タレントマネジメントの効果とは?向上させるための3つの秘策 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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タレントマネジメントの効果とは?向上させるための3つの秘策

タレントマネジメントは人事マネジメントの手法のひとつであり、運用効果を向上させるためにはいくつか注意しなければならないポイントがあります。

また、導入する以上は定期的に効果をモニタリングする必要がありますが、その際に用いる指標によっては効果がうまく計測できないかもしれません。マネジメントを成功させるには、単に手法を実践するのではなく、必要な秘策をおこなうことが効果的です。

本記事では、タレントマネジメントの効果や向上させるためのポイント、メリットなどについて解説します。

1. タレントマネジメントとは?

女性が考えている様子タレントマネジメントとは、従業員の能力や経験、個性などの情報を集めてデータ化し、人材採用や育成、配置などに活用するマネジメント手法です。

経営戦略には、目標設定や競合の把握、社会情勢などが関わってきますが、一番の要となるのは実際に現場で働く人材です。つまり、人的資本を重要な経営資本として捉えることで、パフォーマンスを最大限に活かせる組織作りをおこなっていくというのがタレントマネジメントです。

従業員を経営資本とするため、人事に関わる「採用」「育成」「評価」「報酬(待遇)」などはすべてタレントマネジメントと連携しているので、人事戦略とイコールともいえるでしょう。

1-1. タレントマネジメントの目的は?

結論からいうと、人事戦略は企業ごとに異なるので、それに付随するタレントマネジメントの目的も企業によって異なります。

人事部の課題は「とにかく人が足りない」「専門職をできる人間がいない」など違いがあるため、タレントマネジメントをおこなう目的も変わるのが一般的です。

しかし、「離職を防ぎたい」「適切な人材配置をおこないたい」というのは多くの企業に共通しています。

タレントマネジメントは、従業員の情報を集めてデータ化するので、モチベーションが低い従業員をサポートしたり業務に見合った能力を持った人材を配置したりできます。つまり、大きなくくりで考えると、離職を防ぎ適材適所に人材を配置するというのが、タレントマネジメントの目的となるのです。

2. タレントマネジメントの効果

タレントマネジメントを適切に運用することができれば、人事部が抱える課題に対して以下のような効果が期待できます。

  • 離職率の減少が期待できる
  • 適切な人的配置
  • 社員の能力を適切に評価できる

ここでは、タレントマネジメントが解決できる課題について解説します。

2-1. 離職率の減少が期待できる

採用に力を入れている企業であっても、社員が早期に離職してしまったら、採用に投資した時間や労力が無駄になってしまいます。

タレントマネジメントでは、従業員満足度・評価・業績結果・勤怠情報など様々な指標を管理できるので、モチベーションが低下しているであろう社員を発見することができます。

モチベーションが低下している社員に対しては、理由を把握するための面談を実施しフォローすることで、離職の未然防止へつなげることができます。

2-2. 適切な人的配置

「社員の強みを活かして人的配置をおこないたい」「社員の能力やポテンシャルが分からない」といった悩みを抱えている方も多くいらっしゃるかもしれません。

そこで、タレントマネジメントを導入することによって、個人の持つ能力やスキルを的確に把握できるようになり、人材を適材適所に配置することが可能になります。

タレントマネジメントは、人材が流動的になり長年、社員が会社に在籍している保証のない現代において、社員の入れ替わりがあっても組織としてのパフォーマンスを維持するのに役立に立ちます。

2-3. 社員の能力を適切に評価できる

どこの部署に所属しているか、上司が誰かなどによって評価基準が異なってしまえば、社員の能力評価を適切に評価することはできません。

また、テレワークで仕事をする人が多くなっている現在では、対面でのコミュニケーションが減り、社員を適切に評価することはより難しくなりました。

タレントマネジメントでは、社員の能力や実績をデータで把握し、客観的な指標でそれぞれの社員を判断できるので、社員の能力評価を公正におこなうことができます。

評価制度が透明化されていることは、社員のモチベーション低下を防ぐという点でも重要です。

タレントマネジメントを導入する際の評価項目は、以下の記事をご参照ください。

関連記事:タレントマネジメントの導入においてチェックすべき5つの項目

3. タレントマネジメントの効果を向上させるポイント

タレントマネジメントは人材配置や人材育成に役立てることのできるシステムですが、ただ導入するだけでさまざまな問題が解決するというようなものではありません。

課題解決のためには、以下のようなポイントを押さえておくことが重要です。

  • 目的や課題をはっきりさせる
  • 目的に沿った項目設定をする
  • 導入時に従業員の理解を得る

ここでは、タレントマネジメントの効果を向上させるためのポイントについて解説していきます。

3-1. 目的や課題をはっきりさせておく

タレントマネジメントは、それぞれの会社が目指す目的や抱えている課題に対して、人材という観点からアプローチするための手法です。

そのため、どのような目的を達成するために、どのような課題を解消するためにタレントマネジメントを導入しようとしているのかを、あらかじめハッキリさせておかなければなりません。

また、その目的や課題が長期的なものなのか短期的なものなのかによって、タレントマネジメントでのアプローチは変わってきます。

導入前に経営陣や人事担当者で目的・課題について話し合いをおこない、意見をすり合わせておかなければ、期待しているような効果を挙げられない可能性が高いといえるでしょう。

3-2. 目的に沿った項目設定をする

タレントマネジメントでは、社員の能力やスキルを項目ごとに管理できます。年齢・職務経験のような設定が欠かせない項目もありますが、他の項目に関しては自由にカスタマイズできるのが特徴です。

