OJT期間は平均どのくらい?メリット・デメリットを解説
更新日: 2024.10.18
公開日: 2024.5.25
OHSUGI
「OJTの平均的な期間がわからない」
「OJTの計画を立てるポイントを知りたい」
上記のように悩んだ経験のある労務担当者の方は多いでしょう。
OJTの平均的な期間は3ヵ月〜1年です。ただし、適切な期間は業務内容によるため、自社の状況に合わせて調整しましょう。
本記事では、OJTの平均的な期間や、長くする場合と短くする場合のメリット・デメリットを解説していきます。社内の新人研修にOJTを採用する際に、効果的な研修になるように参考にしてください。
目次
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
1. OJTの平均的な期間
OJTの平均的な期間は3ヵ月〜1年です。短い期間であれば1週間、長い期間では1年以上実施する企業もあります。
OJTの期間に明確な定めはありません。企業ごとに適切な期間は異なります。反復作業が多い職種なら期間は少なくて済みますが、イレギュラーが頻発する職種であれば長期間を要する形です。
またOJTの期間を決める際は、OFF-JT(Off the Job Training)のように研修施設など職務現場を離れておこなう集合研修とは期間を分けて設定しておきましょう。
関連記事:OJTとは?OFF-JTとの意味の違いや目的・メリット、進め方を解説
2. OJT期間を長くするメリット
OJT期間を長くするメリットは以下の3つです。
- 時間をかけて段階的に育成できる
- 強みを集中的に伸ばせる
- 社内の人間関係をゆっくり構築できる
OJT期間を長くしようと計画している企業は、どのようなメリットが発生するのか把握してください。
2-1. 時間をかけて段階的に育成できる
OJT期間を長くするメリットの1つ目に、時間をかけて段階的に育成できることが挙げられます。時間があることで、新入社員にスキルや知識を体系立てて、指導できるからです。
例えば、1ヵ月目に社会人として必要なマナーや電話対応、基本的なPC操作を指導し、2ヵ月目に営業同行させて実践させるなどです。
OJT期間が長いことで、新入社員に知識や経験を一つずつ積み重ねさせ、段階的に成長を促せます。
2-2. 強みを集中的に伸ばせる
OJT期間を長くするメリットの2つ目は、強みを集中的に伸ばせる点です。
新入社員は一人ひとり、性格や個性が異なります。OJT期間が長いことで本人に適した強みを伸ばす時間を設けられるでしょう。
強みを生かした仕事ができると、成果に結びつきやすく、本人の自信にもなります。
2-3. 社内の人間関係をゆっくり構築できる
OJT期間を長くするメリットの3つ目は、社内の人間関係をゆっくり構築できる点です。
新入社員にとって職場の人間関係は気になるものです。人間関係が原因で退職する人は、2022年の厚生労働省の調査で男性8.3%、女性10.4%でした。
男性はその他を除き「定年・契約期間満了」「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」についで3位です。女性も、その他を除き「定年・契約期間の満了」「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」についで3位でした。
OJTの期間が長いことでゆっくり人間関係を築き、同期と仕事で支え合ったり、上司に相談しやすい関係を築けたりします。
3. OJT期間を長くするデメリット
OJT期間を長くするデメリットは以下の2つが挙げられます。
- 新入社員の集中力が低下する
- OJT担当者の負担が増加する
OJT期間を長くするのであれば、デメリットも知って必要な対策を講じましょう。
3-1. 新入社員の集中力が低下する
OJT期間を長くするデメリットの1つ目は、新入社員の集中力が低下する点です。
入社してすぐであれば、やる気があり仕事に対して前向きに取り組みます。しかし、OJT期間が長くなることで、環境に慣れてしまい意欲的にOJTに参加している意識が薄くなるでしょう。
3-2. OJT担当者の負担が増加する
OJT期間を長くするデメリットの2つ目は、OJT担当者の負担が増加する点です。
OJT担当者は自分の業務に加えて、新入社員の指導もおこないます。そのため、OJT期間が長くなるほどに、本来の業務以外の負担が増えた状態が続くでしょう。
OJT担当者が自分の業務と指導のバランスを取れていない場合、新入社員への指導時間の短縮や消極的な関わりにつながりかねません。その結果、新入社員が放置されていると感じる可能性があります。
OJTの長期化は、OJT担当者の負担が増えすぎないように注意しましょう。
4. OJT期間を短くするメリット
