決裁と承認の違いとは?ワークフローで電子化する手順や流れ
更新日: 2024.5.24
公開日: 2024.4.17
OHSUGI
「決裁と承認の違いは?」
「決裁や承認の具体的な流れが知りたい」
上記のようにお悩みではありませんか。
決裁とは、申請や承認を得て最終的な判断を下すことです。決裁までのルートには種類があり、複数の承認を得なければ決裁まで進めない場合もあります。複雑に進んでいくルートもあるため、決裁が下りるまでの流れをしっかり理解することが重要です。
本記事では、決裁と承認の違いやそれぞれのルート、また決裁・承認を円滑に進めるためのポイントを解説します。決裁や承認はどのように進めるべきなのか、なぜ重要なのか理解を深める参考にしてください。
目次
「承認までの流れが遅い」「今誰が稟議を持っているのかがわからない」「承認のためだけに出社しなければいけない」 などのお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ワークフローをシステム化することで、以下のようなメリットがあります。 ①リアルタイムでの承認・進捗状況が把握できる ②リモートワークなどどこにいても稟議対応ができる ③稟議の紛失リスクがない
ワークフローシステムが自社の課題解決につながるかどうかを知るためには、まずワークフローシステムが何かを知っておく必要があります。
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1. 決裁と承認の違い
決裁と承認の違いを説明します。
承認:意思決定を行うプロセスの途中工程を意味し、承認後は次の承認ステップもしくは決裁者へと回されます。
決裁:意思決定を行うプロセスの最終工程を意味し、然るべき承認を経た後に最終的な決裁がおります。
つまり、決裁は意思決定プロセスの必要な承認が行われたのちに最終段階であるのに対し、承認は途中経過を指します。「承認」は意思決定プロセスの途中工程として、申請・稟議が最終的に決裁される前に行われます。承認を行う権限を持つ人物は「承認者」と呼ばれ、一般的に申請された内容が決裁されるには複数人による承認が必要です。
決裁と承認のどちらもおおまかな意味は同じように見えますが、権限保有者から最終的な判断をもらうという点で異なります。
何かを申請した際、まずは承認者から許可をもらい、その後決裁者から最終的なOKをもらう運用が一般的です。承認者は直属の上司、決裁はさらに上の立場の人に設定している企業が多いでしょう。申請の内容によっては、決裁を省略して承認のみでよいこともあります。
1-1. 「決済」「稟議」「起案」他の類似語との違い
承認のほかにも決裁には類似語が存在します。
「決済」は商品やサービスの提供に対して金銭を支払い、受け取る行為のことを指します。
「稟議」は文書を作成して複数の承認プロセスを経て決裁を取るプロセス全体を示し、「起案」は文書の草案を作成する決裁における最初のプロセスのことを意味します。類似語の意味を理解して、正しく対応できるようにしましょう。
関連記事:【今更聞けない】決裁と稟議の違いとは?意味や承認の流れを徹底解説
2. 決裁・承認の基本的な流れ
一般的な決裁・承認の流れは以下の通りです。
- 申請・起案
- 承認(複数の場合あり)
- 決裁
申請から決裁までの一連の流れを承認ルート、または稟議(りんぎ)といいます。
承認は1人だけでなく複数人を経由することも珍しくありません。例えば、営業企画書を作成し承認・決裁を得る場合、以下の流れで進みます。
起案 | ー |
承認① | 営業主任 |
承認② | 営業所長 |
決裁 | 営業部長 |
承認が複数人を経由する場合、決裁に近づくほど役職の高い人による承認がおこなわれます。
承認者の数が多いほど決裁が下りるまで時間がかかるため、スムーズに進めるにはミスや漏れのない企画書の提出が必須です。
2-1. 申請書や稟議書の起案
申請書や稟議書の起案は、決裁を得るための重要なステップです。これらの文書には、提案やプロジェクトの目的、必要なリソース、予想される成果などを具体的に記載する必要があります。企業の管理職や総務部門の担当者にとって、承認や決裁を得るための文書は、その内容や理由が明確に伝わるものであることが求められます。
