CSFとは?KGI・KPIとの意味の違いや具体例、設定方法を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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CSFとは?KGI・KPIとの意味の違いや具体例、設定方法を解説

CSFとは

ビジネスにおいて目標を達成するためには、適切な戦略を立て、成果につながるポイントを明確にすることが重要です。その際に役立つ考え方が、重要成功要因を意味する「CSF(Critical Success Factor)」です。

この記事では、CSFの役割をはじめ、KGI・KPIとの違いをわかりやすく解説します。さらに、CSFの5つのタイプや設定手順、SWOT分析をはじめとしたCSFの特定に役立つフレームワークについても紹介します。

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1. CSFとは

はてなの吹き出し

CSFとは、Critical Success Factorの略です。日本語に訳した場合には「重要成功要因」といいます。

CSFは、目標達成に直接的な影響を与える重要な領域や条件を指し、これらを適切に設定・管理することで、企業が掲げる目標達成へより近づきやすくなります。

1-1. CSFとKGI(重要目標達成指標)の違い

CSFとKGIでは、それぞれ意味が違います。

用語 意味
CSF KGI達成のための要素
KGI 目標のゴールを意味する

KGI(Key Goal Indicator)は日本語で「重要目標達成指標」と訳され、組織が最終的に達成したいゴールを示します。例えば「売上を10%向上させる」といった数値目標がKGIにあたります。

一方でCSFはKGIを達成するために欠かせない要素を指し、成果を上げるために必要な条件を表します。例えば「売上向上」がKGIであれば、「新規顧客の獲得数を増やす」「既存顧客のリピート率を高める」といった要素がCSFになります。

関連記事:KGIとは?設定するときのポイントや注意点を解説

1-2. CSFとKPI(重要業績評価指標)の違い

CSFとKPIはいずれも目標達成に欠かせない指標ですが、それぞれ役割が異なります。

用語 意味
CSF KGI達成のための重要な要素
KPI KGIを達成するための具体的な行動と数値

KPI(Key Performance Indicator)は「重要業績評価指標」と訳され、CSFを実現できているかどうかを判断するための具体的な数値指標です。つまり、「どの程度達成できているか」を測るための実行レベルの指標になります。

例えば、KGIが「月間売上を10%向上させる」場合、CSFは「来店数の増加」「購入単価の向上」といった成功に直結する要因になります。そしてKPIは「1日の来客数」「平均購入単価」「1日の売上金額」など、それらを数値で管理する指標になります。

1-3. CSFとKSF(重要成功要因)の違い

KSF(Key Success Factor)とは「成功要因」「成功の鍵」を意味し、目標達成や競争優位の確立に必要な重要な要素を指します。CSFとKSFはともに「重要成功要因」と訳され、実務上はほとんど同じ意味で使われることが多い言葉です。

ただし、KSFは市場・競合分析などから導き出される成功条件を指す場合があり、CSFは策定した戦略や目標を達成するために特に重要な要素を指す場合があります。なお、KSFはKFS(Key Factor for Success)と表記されることもあります。

関連記事:KSF・KGI・KPIとは?それぞれの違いや関係性、具体例を紹介

1-4. CSFの具体例

CSFは企業の目標や経営課題によって異なります。代表的な例は次のとおりです。

KGI(目標) CSF(重要成功要因)
市場シェアを拡大する ブランド認知度の向上、販売チャネルの拡充、商品・サービスの競争力強化
顧客満足度を高める 顧客対応品質の向上、サービス品質の改善
業務効率を改善する 業務プロセスの最適化、情報共有の円滑化、生産性の向上
人材を確保する 採用力の強化、従業員の定着率向上、人材育成体制の充実

例えば「業務効率を改善する」という目標を達成するためには、「業務プロセスの最適化」がCSFとなります。そのうえで、ITツールの導入や業務フローの見直しといった具体的な施策を実行していきます。

このようにCSFを明確にすれば、組織全体で優先的に取り組むべき事項を共有しやすくなり、戦略の実行力向上につながります。

2. CSFの5つの源泉

イラスト

CSFは企業ごとに異なりますが、CSFを識別・設定する際の「源泉」は、大きく次の5つに分類されます。

  1. 業界動向
  2. 競合
  3. 環境
  4. 一時的な要因
  5. マネジメントクラス

これは、CSFの概念を体系化した経営学者のジョン・F・ロックアートが示した考え方に基づく分類です。これらの源泉を分析すれば、企業全体から部門・個人まで、各階層に応じたCSFを明確にできます。