タレントマネジメントを導入する場合、自社にとって理想的な人材、自社の課題を解決するのに必要不可欠な人材を最初に想定しておかなければなりません。

その人材が持っている能力や素養を要素分解することで、人材育成のためにどのような項目を重点的に管理・確認しなければならないかがわかるからです。

会社が目指す目的の達成・抱える課題の解決に沿った項目設定をおこなえるかどうかで、タレントマネジメントの効果は大幅に変わります。

3-3. 導入時に従業員の理解を得る

タレントマネジメントを導入して運用するためには、データを収集されることになる従業員の理解が欠かせません。

プライバシーに関わるデータを収集されることに抵抗する従業員も一定数いることが考えられますし、そもそもデータを収集されるということ自体にあまり乗り気でない従業員もいるでしょう。

従業員の納得が得られないまま導入を進めても、情報の収集が滞ったり正確な情報が得られなかったりする可能性があります。

そのため、なぜタレントマネジメントを導入する必要があるのか、どのようなメリットがあるのか、タレントマネジメントを運用するためにはどうしてデータを集める必要があるのかをしっかりと説明して、従業員に主体的に関わってもらえるように働きかけましょう。

また、タレントマネジメントを運用していく中でどのような成果が出たかをフィードバックしていくことも、従業員の理解を得るためには欠かせません。

関連記事:タレントマネジメントの5つのメリットと3つのデメリット

4. タレントマネジメントのメリット

タレントマネジメントは、導入・運用してすぐに目に見えるような成果が現れるとは限りません。目的や課題に対する解像度が低かったり、それによって項目設定がうまくできていなかったりする可能性があるからです。

しかし、それでもマネジメントをおこなえば以下のようなメリットが得られます。

  • 生産性の向上が期待できる
  • 効率の良い人材育成
  • エンゲージメント向上

ここでは、これらのメリットについて解説していきます

4-1. 生産性の向上が期待できる

タレントマネジメントでは、人事部だけでなく在籍部署の管理職も従業員のデータを把握できるので、実践的な人材配置が可能になります。

例えば、営業部の事務職をしている従業員が元保険外交で成績を上げていた経験がある場合、この情報を知ることで営業職に配置すれば、事務職よりも能力を発揮するかもしれません。このような提案ができるのも、タレントマネジメントで情報を一元管理しているからこそです。

適材適所に人材を配置できれば、生産性の向上というメリットが得られます。

また、情報を見れば「伸ばせる能力」や「必要なスキル」も明確になるので、より高い生産性を目指せます。

このように、タレントマネジメントは企業側の視点からのメリットが期待できるのです。

4-2. 効率の良い人材育成

人材育成も人事部にとって重要な課題の1つですが、タレントマネジメントによって効率よく育成できるというメリットがあります。

タレントマネジメントでは、従業員の能力や経験、性格などを可視化できるので、個々の人材に合わせた育成方法が把握しやすくなります。また、データをもとに実践的な育成が可能になることから、より成果の出やすい育成が可能になるというメリットもあります。

さらに育成方法と結果をデータ化すれば、そのデータの蓄積によって他の人材に引き継いだり、効果の高い育成プランを立てたりできるというのもメリットといえるでしょう。

4-3. エンゲージメント向上

タレントマネジメントは、従業員に対して適材適所の人材配置をおこなうことが可能です。適切な業務に配置されれば、従業員はやりがいを感じたり能力を活かしたりことできるので、満足度が高まりエンゲージメント向上というメリットが得られます。

従業員のエンゲージメントが向上すれば、離職を防ぎ定着率を上げることもできますし、ワークライフバランスも実現できるようになるなど、他のメリットも得られるでしょう。

また、近年ではリモートワークや働き方改革などで就業形態が多様化し、従業員のエンゲージメント向上が難しくなっています。

しかし、タレントマネジメントでは就業形態に関係なく適切な評価ができるので、すべての従業員に対してエンゲージメントを向上できるというのもメリットです。

5. タレントマネジメントの効果は従業員のモチベーションで測ることができる

タレントマネジメントをおこなうことで、社員一人ひとりに対して本人の能力やスキル・価値観や行動特性などに応じたポジション・仕事を割り振ることができます。

その結果、会社としては組織のパフォーマンスを最大化することが期待でき、社員個人は「自分の能力が活かせる仕事」や「自分の考え方にフィットする仕事」ができていると感じられるようになります。

その結果、社員の仕事に対するモチベーションがアップしますし、結果としてエンゲージメントも向上します。組織のパフォーマンスをどの程度向上できたかは、会社の業績である程度判断できます。

ただ、会社の業績はマーケットの環境や消費者の興味・関心、同業他社の動向などによって左右されるため、タレントマネジメントの効果を正確に判断するのは難しいでしょう。

そのため社員のモチベーションやエンゲージメントを、タレントマネジメントの効果を測る指標として利用するのが得策と言えます。

6. タレントマネジメントの効果を得るには準備が重要!

タレントマネジメントは、導入・運用をするだけで社内課題がすべて解決するようなことはありません。

そのため、タレントマネジメントの効果を向上させるためには、あらかじめ目的や課題をはっきりさせておいたり、従業員の理解を得られるように働きかけたりするといった準備が重要です。

ただし、どれだけ丁寧に説明したとしても、全社員がすぐに100%の理解度で運用に協力してくれるとも限りません。しかし、そこでタレントマネジメントの運用を諦めてしまうのは時期尚早です。

タレントマネジメントは、終身雇用や年功序列といった日本における伝統的な考え方が崩壊しつつある現在の局面に対して、人事的な観点からアプローチするために非常に有効な手法です。

タレントマネジメントの運用がうまくいかなかったとしても、システム自体に問題があるのではなく運用に至る過程や運用手法に問題がある可能性が高いので、適宜振り返りをおこないがらタレントマネジメントの定着を心がけましょう。

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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