産休・育休中の配偶者特別控除を忘れずに!年末調整手続きの注意点も解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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産休・育休中の配偶者特別控除を忘れずに!年末調整手続きの注意点も解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

産休・育休中の配偶者特別控除を忘れずに!年末調整手続きの注意点も解説

夫婦で赤ちゃんをあやす産休・育休中は給与の支給が停止するケースも多く、結果として所得が減少する場合があります。そのため、年末調整において配偶者控除や配偶者特別控除の適用対象となる可能性があります。

本記事では、産休・育休期間中における配偶者控除・配偶者特別控除の適用要件をわかりやすく解説します。また、令和8年度税制改正を踏まえた年末調整時の留意点についても紹介します。

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1. 産休・育休中も配偶者特別控除は適用となる場合も

笑顔の妊婦

産前産後休業中または育児休業中は、給与が支給されない、または支給額が減少するケースが一般的です。一方で、休業中は出産手当金や育児休業給付金などを受給することがあります。

これらの給付金は原則として非課税所得に該当するので、配偶者控除・配偶者特別控除の判定に用いる所得には含まれません。そのため、産休・育休によって給与収入が減少し、所得要件を満たした場合、配偶者控除または配偶者特別控除の適用を受けられる可能性があります。

配偶者控除の対象とならない場合でも、配偶者特別控除が適用できるケースがあるので、所得を正しく確認し、漏れなく判定することが重要です。また、配偶者控除・配偶者特別控除は、性別を問わず要件を満たせば適用を受けられる点も押さえておきましょう。

関連記事:【2026年最新】所得税の非課税は年収いくらまで?具体的なラインを解説

1-1. そもそも配偶者控除・配偶者特別控除とは

配偶者控除とは、生計を一にする配偶者の合計所得金額が58万円以下(令和7年分)であり、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下である場合に最大38万円(老人控除対象配偶者は最大48万円)の所得控除を受けられる制度です。

なお、合計所得金額とは、給与所得や事業所得、一時所得、雑所得など、各種所得を合計した金額をいいます。また、老人控除対象配偶者とは、控除対象となる配偶者のうち、その年12月31日時点で70歳以上の者をいいます。

一方、配偶者特別控除は、生計を一にする配偶者の合計所得金額が58万円超133万円以下(令和7年分)で、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下である場合に最大38万円の所得控除が受けられる制度です。

つまり、配偶者が配偶者控除の適用対象となる所得基準を超えた場合でも、配偶者特別控除の適用を受けられる可能性があります。ただし、配偶者の合計所得金額が95万円を超えると、配偶者特別控除の控除額は段階的に減少します。

また、配偶者控除・配偶者特別控除のいずれも、納税者本人の合計所得金額が900万円を超えると控除額が段階的に減少し、1,000万円を超えると適用を受けられません。

なお、これらの控除の対象となるのは民法上の配偶者に限られます。内縁関係の相手は対象外です。また、青色申告者の事業専従者給与の支払いを受ける配偶者や、白色申告者の事業専従者に該当する配偶者も適用対象外となります。

参考:専門用語集|国税庁

参考:No.1191 配偶者控除|国税庁

参考:No.1195 配偶者特別控除|国税庁

関連記事:配偶者特別控除の所得金額はいくらまで?年末調整や年収の壁との関係を解説

2. 【令和8年度改正】配偶者控除・配偶者特別控除の所得要件が変更

はてなのふきだし

令和8年度税制改正により、2026年分の所得税計算から次のように配偶者控除および配偶者特別控除の対象となる配偶者の所得要件が見直しされます。

区分 合計所得金額の要件
改正後 改正前
配偶者控除の対象となる配偶者(同一生計配偶者) 62万円以下 58万円以下
配偶者特別控除の対象となる配偶者 62万円超133万円以下 58万円超133万円以下

