稟議書を書く際のポイントは?|必要項目や具体的な書き方を解説
更新日: 2024.5.8
公開日: 2022.1.17
HORIUCHI
稟議書は承認者や決裁者の読みやすさを意識して作成することが大切です。簡潔でわかりやすい文章で作成された稟議書は、承認されやすくなるでしょう。
本稿では稟議書を作成する際のポイントや書き方の具体例を解説します。
稟議申請は、自身の権限では決定できない事項について文書を作成し、会社が定めた承認者に判断してもらうためにおこないます。
稟議申請は複数人が回覧するだけでなく、社長などの会社上層部が最終決定をする場合が多いです。
そのため、稟議書には「判断してもらいたい内容」をわかりやすく、簡潔にまとめる必要があるでしょう。
その際に、契約書の内容と相違ないことや、取引に関連する重要な事項を記載することで、申請が円滑に進みます。
円滑に進めるためにも、契約書の種類や内容を理解することが大切です。
そこで今回、契約や契約締結の意味や契約の有効要件、主な契約書の使用目的などをまとめた資料を用意しました。
契約書を読んだことがない、契約書ごとにかかれている項目がわからない、という方はぜひご活用ください。
1.稟議書とは
自身の権限では決定できない事項について文書を作成し、承認者を経て決済権のある人に確認を依頼し、最終的に決めてもらうための書類です。
権限の低い人から高い人へ向かって稟議書は回されていくため、会社の規模が大きくなるほど承認者の数も多くなります。
承認する人数が増えると情報の正確性や内容にブレが生じてしまう可能性がありますが、稟議書を利用することで申請内容のブレを防ぐことができます。
1-1.稟議書が必要になるケース
稟議書が必要になる代表的なケースは4つあります。
● 契約稟議
● 購買稟議
● 採用稟議
● 捺印稟議
契約稟議は他社との契約、購買稟議は物品の購入、採用稟議は新入社員の採用、捺印稟議は承認済契約書への押印となります。
これらの稟議は個人では決められないため、稟議書を用意して決裁者の承認を得ます。
関連記事:契約書の作成から郵送までの手順・ルールは?押印や保管の方法も詳しく解説! | jinjerBlog
2.稟議書を書く際のポイント
稟議書の目的は書くことではなく、申請して承認を得ることです。そのため、稟議書の承認を得られやすい文書で作成することが重要になります。
稟議書を書くときに意識したいポイントを解説します。
2-1.目的と手段の明確化
稟議書の承認を得るためには「なぜ必要なのか」「どのように目的を達成するのか」をわかりやすく伝える必要があります。
文書を作成した本人は目的や理由をよくわかっていても、稟議書を読む人はなぜ必要なのかわかっていないかもしれません。
そのため、初めて情報を知る人でも理解できるように「目的」と、どのような「手段」を用いて目的を達成するのかを伝えなければいけません。
2-2.得られるメリットやリターンを明記
決済権者にとって承認するかの判断ポイントは「会社の利益につながるか」です。
例えば、「採用稟議」の場合、採用するにあたって採用活動のコストや育成コストがかかってしまいます。
しかし、社員が増えることによりどのようなメリットが得られて会社の利益にどのような好影響があるのか示すといいでしょう。
採用に関するコストよりも、採用して得られるメリットの方が大きいと判断されると、承認されやすくなります。
また、数値を用いて具体的なメリットを提示することで、決裁権者が確認してもすぐに伝わりイメージしやすい内容にすると良いでしょう。
2-3.要点をまとめわかりやすく記載
正確な情報を詳しく伝えようとするあまり、文章が長くなってしまうことがあります。
承認を得るためには、決裁者の時間と労力をかけないようにするのもテクニックのひとつです。
箇条書きを利用したり、専門用語はできるだけ利用しないようにしたりして読みやすさを意識するといいでしょう。
また、承認者の理解を得るためにはデータの記載するのが有効ではありますが、不必要なデータはマイナスになってしまう可能性があります。
本当に必要なデータなのかよく考えて、そこまで重要ではないデータや情報は省いてしまいましょう。
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3.稟議書に必要な項目
稟議書の書き方は決まっていません。しかし、簡潔でわかりやすい稟議書を書くには必要項目のみの記載がおすすめです。
稟議書に必要な項目は全部で5つあります。
3-1.起案者・起案日・決裁日
稟議書は複数の人が見る書類です。そのため、「誰が」「いつ」作成し提案したのか記載する必要があります。
起案者と起案日は稟議書の作成者が記入しますが、決済日は決裁者が記入します。
決済日は、記載されている日にちから稟議書の内容が有効であることを示す役割があるため、忘れずに決済日を記入するスペースを用意しましょう。
3-2.件名
件名は稟議書を受け取った承認者や決裁者が最初に確認する項目です。できるだけ簡潔に伝えるのが望ましいですが、内容が伝わらなければ件名の意味がありません。
どのような内容の稟議書なのかイメージができるような件名にするといいでしょう。
3-3.稟議の目的
稟議が承認されることによってどのようなメリットが得られるのかを示します。
