男性の育児休暇とは?取得条件や期間、法改正について詳しく解説 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

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男性の育児休暇とは?取得条件や期間、法改正について詳しく解説

男性少子高齢化が進んで労働人口が不足する中、だれもが働きやすい環境を作るために、国が男性の育休取得を推進するようになりました。

妊娠・出産を理由に退職する女性が多い現状もあり、男性の育児休暇制度が注目されています。

推進につながる取り組みを国が企業に義務付けるようになったため、対策に乗り出している企業も多いことでしょう。

本記事では、男性の育児休暇の取得条件や期間、給料、メリットや法改正について解説します。男性育休取得を推進する際の参考にしてください。

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会社として、育休や介護休業の制度導入には対応はしてはいるものの 「取得できる期間は?」「取得中の給与の正しい支給方法は?」このようなより具体的な内容を正しく理解できていますか?

働く環境に関する法律は改正も多く、最新情報をキャッチアップすることは人事労務担当者によって業務負担になりがちです。

そんな方に向けて、当サイトでは今更聞けない人事がおこなうべき手続きや、そもそもの育児・介護休業法の内容、2025年最新の法改正への対応方法をわかりやすくまとめた資料を無料で配布しております。

資料では、2022年4月より段階的におこなわれている法改正の内容に沿って解説しているため、法律に則って適切に従業員の育児・介護休業に対応したい方は、こちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

1.  男性の育児休暇制度とは?

男性

男性育休は、「産後パパ育休」「出生時育児休業」などを含む、男性が育児のために取得できる休業制度の総称です。

制度の目的として、以下が挙げられます。

  • 出産直後の母親の負担を軽減すること
  • 男性の育児参加を促進すること
  • 子育て世代のキャリア継続を支援すること

近年は、企業に対して男性の育児休業取得を促す義務が課されており、企業側も対応しやすい制度設計が進んでいます。例えば、2回に分けて休業を取得できることや、労使の合意があれば休業中の就業が認められる点です。

実際に、2023年の男性育休取得率は前年度の17.13%から30.1%へと大幅に上昇しました。男女差はいまだあるものの、社会全体としての意識変化が見られています。

柔軟な働き方ができるようになると、育休の取得率向上が期待できます。結果として従業員の満足度の向上や定着率アップが見込めるようになるでしょう。

参考:「令和 5年度雇用均等基本調査」の結果概要|厚生労働省

2. 男性社員が育児休暇を取得できる条件

はてな

原則として、1歳未満の子どもを養育する労働者であれば、男性育休を取得できます。ただし、雇用形態によって適用条件が一部異なるため、注意しましょう。

雇用形態別の条件は以下のとおりです。

正社員 勤続期間にかかわらず、原則としてすべての正社員が育児休業の対象。取得にあたって特別な条件はない
契約社員・パートタイム労働者 取得申請時点で、育休の開始予定日から起算して6ヵ月以上の雇用が見込まれている場合に限り、取得可能。契約満了が明らかになっている場合は対象外
派遣社員 契約社員・パートと同様に、雇用継続が見込まれる場合は取得可能。申請は派遣先企業ではなく、派遣元企業に対しておこなう必要がある

男性育休制度については、雇用形態にかかわらず、すべての従業員に分かりやすく周知・説明することが企業の責任です。

制度の理解に差が出ると、申請漏れや不公平感につながるおそれがあるため、社内での情報共有の仕組みを整えておくことが大切です。

3. 男性の育児休暇を取得できる期間

男性

男性育休を取得できる期間の基本ルールは以下の通りです。

対象期間 子どもの出生後8週間以内
取得可能日数 最大28日間(4週間)

※土日を含む

※出産予定日の時点から取得開始可能

分割取得 2回に分けての育休取得が可能

※分割希望の場合は、あらかじめ2回分をまとめて申し出る

申請期限 原則として休業開始の2週間前まで

※労使協定で定めがある場合は、1ヵ月前まで設定も可能

延長・再取得 延長・再取得の制度なし

※ただし一般の育児休業制度と組み合わせれば、子が1歳(一定の条件下では最長2歳)になるまで、最大4回まで分割して休業取得することも可能

担当者は、制度について従業員に対してしっかり事前説明しましょう。また、分割取得の管理には細心の注意が必要です。

4. 男性の育児休暇中にもらえる給付金と支給額の目安

電卓

男性育休の取得期間中は、企業からの給与支払いはありません。しかし、労働者の生活を支えるために国の給付金制度があります。

4-1. 出生時育児休業休部金

出生時育児休業給付金は、雇用保険に加入している労働者が育休を取得した場合に、休業開始時の賃金のうち67%が支給される制度です

さらに、2025年4月からは制度が拡充されました。両親がともに14日以上育休を取得した場合は、出生後8週間以内の最大28日間に限り、給付金が13%上乗せされ、給付率はおよそ80%になります。

なお、育休中の社会保険料の免除は、以下のいずれかに該当する場合に適用されます。

  • 育休期間が、その月の末日を含んでいる場合
  • 1ヵ月のうち、14日以上の育休を取得している場合

(※ただし、産後パパ育休期間中に就業した日は、14日に含まれない)

