所得税預り金の仕訳方法は?マイナスになる場合や納付期限まで解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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所得税預り金の仕訳方法は?マイナスになる場合や納付期限まで解説

預り金

給与計算や年末調整をおこなう際に出てくるのが、預り金です。
勘定科目の1種で、さまざまな預り金を一括りにして預り金といいます。

所得税預り金とは所得税における預り金で、仕訳方法にポイントがあります。
このほか、金額がマイナスになるケースもあるため、その仕組みや特徴について正しく把握しておきましょう。

今回は、所得税の預り金における仕訳方法について、マイナスになる場合や納付期限と合わせて詳しくご紹介します。

関連記事:所得税とは?納税方法や確定申告が必要な人・不要な人について解説

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1. 所得税預り金の仕訳方法

計算する様子企業の役員や従業員、あるいは取引先などが負担すべきお金を、支払う前の段階で一時的に会社が預かった場合に用いられる勘定科目が預り金です。
その性質から、預かりすぎてしまったために後から本人に返金されたり、第三者に対する支払いに使用されたりします。

所得税の預り金の仕訳方法について確認する前に、まず知っておきたいのが似たような勘定科目との分類の仕方です。預り金は、立替金や前受金と似たような部分があります。

企業の役員やそこで働く従業員、あるいは取引先などが負担する必要のあるお金を、会社が一時的に立て替えて払った際に用いられる勘定科目が立替金です。
ポイントとなるのは、そのお金の負担者が違う点ですので、この違いを覚えておきましょう。

預り金の場合、動いたお金は負担すべき本人のものです。
一方で、立替金では負担すべき本人に代わって会社のお金が動いています。

もう1点、前受金についても確認しておきましょう。
これは、取引先に対して商品やサービスなどの提供がまだ完了していないものの、この先売上高となるお金をあらかじめ受け取った際に使用される勘定科目です。

預り金の場合、そのお金が先売上になることはありません。
一方で、前受金はこの先の売上の一部あるいは全部を指して使用されます。

1-1. 実際に預り金を仕訳するうえでのポイント

それでは、実際に従業員の給与を例として、預り金を仕訳する際のポイントについて見ていきましょう。

まずは、あらかじめ税金などの支払いをおこなうために、6月の総支給額から源泉徴収した場合です。例えば社会保険料等を控除した後の給与が20万円、源泉徴収税が4,770円だった場合の仕訳は次のとおりです。

借方 貸方 摘要
給与 200,000円 普通預金 195,230円 6月分給与
預り金 4,770円 6月分源泉所得税ほか

従業員が支払うべき所得税などを支払うために、会社が預り金として天引きしたということになります。

上記の預り金で実際に税金などを支払うと、以下のようになります。

借方 貸方 摘要
預り金 4,770円 現金 4,770円 源泉所得税ほか

続いて、外部から講師を招いてセミナーを開催した際、受講料を預かったケースについて見てみましょう。例えばセミナー受講料が1万円を社員から預かったケースの仕訳は次のとおりです。

借方 貸方 摘要
現金 10,000円 預り金 10,000円 セミナー受講料社員負担分

もし、セミナーに割引が適用されて返金する場合は、以下のようになります。

借方 貸方 摘要
預り金 10,000円 預金 8,500円 セミナー受講料社員負担分
現金 1,500円 社員に返金

預り金の仕訳方法についてしっかりと把握しておきましょう。

1-2. 預り金は流動負債として扱われる

預り金は、基本的に負債として扱われます。
やがて資産は減っていくもので、1年の内に支払いきれることが多いため、通常は流動負債として分類します。

ですが、なかには1年の内に支払いが終わらない場合も少なくはありません。

例えば、賃貸として扱っている不動産において、退去した際に返される予定の敷金や保証金といったものは、すぐに返金されることは基本的にないでしょう。
このような場合には、預り保証金として扱い、固定負債に分類します。

