リフレッシュ休暇が取れない従業員の対応は?原因や対処法を解説
更新日: 2025.7.16 公開日: 2024.11.28 jinjer Blog 編集部

リフレッシュ休暇は、企業が福利厚生の1つとして独自に付与する法定外休暇です。
年次有給休暇に加え、リフレッシュ休暇があればワークライフバランスも整いやすくなります。しかし、休暇を取得する従業員が少ないことに悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
従業員がリフレッシュ休暇を取らない原因は、個人の事情もあるかもしれませんが、企業側に不手際がある可能性も考えられます。企業側に原因がある場合は、その原因を把握して適切に対処し、取得率向上に取り組むことが大切です。
ここでは、従業員がリフレッシュ休暇が取れない原因や対処法、取得を促進しないことのリスクなどを解説します。
目次
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1. リフレッシュ休暇とは?


リフレッシュ休暇とは、企業が独自で定める「法定外休暇(特別休暇)」です。
年次有給休暇などは法律で付与を定めている「法定休暇」ですが、リフレッシュ休暇は福利厚生の1つとして導入する休暇となるため、日数や取得条件などは企業によって異なります。
「令和6年就労条件総合調査(厚生労働省)」によると、リフレッシュ休暇を導入している企業は全体の14.7%となっています。企業規模別で見ると、1,000人以上の従業員がいる企業は47.3%、300~999人までの企業は33.0%、100~299人は18.4%、30~99人の企業は10.6%です。
リフレッシュ休暇を導入している企業は少ないものの、令和5年度は12.9%だったことを考慮すると、導入企業は増えているといえるでしょう。
2. 従業員がリフレッシュ休暇を取れない原因


従業員がリフレッシュ休暇を取れない原因は、次のとおりです。
- 人手不足や忙しさで休めない
- リフレッシュ休暇の文化がない
ここでは、これらの原因について解説します。
1-1. 人手不足や忙しさで休めない
従業員がリフレッシュ休暇を取れない原因として、人手不足や忙しさが挙げられます。人手が不足して忙しい状況だと、「自分だけ休むことは周囲への迷惑」と考える従業員は少なくありません。
また、休暇を取得した場合、自分の業務をほかの従業員が引き継ぐことになります。忙しいなか周囲にさらに負担をかけることになるため、取得に前向きになりにくいのが現状です。
休暇を取ったとしても、職場の状況が気になりリフレッシュできないことも考えられます。また休暇中に自分の仕事が増えて、休み明けの負担が大きくなること可能性があることも原因になりえるでしょう。
人材不足や多忙な職場では、リフレッシュ休暇を取得することが困難になりやすい傾向があるようです。
1-2. リフレッシュ休暇の文化がない
従業員がリフレッシュ休暇を取らないのは、そもそも文化がないことが考えられます。
リフレッシュ休暇が制度として設けられていても、取得しないことが当たり前になっている状況では取りにくいです。従業員が、内心では取得を希望していたとしても、社内文化に配慮して取得できない場合もあるでしょう。
また、そもそもリフレッシュ休暇の制度が社内に知られていない可能性もあります。リフレッシュ休暇に関する説明を受けていなかったり、管理者や上司が認識をしていなかったりすると、従業員の認知が低下して取得に至らない状況が生まれてしまいます。
3. 従業員がリフレッシュ休暇を取れない場合の対処法


従業員のためにリフレッシュ休暇を導入しているのに、誰も取得しないという状況では意味がありません。取得率が低い場合は、企業側から積極的に取得を推進する必要があります。
従業員がリフレッシュ休暇を取れない場合の対処法には、下記のようなものがあります。
- 業務の属人化を防ぐ
- 積極的に取得するよう上司から促させる
- 取得の条件を明確にして共有する
ここでは、これらの対処法について解説します。
3-1. 業務の属人化を防ぐ
従業員がリフレッシュ休暇を取れない、もしくは取りにくい環境となっている場合は、属人化を防ぐことが重要です。
属人化とは、「その人にしかできない業務がある状態」を指します。属人化している業務がある状態で担当が休暇を取ってしまうと、業務の進行に大きな影響が出てしまう可能性があります。このような状況では、属人化している業務の担当者はリフレッシュ休暇を取得できません。
属人化を止めるためには、業務効率化や業務内容のタスクを共有できるツールを導入するなどの対処が必要です。少しでも属人化を止めることで、担当者が休んでも業務を進められるようになります。
3-2. 積極的に取得するよう上司が促す
リフレッシュ休暇を取らない部下がいる場合は、積極的に取得するよう上司から促させましょう。休暇が取りにくい理由には、上司に申請しづらいということも挙げられます。
その上司にリフレッシュ休暇の取得を促されれば、従業員の心理的なハードルが下がり休みやすくなります。
また、従業員全体が「積極的に休暇を取っても問題ない」という認識になるので、気軽に休暇を取りやすい職場環境も構築できるでしょう。
それでも、休暇取得の申請率が上がらない場合は、上司が率先して休暇を取るというのもおすすめです。
3-3. 取得の条件を明確にして共有する
従業員がリフレッシュ休暇を取るためには、取得の条件を明確にさせて共有することも重要な対処法です。福利厚生に「リフレッシュ休暇」があるとしても、勤続何年目から付与されるのか、年次有給休暇と併せて取得できるのかなどの条件がわからなければ、従業員だけでは判断できません。
リフレッシュ休暇は、勤続年数に応じて取得できる日数を定めるケースが一般的です。しかし、条件が明確でも従業員に共有されていなければ、「自分は休暇を取る条件に該当するのか?」と休暇申請をしにくくなります。
そのため、明確な条件を決めるだけでなく、従業員に周知させることも重視しましょう。
4. リフレッシュ休暇の取得率が低いことのリスク