申請書や稟議書を作成する際には、以下のポイントを意識しましょう。まず、決裁を得たい事柄の背景や必要性を明確に説明します。次に、具体的なリソースの要求や予想される成果を詳細に記載します。これにより、関係者が判断しやすく納得しやすい文書を作成することができます。
また、申請書や稟議書には、評価基準や実施計画、リスク管理策なども含めると効果的です。適切な情報を盛り込み、シンプルかつロジカルに構成することが、スムーズな決裁取得に繋がります。こうした工夫を凝らすことで、決裁者の理解を深め、承認のプロセスを円滑に進めることができます。
2-2. 承認
作成された申請書や稟議書は、その内容に応じて適切な承認ルートを通ります。まず、起案者が作成した文書は、指定された承認ルートに従い、最初の承認者に回付されます。承認者は文書の内容を仔細に確認し、承認・差し戻し・却下などの判断を行います。文書が差し戻された場合には、起案者は内容を修正・調整し、再度承認者へ提出します。しかし、却下された場合はその時点で回覧が終了し、不許可として処理されます。
さらに、申請・稟議の内容や金額、または組織内の規則によって、承認者の人数や承認ルートは変動します。そのため、企業の管理職や人事担当者は、正確な承認ルートの構築が求められ、そのプロセスを効率化するためにはワークフローシステムによる電子化が有効です。
承認された文書は次の承認者や最終的な決裁者へ転送され、最終決裁まで一連のプロセスが続きます。
この承認ステップにおいて、ワークフローシステムが重要な役割を果たしています。システムを活用することで、承認プロセスを効率化し、迅速かつ正確な決裁を実現できます。各段階での承認状況がリアルタイムで可視化されるため、内部統制強化と業務の透明性向上にも寄与します。
2-3. 決裁
承認ルート上のすべての承認を得た申請書・稟議書は、最終的に決裁者に回付されます。決裁者はこれらの書類の申請内容や稟議内容に対して許可・不許可の判断を行い、最終的な決裁を下します。ここで決裁者によって承認された場合、「決裁がおりる」「決裁が完了する」「決裁を得る」という状態になります。一方で、この段階で文書の差し戻しが行われることもあります。決裁後の文書は後から参照できるようにファイリングされ、書庫などの保管スペースに適切に保存されます。この一連のプロセスを通じて、企業内の重要な意思決定が組織的かつ効率的に行われることが確実になります。
3. 決裁・承認ルートの主な種類
決裁・承認ルートには主に以下の種類があります。
- 直線型
- 指名型
- 条件分岐型
- 並列型
各種類の決裁までの流れを詳しく解説するので、どの種類が自社に適しているか参考にしてください。
3-1. 直線型
直線型は申請→承認→決裁の流れが直線的に進行します。途中で分岐したり承認者が加わったりすることがなく、もっともシンプルなルートです。
3-2. 指名型
指名型では、承認者の判断により途中でほかにも承認者が追加されます。1人目の承認者が「〇〇主任の知識も承認に必要」「〇〇さんも関わる内容だから確認してほしい」などと判断した際に採用されるルートです。
3-3. 条件分岐型
証券分岐型は主に申請する金額の大きさに応じて承認者や決裁者が変更されるルートです。50万円未満なら所長の承認→課長の決裁、50万円以上なら所長の承認→課長の承認→部長の決裁、のように進みます。
3-4. 並列型
並列型は複数のルートで承認を進め、最終的に1人の決裁者の許可を得るルートです。主に複数の部署に関係する案件で採用されます。
並列型は案件や状況によって決裁に必要な承認の数が異なるため、進行が比較的複雑です。A、B、Cすべての部署で承認された場合に決裁まで進む場合や、過半数の承認で決裁に進む場合、いずれか1つの部署の承認があれば決裁に進める場合があります。
並列型は承認の進捗がわかりにくく、途中で書類がなくなったり改ざんされたりするリスクもあるため、慎重に考えて採用しましょう。
4. 決裁・承認を円滑に進めるポイントは電子化がおすすめ!
