年末調整の代行サービスとは?気になる費用とその内容を紹介 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

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年末調整の代行サービスとは?気になる費用とその内容を紹介 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

年末調整の代行サービスとは?気になる費用とその内容を紹介

年末調整の業務は年末に集中し、担当者の大きな負担になりがちです。年末調整代行サービスを利用すれば、煩雑な業務を外部に委託できます。

これにより、業務負担の軽減やミス防止につながり、業務効率化を実現可能です。本記事では、年末調整代行サービスの具体的な内容や利用メリット、費用の相場に加え、税理士など代行業者を選ぶ際のポイントまで詳しく解説します。

関連記事:年末調整とは?【令和7年最新】確定申告との違いや必要書類、計算の流れをわかりやすく解説


年末調整のギモン、一問一答でスッキリ解決しませんか? 複雑な年末調整をケース別で解説

「特定親族特別控除」が新設されるなど、例年以上に複雑になる令和7年の年末調整。
従業員からの問い合わせが増える年末に、最新の制度をどう案内すればいいか、不安に感じていませんか?
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Q. 年末調整の対象者は?
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1. 年末調整の代行サービスとは?

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年末調整代行サービスとは、企業に代わって年末調整に関する書類の回収や計算、提出などの業務を外部の専門業者がおこなうサービスのことです。ここでは、年末調整の仕組みを説明したうえで、年末調整代行サービスの具体的な内容について詳しく紹介します。

1-1. そもそも年末調整とは?

年末調整は、企業が従業員に支払った給与や賞与から毎月差し引いた所得税の年間合計と、本来支払うべき所得税額を年末に再計算し、過不足を調整する手続きです。毎月の源泉徴収税額は概算で計算されているため、年末に正確な金額に合わせる必要があります。

年末調整の一般的な流れは次の通りです。

  1. 年末調整の対象となる従業員を確認する
  2. 必要書類を配布・記入してもらう
  3. 書類を回収し、不備がないかチェックする
  4. その年の所得税額を計算する
  5. 源泉徴収税額と比較し、差額を給与で調整する
  6. 確定した税額を納付し、従業員に源泉所得票を交付する
  7. 法定調書や給与支払報告書を作成・提出する

年末調整は年末期に業務が集中するため、担当者への負担が大きくなりがちです。そのため、業務を外部に委託する「年末調整代行サービス」の活用が検討されます。

関連記事:年末調整とは?目的や確定申告との違い、基本的な流れを人事担当者向けに解説

1-2. 年末調整の代行サービスの内容

年末調整代行サービスを活用すると、年末に集中する煩雑な業務を外部に委託できます。サービス内容は柔軟で、書類の回収から計算・提出まで一連の業務を丸ごと任せることも、所得税計算など特定の業務だけを依頼することも可能です。

さらに、業務効率化を目的とした電子化支援や、従業員への個別フォローに対応するサービスもあります。このように、自社のニーズや課題に応じて柔軟に利用できるのが年末調整代行サービスの特徴です。ただし、提供内容は業者によって異なるため、事前の確認が重要です。

2. 年末調整の代行サービスを利用するメリット

メリットのメモ

年末調整代行サービスを活用することで、社内担当者の書類回収や計算などの業務負担を大幅に軽減でき、作業ミスの防止や業務効率の向上といった多くのメリットが得られます。ここでは、年末調整代行サービスを利用する具体的なメリットについて詳しく解説します。

2-1. 業務負担を軽減できる

年末調整では、申告書類の配布・回収、所得税の計算、法定調書の税務署への提出など、多くの作業が発生します。特に従業員が多い企業では、書類作成や確認に時間がかかり、担当者の負担が大きくなりがちです。

年末調整代行サービスを利用すれば、業務の一部を専門業者に任せられるため、担当者の負担を大幅に軽減できます。その結果、他の重要業務に集中でき、忙しい年末でも効率よく業務を進められます。

2-2. ミスの防止・正確性の向上につながる

年末調整では、控除の判定や税率の適用など細かい確認が求められます。計算ミスや書類の不備があると、後から追加納付や税務署からの指摘といった問題に発展する可能性があり、企業にとって税務リスクが高まります。

2025年分の年末調整からは、令和7年度税制改正により、基礎控除や給与所得控除の引き上げ、特定親族特別控除の創設、扶養親族等の所得要件の見直しがおこなわれます。そのため、従来通りの計算や書類確認では誤りが生じやすく、正確な対応が一層重要になります。