その結果、組織全体の目標と現場の取り組みを連動させやすくなり、経営資源を重点的に配分すべき領域を把握しやすくなるでしょう。

2-1. 業界動向

業界特有の構造や成功パターンから生まれるCSFです。市場の成長性や顧客ニーズ、業界内の競争ルールなどに対応することが求められます。

例えば、IT業界では技術革新のスピードが速いため、最新技術を活用したサービスの開発力や、優秀なエンジニアの確保が重要なCSFとなるでしょう。

業界によって成功の条件は異なるので、自社が属する業界の特性や市場動向を継続的に分析し、競争力の源泉となる要素を見極めることが重要です。

2-2. 競合

自社が市場でどのような立ち位置を目指すかによって決まるCSFです。競合他社との差別化や優位性の確立に向けて、自社の強みを活かすことが求められます。

例えば、価格競争が激しい小売業や製造業では、原価管理の徹底によるコスト競争力の強化が重要なCSFとなります。一方で、高品質路線や専門性を強みとする企業では、商品品質や技術力の向上が重要なCSFとなるでしょう。

市場でどのようなポジションを確立するかによって、重視すべき成功要因は変化する点が特徴です。

2-3. 環境

社会情勢や法改正、技術革新など、企業を取り巻く外部環境の変化から生じるCSFです。

例えば、金融業界ではサイバー攻撃の高度化を背景に、情報セキュリティ対策の強化が事業継続のための重要な成功要因となっています。また、環境規制の強化に伴い、脱炭素への取り組みがCSFとなる業界もあります。

外部環境の変化はリスクにも機会にもなり得るので、変化を的確に捉え、迅速に対応することが重要です。

2-4. 一時的な要因

特定の期間や状況において重要となるCSFです。恒常的なものではなく、一時的な経営課題やプロジェクトの成功に向けて設定されます。

例えば、新商品の発売時には「発売から3ヵ月以内の認知度向上」、業績改善局面では「短期間での収益性向上」などがCSFとして設定されるでしょう。

状況や課題の変化に応じて定期的に見直し、必要に応じて再設定することが重要です。

2-5. マネジメントクラス

経営者や管理職など、それぞれの役職や責任範囲から生じるCSFです。組織内で担う役割によって求められる成果が異なるため、重視すべき成功要因も変わります。

例えば、経営層であれば中長期的な成長戦略の実現、営業部門の責任者であれば売上拡大や顧客基盤の強化、人事部門の責任者であれば人材育成などがCSFとなるでしょう。

役職ごとのCSFを明確にすれば、組織全体の目標と各部門・各担当者の取り組みを結び付けやすくなります。

3. CSFの設定方法

歯車が動く

ここでは、CSFの設定方法について詳しく紹介します。CSFは、KGIを達成するために不可欠な成功要因であり、「達成できなければ目標達成が困難になる本質的条件」を特定することが大切です。

3-1. 達成すべきKGIを明確にする

CSFを設定するには、まず最終的に達成すべきKGIを明確にすることが重要です。KGIが不明確なままでは、組織の進むべき方向性が定まらず、取り組むべき課題や優先順位も曖昧になってしまいます。

その結果、各部門や担当者の動きにばらつきが出てしまい、経営資源が分散するおそれがあります。KGIを明確にしておけば、組織全体で同じ目標を共有でき、日々の意思決定や行動の判断もしやすくなるでしょう。

3-2. 現状を分析して課題を洗い出す

次に、KGI達成に向けて現状を分析し、課題を整理していきます。自社の強みや弱みといった内部要因に加え、市場の動きや競合の状況といった外部環境も把握し、目標との間にどのようなギャップがあるのかを明らかにしましょう。

また、SWOT分析や3C分析といったフレームワークを活用すれば、情報を体系的に整理でき、課題の全体像をつかみやすくなります。なお、CSFの設定に役立つ代表的なフレームワークについては、5章で詳しく解説しています。

3-3. KJ法を用いて課題の解決策を整理する

洗い出した課題については、KJ法を用いて解決策を整理します。KJ法とは、個別に出てきた情報を整理しながら、全体の関係性や本質を見いだしていくための手法です。

まず、集まった意見や気づきを1つずつカードや付箋に書き出します。この段階では分類を意識せず、思いついた内容をそのまま出すことが重要です。その後、内容の近いもの同士をまとめてグループ化していきます。

