コーピングリストとは何?効果や作成方法を解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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コーピングリストとは何?効果や作成方法を解説

メモ

コーピングリストとは、ストレスを感じた際に、自分を落ち着かせるための行動や思考をあらかじめ整理しておくリストのことです。

近年、企業のメンタルヘルス対策として導入が進んでおり、従業員のストレスをうまく対処し、問題解決能力を高める方法として活用されています。

本記事では、コーピングリストの定義や重視されている理由、効果について解説します。作成方法や具体例を把握し、従業員のサポートをおこないましょう。

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1. コーピングリストとは

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コーピングリストとは、ストレスや不安を感じた際に、自分に合った対処法をまとめた一覧表のことです。

コーピングリストを作ることで、すぐに対処法を確認できるようになるため、問題が発生した際に速やかに行動できます。ストレスを感じた際の過剰な感情の揺れや、心身への負担を軽減できるでしょう。

また、コーピングリストを作る過程で、自分がどのようなときにストレスを感じやすいか、どのような行動が自分を落ち着かせてくれるのかを認識できるため、自己理解を深めることにも役立ちます。

2. コーピングリストが重視される理由

はてな

コーピングリストが重視される理由は、仕事に対するストレスを抱えている人が増加したことが挙げられます。

令和4年の厚生労働省の調査によると、職場においてストレスを感じている人の割合は82.2%でした。主な原因は、仕事の量や仕事の失敗、責任の発生などです。

ストレスを抱えた状態を放置すると、以下のようなリスクが考えられます。

  • 論理的な判断や感情のコントロールが難しくなる
  • モチベーション低下により生産性が低下する
  • 離職率が高まる

このように、メンタルヘルス問題が深刻化すると、企業全体に悪影響を及ぼす可能性があります。こうした事態を防ぐ手段として、コーピングリストの活用が注目されています。

参考:令和4年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況|厚生労働省

3. コーピングリストの効果

虫眼鏡

コーピングリストを作ることで、以下のような効果が期待できます。

  • ストレスへの対処力が向上する
  • 自己理解が深まる
  • 感情のコントロールがしやすくなる

3-1. ストレスへの対処力が向上する

コーピングリストを作ることで、ストレスへの対処力が向上することが期待できます。リスト化しておくことで、迅速かつ適切に対処法を選択し実践できるためです。

ストレスを感じた際の対処法をあらかじめ把握しておくことで、焦りや混乱が減り冷静に対応できます。

うまく対処できた経験を記録しておけば、同じような状況が再び起きても、適切に対処できる可能性が高まるでしょう。

3-2. 自己理解が深まる

コーピングリストを作ることで、自己理解を深められます。

リストを作成する過程で、自分がどのような場面でストレスを感じやすいか、どのような方法で落ち着けるかを振り返るためです。

ストレスを感じやすい状況や感情の動きのパターンを可視化することで、自分自身の傾向を把握しやすくなり、自己理解の促進につながるでしょう。

ストレスの予兆に気づきやすくなるため、早めの対処や予防にも役立ちます。

3-3. 感情のコントロールがしやすくなる

コーピングリストを活用することで、感情のコントロールがしやすくなる効果も期待できます。

コーピングリストにある行動を実践することで、感情の高ぶりを落ち着かせたり、気分を前向きに切り替えたりしやすくなるためです。

人間はストレスがたまると、怒り・不安・無力感など、ネガティブな感情に支配されやすくなります。感情をコントロールできる手段があることは、従業員の精神的な安定につながるでしょう。

4. コーピングリストの作成方法

女性

コーピングリストの作成方法は、以下のとおりです。

  • ストレスの原因を把握する
  • ストレスへの対処法を洗い出す
  • コーピングリストの対処法を実践する
  •  実践の効果を検証する

4-1. ストレスの原因を把握する

まず、ストレスの原因を把握してもらいます。原因が曖昧なままだと、対策がズレて根本的な改善に至らないことが多いためです。

業務量や人間関係など、ストレスを感じた場面を思い出し、小さなことでも思いつくものはすべて書き出してもらいましょう。

ストレスの原因を客観的に整理できれば、本人が自分の傾向を把握しやすくなるでしょう。また、企業側も従業員に対する適切な支援や職場環境の改善に取り組むきっかけを得られます

