年次有給休暇管理簿の作成が義務化!作成方法と保管期間を解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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年次有給休暇管理簿の作成が義務化!作成方法と保管期間を解説

タブレットで従業員の稼働状況を見ている様子

働き方改革の一環として、有給休暇を取得させることが企業の義務となりました。

以前であれば、有給休暇を取得するのは従業員の決定に任されていたものが、使用者の義務と規定されたのです。

企業は、年10日以上の有給休暇が付与される従業員に対して、基準日から1年以内に最低でも年間5日間以上の有給休暇を取得させなければなりません

この有給休暇の取得義務化とともに、従業員ごとの年次有給休暇管理簿を作成し、有給休暇の取得状況を把握することも企業に義務づけられました。

本記事では年次有給休暇管理簿の作り方や保存期間などのルールについて詳しくみていきましょう。

法改正に対応しながら有給休暇の管理工数削減

働き方改革が始まり、「有給休暇の日数管理や従業員からの有休残日数の問い合わせ対応の工数を削減したいけど、どうしたらいいかわからない・・」とお困りの人事担当者様も多いでしょう。

そのような課題解決の一手として検討していきたいのが、Excelの活用術と勤怠管理システムです。

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また、Excelで管理している方には、勤怠管理システムをおすすめしています。どのような操作画面なのかをご紹介します。

働き方改革を成功させるため、ぜひ「3分でわかる有休管理の工数削減方法」をご覧ください。

関連記事:年次有給休暇とは?付与日数や取得義務化など法律をまとめて解説

1. 年次有給休暇管理簿とは?

タブレットでデータ管理をする人

年次有給休暇管理簿とは、従業員一人ひとりの有給休暇の取得状況を記録する帳簿のことをいいます。

働き方改革関連法の施行前は、多くの企業が従業員の有給休暇取得状況を有給休暇の残日数で管理していました。

有給休暇の取得義務化までは、従業員があとどのくらい有給休暇を取得できるかがわかれば問題ありませんでしたが、今後は企業が従業員の有給休暇の残日数はもちろん、有給休暇取得状況を把握することが求められます。具体的には有給休暇を付与してから1年間で5日取得できているかを確認する必要があります。

関連記事:【図解付き】有給休暇付与日数の正しい計算方法をわかりやすく解説

1-1. 有給休暇の5日取得義務化によって管理簿の作成・保管も義務に

年次有給休暇管理簿は作成するだけでなく一定期間保存しておかなければなりません。

働き方改革によって、有給休暇の取得状況を帳簿によって管理することが義務付けられたため、開示を求められた場合には速やかに提示できるようにしておくべきでしょう。

年次有給休暇管理簿は有給休暇を与えた期間中および該当期間満了後3年間保存しておかなければなりません。

年次有給休暇管理簿の保管はあくまで有給取得が確実に年5日できているか確認するものであって、年次有給休暇管理簿を保管すること自体が目的ではありません。

年次有給休暇管理簿を保管していないからといって罰則があるわけではありませんが、必ず年次有給休暇管理簿を作成して3年間は保存しておくようにしましょう。

1-2. 管理簿に記載する対象者

年次有給休暇管理簿に記載する対象者は10日以上の有給休暇を付与されている従業員です。有給休暇が10日以上付与されている従業員は年に5日の有給休暇消化が義務付けられています。年次有給休暇管理簿は5日の有給休暇消化義務を確実に遂行することが目的です。そのため、年次有給休暇管理簿は有給休暇が10日以上付与されている従業員を対象としています。

2. 年次有給休暇管理簿の作成方法

引用:年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説|厚生労働省

年次有給休暇管理簿は従業員も雇用主も有給休暇の取得状況を把握するうえで非常に重要なものですが、必ず記載しなければならない項目が定められています。それが基準日・日数・時季の3つです。それぞれについて解説します。

2-1. 基準日

基準日とは、従業員に対して有給休暇を付与した日を指します。

有給休暇が発生する要件は雇用した日から起算して6ヵ月間連続勤務しており、その期間の全労働日の8割以上出勤することですが、有給休暇の権利が発生する入社から半年経過した日を基準日とする企業が多いようです。