参考:源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月|国税庁

配偶者控除の対象となる配偶者の合計所得金額の上限は、58万円以下から62万円以下へ引き上げられ適用対象が拡大しました。

一方、配偶者特別控除の合計所得金額の上限は133万円以下のままで変更はないので留意が必要です。

2-1. 給与所得控除の引き上げによる影響にも注意

令和8年度税制改正では、給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円へ引き上げられます。

この改正により、給与収入のみの配偶者については、給与所得控除額が増えるため、配偶者控除・配偶者特別控除の給与収入による判定基準も見直されます。

区分 給与収入の要件
改正後 改正前
配偶者控除の対象となる配偶者(同一生計配偶者) 136万円以下 123万円以下
配偶者特別控除の対象となる配偶者 136万円超207万円以下 123万円超201万6,000円未満

※給与収入のみの場合の基準です。

参考:源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月|国税庁

なお、配偶者特別控除の給与収入のみの場合の収入上限は、給与所得控除の最低保障額が引き上げられたことで、「201万6,000円未満」から「207万円以下」へ引き上げられます。

また、配偶者特別控除を満額受けられる配偶者の合計所得金額の要件(95万円以下)は改正前後で変更ありません。

ただし、給与収入のみの場合は給与所得控除額の引き上げに伴い、満額控除を受けられる給与収入の上限が「160万円以下」から「169万円以下」へ引き上げられているので注意が必要です。

さらに、令和8年度税制改正では基礎控除も最大95万円から最大104万円へ引き上げられました。この改正は配偶者控除・配偶者特別控除の適用要件に直接影響するものではありませんが、所得税が課税される最低ラインが引き上げられる点は押さえておきましょう。

関連記事:103万円の壁は撤廃へ|178万円への引き上げや年収の壁について解説

3. 産休・育休中に配偶者控除・配偶者特別控除を適用する際の注意点

チェックリスト

産休・育休中は給与の支給状況や各種給付金の受給により収入の内訳が通常とは異なるため、控除の判定を誤らないよう注意が必要です。

ここでは、産休・育休中に配偶者控除・配偶者特別控除を適用する際に押さえておきたいポイントを紹介します。

3-1. 共働きであっても夫婦それぞれで同時に適用できない

最近では「産後パパ育休」や「パパ・ママ育休プラス」など、育児と仕事の両立を支援する制度が充実しており、共働き家庭でも夫婦そろって育児休業を取得するケースが増えています。

しかし、配偶者控除・配偶者特別控除は、夫婦がお互いを配偶者として同時に適用することはできません。夫婦の双方がそれぞれ控除を適用できる状況であったとしても、相手を配偶者として控除の対象にできるのは、いずれか一方のみです。

また、同一人物を複数の納税者が重複して所得控除の対象とすることは認められていません。例えば、AさんがCさんを扶養控除の対象としている場合、Bさんが同じCさんを配偶者控除または配偶者特別控除の対象とすることはできないので注意しましょう。

関連記事:育児休業とは?2025年法改正や男性育休の手続きなど最新トピックスを解説

3-2. 控除の判定は収入ではなく所得でおこなう

配偶者控除・配偶者特別控除の適用可否は「収入金額」ではなく「合計所得金額」によって判定します。また、年末調整では「配偶者控除等申告書」に記載された見積額をもとに判定する点にも注意が必要です。

給与所得者の場合、給与収入から給与所得控除を差し引いた金額が給与所得となります。さらに、給与以外に雑所得や不動産所得などがある場合は、それぞれの所得を計算し、給与所得と合算した合計所得金額で判定します。

例えば、2026年分の給与収入が130万円、雑収入が30万円で、その雑収入に対応する必要経費が15万円であるケースを考えてみましょう。

この場合、給与所得は56万円(130万円-給与所得控除:74万円)、雑所得は15万円(30万円-15万円)となるので、合計所得金額は71万円です。このケースでは、配偶者控除の所得要件は満たしませんが、配偶者特別控除の所得要件には該当します。

給与収入だけを見ると配偶者控除の対象と思われる場合でも、給与以外の所得があると合計所得金額が基準を超えることがあります。そのため、給与以外の所得も含めて控除判定をおこなうことが重要です。

関連記事:年末調整における年収と所得の違いは?計算方法や含まれるものを解説

3-3. 出産手当金や育児休業給付金などの非課税所得は計算に含めない

産休・育休中に支給される次のような給付金や手当は、いずれも非課税所得に該当します。

  • 出産育児一時金(健康保険から出産時に支給される一時金)
  • 出産手当金(健康保険から産前産後休業中に支給される給付金)
  • 育児休業給付金(雇用保険から育児休業中に支給される給付金)
  • 児童手当(市区町村から子どもを養育する家庭に支給される手当)