4-2. 出生時育児休業給付金の支給要件

出生時育児休業給付金を受け取るためには、以下4つの支給要件をすべて満たす必要があります。

  • 産後パパ育休を取得した雇用保険の被保険者であること
  • 休業開始日前2年間に、賃金支払い基礎日数が11日以上あること(または、就業時間が80時間以上の月が12ヵ月以上)
  • 休業中の就業日数が10日以下であること(10日を超える場合は就業時間数が80時間以下であること)
  • 子の出生日から8週間を経過する日の翌日から6ヵ月を経過する日までに、労働契約の期間が満了することが明らかでないこと

参考:出生時育児休業給付金(1)支給要件|厚生労働省

給付金や保険料免除の適用にあたっては、対象者の勤務実態や契約状況などを事前に確認し、誤りのない処理をおこなうことが重要です。

制度の誤解や申請ミスを防ぐためにも、従業員からの相談や申請には丁寧な対応を心がけましょう。

5. 企業が男性の育児休暇を支援するメリット

男性

男性育休を企業が支援すると、従業員だけではなく企業側にも多くのメリットがあります

  • 従業員のエンゲージメントが向上する
  • 企業のイメージアップにつながる
  • 助成金を受給できる

5-1. 従業員のエンゲージメントが向上する

男性育休取得の推進により従業員のエンゲージメントの向上が期待できます

育休が取りやすい仕組みを整えることで、従業員のエンゲージメントや満足度が高まります。企業に対して貢献したいと思う従業員も増えやすくなるでしょう。

結果として、定着率の向上や主体的な業務への取り組みにつながり、企業にとっての中長期的なメリットとなります。

5-2.企業のイメージアップ

多くの男性従業員が産休を取得していると、社内外から「働きやすい会社」として認められるようになり、企業のイメージアップにつながります。

社内の信頼やステークホルダーへの印象を高める手助けとなるでしょう。採用活動でも好印象を生み、優秀な人材獲得につながります。

だからこそ、企業にとって男性育休支援は取り組む価値があるのです。

5-3.助成金の受給

企業が男性育休を支援することで、金銭的メリットを得られる場合があります。

子育てパパ支援助成金(出生時両立支援コース)の支給対象となる場合です

出生後8週間以内に開始する連続5日以上の育児休業を取得した男性従業員が出た場合、子育てパパ支援助成金(出生時両立支援コース)が国から企業に支給されます。ただし、対象は中小企業のみです。

取得実績に対する第1種と、取得率向上状況に応じて支給する第2種に分かれています。

第1種 1人目は20万円

代替要員加算:20万円

※代替要員を3人以上確保した場合には45万円

第2種 第1種の受給後

・1事業年度以内に30ポイント以上上昇:60万円(75万円)

・2事業年度以内に30ポイント以上上昇:40万円(65万円)

・3事業年度以内に30ポイント以上上昇:20万円(35万円)

※括弧内の数字は生産性要件を満たした場合の金額

支援制度を独自に設けている自治体もあるので、公式サイトなどから情報を得てぜひ役立ててください。

6. 男性育休制度に関する法改正のポイント

ポイント

男性育休制度はここ数年で大きく見直されています。企業として押さえておきたい法改正のポイントがいくつかあります。

2022年の改正では、取得しやすい環境を整え、出産を申し出た社員への育休制度の個別利用確認が義務付けられました

2025年4月からは、従業員300人超の企業に「男性の育休取得率等の公表」が義務化されています

また、2025年4月より男性育休の給付金制度に出生後休業支援給付が上乗せされ、大幅に拡充されている状況です。制度の改正内容を従業員にしっかりと伝え、さらなる育休取得促進に務めましょう。

7. 男性社員の育児休暇を運用する上での注意点

虫眼鏡

男性育休を運用する上で、いくつか注意すべき点があります。

  • 出産時育児休業給付金の支給要件
  • 雇用形態別の適用条件

7-1. 出産時育児休業給付金の支給要件

出産時育児休業給付金の支給要件と、企業の制度にズレが生じる場合があります。

例えば企業ルールで育休を3回まで分割可能であっても、国からの給付金が受給できるのは2回までとなります。企業の制度では可能でも、給付金の支給されないケースがあれば、従業員の不満につながる可能性も考えられるでしょう。

トラブルを招かないためにも、しっかり従業員に制度の詳細を事前に説明することが大切です。

7-2. 雇用形態別の適用条件

雇用形態によって適用条件が異なる点にも注意が必要です。正社員、契約社員、パートタイマー、派遣社員それぞれで申請資格や申請方法が異なります。

契約期間が満了予定のパート社員や、派遣社員の申請先が派遣元であることを見落とすなど、実務で起こりやすいミスに気をつけましょう。

人事担当者には社内の運用ルール整備が求められます。

8. 男性の育児休暇制度を正しく理解し、職場で活用しよう

家族

男性の育休制度は従業員だけでなく企業にとっても、エンゲージメントの向上、企業のイメージアップなどメリットがあります。

取得者を増やすために、経営陣が男性育休の推進を従業員に明確に発信しましょう。制度の内容や申請方法についても案内し、給付金制度の説明で経済的不安を減らすことも大切です。

相談しやすい体制を整え、上司向けの研修など運用の仕組み化にも取り組みましょう。

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会社として、育休や介護休業の制度導入には対応はしてはいるものの 「取得できる期間は?」「取得中の給与の正しい支給方法は?」このようなより具体的な内容を正しく理解できていますか?

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jinjer Blog 編集部

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