社会保険料を滞納する8つのリスクや支払えないときの対策を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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社会保険料を滞納する8つのリスクや支払えないときの対策を解説

リスク

社会保険制度は「一人は万人のために、万人は一人のために」という相互扶助の理念に則った制度です。
企業は働く従業員の社会保険料について、従業員が負担する分と会社が負担する分をまとめて公的機関に納付しています。

社会保険は公的なものであるため、社会保険料の滞納には大きなリスクが伴い、滞納が長期にわたると財産が差し押さえになることもあるのです。

本記事では社会保険料を滞納してしまった場合のリスクについて解説したうえで、支払えないときの対策について説明していきます。

なお、広義では雇用保険と労災保険も社会保険に含みますが、本記事では健康保険・年金保険・介護保険の3つを対象として説明します。

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1. 社会保険料を滞納する8つのリスク

注意

まずは社会保険料を滞納することによって発生するリスクについて紹介していきます。滞納期間が延びるほどより重い対処がされていくことに注意しましょう。

1-1. 催促を受ける

社会保険料の納付期限は、納付対象月の翌月月末です。例えば、4月分の社会保険料であれば、5月末日までに納付しなくてはいけません。

この納付期限に未納付の場合、納付期限を過ぎてから1週間後くらいに督促状が届きます。また、年金事務所から問い合わせの電話がかかってくる可能性があります。
もし問い合わせの電話がかかってきた場合には、未納であることといつ納付できるのかの納付計画を尋ねられることとなります。

しかし、問い合わせがあることで少なくとも社内の関係部署や一部の社員は未納の事実を知ることになります。そのため、社内で噂になってしまったり、不信感を持たれてしまったりするというリスクがあります。

1-2. 延滞金が発生する

社会保険料の納付期限を過ぎてしまい督促状が届いた場合でも、督促状に記載された期限までに支払えば延滞金は発生しません。

しかし、この期限を超えてしまった場合は延滞金が発生します。

延滞金の割合は、延滞税特例基準割合に基づいて調整され、毎年日本年金機構が公開しています。なお、令和8年1月1日から令和8年12月31日については納付期限からの日数に応じて、納付期限から3ヵ月を経過するまでは年2.8%、3ヵ月を超えた後は年9.1%となっています。

延滞金の計算方法などの詳細は、日本年金機構のホームページで確認することができます。

参照:遅延金について|日本年金機構

1-3. 財務調査や捜査がおこなわれる

催促を受けても社会保険料を納付しない場合、年金事務所や労働局の職員による財務調査が実施されます。
財務調査は基本的には個人事業主や企業の代表者への聞き取りで、現金、預貯金、不動産、売掛金などの財産が対象となります。

この財務調査はあくまでも任意でおこなわれますが、この調査で成果が出ない場合には強制力を持った捜査に切り替わります。捜査となると個人事業主や企業の代表者の自宅への立ち入り調査や、取引のある金融機関の残高調査、さらには取引先への訪問なども実施されることになります。

1-4. 財産が差し押さえられる

財務調査により差し押さえ可能な財産があった場合、差し押さえが執行される前に予告通知が届きます。
この時点で滞納していた社会保険料を延滞金とともに支払うと差し押さえも回避できることもありますが、無視してしまうと財産が差し押さえられます。

差し押さえされてしまうとどうなるのかについては、後ほど詳しく紹介していきます。

どれくらいの期間滞納すると差し押さえられる?

社会保険料をどれくらいの期間滞納すると差し押さえになるのか、明確な基準は決められていません。未納の額や事業主の対応によって、年金事務所や労働局の対応も大きく異なるため、財務調査や捜査がおこなわれたあとすぐに差し押さえになるケースもあれば、猶予が与えられるケースももちろんあります。

しかし、差し押さえの予告通知が届いた場合は、年金事務所への連絡や相談など何もしなければその通知通りに差し押さえがおこなわれます。もしも社会保険料が払えず滞納してしまう場合には、すぐに年金事務所に連絡を入れ納付の相談をするようにしましょう。差押えなどの処分を受ける前に誠実に対応することが大切です。

1-5. 融資を受けられなくなる

社会保険料を滞納し、年金事務所などによる財務調査でも成果が得られずに捜査となった場合、金融機関にもその情報が伝わります。差し押さえになった場合も同様で、預貯金も差し押さえの対象になるため当然口座がある銀行にも伝わります。

金融機関は将来的に利息と共に返済されることを見込み、事業主を信用して融資をしています。そのため、社会保険料を支払えないほど資金繰りが悪化しているとわかってしまえば、そのような企業に対する融資は積極的にはおこなわれないでしょう。