また、公共交通機関による通勤手当(1ヵ月15万円まで)や、会社が福利厚生として支給する社会通念上相当額の出産祝金なども、原則として所得税は課税されません。

年末調整では、非課税所得を合計所得金額の見積額に含めると、配偶者控除や配偶者特別控除の適用可否を誤って判定するおそれがあります。

また、非課税である給付金や手当を誤って課税対象として取り扱うと、本来よりも所得税額が高く算出される可能性があります。

そのため、社員には各種申告書の所得金額を記載する際、非課税所得を含めずに計算するよう周知しましょう。また、会社側も課税・非課税の区分を正しく確認し、適正な年末調整をおこなえる体制を整えることが大切です。

関連記事:配偶者控除等申告書の書き方を徹底解説!令和8年度年末調整と法改正内容

3-4. 年末調整後に状況が変わった場合は再調整または確定申告で対応する

年末調整では、配偶者の所得は見積額をもとに申告書へ記載します。そのため、年末調整後に配偶者が一時金を受け取るなどして実際の所得が見積額と異なり、配偶者控除・配偶者特別控除の適用可否や控除額が変わるケースもあります。

このような場合、判明した時期や内容によっては、会社で年末調整の再調整をおこないます。一方、配偶者控除や配偶者特別控除の適用漏れが判明した場合は、所得控除が増えて税金が還付されるケースが一般的です。

この場合は、会社で年末調整をやり直さなくても、社員本人が確定申告をすることで還付を受けられます。通常の確定申告期間は翌年2月16日から3月15日までです。しかし、還付申告であれば翌年1月1日から5年間提出できます。

確定申告では、会社から交付された源泉徴収票の内容をもとに申告をおこないます。そのため、社員には源泉徴収票を大切に保管するよう案内するとともに、必要に応じて確定申告の方法も案内するとよいでしょう。

参考:No.2671 年末調整の後に扶養親族等の人数が異動したとき|国税庁

関連記事:年末調整の再調整は可能!方法やポイントをわかりやすく解説

4. 【人事担当者向け】産休・育休中の社員がいる場合の実務対応

Q&Aのブロック

産休・育休中の社員には、年末調整の際、自社での給与所得が少ない場合に”産休・育休社員の配偶者の会社”の年末調整にて、配偶者控除・配偶者特別控除の対象になり得る可能性があると伝えてあげると丁寧です。

社員によっては「所得」と「収入」の違いを正しく理解していなかったり、非課税収入を含めて誤って申告したりする可能性もあるでしょう。ここからは、人事担当者が質問を受けた際、実務上確認すべき項目をご紹介します。

4-1. 年末調整の対象となるか確認する

年末調整の対象者は、原則として、その年最後に給与を支払う日までに勤務先へ「扶養控除等申告書」を提出している社員です。

そのため、産休・育休中の社員も基本的には年末調整の対象に含まれます。

ただし、次のような人は年末調整の対象外です。

年末調整の対象外となる人
  • ダブルワークなどにより他社へ扶養控除等申告書を提出している人
  • その年に支払うことが確定した給与総額が2,000万円を超える人
  • 災害減免法の適用により給与に対する所得税の源泉徴収について徴収猶予または還付を受けた人

また、産休・育休中の社員が年の途中で退職した場合は、原則として年末調整の対象になりません。ただし、次のいずれかに該当する場合は、年の中途で年末調整をおこなう必要があります。

  • 海外転勤などにより非居住者となった人
  • 死亡により退職した人
  • 著しい心身の障害により退職し、年内に再就職の見込みがない人
  • 12月給与の支給後に退職した人
  • パートタイマーなどで退職し、年内の給与総額が123万円以下(※令和8年度税制改正により引き上げられる可能性があります)かつ再就職の見込みがない人

このように、産休・育休中であること自体は年末調整の対象・対象外を判断する要件ではありません。扶養控除等申告書の提出状況や退職の有無などを確認し、対象者を正しく判定したうえで年末調整をおこないましょう。