雇用形態にかかわりなく、ある会社に在籍し始めた日が雇用した日となり、上記の条件が適用されます。こうした条件を考慮して、有給休暇を取得する権利を得た日が「基準日」となります。

基準日から1年ごとに、毎年有給休暇を付与し、付与した日を年次有給休暇管理簿に記載します。

基準日の変更などで基準日が2つ発生する場合は、2つ分を記入しておきます。

関連記事:有給休暇義務化における「基準日」とは?従業員管理の重要性を解説

2-2. 有給日数

基準日から1年以内に保有する日数を記載します。注意しておきたいポイントは、「付与日数」ではなく、「保有日数」を記載しておくことです。

入社2年目以降は、前年度に使いきれなかった有給休暇の繰り越しが発生するため、その年に付与された日数ではなく、その従業員が保有している有給日数を記入する必要があります。有給の繰り越しの仕組みについては以下の記事で詳しく解説していますので、不安な方はぜひご覧ください。

有給休暇の繰越とは?その仕組みや最大保有日数を解説

なお、基準日が2つある場合は、1つ目の基準日から2つ目の基準日の1年後までに保有している有給休暇日数を記載します。

2-3. 取得時季

年次有給休暇を取得した日付を記載しておきます。半日単位や時間単位の取得が可能な場合は、取得した時間数を記載しておくと良いでしょう。

2-4. 年次有給休暇管理簿の記入例とフォーマット

年次有給休暇管理簿の記載例とフォーマットは厚生労働省のホームページで公開されています。

参考:年次有給休暇取得管理台帳|厚生労働省

年次有給休暇管理簿には上述の3つの記載事項(基準日・取得日数・取得時季)を記載しておけば、どのような形式で作成しても問題がないため、自社でExcelなどを使って作成することや、勤怠管理システムに情報を入力して作成することも可能です。

3. 年次有給休暇管理簿や年次有給休暇に関する罰則

カレンダーをめくる男性のイラスト

年次有給休暇に関する罰則はいくつか存在しますが、取得義務化に関して設けられている罰則も存在ます。

罰則が科される場合、企業におおきな損失を与えるため、事前に確認して違法でないかどうかを確認しましょう。

3-1. 年次有給休暇を取得させなかった場合の罰則

年次有給休暇を付与しない場合や、年次有給休暇を年間5日間以上取得させなかった場合については罰則が規定されています。

年間5日間の有給休暇を取得させなかった雇用主には、従業員1人につき6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されることがあります。

さらに従業員が有給休暇を申請した場合に、雇用主の判断で有給休暇を取得させずにいると6ヵ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金となる恐れがあります。

このほかにも就業規則に雇用主が時季指定をして有給休暇を取得させることが記載されていない場合には、同様に30万円以下の罰金が科されることもあります。

罰金は違反者が1人いるごとに科されるため、従業員が100人違反していた場合は、最大3,000万円の罰金が科されます。また、罰金以外にも悪質な場合、企業名が公表されるなど、企業イメージの低下につながります。有給休暇を取得させない企業という悪い評判はなかなか消えないので、年次有給休暇管理簿でしっかり管理して年間5日間の有給休暇を取得させることは非常に重要です。

このように、組織に不利益を与えないようにするためには、有給取得の義務化において定められている事項を厳守しなければなりません。当サイトでは、有給休暇の取得義務化にあたって対応すべきことや、そもそもの有給休暇のルールをまとめた資料を無料で配布しております。自社の各対応が法律的に問題ないか確認したい方は、こちらからダウンロードページをご覧ください。

3-2. 年次有給休暇管理簿の作成・保管を怠った場合の罰則

年次有給休暇管理簿の作成や保管をしなかった場合は、ただちに罰則が科されるわけではありません。しかし、年次有給休暇管理簿の作成・保管をしていないということは、有給休暇の適切な管理を怠ったとみなされるため、企業が不利になることや、有給休暇を取得させていないとして罰則が科されることがあります。

例えば、従業員から「有給休暇を取得できない」などと労働基準監督署に通報があった場合、年次有給休暇管理簿がなければ、有給休暇を取得させたという証拠がないため、万が一取得させていたとしても違法となり罰則が科される可能性があります。