次に、それぞれのグループに意味を表すタイトルを付け、各グループ間の関係性を整理しながら構造を明らかにしていきます。さらに、その関係性を図や文章として統合することで全体像を可視化し、本質的な課題や解決の方向性を導き出すことが可能です。

このようにKJ法を活用すれば、バラバラな情報から重要な要因が把握しやすくなり、「何から取り組むべきか」が明確になります。また、要素同士のつながりも整理されるので、CSFを経験や勘だけに頼らず、客観的な情報に基づいて検討できるようになります。

3-4. CSFを抽出し優先順位を付けて絞り込む

整理した課題や解決策の中から、KGI達成に特に大きな影響を与える要素をCSFとして抽出します。CSFは、単なる重要そうな項目ではなく、「これが達成されなければKGI達成が難しくなる」という本質的な成功条件に絞り込むことが重要です。

ただし、CSFを多く設定しすぎると組織のリソースが分散し、結果としてどれも中途半端になるリスクがあります。そのため、最もインパクトの大きい要素に絞り込み、数項目に厳選することが望ましいでしょう。

3-5. CSFを具体的なKPIへ落とし込む

最後に、抽出したCSFを日々の業務で評価できるKPIに落とし込みます。CSFが達成すべき方向性を示すのに対し、KPIはその達成度を定量的に測る指標であり、両者を結びつけることで戦略と現場の活動に一貫性が生まれます。

また、KPIは単なる結果の指標として捉えるのではなく、改善可能なプロセス指標として活用することが重要です。例えば、問い合わせ件数が不足している場合は集客施策の見直しをおこない、商談化率が低い場合はリードの質や初期対応プロセスの改善につなげるなど、具体的なアクションへと結びつけていきます。

4. CSF設定で陥りやすい失敗例

一つの電球が光る

CSFは、KGI達成のために特に重要な要素を絞り込む概念ですが、設定を誤ると戦略が機能しなくなります。代表的な失敗パターンを見ていきます。

4-1. 自社でコントロールできない外部要因をCSFに設定する

CSFは「自社の行動によって改善・管理できる要因」である必要があります。そのため、「景気が回復する」「競合他社が撤退する」といったように、完全に外部環境に依存し、自社の努力では直接コントロールできない要因のみをCSFとして設定するのは適切ではありません。

こうした要因は戦略行動に落とし込みにくく、成果も外部要因に左右されてしまうためです。一方で外部要因であっても、自社の行動によって影響を与えられる場合はCSFとして扱えることがあります。

その場合は「市場成長」そのものではなく、「成長市場を取り込む営業力」や「環境変化に迅速に対応できる組織力」といった形で、自社の行動要素に翻訳して設定することが重要です。

4-2. 優先順位を絞り切れずCSFが増えすぎる

CSFを優先順位づけせずに10個、20個と多く設定してしまうのは、失敗につながりやすい典型例です。リソースは限られているため、項目が多すぎると現場の力が分散し、結果としてどれも中途半端になりがちです。

CSFは、KGIの達成に最も大きな影響を与える要素に絞り込み、実行可能な範囲に優先順位をつけて設定することが基本です。その際には、影響度と実現可能性の観点から客観的に評価し、重要度の高いものを明確に選定することが重要です。

さらに、それぞれの要因が短期的な成果につながるのか、中長期的な構造改善に寄与するのかといった時間軸も考慮することで、より戦略的なCSF設計が可能になります。

4-3. 具体的なアクションに結びつかないCSFを設定する

CSFが「顧客満足度の向上」や「生産性の改善」といった抽象的な言葉のままでは、具体的に何をすべきかが見えてきません。例えば「リピート率向上のための接客マニュアルの刷新」など、次のステップであるKPI(数値目標)や具体的なアクションプランに落とし込めるレベルまで具体化することが重要です。

4-4. 【ポイント】KGI・CSF・KPIのツリー構造

KGI・CSF・KPIを用いたツリー構造は、企業の目標達成プロセスを整理するためのフレームワークです。戦略設計はツリー形式で分解すると、全体像を把握しやすくなります。