2. 所得税預り金がマイナスになる場合

プラスとマイナス

預り金は、支払うべきお金をあらかじめ預かっておくためのものなので、基本的にはプラスの金額となります。
しかし、必ずしもプラスになるとは限らず、場合によってはマイナスになることもあります。

仕訳された情報から受け取れることを読み解くと、源泉徴収によってあらかじめ天引きしていた金額が多すぎたために、税務署ではなく会社が還付をしていることがわかります。
しかし、納税先は税務署ですので、会社ではなくそちらから返金してもらわなければいけません。

こういったケースだと、基本的には税務署から返してもらうのではなく、来年の1月以降のどこかで源泉徴収する金額から差し引きして納付します。
その結果、帰ってきたお金のほうが多ければ、結果的にマイナスとなってしまうのです。

預り金勘定を使用し続ければ、そのうちマイナスは消滅します。
ですが、月次決算などにおいてマイナス表記をしたくないのであれば、立替金として扱うといった方法で対応しましょう。

2-1. 所得税預り金の納付期限

預り金は、支払うべき人からあらかじめ差し引きした金額ですが、その額がすべて納付の対象となるわけではありません。
納付とは公的機関に対して税金、あるいは社会保険料といったものを支払う際に用いられる言葉なので、預り金のなかには対象にならない部分があるケースは少なくありません。

もし、預り金のなかに納付として扱うために仕訳した部分があるのであれば、納付期限に注意しなければいけません。

例を挙げれば、源泉所得税や住民税といったものは、支払われた月の翌月10日までに税務署に対して納税するのが原則です。
所得税に関しては、給与を受け取る人員が10人に満たないのであれば、月々ではなく、半年おきに半年分をまとめて納めてもよい特例があります。

2-2. 所得税預り金の納付期限を過ぎてしまった際のペナルティ

基本的に、税金に関しては納付期限を過ぎてしまうと、延滞税のようにペナルティが発生してしまいます。
しかし、所得税においては金額が大きくなく、また数日程度の遅延であれば、延滞税が発生しない場合もあります。
納付期限を過ぎてしまったとしても、気づいた段階で速やかに納めましょう。

1回、納付期限を過ぎてしまうと、1年以内にまた同様のミスをおかした際には、不納付加算税が発生するため、合わせて気を付けなければいけません。

不納付加算税は、税額に対する10%にあたります。
延滞税に関しては、納付期限の翌日から2ヵ月が過ぎるまでは2.6%、それをさらに過ぎると8.9%となります。

所得税のほか、同じように預り金として扱われる厚生年金保険料などについても合わせてペナルティを確認しておきましょう。
厚生年金保険料の納付が遅れると、まず督促状が送られてきます。

さらに、督促状の内容にも従わないでいると、そのなかで指定された期日以降から延滞金が発生します。

当サイトでは、上述した納付期限をを過ぎてしまった際のペナルティーについてわかりやすく図示した資料を無料で配布しております。

本資料には、上記の内容以外にも、そもそもとなる税金の計算方法や計算時に気を付けるべきポイントなどをまとめておりますので、不安な点があるご担当者様は、こちらから「所得・住民税 給与計算マニュアル」をダウンロードしてご確認ください。

3. 所得税や保険料など仕訳における正しい勘定科目の扱い方を要チェック

チェックリスト

企業などと雇用契約を結んで働いていると、支払うべき所得税や保険料といったものは、源泉徴収として支払う前に天引きされます。
仕訳を記載する際は、天引きされる金額は預り金として、摘要に源泉徴収などある程度の詳細な情報と合わせて表記します。

また、基本的に速やかに納付される預り金については、流動負債として扱うことも覚えておきましょう。

加えて、所得税には納付期限があるということも覚えておかなければいけません。例えば源泉所得税や住民税は、支払い月の翌月10日までに税務署に納付が必要です。納付期限を過ぎてしまうと、ペナルティが発生します。最初は督促状が送付され、督促を無視していると延滞税や不納付加算税といったペナルティが発生する恐れがあるので気を付けましょう。

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・税額が合っているか不安
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OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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