1-6. 従業員が離職する可能性がある

企業に財務調査が入ったり、差し押さえがされたりした場合、多くの従業員もその事実を知ることとなります。
自身の将来にも関わる保険料を未納するような企業にずっと勤めたいという人はおらず、企業への信頼は薄れていきます。特に社会保険料は従業員からの預かり分も含まれています。そこが未納になっているという事実は、大きな衝撃と不信感を与えてしまうはずです。

企業への不信感が募ると、従業員のモチベーションは低下して離職を考える人も出てきてしまいます。資金繰りを改善できたとしても、従業員の離職が止まらずに事業の存続ができなくなる可能性もあります。

1-7. 取引先との関係が悪化する

財務調査や捜査がおこなわれたという情報は、金融機関だけでなく取引先にも伝わることがあります。

社会保険料を滞納しているという状況は、資金面や管理面に不信感を持たれてしまうため、取引先との関係が悪化したり、対応が変化したりするかもしれません。取引先からすれば、信用できる相手と長期的に良好な関係を築いていきたいと考え、自社を守る行動をとるのは当然でしょう。

場合によっては売掛金などの関係で直接的に取引先の財務に影響を及ぼすこともあるため、取引をやめてしまう企業も出てくる可能性があります。

1-8. 世間的なイメージが低下する

有名企業や大企業の場合、社会保険料を滞納するといった事実は広く公表されることとなり、世間的なイメージ低下は免れません。中小企業の場合でも、従業員や関係者が情報を流す可能性があります。近年はインターネットやSNSによって情報が広がりやすく、場合によっては不買運動や炎上といったケースにつながることも大きなリスクです。

もしも延滞金を支払い、その後経営努力で財務状態が健全に戻ったとしても、以前ほど商品が売れない、顧客離れといった影響は続いていくでしょう。

2. 社会保険料の滞納で差し押さえになるとどうなる?

ストップ

差し押さえとは、債務の履行を怠っている債務者に対して債権者がその債権の回収を図るため、債務者が保有する財産を処分できないようにすることです。もしも財産が差し押さえられたらどうなるのか、知っておきましょう。

2-1. 財産を失い商売が自由にできなくなる

差し押さえの対象は預貯金や不動産、動産といったように企業や事業主が保有する財産のほぼ全てが対象といえます。預貯金がなければ物を購入することができなくなり、不動産が利用できなければ働く場所がありません。機械で商品を製造することや、車で移動することもままならなくなってしまうでしょう。

つまり、差し押さえられると正常な企業活動を継続することは難しく、従業員の雇用も維持できなくなっていきます。

2-2. 社会的な信用を失う

差し押さえされたという事実は金融機関や取引先、そして働く従業員といった関係する人に広く伝わります。

経営不振であることが伝わるだけでなく、差し押さえが発生するまで未納状態を放置したという部分も知られてしまうため、事業主としての信用も失ってしまうでしょう。そうなると経営を立て直すことができたとしても、取引先が見つからなかったり、求人をしても従業員を確保できなかったりするなどの問題が発生します。

一度差し押さえになってしまった企業や事業主は、その事実が消えることはありません。

2-3. 社保倒産する可能性が高まる

社保倒産とは、社会保険料の滞納が原因で倒産に追い込まれることを指します。

日本年金機構が公表している「業務実績報告書」によると、令和6年の社会保険の滞納事業所数は140,958社で、そのうち差し押えに至った事業所数は59,548社でした。令和5年の42,072社より、差し押さえ執行数が1万7千社以上増えています。

社会保険料の徴収を確実にするため、悪質な滞納事業者には差し押さえの強制執行に踏み切っているようです。差し押さえが執行されれば、会社が社保倒産してしまう最悪のケースも避けられないでしょう。

参考:業務実績報告書|日本年金機構

3. 社会保険料滞納が従業員に与える影響

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社会保険料の滞納によってダメージが及ぶのは企業だけではありません。社会保険料の滞納は、その企業で働く従業員にも大きな影響を及ぼすことがあります。社会保険料の滞納が、具体的にどのように従業員へ影響を及ぼすのか見ていきましょう。

3-1. 滞納中の従業員への直接的な影響 

会社が社会保険料を滞納していたとしても、その支払い義務が従業員に及ぶことはありません。社会保険料の納付義務は、企業側にあるためです。

また、従業員がきちんと会社側に自己負担分の社会保険料を納めていれば、会社が滞納中であっても、健康保険証を使用して医療機関に受診することができます。将来受け取る年金額や加入期間も減ることはありません。

