勘定科目内訳明細書の書き方や作成時の注意点・簡素化の具体的内容を解説 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

勘定科目内訳明細書の書き方や作成時の注意点・簡素化の具体的内容を解説 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

勘定科目内訳明細書の書き方や作成時の注意点・簡素化の具体的内容を解説 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

勘定科目内訳明細書の書き方や作成時の注意点・簡素化の具体的内容を解説

説明

勘定科目内訳明細書は、税務署に提出する法人税申告書に添付が必要な書類です。企業の取引内容に問題がないか、また、法人税申告書が正しく作成されているかを確認することを主な目的としています。

今回は、勘定科目内訳明細書の書き方や作成する際の注意点、簡素化の具体的内容を中心に紹介します。

月末の経費精算、 まだ紙とExcelに頼っていませんか?

申請書のチェック、差し戻しの連絡、会計ソフトへの手入力…。毎月発生するこれらの定型業務に、貴重な時間を奪われていないでしょうか。
「ジンジャー経費」なら、経費精算のプロセスを自動化し、従業員と管理部門双方の負担を軽減します。
本資料では、貴社の課題を解決するヒントを分かりやすく解説します。
◆この資料でわかること

  • 領収書の自動読み取り(AI-OCR)で入力作業を削減する方法
  • スマホ活用で、場所を選ばずに申請・承認できるフローの構築
  • 規定違反の申請を自動で検知し、ガバナンスを強化する方法

定型業務に追わている、経費精算業務のDXに興味のある方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、工数削減にお役立てください。

1.勘定科訳明細書とは?目的や提出期限を解説

疑問

勘定科目内訳明細書とは、法人税申告の際に添付する書類の1つです。賃借対照表や損益計算書の勘定科目の内訳を示した決算書類で、法人税法施行規則第35条で提出が義務づけられています。

勘定科目内訳明細書の勘定科目は16種類に分類されていますが、すべての勘定科目の内訳明細書を作成しなければいけないというわけではありません。勘定科目ごとの内訳明細書に関しては、勘定科目が資産科目や負債科目のケースと、損益科目のケースで異なります。

では、ここまで細かい規程がある勘定科目内訳明細書を作成する目的や提出期限を見ていきましょう。

1-1.勘定科目内訳明細書の目的と提出期限

勘定科目内訳明細書を作成し、税務署に提出するのは、税務署が企業の取引実態や財務状況を正確に把握するという目的があるからです。勘定科目内訳明細書を調査することで、取引に違法性やおかしいところがないか、法人税の申告書が適正に作成されているかなどを確認できるのです。

勘定科目内訳明細書の提出期限は、決算日(期末)の翌日から2ヵ月以内と決められています。ただし、当該日が休日や祝日の場合は、その翌日の平日が提出期限となります。また、申請をすれば申告期限の延長も可能です。といっても、自由に期限を決められるわけではなく、延長した場合の提出期限は決算月から3ヵ月以内となっているので注意しましょう。

2.勘定科目内訳明細書と総勘定元帳の違い

はてな

勘定科目内訳明細書と同じように、勘定科目を記載する書類の1つに「総勘定元帳」というものがあります。

どちらも勘定科目を記載するという点は共通していますが、勘定科目団扇と総勘定元帳は記載項目や役割が異なります。

総勘定元帳は、日頃おこなわれる取引を、勘定科目ごとに記録する役割をもっています。一方、勘定科目内訳明細書というのは、決算書類を元に各勘定科目の残高や内容の確認を進めながら、期末残高の内訳をまとめた書類です。

また、総勘定元帳は税務署に提出が義務付けられている書類ではない、という点も違いとなるので混同しないようにしましょう。

関連記事:勘定科目とは?仕訳で頻出の勘定科目一覧や仕訳例をわかりやすく解説 

3.勘定科目内訳明細書の書き方を解説

書類

勘定科目内訳明細書を書く際には、以下16種類の内訳書を記載していく必要があります。原則として、期末に残高のない勘定科目の内訳書や作成の必要がない内訳書以外は、すべて作成しなければなりません。

勘定科目内訳明細書のテンプレートの様式に関しては、国税庁のWebサイトでフォーマットの配布もおこなっている為、活用しても良いでしょう。

参考:e-Tax|国税庁:勘定科目内訳明細書の標準フォーム等

ここでは、それぞれの内訳書について書き方を紹介します。

3-1.預貯金等の内訳書

預貯金等の内訳書には、「金融機関名」「支店名」「種類」「口座番号」「期末現在高」を記載し、現金については預貯金等の内訳に記載するのが一般的です。さらに、取引する金融機関や預貯金の種類ごとに、法人で保有している預貯金の内訳を記入します。記載口数が100口を越える場合は、期末現在高が多い順番で「100口の記載」としましょう。