年末調整代行サービスを利用すると、税制に精通した専門スタッフが計算や書類確認をおこなうため、ミスや不備のリスクを大幅に低減できる可能性が高まります。従業員の申告内容に不明点があっても、専門業者が適切に確認・修正をサポートするため、安心して手続きを進められるでしょう。その結果、企業は税務リスクを軽減し、従業員からの問い合わせ対応も削減できます。

参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁

関連記事:年末調整しないことによる罰則内容を詳しく紹介

2-3. コストを最適化できる

社内で年末調整をおこなう場合、業務が年末に集中するため、残業や一時的な人員増加が必要になり、人件費が増加しやすくなります。年末調整代行サービスを活用すれば、必要な時期だけ外部の専門リソースを効率的に利用でき、社内の人件費を抑えつつ業務を円滑に進められます。

また、計算ミスや書類提出漏れによる税務リスクを低減できるので、結果的に長期的なコスト削減につながる可能性があります。さらに、業務を外部に委託することで、社内での教育やマニュアル整備にかかる時間・コストも節約できます。

3. 年末調整の代行サービスを利用する際の注意点

注意のイメージ

年末調整代行サービスを利用することで業務効率化や負担軽減といった多くのメリットが得られます。しかし、コスト面だけでなく、税理士資格の有無や従業員の個人情報の取り扱いなど、気を付けるべきポイントもあります。ここでは、年末調整代行サービスを利用する際に留意すべき点について詳しく解説します。

3-1. 年末調整の税務書類作成には税理士の資格が必要

税理士には「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つの独占業務があり、これらは税理士以外の者が業としておこなうことはできません。例えば、年末調整後に作成する必要がある源泉徴収票の作成は「税務書類の作成」に該当するので、税理士資格を持たない者に代行を依頼できません。

日本税理士会連合会の見解でも、年末調整に関する事務は税理士の業務に該当し、社会保険労務士が代行することは違法としています。したがって、年末調整に関係する業務を委託する場合は、税理士に委託するのが適切です。なお、給与計算や会計帳簿への記帳といった日常業務は、税理士の独占業務には該当せず、税理士以外の者に委託しても問題ありません。

参考:2 税理士の業務|国税庁

参考:税理士又は税理士法人が行う付随業務の範囲に関する確認書|日本税理士会連合会

3-2. 社内にノウハウ知識が蓄積する仕組みが必要

年末調整業務を外部委託に過度に依存すると、社内に実務経験や知識が蓄積されにくくなる点には注意が必要です。担当者が手続きの仕組みを十分に理解しないまま外部任せの状態が続くと、税制改正への対応力やトラブル発生時の判断力が低下し、結果として業務全体の柔軟性を損なうおそれがあります。

将来的な視点で見ると、自社内で年末調整を完結できる体制を整えることは有益です。外部委託費の削減につながるだけでなく、自社のスケジュールや従業員対応に合わせて柔軟に運用できるようになります。さらに、従業員からの質問や追加書類への対応も迅速におこなえるので、業務効率と信頼性の向上が期待できます。

そのためには、まず「社内マニュアルの整備」「処理フローの明確化」など、業務の標準化を進めることが重要です。手順や判断基準を共有できる仕組みを構築することで、属人化を防ぎ、毎年発生する年末調整業務を安定的かつ効率的に遂行するための知識とスキルを着実に社内へ蓄積していくことができます。

3-3. 個人情報流出のリスクとセキュリティ体制の確認が必要

年末調整代行サービスを利用する場合、従業員の給与や社会保険料、源泉徴収税額、扶養状況、マイナンバーなどの個人情報を委託業者に提供する必要があります。情報が漏えいすると、法的責任だけでなく、従業員との信頼関係にも影響する可能性があります。そのため、提供する情報は必要最小限にとどめ、共有方法や取り扱いルールを事前に明確に定めることが重要です。

近年、年末調整業務の電子化も進んでいます。電子データを活用することで、紙の書類による紛失や盗難リスクを減らすだけでなく、アクセス権限の管理やバックアップ体制の整備も容易になります。電子化と厳格な運用ルールを併用することで、情報漏えいリスクを最小化しつつ、効率的かつ正確な年末調整業務の外部委託が可能となります。