ただし、社会保険料の滞納が長期化・深刻化した場合は、従業員にも大きな影響が及ぶことがあります。

3-2. 滞納が長期化・深刻化した場合のリスク 

社会保険料の滞納が長期化・深刻化した場合、財産の差し押さえが執行され、その影響によって会社が倒産してしまう可能性が考えられます。

会社が倒産してしまえば当然ながら、そこで働く従業員は社会保険の被保険者資格を喪失してしまいます。そのため、国保や国民年金に加入するか、新たな就職先をみつけて社会保険に加入し直さなくてはいけません。

社会保険に再加入するまでの間は、医療費を一時的に全額自己負担する必要があり、従業員にとって手続き面・費用面の双方で大きな負担となるでしょう。

4. 社会保険料を支払えないときの6つの対策

解決策

社会保険料がどうしても支払えない場合も、催促を無視することは事態の悪化を招くだけです。具体的にどのようにすればよいのか、知っておきましょう。

4-1. 早い段階で相談をする

毎月の社会保険料を1度でも支払えない可能性が出てきたら、まずは年金事務所に相談しましょう。「1回くらいは放置しても大丈夫」「来月まとめて払えばいい」といった考えを持っていると、悪い結果を招きやすいです。できるだけ早く相談をした方が年金事務所への印象もよくなります。

社会保険料を納付できない可能性が出てきた時点で相談するのが適切ですが、遅くとも督促状が届いた時点で相談をするようにしましょう。

4-2. 納付の猶予を申請する

社会保険料の支払いが一時的に困難となった場合には納付の猶予を申請できます。
申請には天災や著しい業績悪化などの条件がありますが、条件を満たせば本来の納付期限から原則として1年以内、最長で2年の猶予が認められます。

また、猶予期間中の延滞金が全額または一部免除され、財産の差押えも猶予されるため、単なる未納よりは負担を軽減できます。

あくまでも納付の猶予であり、免除ではありません。猶予期間中の社会保険料は分納という形で納付しなければならないため、猶予申請が通っても支払いがなくなるわけではないことを覚えておきましょう。

4-3. 分納で支払っていく

納付の猶予が認められると、その分の社会保険料は分納という形で支払います。
猶予期間中に毎月分割して支払いますが、注意点としては通常の社会保険料と両方支払う必要があるということです。このため、分納を選択する際は、資金繰りが複雑になる可能性があり、事前にしっかりとした計画を立てることが重要です。 

具体的な金額や支払日といった点については年金事務所とよく相談しましょう。

4-4. 換価の猶予を申請する

換価の猶予とは、社会保険料の一括納付により事業や生活の継続が困難となる場合に受けられる猶予制度です。換価の猶予が認められれば、1年以内の期限で社会保険料を分納することができます。また、延滞金の一部が免除されるほか、財産の差押えも猶予されます。

なお、換価の猶予を受けるには、猶予を受けたい保険料の納期限から6ヵ月以内に申請する必要があります。

参考:厚生年金保険料等の猶予(換価の猶予・納付の猶予)|日本年金機構

4-5. 専門家の助言を求める

社会保険料の支払いが困難になった場合、専門家へ相談することも検討しましょう。

相談先としては、社会保険料の仕組みや猶予・減額制度に詳しい税理士や社会保険労務士が挙げられます。事業の状況に応じた具体的なアドバイスのほか、分割納付の交渉や手続きの代行も依頼できます。また、商工会議所や商工会では、中小企業・個人事業主向けに無料または低コストで経営相談を受け付けており、地域の支援制度についても案内してもらえます。

滞納が長引くと延滞金の加算や財産差し押さえのリスクが高まるため、支払いに不安を感じた時点で迷わず専門家に助言を求めましょう。

4-6. 破産申請をする

対策を考えてもどうにもならない場合には、破産の検討をすることも重要です。
企業が破産する場合は、仮に滞納金を支払わなくても従業員の厚生年金の加入期間が短縮されることもありません。

資金繰りや業績の改善が見込めず、今後ますます経営が悪化して給料未払いとなる前に破産を検討することも一つの手段です。

5. 社会保険料の滞納は危険!未払いを防止して早めに対策しよう

悩む男性

社会保険料を支払うことは義務であり、延滞すると大きなリスクを抱えることとなります。催促されるだけに留まらず、延滞金の発生や財務調査、最悪のケースでは財産を差し押さえられることもあるでしょう。

そうなってしまえば、社会的な信用を失い、取引先との関係や融資の打ち切りに発展するだけでなく、社会保険料の未納が原因による倒産を招くことになるかもしれません。 もしも支払いが困難となりそうな場合、納付の猶予や換価の猶予、専門家への相談などの対策がいくつかあります。

万が一差し押さえになった場合は、社会的な信用や大切な従業員を失うことになりかねません。支払えないからと滞納したままにせず、早めに年金事務所に相談し、対策を講じましょう。

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