なお、預貯金の口座名義が法人になっていない場合には、摘要欄に名義人名を記入します。

3-2.受取手形の内訳書

法人が保有する受取手形の内訳書の記載項目は、「振出人」「振出年月日」「支払期日」「支払銀行名・支店名」「金額」「割引銀行名・支店名」となります。同じ取引先で金額合計が100万円以上になる場合には個別で記入し、そのほかは一括で記入します。

ただし、100万円以上の手形が5口未満であれば、残高の多い順に5口程度を記載しましょう。また、割引手形に関しては割引銀行ごとに分けて記載しなければなりません。

記載口数が100口を超える場合は、自社の事業所や支店で金額を記入する方法か、金額の多い順に100口を記入する方法のどちらかを選択することができます。

3-3.売掛金の内訳書

売掛金の内訳書は、期末時点で売掛金や未収入金の残高がある場合に記入します。記載項目は「科目」「相手先名称・所在地」「期末現在高」となっており、科目を記入する欄には「売掛金」か「未収入金」を記載します。なお、両方の場合は科目別に集計欄を設けて記載しましょう。また、記入の際には、取引先別に相手先や期末残高を記入します。

同じ取引先で合計金額が50万円以上のものを個別で記入していきますが、そのほかは一括で記入します。ただし、5口未満の場合は、一括ではなく残高の多い順で5口程度を記入し、100口を越える場合は、自社の事業所や支店で金額を記入する方法か、金額の多い順に100口を記入する方法のどちらかを選択することができます。

3-4.仮払金、貸付金及び受取利息の内訳書

仮払金内訳書には、取引先別に「科目」「相手先」「期末残高」取引内容を記入します。また、貸付金及び受取利息の内訳書には、「貸付先」「期末現在高」「期中の受取利息額」「利率」「担保」の内容を記入します。

仮払金も貸付金も、取引先の期末残高が50万円以上のものは個別で記入し、その他は一括で記入することができます。ただし、貸付先が株主や役員などの場合は、期末残高が50万円未満でも個別に記入する必要があるので注意してください。

また、「期中の受取利息額」が未収利息を含んで3万円以上となる場合は、期末現在高の有無に関わらず個別の記入をしなければなりません。

3-5.棚卸資産の内訳書

期末時点で棚卸資産となるものについて、科目や品目、数量、単価を記入します。科目欄には、決算書の科目を記入してください。

ただし、職種によっては棚卸の項目が多くなりすぎてわかりづらくなることがあるため、項目が多くなりすぎないよう、グルーピングをおこなって記入することも可能ですが、評価換えをした場合に限り、摘要欄に増減額を記入しなければならないので注意しましょう。

この内訳書も、記載口数が100口以上になった場合は、残高の多い順に100口についてのみ記載することができます。

3-6.有価証券の内訳書

期末時点で保有する有価証券について、区分種類銘柄や期末残高、期中増(減)の明細、摘要を記入します。区分欄には、満期保有目的の有価証券は「満期」、売買目的であれば「売買」、その他の場合は「その他」と記入してください。

なお。期末残高がない場合でも、期中に売却や買入をした場合には記入をおこないます。

記載口数が100口以上になった場合は、残高の多い順に100口についてのみ記載することができます。

3-7.固定資産の内訳書

固定資産の内訳書には、種類・構造や用途、面積、物件の所在地のほか、期末現在高、期中取得(処分)の明細を記入します。ただし、土地や建物の保有がない場合や、期中に売却や評価替えなどが無い場合には、作成する必要はありませんが、期末現在高がゼロでも、期中に売却や評価換え、購入などをおこなった場合は内訳書への記入が必須となります。

この内訳書も、記載口数が100口以上になった場合は、残高の多い順に100口についてのみの記載が認められています。

3-8.支払手形の内訳書

支払手形の内訳書は、支払先別に「支払先」「振出年月日」「支払期日」「支払銀行名・支店名」「金額」「摘要」を記入します。同じ取引先で支払手形の総額が100万円以上になる場合には、個別で記入し、その他の取引先は一括で記載することが認められています。

ただし、5口未満の場合は、一括ではなく残高の多い順で5口程度を記入し、100口を越える場合は、自社の事業所や支店で金額を記入する方法か、金額の多い順に100口を記入する方法のどちらかを選択することができます。

3-9.買掛金の内訳書

未払金や未払費用などの買掛金の内訳書は、取引先別に「科目」「相手先名称」「所在地」「期末現在高」を記入し、科目欄には買掛金や未払金、未払費用を記入してください。なお、未払配当金や未払役員賞与などの未払いがある場合は、別途で内訳の記載をおこなわなければなりません。