また、有給休暇の取得に関してトラブルが発生した場合、年次有給休暇管理簿があることで、スムーズに解決することができます。

トラブル防止のためにも、年次有給休暇管理簿は適切に作成・保管をおこないましょう。

4. 年次有給休暇管理簿を作成する際の注意点

ポイント

年次有給休暇管理簿を作成する際は次のような注意点を意識しましょう。

  • 記載ミスや計算ミスに注意する
  • 労働者名簿や賃金台帳とあわせて作成する

4-1. 記載ミスや計算ミスに注意する

年次有給休暇管理簿は有給休暇の取得義務を適切に管理することが目的です。年次有給休暇管理簿の記載ミス、計算ミスが発生してしまうと、有給休暇の適切な管理ができなくなってしまいます。記載ミス、計算ミスが原因で有給休暇の取得が漏れてしまい、罰金が発生しかねません。

従業員の有給休暇を個別に管理するには労力がかかります。さらに手作業で進めようとすると記載ミス、計算ミスにつながる恐れがあります。人的なミスを防ぐにはツールを活用しましょう。

4-2. 労働者名簿や賃金台帳とあわせて作成する

年次有給休暇管理簿は労働者名簿や賃金台帳とあわせて作成するのもおすすめです。労働者名簿、賃金台帳はそれぞれ次のような書類を指します。

  • 労働者名簿:従業員の氏名・採用日などを記した書類
  • 賃金台帳:従業員の賃金や交通費、税金などを記した書類

年次有給休暇管理簿をこれらの書類とあわせて作成することで、書類の管理をまとめることが可能です。

5. 有給管理を楽にする方法

有給休暇管理を楽にする方法有給休暇の管理方法は主に以下の3つあります。

  1. 紙に手書きで管理する方法
  2. Excelで管理する方法
  3. システムで管理する方法

どの方法を用いても問題はありませんが、従業員一人ひとりの年次有給休暇管理簿をエクセルや手書きの表で管理することは、毎回記入する手間が発生するほか、義務化された有給休暇の年5日取得がしっかりと済んでいるか都度従業員ごとに確認する必要があり、煩雑になりがちです。

そのような悩みを解決できるのが、勤怠管理システムによる有給休暇の管理です。年次有給休暇管理簿は勤怠情報や賃金台帳と一緒に管理しても良いとされているため、勤怠管理システムでの帳簿作成が可能です。

勤怠管理システムであれば、管理者が有給休暇の取得状況を従業員一覧で確認できるため、一目でだれが取得義務のある5日を取得していないのかを確認することができます。

従業員が有給を取得した日を自動で記録してくれるほか、基準日や有給日数とあわせてcsvデータなどで従業員ごとに情報を出力してくれる機能もあるため、管理簿の作成がワンクリックで終わります。

さらに、勤怠管理システムでは有給休暇の年5日取得が済んでいない従業員とその管理者にアラートを出すこともできるため、管理簿の作成だけでなく有給休暇の確実な取得にも役立ちます。

6. 年次有給休暇管理簿の作成で健全な企業づくりを

疑問が解決して喜んでいる様子

年次有給休暇管理簿は、年次有給休暇の取得義務化に伴って、作成と保管が義務付けられている帳簿です。

年次有給休暇管理簿の作成はある程度の手間がかかりますが、きちんと帳簿を作成することは企業が従業員の心身の健康に配慮していることの表れのひとつともいえるでしょう。

人材不足が深刻となっている現在、有給休暇を適切に取得させているということは対外的にも効果的に示すことができます。

従業員の有給休暇の取得状況に気を配って健全な企業づくりをしていきましょう。

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法改正に対応しながら有給休暇の管理工数削減

働き方改革が始まり、「有給休暇の日数管理や従業員からの有休残日数の問い合わせ対応の工数を削減したいけど、どうしたらいいかわからない・・」とお困りの人事担当者様も多いでしょう。

そのような課題解決の一手として検討していきたいのが、Excelの活用術と勤怠管理システムです。

有休を紙で管理している方には、無料で使えるExcelでの管理をおすすめしています。この資料には、関数を組んだExcelを付録しています。

また、Excelで管理している方には、勤怠管理システムをおすすめしています。どのような操作画面なのかをご紹介します。

働き方改革を成功させるため、ぜひ「3分でわかる有休管理の工数削減方法」をご覧ください。

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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