決裁・承認を円滑に進めるポイントとして、ワークフローシステムで電子化することがおすすめです。
ワークフローシステムとは、各種申請から決裁までの意思決定プロセスを紙ベースではなく電子的な手段で進められるツールやソフトのことです。
ワークフローシステムを導入すると、決裁・承認ルートの可視化や効率化が可能になります。
申請者は現在だれの承認待ちなのかをシステム上で常にチェック可能です。進捗が見られなければ承認待ちになっている関係者に確認の連絡を入れ、承認が放置されるのを防げます。承認が下りなかった場合は申請者に通知が届き、なぜ承認されなかったかの理由もコメントで記載されているため、再申請も簡単です。
書類を渡すためにほかの部署へ移動したり、判子を押すためにオフィスを訪れたりする必要がないので、業務の効率化につながります。書類の印刷が不要になる分コストの削減も可能です。決裁・承認業務をなるべく簡単にしたい場合は、ワークフローシステムの導入を検討してはいかがでしょうか。
ワークフローシステムで決裁・承認を行う際のそれぞれのポイントを詳しく解説します。
決裁・承認を円滑に進めるポイントとして、以下の3つを重視しましょう。
- 決裁までのフローを明確にする
- 適切なルールを設定する
- 関係者間のコミュニケーションを促進する
それぞれのポイントを詳しく解説します。
4-1. 決裁までのフローを明確にする
決裁・承認を円滑に進めるには、フローを明確にしましょう。前述のように決裁・承認ルートには複数の種類があり、条件分岐型や並列型のように複雑に進むものもあります。
フローがあいまいだと、上長が自分の承認だけでは足りないと判断した際に、だれに承認を依頼すればいいのか迷うためです。また、申請者もだれが読むことを前提にして申請書や企画書を書けばよいのかわからず、具体的な記述が難しくなる可能性があります。
だれが承認の権限を持つのか、どのような場合にだれに承認を求めるのかを明確にし、決裁までの道のりが容易にわかるようにしましょう。
4-2. 適切なルールを設定する
決裁・承認をするためのルールを共有しましょう。ルールがなければ、同じ申請内容でもA部署では承認されるのにB部署では承認されない、などの不公平が起こる可能性があります。
また、承認・非承認の基準があいまいの場合は、複数の承認者がいても申請の内容が精査されません。精査されないままでは決裁・承認フローを経由する意味がなくなります。
どのような場合に決裁・承認を進めてよいのか迷わないよう、マニュアルやガイドラインを作成しましょう。必要記載事項がわかりやすい申請書のフォーマットや、承認してよい場合のチェックリストの作成も検討してください。
4-3. 関係者間のコミュニケーションを促進する
決裁・承認に関わる部署間のコミュニケーションの促進も大切です。
部署によって着眼点や前提知識が異なるため、決裁・承認の過程で意見の対立や誤解が生まれることがあります。お互いがなぜ承認に迷っているのか、どのような点を問題としているのか理解できないこともあるでしょう。
普段から部署間のコミュニケーションを密にすることで、お互いの理解が進みます。意見が対立して決裁・承認が滞ることを防ぐため、関係者間の情報共有の場を定期的に設けるようにしましょう。
5. 決裁と承認の違い・必要性を正しく理解してシステムの導入を
決裁と承認は意思決定プロセスにおける段階が異なりますが、決裁・承認は健全な経営活動のために必要です。
決裁・承認を得ない場合、さまざまな経営活動が社員の独断によっておこなわれます。ミスや不正など問題があってもなかなか白日の下にさらされることがありません。
問題が発覚する頃には、すでに取り返しのつかない大きなトラブルとなるでしょう。
承認の数が多い場合は、決裁が下りるまで時間がかかり、面倒に思うこともあるかもしれません。しかし、決裁・承認の段階を経れば、ミスや不正があった場合に途中で発見可能です。だれが・いつ・どのように進めてきたのかの記録があるため、責任の所在も明確であり、問題にどのように対処すべきかも容易に導き出せます。
ミスや不正を防いで健全な経営活動を維持するため、決裁・承認のフローを軽視しないようにしてください。
決裁や承認をスムーズに進めたい場合は、ワークフローシステムの導入も一つの手です。決裁まで時間がかかることや進捗があいまいになりやすい点に悩んでいる場合は、紙ベースではなくワークフローシステムで実施してみましょう。
「承認までの流れが遅い」「今誰が稟議を持っているのかがわからない」「承認のためだけに出社しなければいけない」 などのお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ワークフローをシステム化することで、以下のようなメリットがあります。 ①リアルタイムでの承認・進捗状況が把握できる ②リモートワークなどどこにいても稟議対応ができる ③稟議の紛失リスクがない
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