取引先の期末残高が50万円以上の場合には個別で記入し、それ以外は一括で記入しても大丈夫です。ただし、5口未満の場合は、一括ではなく残高の多い順で5口程度を記入し、100口を越える場合は、自社の事業所や支店で金額を記入する方法か、金額の多い順に100口を記入する方法のどちらかを選択することができます。

3-10.仮受金(前受金・預り金)の内訳書、源泉所得税預り金の内訳書

仮受金(前受金・預り金)の内訳書には、科目や相手先名称、期末現在高、取引の内容を記入し、科目欄には前受金か仮受金、預かり金のいずれかを記載します。
取引先の期末残高が50万円以上の場合は個別で記入し、それ以外は一括で記入しても大丈夫です。ただし、5口未満の場合は、一括ではなく残高の多い順で5口程度を記入し、100口を越える場合は、自社の事業所や支店で金額を記入する方法か、金額の多い順に100口を記入する方法のどちらかを選択することができます。

源泉所得税預り金の内訳書には、支払年月や所得の種類、期末現在高を記入します。所得の種類は、給与所得であれば「給」、報酬であれば「報」というように、簡潔に記載してください。

3-11.借入金及び支払利子の内訳書

借入先別に、借入先、法人・代表者との関係、所在地、期末残高、期中の支払利子額、利率、借入理由、担保の内容を記入します。
借入先の期末現在高が50万円以上のものについては個別で記入し、100口を越える場合は、自社の事業所や支店で金額を記入する方法か、金額の多い順に100口を記入する方法のどちらかを選択することができます。

ただし、借入先の期末現在高が50万円未満でも、株主や役員、関係会社であればすべて個別に記入すること、期中の支払利子額が未払利子を含んで3万円以上になるようであれば個別に記入することが義務づけられているので注意しましょう。

3-12.土地の売上高等の内訳書

土地の売上高等の内訳書には、区分、商品の所在地(地目・総面積)、売上(年・月)、売上先名称・所在地、売上面積、売上金額などを記入します。土地を棚卸資産として保有しており、申告期間中に売却した場合や土地や土地付き建物を仲介した場合には、内訳書の作成が必要です。

個別の記載方法は取引金額の多い順番が基本ですが、記載口数が多い場合は、売上金額が多い順で20口だけ記入すれば大丈夫です。

3-13.売上高等の事業所別内訳書

売上高等の内訳書は、事業所別に事業所の名所・所在地、責任者氏名・代表者との関係、事業等の内容、売上高、期末棚卸高、期末従業員数などを記入します。

期中に開設もしくは廃止した事業所に関しては、「摘要」の欄に開設または廃止した年月日を記載します。

3-14.役員報酬の内訳書

役員報酬の内訳書には、役員別に、役職名や氏名・住所・代表者との関係、役員給与などを記入します。人件費の内訳には、役員報酬(給与)と従業員手当(給与手当・賃金手当)を記入します。

役員報酬を損金として計上する場合は、事前確定届出給与か定期同額給与、業績連動給与のいずれかに該当している必要があるので、間違えないようにしましょう。

原則として、内訳書の最上段には代表者を記載しますが、その他の役員の記入順に決まりはありません。

3-15.地代家賃等の内訳書

地代家賃の内訳書には、地代・家賃の区分、借地(借家)物件の用途・所在地、貸主の名称・所在地、支払対象期間・支払貸借料などを記入します。

権利均等の期中支払の内訳には、支払先の名称・所在地や支払年月日、支払金額などを記入します。

工業所有権等の使用料の内訳書には、名称、支払先の名称・所在地、契約期間、使用料等を記入します。

この内訳書も、記載口数が100口以上になった場合は、残高の多い順に100口についてのみの記載が認められています。

3-16.雑益、雑損失等の内訳書

雑益、雑損失等の内訳書では、科目や取引の内容、相手先、所在地、金額を記入します。
同一科目や同一取引先で10万円以上になるもの、また、税金の還付があった場合は必ず個別に記入するようにしましょう。たただし、土地の売却益や損益に関して、固定資産の内訳書に記入している場合は、雑益、雑損失等の内訳書への記載は不要です。

この内訳書も、記載口数が100口以上になった場合は、残高の多い順に100口についてのみの記載が認められています。

4.勘定科目内訳明細書を作成する際の注意点

発注書 注意点

勘定科目内訳明細書を作成する際には、それぞれの内訳書に記載する期末残高と、貸借対照表や損益計算書の残高とを一致させておかなければなりません。残高が一致しない場合には、税務調査の対象となる可能性があるので、間違いのないように転記していきましょう。