参考:No.2665 年末調整の対象となる人|国税庁

参考:源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月|国税庁

関連記事:年末調整の対象者とは?必要書類や確定申告との関係も解説

4-2. 年内に出産があったら扶養控除等申告書を再提出してもらう

年内に出産があった場合、その子どもは出生日から扶養親族として取り扱われます。そのため、社員には扶養控除等申告書の内容を修正し、再提出してもらう必要があります。

なお、16歳未満の子どもは扶養控除の対象ではありません。しかし、住民税や各種申告書の記載内容に影響するほか、翌年以降の税務手続きにも関係します。

また、23歳未満の扶養親族がいる場合は「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」の適用を受けられる可能性があります。

さらに、2026年分の年末調整では、23歳未満の扶養親族がいる場合の一般生命保険料控除の上限額が4万円から6万円へ引き上げられます。

そのため、年内に出産があった場合には、扶養控除等申告書に加え、必要に応じて所得金額調整控除申告書や保険料控除申告書などについても、記載方法を適切に案内することが重要です。

参考:No.1411 所得金額調整控除|国税庁

参考:源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月|国税庁

関連記事:住民税の扶養控除とは?適用条件・控除額・所得税との違いを解説

4-3. 社会保険料の免除申請を忘れずにおこなう

産休・育休中は、社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)の免除対象となります。免除期間中であっても、当該期間は年金の加入期間として取り扱われ、将来の年金受給資格や年金額の算定において不利益は生じません。

免除の適用を受けるためには、事業主が日本年金機構(健康保険組合)へ「産前産後休業取得者申出書」や「育児休業等取得者申出書」を提出する必要があります。

申請が遅れると、保険料が誤って徴収される可能性があります。そのため、休業開始時には速やかに手続きをおこなうことが大切です。

参考:6-1:産前産後休業を取得し、保険料の免除を受けようとするとき|日本年金機構

参考:6-4:育児休業等を取得し、保険料の免除を受けようとするとき|日本年金機構

関連記事:産休中の社会保険免除はいつからいつまで?申請方法から具体例まで解説

関連記事:育児休業中の社会保険料はいつまで免除される?免除期間や申請方法を解説

4-4. 産休・育休明けの給与計算・労務管理のポイント

産休・育休から復職した社員は、短時間勤務制度の利用などにより、休業前と比べて給与額が変動するケースが少なくありません。そのため、給与計算においては基本給や各種手当に加え、社会保険料や住民税の控除額についても誤りがないかを改めて確認することが重要です。

また、報酬月額が低下した場合には、「育児休業等終了時改定」の対象となることがあります。これにより標準報酬月額が実態に即して見直されるので、社会保険料負担の適正化や社員の家計負担軽減につながります。

さらに、子どもの養育期間中は「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」を活用すれば、将来の年金額への影響を抑えることが可能です。適用要件を確認し、必要な手続きを漏れなくおこなうことが求められます。

加えて、復職後に扶養状況に変更が生じた場合には、「扶養控除等申告書」の再提出が必要となります。この申告内容は年末調整だけでなく、毎月の給与や賞与に係る源泉徴収税額の算定にも反映されるので、異動があった際には速やかに対応することが重要です。

参考:育児休業等終了時報酬月額変更届の提出|日本年金機構

参考:養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置|日本年金機構

関連記事:養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置とは?申請方法や必要書類を解説

関連記事:住民税は産休・育休中でも納付する?払い方や育休明けの手続きも解説

5. 産休・育休中の配偶者特別控除を確認してミスなく年末調整をおこなおう

指でオーケーマークを作る人事労務担当者

産休・育休中は給与が減少するため、年末調整において所得要件を満たす場合には、配偶者控除や配偶者特別控除の適用を受けられる可能性があります。

なお、出産手当金や育児休業給付金は非課税所得に該当するため、所得の算定には含めない点に注意が必要です。また、年内に出産があった場合には、扶養控除等申告書の内容を見直し、社員へ再提出を依頼したうえで、給与計算および年末調整へ速やかに反映させることが求められます。

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