稟議書を読んだ人が「これは会社にとって大きなメリットになる」と思ってもらえるようなことを記載すると承認や決済がされやすくなります。
3-4.稟議の理由
「稟議の目的」と似ていますが、ここではなぜ必要なのか理由を提示します。メリットだけでなく、デメリットやリスクを隠さずに記載し、それを解決する方法を示すといいでしょう。
また、代替案や他社との比較などの数値データもあると承認者や決裁者の判断がしやすくなります。
3-5.金額
金額は大まかなものではなく、できるだけ正確な金額を記載します。
コストがかかる場合はいくらくらいなのか、実際に見積もりを取るといいでしょう。
これらの項目は契約書にも記載されています。もし契約書の記載が不足している場合は稟議でも指摘される可能性が高いでしょう。取引先との認識齟齬を防ぐことや稟議の期間短縮にもつながるため、事前に契約書に目を通しておくことがおすすめです。「そもそも契約書に記載されている項目がよくわからない」という方は、当サイトで無料配布している「【従業員周知用】ビジネスにおける契約マニュアル」を参考にするとよいでしょう。契約の基本知識から契約締結までの流れ、契約書に記載されている基本項目まで解説しています。興味のある方はこちらからダウンロードしてご覧ください。
4.稟議書の具体例
稟議書が必要になるケースは「契約稟議」「購買稟議」「採用稟議」「捺印稟議」の4種類です。
それぞれの稟議書の書き方を解説します。
4-1.契約稟議
契約稟議は新しく業者と契約を結ぶ際に必要な稟議です。
稟議書作成時のポイントは他社との比較をすることです。なぜ「この会社でなければならないのか」その理由を明確にします。
また、契約を結ぶことによって自社にどのようなメリットや利益があるのかをしっかりと伝えられると承認されやすくなるでしょう。
4-2.購買稟議
購買稟議は新しい物品やシステムを導入する際に必要な稟議です。購入する理由や、その商品でなければならない理由などを稟議書に記載します。
また、物品やサービスの詳細情報も必要になります。見積もり比較も場合によっては必要です。パンフレットや公式サイトの情報をそのまま利用するのではなく、必要な情報を自身でまとめてわかりやすくするといいでしょう。
4-3.採用稟議
採用稟議は、新入社員の採用の際に必要な稟議です。
とくに成長企業では自身の部署以外にも人員が不足している可能性があるため、なぜ新入社員が必要なのか明確にしなければ承認が難しいかもしれません。
どのような人材を採用したいのか、雇用期間や雇用形態、育成プランなどを伝えると、承認者や決裁者に求めている人材のイメージが伝わるため承認されやすくなるでしょう。
4-4.捺印稟議
捺印稟議は、契約書へ押印するための稟議です。大手企業など企業規模が大きく法務部が存在する企業の場合は、捺印稟議による法務部承認を経て、別稟議にて承認済の案件の契約書に押印をもらうことで、正式に契約締結を完了できます。
捺印稟議では、具体的な捺印の種別や捺印箇所、捺印数について指定する必要があります。詳しくはこちらの記事を確認しながら、適切な内容を記載するようにしてください。
5.稟議書と稟議申請の電子化
これまでの稟議書は紙書類で作成するケースが多くありました。
実際に手に取り確認できることはメリットではあるのですが、紛失のリスクや稟議書が決済されるまでに時間がかかりすぎてしまうという問題もあります。
このような課題を解決する方法でおすすめなのが、稟議書と稟議申請を電子化することです。
5-1.稟議書と稟議申請を電子化するメリット
最大のメリットは稟議書の申請から締結までがオンライン上で一本化されるため、効率化が可能なことです。
締結後もオンライン上で稟議書を管理できるため契約書の管理などが効率化できます。
また、「電子署名」と「タイムスタンプ」を付与することで改ざんを防ぐことも可能なため、安心安全に運用できます。
6.具体性を持たせたわかりやすい稟議書の作成が重要
稟議書は自身の権限では決められない事項を、決裁者に確認依頼して決めてもらうための書類です。複数の人が読む書類のため、わかりやすく見やすい文章で作成するといいでしょう。
大切なポイントは目的と手段を明確にし、メリットを具体的な数値で提示することです。目的と手段が伝わり、会社にとって利益になると判断されると承認や決済がされやすくなるでしょう。
稟議申請は、自身の権限では決定できない事項について文書を作成し、会社が定めた承認者に判断してもらうためにおこないます。
稟議申請は複数人が回覧するだけでなく、社長などの会社上層部が最終決定をする場合が多いです。
そのため、稟議書には「判断してもらいたい内容」をわかりやすく、簡潔にまとめる必要があるでしょう。
その際に、契約書の内容と相違ないことや、取引に関連する重要な事項を記載することで、申請が円滑に進みます。
円滑に進めるためにも、契約書の種類や内容を理解することが大切です。
そこで今回、契約や契約締結の意味や契約の有効要件、主な契約書の使用目的などをまとめた資料を用意しました。
契約書を読んだことがない、契約書ごとにかかれている項目がわからない、という方はぜひご活用ください。
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