全体構造
KGI(最終ゴール)
  • 売上100億円達成
CSF(重要成功要因)
  • 新規顧客獲得数の増加
  • 既存顧客の継続率向上
  • 平均単価の向上
KPI(具体的な指標)
  • 新規リード数、商談化率、成約率
  • 解約率、利用頻度
  • 客単価、アップセル率

このように、KGI・CSF・KPIを階層的に整理すれば、経営目標と現場の具体的な取り組みを結び付けられます。また、KGI・CSF・KPIの各要素が論理的に連動しているかを確認することが、効果的な戦略設計において重要です。

関連記事:KPIツリーとは?作り方や注意点、具体例をわかりやすく解説

5. CSFの設定に活用できるフレームワーク

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CSFを適切に設定するためには、自社の状況や市場環境を客観的に分析することが欠かせません。ここでは、CSFの特定に役立つ代表的なフレームワークを紹介します。

ひとつの手法だけでなく、複数のフレームワークを組み合わせることで、より精度の高いCSFを導き出せます。CSFの設定では「外部環境を分析するフレームワーク」と「内部環境を分析するフレームワーク」を組み合わせて活用することがポイントです。

5-1. SWOT分析

SWOT分析は、自社の内部環境と外部環境を整理するためのフレームワークです。次の4つの観点から現状を分析します。

  • 強み(Strength)
  • 弱み(Weakness)
  • 機会(Opportunity)
  • 脅威(Threat)

例えば、自社の強みが「高い技術力」、市場の機会が「需要拡大」である場合、「技術力を活かした新製品開発」がCSFとして導き出されることがあります。自社が成功するために何を優先すべきかを明確にする際に有効な手法です。

5-2. 3C分析

3C分析は、次の3つの視点から事業環境を分析するフレームワークです。

  • 顧客(Customer)
  • 競合(Competitor)
  • 自社(Company)

顧客ニーズや競合他社の戦略、自社の強み・弱みを比較することで、自社が競争優位を確立するために必要な要素を特定できます。例えば、顧客が品質を重視し、競合との差別化要因が品質にある場合、「品質向上」がCSFとなる可能性があります。

5-3. 5F(ファイブフォース)分析

5F分析は、次の5つの要因から市場を分析し、業界内の競争環境を把握するために活用されるフレームワークです。

  • 業界内の競争
  • 新規参入の脅威
  • 代替品の脅威
  • 買い手の交渉力
  • 売り手の交渉力

競争が激しい市場では価格競争力が重要になる一方、参入障壁が低い業界ではブランド力や顧客ロイヤルティの向上がCSFとなることがあります。市場構造を理解し、成功のために重視すべき要因を見極める際に役立ちます。

5-4. PEST分析

PEST分析は、次の4つの視点から外部環境を把握し、企業を取り巻くマクロ環境を分析するためのフレームワークです。

  • 政治(Politics)
  • 経済(Economics)
  • 社会(Society)
  • 技術(Technology)

例えば、法規制の強化やデジタル技術の進展といった外部要因が事業に大きな影響を与える場合、それらへの迅速な対応がCSFになることがあります。中長期的な経営戦略や事業計画の策定にも活用されています。

5-5. バリューチェーン分析

バリューチェーン分析は、企業の事業活動を工程ごとに分解し、どのプロセスが顧客価値の創出に貢献しているかを分析する手法です。

調達、製造、物流、販売、アフターサービスなどの各活動を評価することで、競争優位の源泉や改善すべきポイントを明確にできます。例えば、迅速な配送が顧客満足度向上につながる場合、「物流体制の強化」がCSFとして設定されることがあります。

6. 適切なCSFを設定して目標達成を促そう

オンボーディングを導入する手順

CSFは、最終的な目標であるKGIと、日々の業務で確認する指標であるKPIをつなぐ、重要な役割を担っています。適切なCSFを設定するためには、SWOT分析などのフレームワークを活用し、自社を取り巻く環境や課題を整理することが大切です。

そのうえで、自社で取り組める要素に絞り込み、優先順位を明確にすれば、より実行しやすい戦略につながります。自社を取り巻く市場環境や経営課題は常に変化しています。

一度設定して終わりにするのではなく、定期的な現状分析を通じてCSFを柔軟に見直し、組織全体の目標達成に向けた確実な取り組みへとつなげていきましょう。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、お役立てください。

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