エンゲージメントを高める取り組み7つ!向上の目的やメリットも解説
更新日: 2024.10.25
公開日: 2022.11.9
jinjer Blog 編集部
企業が利益をあげるには、従業員は欠かせない存在です。もし従業員の離職が多発してしまうと利益をあげられないだけでなく、企業規模を縮小せざるを得ないかもしれません。
従業員の離職を防ぐために押さえておきたいのが、従業員が抱く会社への愛着や思い入れを意味するエンゲージメントです。今回はエンゲージメントを高めるコツと具体的なアイデアについて紹介します。
目次
従業員の定着率の低さなどが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方に向けて当サイトでは、「従業員満足度のハンドブック」を無料でお配りしています。
従業員満足度調査の方法や調査ツール、調査結果の活用方法まで解説しているので、従業員のモチベーション向上や社内制度の改善を図りたい方はこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. エンゲージメントを高めるとは
エンゲージメントを高めるとはどのような変化を促すことをいうのでしょうか。エンゲージメントの意味と合わせて確認していきましょう。
1-1. そもそもエンゲージメントとは
エンゲージメントとは、本来は「婚約」「誓約」「約束」「契約」などの意味を持つ言葉です。
ビジネスシーンで使われるエンゲージメントは、こうした本来の言葉の意味とは少し異なり「社員が会社に持つ愛社精神や思い入れ」を意味します。エンゲージメントが高い状態の従業員は企業への帰属意識が強まることで企業の取り組みや仕事への関心が高くなり、自発的に貢献するよう行動します。
1-2. 愛社精神や思い入れを深めることを指す
ビジネスシーンにおけるエンゲージメントは、愛社精神や会社に対する思い入れであるとお話をしました。
エンゲージメントを高めることで従業員と企業の繋がりは、「企業の構造や評価・報酬制度など物理的なハード面の繋がり」ではなく「従業員の愛着や心など対人関係ともいえるソフト面での繋がり」となります。従業員は、評価や報酬制度は常によりよい条件になることを期待していますが、改善し続けた場合いつか限界が来てしまい、従業員の期待に応えられない状況になるかもしれません。一方で、ソフト面は、構築するまでに時間は掛かってしまいますが、一度関係性が出来れば継続して良好な関係を続けられます。
エンゲージメントを高めるとは、愛社精神や思い入れを育んで企業と従業員の結びつきを深めることを指しています。
2. エンゲージメントを高める目的
エンゲージメントを高める目的は人材の定着や変化する社会への対応、そして新しい働き方で低下しがちなエンゲージメントの向上にあります。それぞれを具体的に解説していきます。
2-1. 人材の流動化に対応する
働き方や人材の多様化に伴い、これまでの日本の企業で多く取り入れられていた「終身雇用制度」という考え方は薄まり、生涯一社に勤めるのではなく、転職や再就職が定着してきました。
優秀な人材を確保し長く勤めてもらうために、エンゲージメントに着目している企業が増えています。エンゲージメントが高い=愛着があり心理的な結びつきが強い状態で離職率が下がるからです。離職率が下がれば人材の育成がしやすくなり、経験やスキルが豊富な従業員が増えるだけでなく、採用や教育のコストも下げることが可能になります。
2-2. 社会の変化に柔軟に対応するため
変化が激しい昨今の社会で企業が成長していくためには、予測が難しい状況に対応できるしなやかで筋肉質な組織が必要です。また、そのような組織には柔軟に自発的に動いてくれる人材が必要です。
エンゲージメントが高い従業員は、企業へ貢献する意識が高まります。情勢が大きく変化した場合でも、会社のためにスキルアップや新しい分野への挑戦など、さまざまな形で動いてくれるでしょう。変化していく環境に会社が常に対応していくためにも、エンゲージメントの向上は大切です。
2-3. リモートワークの定着
新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、リモートワークが定着してきました。リモートワークでは従業員同士がコミュニケーションを取る機会が減り、そのことにより組織に属している意識、つまりエンゲージメントの低下に繋がってしまいました。
エンゲージメントを向上させるためにリモートワークを撤廃してしまうのは、時代に逆行する形になり反対意見もでるでしょう。そうではなく、別の角度から従業員同士や従業員と企業の結びつきを強くし、リモートワークを定着させることもエンゲージメントを高める目的の一つです。
3. エンゲージメントを高めるメリット・効果
エンゲージメントを高めることは、従業員の士気やモチベーションを上げることに繋がります。実際にはどのような効果が出るのか見ていきましょう・
3-1. 企業の成長へつながる
エンゲージメントを高めると、企業へ貢献する意識も高まります。「もっとよくするにはどうするべきか」を自ら考える従業員が増えるため、コストの削減や業務効率の改善が自発的におこなわれるようになります。
また、スキルアップや技術の習得、学習なども積極的におこなうようになるため、総合的に人材のレベルがアップしやすいです。優秀な人材が増えれば企業の生産性が向上し、企業全体の成長につながることになるでしょう。
