やってはいけない人事異動とは?退職やモチベーション低下を避けるコツ - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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やってはいけない人事異動とは?退職やモチベーション低下を避けるコツ

「人事異動による失敗を避けたい」

「人事異動をおこなったら一部の従業員から不満の声が出た」

人事異動を検討・実施するうえで、上記のような悩みをもっていませんか?

人事異動には、「やってはいけない」パターンがあります。やってはいけない人事異動をおこなった場合、従業員のモチベーション低下や離職を引き起こすことにもなりかねません。

本記事では、やってはいけないとされる人事異動とはどのようなものか、退職やモチベーション低下を避けるコツとともに解説します。人事異動の実施を予定、または検討している方はぜひご一読ください。

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1. やってはいけない人事異動の6パターン

やってはいけない人事異動には、以下の6つのパターンがあります。

  1. 就業規則や労働契約の条件を逸脱している
  2. 人事権の濫用にあたる
  3. 目的や理由が不当である
  4. 従業員の事情を考慮していない
  5. 人手不足を招く
  6. 従業員のスキルアップにつながらない

それぞれ詳しく確認していきましょう。

1-1. 就業規則や労働契約の条件を逸脱している

やってはいけない人事異動の代表例として、就業規則や労働契約の条件から逸脱しているパターンが挙げられます。例えば、次のようなケースです。

  • 転勤の規定がないにもかかわらず別支店の勤務を命じる
  • 勤務地が県内限定の従業員に県外勤務を命じる

就業規則や労働契約書に書かれている内容は、労働者と使用者双方に法的効力があります。規定内容を無視して人事異動をおこなった場合、従業員が会社に対して不信感を抱きかねません。

従業員とよい信頼関係を築くためにも、就業規則や労働契約の条件から外れるような人事異動は避けましょう。

ただし、事実上の取り決めとして、人事異動の慣行が浸透している場合は、明文化されていなくても法的効力が生じることもあります。規定されていなくても人事異動ができるケースがあることを押さえておきましょう。

1-2. 人事権の濫用にあたる

人材の活用と育成を担う企業にとって、人事権の濫用にあたる人事異動は確実に避けなければなりません。

人事権とは、人材の採用・異動・配置・昇格・降格・解雇など、組織における労働者の地位や処遇に関する決定権のことを指します。会社の裁量で意思決定することが認められている、企業固有の権利です。

しかし、人事の判断や決定が委ねられるとはいえ、企業は人事権を無制限に行使してよいわけではありません。人事権を発動するには「業務上必要と判断できること」が条件です。業務上必要がないにもかかわらず人事異動を命じた場合は、人事権の濫用とみなされる可能性が高いでしょう。

1-3.目的や理由が不当である

目的や理由が不当である人事異動もやってはいけません。目的や理由が不当とされるケースは次の通りです。

  • 個人的な報復や嫌がらせで異動を命じる
  • 結婚・妊娠・出産を機に降格させる
  • 退職へ追いやるために閑職に就かせる

上記のような人事異動は、パワーハラスメント、マタニティハラスメントに該当します。

1-4. 従業員の事情を考慮していない

従業員の事情を考慮していない人事異動も避けるべきです。例えば、「育児や介護をしている従業員に転勤を命じる」などのケースが挙げられるでしょう。

従業員の事情を一切考慮せずに異動を命じ、大きな不利益を与えた場合は、人事権の濫用にあたります

従業員の事情を考慮しない人事異動のパターンとして、もう1つ注意したいことが「玉突き人事」により無理な異動を命じるケースです。玉突き人事とは、退職や休職で空席になったポジションを埋めるため、複数人の従業員を連鎖的に異動させることをいいます。

欠員補充のためやむを得ずおこなわれるケースもありますが、従業員の適性や希望に合った異動先になるとは限りません。玉突き人事では、個人の事情や希望に配慮しつつ人材を選び、理由・根拠を明示したうえで本人の同意を得ることが大切です。

1-5. 人手不足を招く

異動元・異動先が人手不足に陥るような人事異動もやめましょう。

異動によって、異動元に欠員が生じると、残された従業員1人あたりの業務量が多くなります。異動した従業員が中堅社員や部署にとって大きな存在であった場合は、業務に支障をきたしかねません。

反対に、スキルや経験が足りない状態では、育成するための手間と時間が増え、異動先の業務が遅延する原因となるでしょう。

人手不足を招かないためには、異動する本人だけでなく、異動元と異動先にも配慮することが大切です。必要に応じて人員補充や業務の調整をするなど、各部署がバランスよく機能できるような配置をおこないましょう。

1-6. 従業員のスキルアップにつながらない

従業員のスキルアップにつながらないパターンも、やってはいけない人事異動の一つです。次に挙げるような異動は避けましょう。

  • 特別な理由もなく以前の部署へ戻す
  • 業務内容がほとんど同じ部署への異動を命じる

人事異動の主な狙いは、人材育成です。従業員のスキルアップやキャリア形成につながらなければ、企業の生産性向上や活性化も期待できません。人事異動では、従業員の現状や経験を把握し、成長できるような配置をおこなうことが重要です。

2. やってはいけない人事異動で発生する3つのリスク

やってはいけない人事異動をすると、次のような3つのリスクが発生します。

  1. 従業員のモチベーションが低下する
  2. 早期離職につながる可能性がある
  3. 労使トラブルに発展するおそれがある

2-1. 従業員のモチベーションが低下する

従業員の意志に反する異動を命じると、モチベーションが低下する可能性があります。特に玉突き人事では、本人の希望する働き方やキャリア形成をできない場合も多く、モチベーションを維持することは難しいでしょう。

従業員のモチベーションは、業務における生産性や効率性を大きく左右します。組織の活性化を図るためにも、従業員のモチベーションを維持・向上するための人事異動をおこなうことが重要です。