参考:年末調整手続の電子化について|国税庁

関連記事:年末調整の電子化とは?やり方、企業におけるメリット・デメリットを解説

4. 年末調整の代行サービス業者の種類

従業員満足度のイメージ

年末調整の代行を依頼する際に候補となるのが次の3つです。

  • 税理士事務所
  • 社労士事務所
  • 経理代行サービス会社

年末調整に関する業務には、税理士の独占業務に該当する手続きが含まれます。そのため、原則として税理士資格を持たない事務所や企業に、年末調整の代行を直接依頼することはできません。

ただし、社労士事務所や経理代行サービス会社であっても、税理士事務所と連携をおこなっている場合など代行可能なケースもあります。ここからは、税理士事務所、社労士事務所、経理代行サービス会社それぞれに年末調整を依頼しようとする場合のメリット・デメリットや注意点を解説します。

4-1. 税理士事務所

税理士事務所に年末調整を依頼する最大のメリットは、税法に精通した専門家に計算や手続きを任せられる点です。年末調整に関する業務は税務に関わるため、税理士資格を有する事務所に依頼することで、法的に安全かつ正確な処理が可能になります。

さらに、万が一税務調査が入った場合でも、専門知識を持つ税理士から適切な助言や対応のサポートを受けられるため、企業のリスクを大幅に軽減できます。ただし、税理士に依頼する場合は、一般的な代行業者と比べて費用が高くなる点に注意が必要です。

税理士には得意分野があり、個人向け(所得税・相続税など)や法人向け(法人税・消費税など)で専門性が異なります。企業の業務内容や従業員構成に応じて、適切な専門性を持つ税理士を選ぶことで、よりスムーズで正確な年末調整が可能になります。

関連記事:年末調整を税理士に依頼するメリットや依頼方法を解説

4-2. 社労士事務所

社会保険労務士(社労士)は、労働や社会保険に関する法律の専門家です。社労士の独占業務には、就業規則の作成や社会保険・労働保険の手続き代理などがあり、これらは社労士でなければ代行できません。

しかし、社労士と税理士は完全に異なる資格です。そのため、税理士資格を持たない社労士に年末調整を委託すると、法律上問題となる可能性があります。企業はこの点を十分に理解したうえで、委託先を選ぶことが重要です。

一方で、毎月の給与計算や社会保険料の算定、労務管理に関するアドバイスは社労士に委託できます。年末調整では1年間の実際の給与額を正確に把握する必要があります。また、社労士は補助金や助成金に関する知識も豊富で、企業のコスト削減や制度活用の提案もおこなえます。さらに、社労士と税理士の両方の資格を持つ事務所であれば、給与計算から年末調整まで一貫して委託できるため、手続きの正確性や法令遵守の面でも安心です。

参考:社労士じゃナイト、出来ないことがある。知っとかナイト、トラブルの恐れがある。|全国社会保険労務士連合会

関連記事:給与計算は誰に頼む?税理士と社労士の違いや費用相場を解説!

4-3. 経理代行サービス会社

経理代行サービス会社を利用するメリットのひとつは、比較的コストが抑えられる点です。専門資格が不要な経理業務であれば、一般的な経理代行サービスを活用するのも有効でしょう。

また、経理代行サービス会社のなかには、税務や労務に限らず、営業支援や制作、経営相談など幅広いサービスを提供している事業者もあります。ただし、年末調整に関する事務は税理士資格の独占業務に該当するため、無資格者が代行することはできません。

そのため、経理代行サービス会社に年末調整を委託する場合は、税理士資格を有するスタッフが在籍しているか、あるいは税理士法人と提携して対応できる体制が整っているかを事前に確認することが重要です。

5. 年末調整の代行サービスの費用

貯金箱と時計とコイン

年末調整の代行サービスを利用しようと考えた際に気になるのがコストのことです。

ここでは、年末調整の代行サービスの費用相場について解説します。導入を検討する際に、目安としてご参考下さい。

5-1. 年末調整の代行サービスの費用

年末調整代行サービスの料金体系は、主に「1回あたりの基本料金」と「1人あたりの追加料金」から構成されます。費用相場は次の通りですが、委託先によって大きく変わるので、必ず依頼前に確認をおこなうことが大切です。

  • 1回あたりの基本料金:1万円~3万円程度
  • 1人あたりの追加料金:1,000円~3,000円程度

例えば、基本料金2万円、1あたりの追加料金3000円の場合、従業員数10人であれば費用は5万円(20,000円+ 3,000円 × 10人)となります。

5-2. 年末調整に付随するサービス費用

年末調整代行サービスを利用する場合、基本料金に含まれないオプション業務には別途料金が発生することがあります。例えば、源泉所得税の納付手続きや法定調書・給与支払報告書の作成などは、基本料金に含まれないこともあります。