3-2. 離職を防いで社員を育てられる
エンゲージメントとは「社員が会社に持つ愛社精神や思い入れ」を意味し、エンゲージメントが高い状態は「愛社精神が高い状態」と言えます。
会社に思い入れがある従業員は、離職しにくい傾向が強いです。多少仕事で悩んだとしても、会社を信頼していれば「もう少し頑張ろう」という意識が強くなるからです。猶予があれば問題の発見から解決に取り組める可能性も高まるため、離職率が下がって経験豊富な従業員を増やすことができます。
3-3. 企業への信用が高まる
エンゲージメントを高めることで従業員からの信頼を得られるだけに留まらず、外部からの信用も高まります。従業員が自発的に業務に取り組むことで、その企業のサービスや製品の質が向上し、顧客満足度が高まります。
また、企業への愛着が高い従業員がいることに求職者が魅力を感じ、採用活動の活性化にも繋がります。離職率が低く、人の入れ替わりが少ない企業はイメージもよいため、より良い人材が集まりやすくなる点も大きなメリットです。
4. エンゲージメントを高めるための取り組み
エンゲージメントは自然に高まるものではありません。社内の目標やビジョンの共有、社員同士のコミュニケーション促進などを講じてもエンゲージメントが向上しない場合、自社の風習や慣習など、当たり前となっていたことを見直してみましょう。
4-1. 現状を分析し、何に課題があるのか知る
見直す取り組みの第一段階として、まずどこに原因があるのか自社の現状を分析します。
エンゲージメントが低下する原因のひとつとして「組織が複雑になっていること」「仕事が細分化されていること」があげられます。組織が大きくなるほど組織の形態は複雑化し、縦割りになります。 縦割りになると、横の部署がどのような業務をおこなっているのか見えにくく、仕事の細分化によって何のための業務なのか、どのような成果に繋がっているのか実感しづらくなります。
大きな組織改編など従業員の働く環境が変わった際は、従業員のエンゲージメントが低下していないか確認することを推奨します。以下の記事で、従業員のエンゲージメントの現状を知るためにどのような事を実施すべきか、実施することのメリット・デメリットを解説しています。ぜひご一読ください。
関連記事:組織サーベイの種類やメリット・デメリットを徹底解説
4-2. 社内の制度や風土を見直してみる
現代はテレワークやフレックスといったように、多様な働き方が存在しています。このような働き方は従業員のプライベート充実につながるため、エンゲージメントの向上が期待できます。
もしエンゲージメントが上がらない場合は、自社の制度や風土の見直しが効果的です。例えば、残業が慣例的になっている、不要な会議が多発しているといった場合は、ノー残業デーを作る、会議の回数を減らすといった工夫を凝らしてみましょう。
また、テレワークが可能な業種であれば試験的にテレワークを導入して効果を測定してみるのもおすすめです。一方で、社内の制度や風土改革をおこなう際に、何から手をつければよいか迷うことがあると思います。そのような場合、従業員満足度調査などを用いて、従業員が会社のどのような部分に満足していて、どのような部分に不満を抱いているのかを把握することから始めましょう。
4-3. 管理方式をボトムアップ型に変更してみる
トップダウン型の管理方式の場合、従業員は指示された業務を遂行するだけで能動的な行動が期待できません。エンゲージメント向上には、従業員が能動的に行動出来る環境が必要です。そのため、従業員からの意見を上司や経営層が吸い上げるボトムアップ型に変更してみましょう。
ボトムアップ型であれば従業員は自分で考えて行動し、自分の意見も尊重されると考えるようになってエンゲージメントの向上が期待できます。
4-4. 組織体系や承認フローをスマート化してみる
組織体系が複雑で役職者が必要以上にいる場合、従業員が質問や相談しづらい環境になってしまう恐れがあります。従業員は質問や相談ができないと、自社に対して不信感を抱きかねません。また、役職者が多いと従業員は複数の役職者から承認を得る必要があり、煩わしさを覚えてしまいます。
エンゲージメントを向上させるためには組織体系や承認フローのスマート化に取り組んでみましょう。
5. エンゲージメントを向上させる7つのアイデア
エンゲージメントを向上させるために、さまざまなアイデアを講じてみましょう。
ここではエンゲージメント向上にぜひ取り組んでみたい7つの方法を紹介します。
5-1. 自社ビジョンの共有
従業員のエンゲージメントを高めるには、自社のビジョンや目標を共有するようにしましょう。従業員は自分が働いている会社が何を目的として、どういったビジョンに基づいて活動しているかを把握することで、経営層と一体感を持って業務に取り組めます。
反対に経営層が何を考えているかわからないといった状態では、従業員のエンゲージメントは高まらないでしょう。自社のビジョン共有の方法として、定期的に説明会を実施する、ハンドブックや社内報などへの掲載が挙げられます。
5-2. コミュニケーションの活性化
社内のコミュニケーションが活発であれば、従業員のエンゲージメントも高まります。例えば、上司や先輩に相談しやすい環境であれば、従業員は一人で悩みや課題を抱え込まずにすみます。