4-2. ストレスへの対処法を洗い出す

次に、ストレスへの対処法を洗い出してもらいましょう。ストレス対処法を可視化することで自己理解が深まり、セルフケアの選択肢が広がります。

ストレスを抱えているときはマイナス思考に陥りやすく、視野が狭くなりがちなので、メンタルが安定しているときにリストアップを促すことが重要です。

質より量を重視し、一人ひとりに合った対処法を多角的に見つけておくことで、メンタル不調の予防や再発防止につながります。

4-3. コーピングリストの対処法を実践する

ストレスの対処法を洗い出したら、効果的な方法をピックアップし実践します。ストレスを感じたときは、できるだけ早めに対応することが重要です。

リストの中から状況にあった対処法を選択してもらいましょう。

企業側は、休息を取れる時間を確保したり、リフレッシュスペースを設置したりと、対処法を実践しやすい環境を作ることが大切です。

4-4. 実践の効果を検証する

実践したら効果を検証し、ストレス緩和の程度をチェックします。10点満点の採点方式を取り入れると、効果を測定しやすくなるでしょう。

なお、コーピングリストは一度作成して終わりではなく、本人の状態や状況の変化に応じて柔軟に見直すことが大切です。

効果が薄かった項目はリストから除外し、新たな対処法を加えて実用性の高いリストへと育てていきましょう。

実践と検証を通じて得られたデータは、研修プログラムや健康経営の改善、サポート体制の整備にも役立ちます。

5. コーピングリストの具体例

はてな

コーピングリストの具体例を、以下のジャンル別に紹介します。できるだけ多くのリストを作成し、ストレス解消につながる方法を見つけましょう。

ジャンル
体を動かす ・ストレッチをする

・ウォーキングをする

・ヨガや軽い筋トレをする

心を落ち着かせる ・マッサージやヘッドスパを受ける

・アロマを焚く

・美容院でリフレッシュする

気持ちを整理する ・ポジティブな言葉を書き出す

・日記や感情メモをつける

・カウンセリングを受ける

人と関わる ・家族や友人に話す

・気の合う人と食事に行く

気分転換をする ・好きな映画やドラマを観る

・音楽を聴く

・ショッピングを楽しむ

自然に触れる ・サイクリングやドライブを楽しむ

・公園や自然の中で過ごす

・キャンプや山登りをする

家でリラックスする ・本や漫画を読む

・部屋の模様替えをする

従業員一人ひとりの環境や興味関心によって効果的な対処法は異なるので、幅広いジャンルから選べるようにしておくのがおすすめです。

6. コーピングリストを作成する際の注意点

注意

コーピングリストを作成する際の注意点は、以下のとおりです。

  • 手軽さと効果を両立させる
  • 回避ではなく対処を意識する
  • ネガティブな手段を避ける

6-1. 手軽さと効果を両立させる

コーピングリストを作る際は、手軽さと効果を両立させる内容を意識することが重要です。

実際にストレスを感じているときは、準備に手間やお金がかかる方法は、実践する気力が沸かない可能性があるためです。

「5分間ストレッチする」「近所の公園を散歩する」など実行するハードルが低く、効果を得られる行動を中心にリストアップしましょう。

6-2. 回避ではなく対処を意識する

ストレスを回避するのではなく、対処を意識したコーピングリストの作成を心がけることも大切です。

例えば、「ひたすら寝る」「SNSに没頭して思考を遮断する」など、現実逃避をするだけの方法ばかりになっていないかチェックしましょう。

回避する手法は一時的に楽になりますが、ストレスの根本を解決することにならず、後から自己嫌悪に陥る可能性があります。

「問題を書き出して整理する」「信頼できる人に相談する」など、対処することに考えをシフトすれば、前進するきっかけになるでしょう。

6-3. ネガティブな手段を避ける

コーピングリストの内容は、ネガティブな手段を避けることが大切です。

一見ストレス解消に思える行動でも、長期的にみると心身に悪影響を与える方法が入っていないかチェックしましょう。

悪い例として、以下のような行動が挙げられます。

  • 過度な飲酒や暴飲暴食に走る
  • 衝動買いやギャンブルなど一時的な快感に依存する
  • 自己否定的な考えにとらわれ続ける
  • 感情的に人間関係を断ち切る

上記のような手段はその場しのぎにはなりますが、ストレス耐性を低下させるだけでなく、金銭トラブルやメンタル不調など新たな問題を引き起こす原因になりかねません。

長期的にみてプラスになる行動を取り入れましょう。

7. コーピングリストを活用し問題解決能力を向上させよう

男女

コーピングリストを作ることで、ストレスを感じる場面に直面した際に落ち着いて対処しやすくなります。

コーピングリストは単なるストレス発散のためのツールではなく、感情や思考の整理を促進し、問題解決の手助けをする手段の一つです。

ビジネスシーンでは、冷静な判断や安定した対応力が求められる場面が多く、ストレスに対処する力が業務の質を左右することも少なくありません。

コーピングリストを取り入れ、従業員が自分に合った対処法を見つけられるようサポートし、一人ひとりの問題解決能力を向上させましょう。

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