一方で、毎月の給与計算や会計帳簿への入力代行といった業務をまとめて依頼すると、セット割引などで費用を抑えられる場合もあります。逆に、書類の配布・回収・確認などは自社でおこない、所得税の計算のみを依頼する場合は、作業量が少ない分、通常料金より安くなる可能性もあります。

いずれにしても、年末調整を委託する際は業務範囲を明確にし、基本料金に何が含まれているのか、オプション料金がかかるかを事前に確認することが重要です。無料相談などを活用して、正確な見積もりを把握するとよいでしょう。

6. 年末調整の代行サービスの選定ポイント

ポイントのブロック

年末調整は従業員の給与や税額に直結する重要な業務であり、正確性と効率性が求められます。そのため、代行サービスを選ぶ際は、単に料金だけでなく、サービス内容や対応力、信頼性を総合的に判断することが重要です。ここでは、年末調整代行サービスを選ぶ際のポイントについて詳しく紹介します。

6-1. 実績と専門性は十分か

年末調整代行サービスを選ぶ際は、まず自社の従業員規模や業種に応じた対応実績があるかを確認することが重要です。年末調整や源泉徴収は所得税法に則った手続きであるため、税法のなかでも所得税法に詳しいことを謳っている業者を選ぶと安心です。

業者の実績や専門性は、公式サイトで具体的な事例や顧客数、対応可能な業種などを確認するとよいでしょう。公式サイトがない場合でも、口コミサイトでの評判やレビュー、事前の無料相談を活用することで、対応力や信頼性を見極めることが可能です。

6-2. 料金と業務範囲がニーズに合致しているか

年末調整を代行業者に委託する場合、まずは自社が依頼したい業務範囲を明確にすることが重要です。業務範囲を絞れば、その分作業量が減り、委託料金も抑えられるのが一般的です。

また、業務内容が具体的であれば、業者側も正確に作業量を見積もれるため、追加費用が発生するリスクも低くなります。料金の相場がわからない場合は、複数の業者から見積りを取り、内容と費用を比較することで、自社に最適なプランを選択できるでしょう。

6-3. コミュニケーションは円滑か

年末調整の業務では、従業員から提出される書類の確認や税額計算に関する問い合わせなど、迅速なコミュニケーションが求められます。例えば、書類に不備があった場合や控除内容に関する質問が発生した際、即座に確認・修正をおこなわなければ、業務全体が遅延し、年末調整の期限に間に合わない可能性があります。

そのため、外部に年末調整を委託する場合は、事前に連絡体制が整っているか、担当者が迅速に対応できるかを確認することが重要です。あらかじめコミュニケーションの取りやすさをチェックすることで、業務の遅延やトラブルを防ぎ、従業員と企業双方にとって安心・安全な年末調整を実現できます。

7. 年末調整代行サービスは業務効率化に加え採用コストも抑えられる

書き物をする女性

年末調整代行サービスは、企業に代わって書類の回収・計算・提出など、年末に集中する煩雑な年末調整業務を外部の専門業者が支援するサービスです。これを利用することで、社内担当者の負担を大幅に軽減でき、税制に精通した専門家による正確な処理で計算ミスの防止にもつながります。

ただし、年末調整後の源泉徴収票の作成などは税理士の独占業務に該当するため、代行を依頼する際は税理士資格を有する業者を選ぶと安心です。社労士事務所や経理代行サービス会社に依頼する場合は、税理士との連携体制が整っているかを事前に確認しておくとよいでしょう。

 

通帳を見る男性

年末調整の業務は年末に集中し、担当者の大きな負担になりがちです。年末調整代行サービスを利用すれば、煩雑な業務を外部に委託できます。

これにより、業務負担の軽減やミス防止につながり、業務効率化を実現可能です。本記事では、年末調整代行サービスの具体的な内容や利用メリット、費用の相場に加え、税理士など代行業者を選ぶ際のポイントまで詳しく解説します。

関連記事:年末調整とは?【令和7年最新】確定申告との違いや必要書類、計算の流れをわかりやすく解説

1. 年末調整の代行サービスとは?

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年末調整代行サービスとは、企業に代わって年末調整に関する書類の回収や計算、提出などの業務を外部の専門業者がおこなうサービスのことです。ここでは、年末調整の仕組みを説明したうえで、年末調整代行サービスの具体的な内容について詳しく紹介します。

1-1. そもそも年末調整とは?

