タレントマネジメントの5つのメリットと3つのデメリット - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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タレントマネジメントの5つのメリットと3つのデメリット

タレントマネジメントとは、人材情報を可視化して一元管理し、人事業務に活用していくマネジメント手法です。従業員が持っている能力や才能を把握して、人材を適材適所に配置できれば、業務の効率化や業績アップなどの効果が期待できるので組織力の向上に役立ちます。

従業員情報の一元管理をおこなうのは業務負担が大きいと感じるかもしれませんが、1度情報を網羅してしまえば、ばらばらに管理するよりも簡単です。また、タレントマネジメントをおこなうことで、今まで煩雑だった管理業務を効率化することが可能になるのです。ただし、メリットだけではなくデメリットがあります。

ここでは、タレントマネジメント導入によるメリットやデメリット、またスムーズにおこなう方法などを解説していきます。

1. タレントマネジメントとは

データ連携の概念図

タレントマネジメントとは、業績向上や経営目標の達成を、従業員を活用して実現するマネジメント手法のひとつです。

ここでいうタレントには、「従業員の才能・資質・能力」の意味があり、これらの情報を採用や育成、人材配置などに活かすことで企業成長を目指します。

マネジメントの方法はいろいろありますが、基本的には従業員のタレント情報を収集・可視化し、人材情報をもとに育成や配置をおこないます。

タレントマネジメントは2000年ごろから欧米を中心に企業が導入するようになりましたが、日本では2010年ごろから導入されるようになりました。

欧米ではリーダーや優秀な人材の育成という意味で使われていますが、日本では育成に限らず従業員に対しておこなう人事業務のことで使われるのが一般的です。

2. タレントマネジメントを導入する5つのメリット

企業ではこれまでも人材管理をおこなってきましたが、新たにタレントマネジメントを導入することには下記のようなメリットがたくさんあります。

  • 適材適所の人材配置が可能になる
  • 社内で埋もれている人材を発掘できる
  • 事業展開をスピーディーにおこなえる
  • 社員のモチベーション維持・向上につながる
  • 社員がキャリアパスを構築できる

ここでは、これらのメリットを解説していきます。

2-1. 適材適所の人材配置が可能になる

タレントマネジメントでは、社員の能力やスキル・これまでの業務経験や行動特性などを一元的に管理します。そのため、社員一人ひとりをいろいろな側面から捉えられるようになるので、人事異動において適材適所の配置が可能になります。

例えば、能力と行動特性がバラバラに管理していると、同等の能力を持つ社員が2人いた場合、新たに空いたポストにそれらの社員のうちどちらを昇進させるかで迷うかもしれません。

片方の社員は主に「自分の力で難しい局面を打破していく」のに対して、もう片方の社員は「周囲を巻き込みながら協働してプロジェクトを前に進めていく」というような行動特性も同時にわかっていれば、適材適所の人材配置が可能になります。

2-2. 社内で埋もれている人材を発掘できる

タレントマネジメントでは、数字や表彰経験といった形式で表すことが難しいような能力・スキルを管理することも可能です。

例えば、人の上に立つポジションに求められるリーダーシップや、多くの部署と関わりを持ちながら仕事を行うポジションに求められる協調性などは、テストや資格などでは測りにくいものですが、重要な能力であることは間違いありません。

タレントマネジメントでそういった個人のスキルを把握できるような項目設定をすることで、将来のリーダーや経営者候補を見つけられる可能性が高まるでしょう。

社員自身がそういった能力を自覚していない場合でも、タレントマネジメントをおこなうことによって社員自身に気付きの場を提供することにもなります。

2-3. 事業展開をスピーディーにおこなえる

適材適所の人員配置は、タレントマネジメントをしていなくても社員それぞれの能力などをきちんと精査すれば、できないわけではありません。

しかし、それには本人および上司や同僚などの周囲の人間に対する調査が必要なため、時間がかかってしまいがちです。

マーケットが刻一刻と変化し、新しい技術が矢継ぎ早に表れ、消費者の興味・関心がころころ変わる環境においては、事業展開をおこなうのに時間をかけている余裕はありません。