2-2. 早期離職につながる可能性がある

無理な人事異動をすると、最悪の場合、早期離職者を出す可能性があります。

多くの企業が人材確保に悩まされる現代では、人材の流出は防がなければならない重要課題です。適材適所の人事異動を実施し、従業員一人ひとりの会社に対する帰属意識を高めることが求められるでしょう。

関連記事:人事異動で従業員が退職する理由とは?対処法や注意点を解説

2-3. 労使トラブルに発展するおそれがある

やってはいけない人事異動は、労使トラブルへとつながる恐れもあります。人事権を濫用した異動や、就業規則・労働契約を逸脱した異動は、原則として正当性が認められません。

訴訟に発展し、正当性がないと判断された場合は、異動が無効になります。トラブルや訴訟が公になれば、以降の採用活動に影響が出るだけでなく、企業としての社会的信用を失いかねないでしょう。

3. やってはいけない人事異動による失敗を避ける4つのコツ

やってはいけない人事異動による失敗を避けるためにも、次の4つのコツを押さえておきましょう。

  1. 各部署へのヒアリングを丁寧におこなう
  2. 就業規則や労働契約を再確認する
  3. 内示をおこなう
  4. ITツールを活用して客観性をもたせる

それぞれのポイントを解説していきます。

3-1. 各部署へのヒアリングを丁寧におこなう

やってはいけない人事異動の失敗を避けるコツは、人員配置を決める際に、各部署へのヒアリングを丁寧におこなうことです。どのような人材がいるのか、異動した従業員を教育できる人はいるか、それぞれの部署の内情を把握しておきましょう。

部署によっては、新しい従業員を教育する余裕がない場合もあります。現場の意向や声もしっかり聞き入れて、反映するようにしてください。

3-2. 就業規則や労働契約を再確認する

人事異動をおこなう前に、自社の就業規則や入社時の労働契約を再確認することも大切なポイントです。

人事異動を適切におこなうには、就業規則や労働契約に根拠となる記載がなければなりません。根拠となる記載がない場合は、人事異動が認められない可能性があります。

人事異動の必要性が生じることを見据えて、まずは就業規則や労働契約を確認し、場合によっては規則の見直しや改訂も検討しましょう。

3-3. 内示をおこなう

やってはいけない人事異動による失敗を避けるためには、内示をおこなうことが不可欠です。

内示とは、人事異動の対象となる従業員に対し、事前に異動する部署や異動後の業務内容を伝えることをいいます。早めに異動の旨を伝えることで、余裕のある業務の引き継ぎや心の準備を促すことが目的です。

内示のタイミングとしては、遅くとも正式な辞令を交付する1ヵ月前が望ましいでしょう。内示の段階なら、万が一拒否された場合でも、配置を再検討できます。

関連記事:人事異動の内示とは?適切な時期や伝え方を解説

3-4. ITツールを活用して客観性をもたせる

従業員に人事異動の趣旨を納得させるためには、客観性のある根拠が必要です。主観的な根拠に基づいて人事異動を判断すると、場合によっては従業員から誤解や反感を招く恐れもあるでしょう。

しかし、人がおこなうことなので、注意していても主観が入りやすくなります。そんな時に便利なのが、ITツールの活用です。人事労務に対応した管理ツールであれば、全従業員の人事評価を一元管理できるため、個人のスキルや勤怠状況などをすぐに確認することができます。

ITツールを活用すれば、客観性のある判断だけでなく、適材適所な人員配置もおこなえるようになるでしょう。

4. 従業員のモチベーションを高める人事異動の3つのポイント

従業員のモチベーションを高める人事異動をおこなうポイントは、次の3つです。

  1. なるべく本人の希望を取り入れる
  2. 丁寧な理由説明をおこなう
  3. 異動後のサポート体制を整える

4-1. なるべく本人の希望を取り入れる

従業員のモチベーションを高める人事異動をおこなうには、なるべく本人の希望を取り入れることが大切です。本人の要望と合った異動であれば、仕事への意欲が高まり、従業員の成長も促せるでしょう。

面談の場を設けるなどして、本人がどのようなスキルアップやキャリア形成を望んでいるのか確認してみてください。

4-2. 丁寧な理由説明をおこなう

内示や辞令の際に、丁寧な理由説明をおこなうことも、従業員のモチベーションを高めるための重要なポイントです。異動の目的や理由を明確に伝え、本人が納得して異動できるようにしましょう。

異動の目的・理由に加え、本人のプラスになることも説明しておくと、受け入れてもらいやすくなります。本人がメリットを感じれば、モチベーションも高まるでしょう。

4-3. 異動後のサポート体制を整える

異動した従業員が心置きなく働けるよう、異動後のサポート体制を整えておきましょう

研修はもちろん、上司と定期的な面談を実施するなど、フォローを適切におこなうことで、異動後も安心して働けるようになります。異動先のサポート体制が整っていれば、従業員も前向きな気持ちになり、モチベーションを高く保てるでしょう。

5. 納得感のある人事異動で従業員の活躍を促そう

適材適所に人材を配置するためには、定期的な人事異動が有効な手段です。

しかし、就業規則の条件を逸脱している異動や人事権を濫用した異動など、なかにはやってはいけない人事異動もあります。やってはいけない人事異動は、従業員のモチベーションを低下させ、場合によっては早期離職や労使トラブルにつながりかねません。

業務の生産性や効率を上げるためにも、納得感のある人事異動をおこない、従業員の活躍を促しましょう

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このようなケースに該当する企業において、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
この解決方法として、職場改善を目的とした従業員のモチベーション管理の仕組みを積極的に取り入れる企業が増えており、従業員満足度の調査ツールが注目を集めています。

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OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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