年末調整は、企業が従業員に支払った給与や賞与から毎月差し引いた所得税の年間合計と、本来支払うべき所得税額を年末に再計算し、過不足を調整する手続きです。毎月の源泉徴収税額は概算で計算されているため、年末に正確な金額に合わせる必要があります。

年末調整の一般的な流れは次の通りです。

  1. 年末調整の対象となる従業員を確認する
  2. 必要書類を配布・記入してもらう
  3. 書類を回収し、不備がないかチェックする
  4. その年の所得税額を計算する
  5. 源泉徴収税額と比較し、差額を給与で調整する
  6. 確定した税額を納付し、従業員に源泉所得票を交付する
  7. 法定調書や給与支払報告書を作成・提出する

年末調整は年末期に業務が集中するため、担当者への負担が大きくなりがちです。そのため、業務を外部に委託する「年末調整代行サービス」の活用が検討されます。

関連記事:年末調整とは?目的や確定申告との違い、基本的な流れを人事担当者向けに解説

1-2. 年末調整の代行サービスの内容

年末調整代行サービスを活用すると、年末に集中する煩雑な業務を外部に委託できます。サービス内容は柔軟で、書類の回収から計算・提出まで一連の業務を丸ごと任せることも、所得税計算など特定の業務だけを依頼することも可能です。

さらに、業務効率化を目的とした電子化支援や、従業員への個別フォローに対応するサービスもあります。このように、自社のニーズや課題に応じて柔軟に利用できるのが年末調整代行サービスの特徴です。ただし、提供内容は業者によって異なるため、事前の確認が重要です。

2. 年末調整の代行サービスを利用するメリット

メリットのメモ

年末調整代行サービスを活用することで、社内担当者の書類回収や計算などの業務負担を大幅に軽減でき、作業ミスの防止や業務効率の向上といった多くのメリットが得られます。ここでは、年末調整代行サービスを利用する具体的なメリットについて詳しく解説します。

2-1. 業務負担を軽減できる

年末調整では、申告書類の配布・回収、所得税の計算、法定調書の税務署への提出など、多くの作業が発生します。特に従業員が多い企業では、書類作成や確認に時間がかかり、担当者の負担が大きくなりがちです。

年末調整代行サービスを利用すれば、業務の一部を専門業者に任せられるため、担当者の負担を大幅に軽減できます。その結果、他の重要業務に集中でき、忙しい年末でも効率よく業務を進められます。

2-2. ミスの防止・正確性の向上につながる

年末調整では、控除の判定や税率の適用など細かい確認が求められます。計算ミスや書類の不備があると、後から追加納付や税務署からの指摘といった問題に発展する可能性があり、企業にとって税務リスクが高まります。

2025年分の年末調整からは、令和7年度税制改正により、基礎控除や給与所得控除の引き上げ、特定親族特別控除の創設、扶養親族等の所得要件の見直しがおこなわれます。そのため、従来通りの計算や書類確認では誤りが生じやすく、正確な対応が一層重要になります。

年末調整代行サービスを利用すると、税制に精通した専門スタッフが計算や書類確認をおこなうため、ミスや不備のリスクを大幅に低減できる可能性が高まります。従業員の申告内容に不明点があっても、専門業者が適切に確認・修正をサポートするため、安心して手続きを進められるでしょう。その結果、企業は税務リスクを軽減し、従業員からの問い合わせ対応も削減できます。

参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁

関連記事:年末調整しないことによる罰則内容を詳しく紹介

2-3. コストを最適化できる

社内で年末調整をおこなう場合、業務が年末に集中するため、残業や一時的な人員増加が必要になり、人件費が増加しやすくなります。年末調整代行サービスを活用すれば、必要な時期だけ外部の専門リソースを効率的に利用でき、社内の人件費を抑えつつ業務を円滑に進められます。

また、計算ミスや書類提出漏れによる税務リスクを低減できるので、結果的に長期的なコスト削減につながる可能性があります。さらに、業務を外部に委託することで、社内での教育やマニュアル整備にかかる時間・コストも節約できます。

3. 年末調整の代行サービスを利用する際の注意点

注意のイメージ

年末調整代行サービスを利用することで業務効率化や負担軽減といった多くのメリットが得られます。しかし、コスト面だけでなく、税理士資格の有無や従業員の個人情報の取り扱いなど、気を付けるべきポイントもあります。ここでは、年末調整代行サービスを利用する際に留意すべき点について詳しく解説します。