OJT期間を短くするメリットは以下の3つです。
- 早期から活躍できる
- 帰属意識が生まれやすい
- モチベーションを維持できる
うまく即戦力となってくれれば、会社にとっても大きなメリットが期待できるでしょう。
4-1. 早期から活躍できる
OJT期間を短くするメリットの1つ目は、早期から活躍できる点です。
OJT期間が短いことで、新入社員はすぐに独り立ちします。新入社員が早く活躍することで企業としても、採用にかかった費用を回収しやすくなるでしょう。
4-2. 帰属意識が生まれやすい
OJT期間を短くするメリットの2つ目は、帰属意識が生まれやすい点です。
OJT期間が短いことで、自分は企業に認められた意識を早い段階で持てます。帰属意識を持つことは離職率低下にも効果があり、新入社員が活躍するためにも重要な要素です。
4-3. モチベーションを維持できる
OJT期間を短くするメリットの3つ目は、モチベーションを維持できる点です。
OJT期間が短いことでゴール設定が容易になり、最後までモチベーションの高い状態を維持できます。モチベーションを維持できた状態で業務を開始できれば、さまざまな事柄も前向きに捉えられるでしょう。
5. OJT期間を短くするデメリット
一方で、OJT期間を短くすることにもデメリットがあります。具体的には以下の3つです。
- 詰め込み教育になりやすい
- 必要な知識や経験が不足する
- 新入社員に合わせた指導がしにくい
5-1. 詰め込み教育になりやすい
OJT期間を短くするデメリットの1つ目は、詰め込み教育になりやすい点です。
OJT期間中に全てのことを教えることが目的となり、新入社員の育成がおろそかになる可能性があります。また、新入社員側も不明点を質問しにくく、振り返る時間がないことでOJTの効果が薄くなるでしょう。
5-2. 必要な知識や経験が不足する
OJT期間を短くするデメリットの2つ目は、必要な知識や経験が不足する点です。
OJT期間中に必要な知識や経験を伝えきれずに終わる可能性があります。その結果、仕事がわからないことばかりで、新入社員は自信を失うかもしれません。
さらに採用時点と現場での実務にギャップを感じ離職の原因にもなります。
5-3. 新入社員に合わせた指導がしにくい
OJT期間を短くするデメリットの3つ目は、新入社員に合わせた指導がしにくい点です。
新入社員一人ひとりの得意・不得意は異なります。しかし、十分な時間がなければ、本人の理解度に任せた状態になり、OJTの成果にばらつきが生じます。
ばらつきが発生すると人材育成計画が達成できないため、本来の企業目標も達成できません。
6. OJT期間を決めるための計画の立て方
OJT期間を決めるための計画の立て方は、以下のとおりです。
- OJTで目指す姿を明確にする
- 求めるスキル・知識や業務を洗い出す
- それぞれ指導・習得に要する期間を想定する
- 実際のスケジュールに当てはめる
上記のように計画を立てることで、全体的なOJT期間がどれくらいかかるかを把握できます。
新入社員の強みを伸ばす期間や、イレギュラーが発生することを想定した予備期間を含め、OJT期間を決定するといいでしょう。
求めるスキル・知識の量や業務の複雑さに応じて、要する期間は変動します。
期間が長くなる場合は、途中で計画を振り返るタイミングを設け、新入社員と面談しましょう。その結果、方向性に誤りがないか確認でき大きな失敗を防げます。
7. OJT期間で高い効果を得るポイント
OJT期間で高い効果を得るポイントは、学んだことを反復させることです。
一度学習して終わりではなく、実際に新入社員に体験させて結果を上司と振り返り、次回の業務に活かすことが重要になります。
またOJT期間であれば、新入社員はわからない点を質問しやすく、上司側もミスに対してフォロー可能です。
OJT期間中に高い効果を得るためにも、新入社員には業務を反復させ、学んだことをそのままにさせずに定着させましょう。
8. 適切なOJT期間を設定して効果を最大化しよう
OJT期間の平均は3ヵ月〜1年です。企業によってばらつきはありますが、OJTは長期と短期でお互いにメリット・デメリットが存在します。
新入社員には、どういう人材に成長してほしいのか、OJT担当者にかかる負担が無理のない範囲はどこなのかなど、丁寧に検討して期間を決めましょう。
企業にとって適切なOJT期間を設けることで、新入社員の成長スピードは向上し、OJT担当者も指導しやすい環境になります。適切なOJT期間を設定し、効果を最大化させましょう。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
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