タレントマネジメントを導入することで、新規事業の立ち上げを決めた後の人員配置をスムーズに行えるようになるので、スピーディーな事業展開が可能になります。

2-4. 社員のモチベーション維持・向上につながる

社員一人ひとりに適切な職責や職務を与え、それぞれの能力やスキルに応じた仕事を割り振ることができるので、社員のモチベーション維持・向上につながります。

社員は「自分の能力を最大限に発揮できる(発揮しなければ置いていかれる)」と感じられる環境に身を置くことができるので、仕事への不満もなくなるかもしれません。

その結果、社員の離職・転職を防ぐことにもつながり、人材の流出を防ぐ効果も期待できます。ただし、このメリットを得るには、タレントマネジメントを正しく使いこなす必要があることをしっかり覚えておきましょう。

2-5. 社員がキャリアパスを構築できる

タレントマネジメントでまとめられるデータは、社員自身でも確認することができます。

そのため、社員が自分はどのような能力に秀でているのか、どのような点が足りないのかを客観的に判断できるので、社員自身の成長にも役立ちます。

社員が今後のキャリアパスを考える際は、自身の希望ベースで考えることもあれば自身の能力ベースで考えることもあります。

自身の能力ベースで考える場合であれば、タレントマネジメントでまとめられたデータはキャリアパスの形成に大きく役立つと言えるでしょう。

3. タレントマネジメントのデメリット

タレントマネジメントには、メリットがある反面下記のようなデメリットもあります。

  • データの収集に手間がかかる
  • 活用イメージが難しい
  • 項目が多いと業務負担が大きい

ここでは、これらのデメリットについて解説していきます。

3-1. データの収集に手間がかかる

タレントマネジメントは、社員1人ひとりのデータが正確に集まっていることが前提になっています。

データはポートフォリオから集めることもできますが、長年在籍している社員の場合は、新たに資格を取得していたりビジョンが変更になったりしている場合があります。

正確なデータを集めるには、リアルタイムの情報収集が必要となるので、社員一人ひとりにアンケートを取らなければならないかもしれません。

そのため、データの収集に手間がかかるというデメリットがあります。

3-2. 活用イメージが難しい

タレントマネジメントを初めて導入する場合、どのように活用すればいいのかイメージがわかないという担当者の方もいるかもしれません。

タレントマネジメントは、社員の情報を一元管理しなければならず、それには業務負担が生じるため、本当に活用できるかどうか不安に感じるでしょう。

タレントマネジメントの効果を最大化するには、社員のデータを蓄積するなどの準備が必要です。

しかし、活用イメージが難しいというデメリットがあるため、手をつけるまでに時間がかかってしまうのもデメリットといえるでしょう。

関連記事:タレントマネジメントの効果を向上させるための3つの秘策とは?

3-3. 項目が多いと業務負担が大きい

タレントマネジメントでは、社員の情報を適切に把握して適材適所の人員配置をおこなうために、それぞれの社員を指標ごとに評価・判断しますが、この指標を一般的に「項目」と呼びます。

しかし、この項目が多すぎてしまうと管理するのに手間がかかり、業務負担が大きくなるというのがデメリットです。

このデメリットを回避するには、タレントマネジメントを導入する前に人事課題を要素分解し、どのような項目をもって社員を評価・管理すべきかを事前に決めておくことが重要になります。

関連記事:タレントマネジメントの導入においてチェックすべき5つの項目

4. タレントマネジメントのメリットを生かした人事のあり方

タレントマネジメントを導入すると人材情報を可視化・一元管理できますが、重要なことはそのような人材情報をどのように活用するかということです。

人材配置をおこなう場合は、会社や部署がもとめる能力・スキルをはっきりとさせたうえで、そのスキルを有する社員を採用・配置しなければなりません。

タレントマネジメントを活用することで、そのマッチングを適切におこなえるようになるので、会社と社員の双方にとってwin-winの選択ができます。また、社員同士の能力やスキルの比較も容易になるため、空いたポジションへの候補となる社員が複数いたとしても、最適な選択をすることが可能になります。