勘定科目内訳明細書に何らかの理由で記載ミスが発生した場合でも、決算書類と法人税申告書にミスが無ければ基本的に問題はありません。ただし、元となる決算書類にミスがある場合、会計報告が誤っていることになるため、税務調査でも指摘を受けることになるでしょう。

正確な勘定科目内訳明細書を作成するためにも、勘定科目について正しい理解をしておくことや、早めの準備を心がけることをおすすめします。

各取引がどんな勘定科目を用いて仕分けられるのか、各勘定科目は勘定科目の5つのグループのどれに該当するのか、をしっかりと把握しておきたいという方に向けて、当サイトでは無料のガイドブックをご用意しました。

80種類以上勘定科目の解説や、貸借対照表での仕訳例を一覧表にして紹介しています。
疑問点を解消し、ミスのない正確な決算書類を作成したいとお考えの方は、こちらから資料を無料でダウンロードしてご活用ください。

5.勘定科目内訳明細書の簡素化とは

明細

勘定科目内訳明細書は項目が非常に多く、経理業務において大きな負担となっていたのが実情です。しかし、2018年の税制改正により簡素化が可能となりました。勘定科目内訳明細書の簡素化は、大企業だけでなく、中小企業にも適用されるものとなっています。

ここでは、簡素化の内容について解説します。

5-1. 記載方法が選べるようになった

記載件数が100件を越える場合、下記の記載方法のいずれかを選ぶことができるようになりました。

  • 売掛金や買掛金などの、記載件数が多くなりがちな勘定科目については上位100件のみを記載する方法
  • 記載単位を取引先や相手先に合わせている勘定科目は、支店や事業所別に合計金額を記載方法

記載方法は、自社にとってやりやすい方を選べるので、経理担当者の方の負担を大幅に削減できる簡素化が実施されたといえるでしょう。

ただし、支店や事業所別に合計金額を記載できる方法は、受取手形の内訳書など7科目のみが対象となっており、それ以外の科目は対象外となっているので注意してくださ。

5-2. 記載項目の変更

勘定科目内訳明細書の作成で、大きな負担となっていたのが記載項目の多さです。しかし、簡素化により以下のような変更がおこなわれました。

・記載欄の削除や変更等
1. 貸付金及び受取利息の内訳書の「貸付理由」欄の削除
2. 借入金及び支払利子の内訳書の「借入理由」欄の削除
3. 仮払金の内訳書、仮受金の内訳書の「取引の内容」欄を「摘要」欄に変更
4. 雑益、雑損失等の内訳書の「固定資産売却損益の記載」を不要

なお、具体的な簡素化の内容については、国税庁ホームページに記載されています。[注1]

[注1]電子申告の義務化についてよくある質問|国税庁

6.勘定科目内訳明細書の正しい書き方を理解しよう

理解・納得

勘定科目内訳明細書の作成をスムーズにすすめるためには、正しい書き方を事前に理解しておくのがおすすめです。作成した書類にミスがあると、税務署からの指摘を受けるだけでなく、銀行からの資金調達に影響を及ぼす可能性もあります。

正確な内容で作成して提出できるよう、早めに明細書に記載する内容の確認をおこない、書類の作成に必要な情報を収集するようにしておくとよいでしょう。

しかし、正しい書き方を理解するには時間がかかるのも事実なので、貸借対照表の仕訳例一覧表を活用するなど積極的に業務負担の削減に取り組んでください。

月末の経費精算、 まだ紙とExcelに頼っていませんか?

申請書のチェック、差し戻しの連絡、会計ソフトへの手入力…。毎月発生するこれらの定型業務に、貴重な時間を奪われていないでしょうか。
「ジンジャー経費」なら、経費精算のプロセスを自動化し、従業員と管理部門双方の負担を軽減します。
本資料では、貴社の課題を解決するヒントを分かりやすく解説します。
◆この資料でわかること

  • 領収書の自動読み取り(AI-OCR)で入力作業を削減する方法
  • スマホ活用で、場所を選ばずに申請・承認できるフローの構築
  • 規定違反の申請を自動で検知し、ガバナンスを強化する方法

定型業務に追わている、経費精算業務のDXに興味のある方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、工数削減にお役立てください。

jinjer Blog 編集部

jinjer Blog 編集部

jinjer Blogはバックオフィス担当者様を支援するため、勤怠管理・給与計算・人事労務管理・経費管理・契約業務・帳票管理などの基本的な業務の進め方から、最新のトレンド情報まで、バックオフィス業務に役立つ情報をお届けします。

経費管理のピックアップ

新着記事