企業からすれば、業務に支障がでないので、従業員がリフレッシュ休暇を取らなくても問題ないと思うかもしれません。しかし、「取らない」のではなく「休暇を取れない状況」の場合は注意が必要です。
従業員がリフレッシュ休暇の取得率が低いリスクは、下記のようなことが挙げられます。
- 従業員の生産性が低下する
- 従業員の離職率が上がる
- 企業のイメージが下がる
ここでは、これらのリスクについて詳しく解説します。
4-1. 従業員の生産性が低下する
リフレッシュ休暇が取れない状況を改善せず、取得率が低い状態を放置すると、従業員の生産性が低下します。
休みを取れる制度があるにもかかわらず、実際には取得できないという環境は、「企業から大切にされていない」と感じてしまい、エンゲージメントが低下してしまうのです。
エンゲージメントとは、企業に対する愛着を意味します。エンゲージメントが高ければ、企業に対する貢献意識や仕事への意欲が向上するため、生産性が上がりやすいです。
従業員の生産性の低下を避けるためにも、リフレッシュ休暇を取得できない状況への対処が必要といえるでしょう。
4-2. 従業員の離職率が上がる
リフレッシュ休暇が取れない状況が続くと、従業員の離職率が上がるリスクがあります。
その理由は、社内制度と実態の乖離から企業への信頼が低下するからです。
従業員が実際にリフレッシュ休暇を取得できるような社内環境でなければ、制度があっても意味がありません。いくら福利厚生の充実をアピールしても、取得できな環境を放置している企業に不信感を持ち、より信頼できる他社への転職を検討するきっかけになるおそれがあります。
福利厚生は従業員にとって長く働き続ける要因の1つになるので、実際に利用できない状況やそれを放置する職場環境は離職につながる可能性が高まることを覚えておきましょう。
4-3. 企業のイメージが下がる
リフレッシュ休暇を取れない状況を放置すると、企業のイメージダウンにつながります。
その理由は、「働きにくい環境である」「制度が形骸化している」という印象を与えてしまうためです。求職者は、給与や休日など待遇を重視する傾向があります。そのため、「リフレッシュ休暇がある」というのは、大きなアピールポイントになります。
しかし、リフレッシュ休暇にひかれて入社した場合、実際に休暇を取れないとなると「ブラック企業」というイメージを持ってしまう可能性があります。
企業のイメージ低下は、採用活動に悪影響を及ぼすおそれがあるので、人材確保のためにもしっかり休暇を取れる環境を整えておくことが重要です。
5. リフレッシュ休暇を取得しやすい環境づくりのポイント


リフレッシュ休暇を取得しやすい環境作りのポイントは、次のとおりです。
- リフレッシュ休暇の仕様を決める
- 業務の標準化を進める
- 上司が積極的にリフレッシュ休暇を取る
それぞれ詳しく解説します。
5-1. リフレッシュ休暇の規定を決める
リフレッシュ休暇を取得しやすい環境を作るためには、規定をしっかり決めるのが効果的です。
リフレッシュ休暇は法律で定められていないので、期間や休暇中の給与などの規定は企業側が決めなければいけません。しかし、現状を無視した規定で導入すると、制度としての機能性が低下し、従業員を疲れさせたり不満を覚えさせたりします。
例えば、基本給が低いのに、リフレッシュ休暇が「無給」の規定になっていたら、従業員は給与を下げないために休暇を取得しないようにするでしょう。また、担当者が少ない業務だと、有給休暇の取得もままならない状況かもしれません。
そのため、業務や人員などの状況をしっかりと確認し、企業に合った規定で導入しましょう。
5-2. 業務の標準化を進める
リフレッシュ休暇を取得しやすい環境を作るためには、業務の標準化を進める必要があります。
標準化した方がよい理由は、誰でも対応できる状況をつくることで、休暇を取るための引き継ぎがしやすくなるからです。
業務を標準化させるためには、日常的に業務をマニュアル化したり、工程などを従業員に共有したりする必要があります。そのため、標準化までにはマニュアル作りや従業員のスケジュール調整などの業務負担が増えるかもしれません。
しかし、従業員同士で業務の標準化ができるようになれば、急に休む人が出てきても対応できるようになるので、結果的に業務効率化にもつながります。
5-3. 上司が積極的にリフレッシュ休暇を取る
リフレッシュ休暇を取得しやすい環境づくりのポイントとして、前述していますが、上司が積極的に取得することが挙げられます。
いくらリフレッシュ休暇の規定や職場環境を整えても、部下が上司より割きに「休暇を取りたい」と言い出すのは気が引けるものです。法的に定められている年次有給休暇であれば、「労働者の権利」として取得するのが当たり前という感覚になります。しかし、福利厚生で「付与してもらっている休暇」の場合は、上司が取得しないのに自分が取るのは図々しいと感じる人は少なくありません。
そのため、上司が積極的に休暇を取ることで、部下も休暇を取りやすくなるので、トップダウンで社内の雰囲気づくりができるでしょう。
5. リフレッシュ休暇が取れない状況を改善しよう


リフレッシュできない状況を放置すると、従業員の生産性が低下するだけでなく、離職率が上がったり企業イメージが下がったりするので注意が必要です。
リフレッシュ休暇が取れない状況を改善するには、適切な規定を決めたり、業務の標準化を進めたりすることが効果的といえます。また、部下が休暇を取りやすいように、上司が積極的に休暇を取ることも大切です。
しかし、環境が整っていても休暇を取らない従業員がいる可能性もあります。
このような従業員がいる場合は、休暇中の業務引継ができるよう工夫したり、上司から積極的に取得するよう促させたりするなどの対処法を試みて、全従業員がしっかりリフレッシュできる環境を作りましょう。



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