社員が有する能力が会社が求める水準に満たないこともありますが、そのような場合でも的確な育成方針を立てられます。

そして何よりも重要なことは、人材情報が可視化・一元管理されていることで、人事上の判断をスムーズにおこなえるということです。

タレントマネジメントのメリットを最大限に生かすことができれば、人事は会社を成長させるための役割を今以上に担えるのです。

5.タレントマネジメントをスムーズにおこなうには

人材の活用は人事における重要なミッションのひとつですが、そのためには今いる社員の能力を伸ばすことも重要ですし、会社に足りていない能力を有する社員を採用することも同様に重要です。これらの達成のためには、「社員それぞれの能力やスキル」と「会社が必要としている能力やスキル」を正確に把握しておかなければなりません。

タレントマネジメントは「正確な把握」を可能にするためのもので、会社および社員の将来を見据えたうえでの育成や採用ができるようになります。

しかし、デメリットを考えてしまうと、担当者の方はこれ以上業務負担が増えることに抵抗を覚えるかもしれません。

確かに、手作業での情報収集やデータ化は負担が大きくなってしまいます。しかし、マネジメントシステムを導入すればスムーズにタレントマネジメントをおこなうことが可能です。

システムはデータ情報を一元管理してくれるので、担当者の業務負担を増やすことなくタレントマネジメントができます。

6. タレントマネジメントシステムの主な機能

タレントマネジメントを効率化するために、「タレントマネジメントシステム」を導入している企業は多くあります。

タレントマネジメントシステムは製品ごとに搭載されている機能が異なりますが、主な機能は以下の3つになります。

  • 従業員のスキル情報を一元化
  • データ分析機能
  • 目標管理機能

ここでは、これらの機能について解説していきます。

6-1. 従業員のスキル情報を一元化

タレントマネジメントシステムでは、特定の社員の能力・現状の人員配置・経歴・評価面談の記録など、分散したプロファイルを一元管理できる人材データベースの管理構築が可能です。

また、タレントマネジメントシステムには、社員のデータを正確に集めるために、アンケート機能が搭載されています。

従業員満足度を計測するためのアンケートや研修受講後のアンケートなど、様々なアンケートを作成することで、データベースにより正確な情報を蓄積することができます。

6-2. データ分析機能

登録された情報をもとに分析し、データを人事評価ができる状態にしていきます。

タレントマネジメントシステムには、過去の経験や評価内容の推移なども参照しつつ、各従業員のスコアを付けていく機能が備わっています。

システムによっては、データ分析でスキル情報をグラフや表にして可視化、レポートとして抽出もできるので、経営陣や上司への報告に役立ちます。

6-3. 目標管理機能

目標管理機能は、人材評価の指標や実績を管理する機能です。

社員が希望しているキャリアに合わせて目標を設計し、四半期や月単位など必要なタイミングでフィードバックをします。

社員1人ひとりの目標と実績を一元管理しているため、良かった点や課題が明確化され、フィードバックもしやすくなります。

また、タレントマネジメントシステムを導入すると、個人単位やグループ単位での目標管理も可能になります。

7. タレントマネジメントを活用して従業員の満足度を上げよう!

満足する

タレントマネジメントシステムを導入すれば、担当者の業務負担を増やすことなく、効率的なタレントマネジメントをすることが可能です。

タレントマネジメントにはデメリットもありますが、人材育成や適材適所の配置などさまざまなメリットが期待できます。

メリットの1つには、従業員のモチベーションを高められるということが挙げられます。従業員のモチベーションは、業務の効率化や業績の向上には欠かせません。

会社が間違った方向ではなく、適切な育成や配置をおこなえば、間違いなく従業員の満足度は高められるので、導入ステップや活用方法を把握して自社に合ったタレントマネジメントを確立していきましょう。

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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