社内のコミュニケーションを活発化させるためには、気軽に連絡できるチャットツールの導入や1on1ミーティングなどを実施しましょう。コミュニケーションが活発化したことで多様な意見が反映されれば、それまで慣習的におこなっていた不要な業務の削減にもつながります。
5-3. リーダーシップとチームワーク
上司のマネジメント力と従業員感のチームワークもエンゲージメントを高める大きな要素です。リーダーには主に2つのタイプが存在し、従業員のサポートをするサーバントリーダーとぐいぐいと引っ張っていくワンマンなリーダーが主なタイプです。
近年はサーバントリーダーが注目されやすいですが、どちらのタイプだとしても従業員をひっぱる立場であることは同じです。リーダーがリーダーシップを適切に発揮されば、コミュニケーションが増えて信頼関係ができ、人間関係が強固になることで会社へのエンゲージメントも高まります。
5-4. 従業員のライフワークバランス
労働時間や休日などが適切に管理されていれば、従業員はプライベートな時間を取ることができ、ライフワークバランスが良くなります。
ライフワークバランスが良い従業員は公私をしっかりと分けて仕事に集中できるため、生産性が向上しやすくなるでしょう。定時上がりや有給休暇の取得などをしっかりと促し、働きすぎによるライフワークバランスの崩壊が発生しないように注意しましょう。
5-5. 納得感のある人事評価や新制度
従業員のエンゲージメントを向上させるためには、給与以外での還元も大切です。例えば、目標を達成した従業員を表彰するという制度が効果的です。
賞を授与するにあたって、管理者たちがしっかりと話し合って受賞者を決めれば、従業員にとって表彰が有意義になります表彰まではいかなくとも、従業員の努力や行動を評価して承認欲求を満たすことは、エンゲージメントの向上につながります。
従業員の承認欲求を満たすために、管理者も含めた従業員同士で感謝の言葉を交わしてみましょう。その際、口頭では伝えづらいという従業員がいるかもしれません。そのため、カードに感謝の言葉をしたためて贈り合うのがおすすめです。この取り組みは従業員同士が互いの努力を認め合えるだけでなく、コミュニケーションの促進にもつながります。
このような人事評価制度の導入に向けて、具体的な評価制度の種類・もっと詳しい評価制度の導入手順を知りたいという人事担当者に向けて、当サイトでは人事評価の手引きを無料配布しています。資料では、初期導入時の詳しい解説から運用後の注意点まで、わかりやすく解説していますので、よりよい評価制度を作りたいという方は、ぜひこちらからダウンロードの上、お役立てください。
5-6. 社員が成長する機会
多くの人は自身の成長を望み、少しでも成長を感じられるとより努力しようとプラスの流れが発生しやすくなります。会社はこの流れをサポートするために、できる限りの支援をおこなうとエンゲージメントを高めることに繋がります。
例えば、本人が希望するスキルや資格の取得を支援したり、教材や書籍の購入費用や外部研修への参加費用を一部負担したりするなど、金銭面での補助がわかりやすいです。大切なことは従業員本人が望んでいる成長を後押しすることであるため、企業として必要なスキルや資格の取得を強制しないようにしましょう。
5-7. 習慣化・形骸化の防止
ここまで紹介してきたエンゲージメントを高める方法は、ひとつでもしっかりと実践すればエンゲージメントの向上が見込めるものです。
しかし、すぐに効果がでるものではありません。そのため、中長期的に実践していく必要があります。その中で問題になるのが惰性で続けるだけになる悪い意味での習慣化と、形骸化です。「決まりだからやっているだけ」「形だけ続けているだけ」になっていると、その意味や必要性が見えなくなり、新鮮さも消えてエンゲージメントの向上にはつながりません。
従業員が求めている取り組みを把握して、有意義な取り組みだけをおこなえるように常に意識することが大切です。
当サイトでは、このように従業員が本来求めている取り組みを正しく理解するための「従業員満足度の調査方法から結果の活用方法」までをわかりやすく解説した資料を無料でお配りしています。社内の制度を変えて従業員のエンゲージメント向上につなげたいという方は、こちらから「従業員満足度のハンドブック」をダウンロードしてご活用ください。
6. 新しい取り組みでエンゲージメントを高めて企業成長につなげよう
エンゲージメントを向上させるには、自社のビジョンを共有したり社内のコミュニケーションを促進したりといった方法が効果的です。これらに加えて、シエスタ制度や社員同士で感謝の言葉を交わし合うといった独自の取り組みもおすすめです。
どのような制度、システムに取り組めば従業員の愛社精神が高まるかを考えて、オリジナリティあふれるエンゲージメント向上の施策を実行してみてください。
関連記事:エンゲージメントとは?高めるメリットと方法をわかりやすく解説|HRドクター
従業員の定着率の低さなどが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方に向けて当サイトでは、「従業員満足度のハンドブック」を無料でお配りしています。
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