産後パパ育休の意義について、管理職を中心に理解を深める研修を実施し、従業員の意識改革を促しましょう。
「休業によって評価が下がるのでは」という不安や、上司の無理解は、男性が育休を取得しにくい要因の一つです。特に部下を評価する立場にある管理職の意識を変えることが、制度を利用しやすい職場づくりの第一歩になるでしょう。
それと同時に同じ職場で働く同僚の理解を得ることも大切です。育休を取る従業員を、職場全体で快く送り出すための意識改革を進めましょう。
7‑3. マタハラ・パタハラ防止措置の整備
マタニティハラスメント(マタハラ)やパタニティハラスメント(パタハラ)の防止策も講じましょう。
企業としてハラスメント防止の規程を整備し、管理職研修などで周知徹底しましょう。万一嫌がらせが発生した場合の相談窓口や社内処分のルールも定めておく必要があります。厚生労働省も「妊娠・出産・育休取得等に関するハラスメント」を防止する措置を企業に義務付けており、その観点からも職場環境を点検することをおすすめします。
7‑4. 業務委託や派遣社員の活用
産後パパ育休取得による人手不足に対応するためには、業務委託や派遣社員の活用も有効です。社内のリソースだけで補い切れない業務は、外部人材へ委託することで、他の従業員への負担を軽減できます。
社内の負担が大きいままだと、産後パパ育休への理解が得られず、制度の利用促進にはつながりません。柔軟な人材活用によって、誰もが休みやすい体制を構築しましょう。
7‑5. 育休中や復職後の相談窓口の開設
育休中や復職後に生じる悩みや不安に対応できるよう、相談窓口を設置しましょう。仕事と育児の両立やキャリアへの不安など、子育てに取り組む従業員はさまざまな課題を抱えています。悩みが原因で仕事を辞めるリスクもあるため、企業側の積極的な支援が大切です。
人事部門などに専用の相談窓口を設けたり、先輩パパ従業員との交流機会を作ったりすることで、安心して育児と仕事を両立できる環境づくりを進めることが重要です。
7‑6. 経営者や現場の管理職による積極的な育休取得の呼びかけ
経営層や現場の管理職が産後パパ育休の取得や男性の育児参加の重要性を積極的に社内に発信し企業の本気度を伝えることは効果的です。
組織全体に新米パパをサポートする雰囲気が広がるよう、経営者自身が育児への関与を公言するなど、まずは経営者がお手本となる姿勢を見せて、取り組みを牽引していきましょう。
7-7. 育休取得を後押しする人事制度の立案と発信
産後パパ育休の取得を後押しするためには、制度利用を前提とした人事制度の設計と発信が必要です。例えば、次のような施策が考えられます。
- 育休取得を影響させない評価制度の明文化
- 育休取得者の昇進・昇格要件の見直し
- 育休中・復職後のキャリア支援制度の整備
- 時短勤務・在宅勤務などの柔軟な働き方を実現する措置の実施
- 育休取得者の部署の従業員への手当の支給
制度上は取得できても、評価や昇進に悪影響があると受け取られれば、取得は進みません。人事制度の中に「育休を取るのが当たり前」という前提を織り込み発信することで、安心して取得できる環境をつくっていきましょう。
8. 産後パパ育休で男性従業員の子育てを応援しよう


産後パパ育休は父親が子の出生直後の育児に関わるための大切な制度です。新しい命を迎えた家庭を支えるためには、制度が「ある」だけでなく、「使える」職場環境が欠かせません。
企業としては、業務の属人化を解消し、取得しやすい体制や風土を整えることが重要です。立場や年齢に関係なく、企業全体で産後パパ育休の普及と活用を支援し、男性従業員の子育て参加を後押ししていきましょう。
4月から施行された育児・介護休業法の改正では、子の看護休暇の拡大をはじめ、子の年齢に応じた柔軟な働き方への措置などが取り入れられました。
これによって、企業側にも柔軟な働き方の実現に向けた対応が強く求められます。そのため、人事労務担当者は特に改正ポイントを正しく理解しておくべきです。
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