3-1. 年末調整の税務書類作成には税理士の資格が必要

税理士には「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つの独占業務があり、これらは税理士以外の者が業としておこなうことはできません。例えば、年末調整後に作成する必要がある源泉徴収票の作成は「税務書類の作成」に該当するので、税理士資格を持たない者に代行を依頼できません。

日本税理士会連合会の見解でも、年末調整に関する事務は税理士の業務に該当し、社会保険労務士が代行することは違法としています。したがって、年末調整に関係する業務を委託する場合は、税理士に委託するのが適切です。なお、給与計算や会計帳簿への記帳といった日常業務は、税理士の独占業務には該当せず、税理士以外の者に委託しても問題ありません。

参考:2 税理士の業務|国税庁

参考:税理士又は税理士法人が行う付随業務の範囲に関する確認書|日本税理士会連合会

3-2. 社内にノウハウ知識が蓄積する仕組みが必要

年末調整業務を外部委託に過度に依存すると、社内に実務経験や知識が蓄積されにくくなる点には注意が必要です。担当者が手続きの仕組みを十分に理解しないまま外部任せの状態が続くと、税制改正への対応力やトラブル発生時の判断力が低下し、結果として業務全体の柔軟性を損なうおそれがあります。

将来的な視点で見ると、自社内で年末調整を完結できる体制を整えることは有益です。外部委託費の削減につながるだけでなく、自社のスケジュールや従業員対応に合わせて柔軟に運用できるようになります。さらに、従業員からの質問や追加書類への対応も迅速におこなえるので、業務効率と信頼性の向上が期待できます。

そのためには、まず「社内マニュアルの整備」「処理フローの明確化」など、業務の標準化を進めることが重要です。手順や判断基準を共有できる仕組みを構築することで、属人化を防ぎ、毎年発生する年末調整業務を安定的かつ効率的に遂行するための知識とスキルを着実に社内へ蓄積していくことができます。

3-3. 個人情報流出のリスクとセキュリティ体制の確認が必要

年末調整代行サービスを利用する場合、従業員の給与や社会保険料、源泉徴収税額、扶養状況、マイナンバーなどの個人情報を委託業者に提供する必要があります。情報が漏えいすると、法的責任だけでなく、従業員との信頼関係にも影響する可能性があります。そのため、提供する情報は必要最小限にとどめ、共有方法や取り扱いルールを事前に明確に定めることが重要です。

近年、年末調整業務の電子化も進んでいます。電子データを活用することで、紙の書類による紛失や盗難リスクを減らすだけでなく、アクセス権限の管理やバックアップ体制の整備も容易になります。電子化と厳格な運用ルールを併用することで、情報漏えいリスクを最小化しつつ、効率的かつ正確な年末調整業務の外部委託が可能となります。

参考:年末調整手続の電子化について|国税庁

関連記事:年末調整の電子化とは?やり方、企業におけるメリット・デメリットを解説

4. 年末調整の代行サービス業者の種類

従業員満足度のイメージ

年末調整の代行を依頼する際に候補となるのが次の3つです。

  • 税理士事務所
  • 社労士事務所
  • 経理代行サービス会社

年末調整に関する業務には、税理士の独占業務に該当する手続きが含まれます。そのため、原則として税理士資格を持たない事務所や企業に、年末調整の代行を直接依頼することはできません。

ただし、社労士事務所や経理代行サービス会社であっても、税理士事務所と連携をおこなっている場合など代行可能なケースもあります。ここからは、税理士事務所、社労士事務所、経理代行サービス会社それぞれに年末調整を依頼しようとする場合のメリット・デメリットや注意点を解説します。

4-1. 税理士事務所

税理士事務所に年末調整を依頼する最大のメリットは、税法に精通した専門家に計算や手続きを任せられる点です。年末調整に関する業務は税務に関わるため、税理士資格を有する事務所に依頼することで、法的に安全かつ正確な処理が可能になります。

さらに、万が一税務調査が入った場合でも、専門知識を持つ税理士から適切な助言や対応のサポートを受けられるため、企業のリスクを大幅に軽減できます。ただし、税理士に依頼する場合は、一般的な代行業者と比べて費用が高くなる点に注意が必要です。

税理士には得意分野があり、個人向け(所得税・相続税など)や法人向け(法人税・消費税など)で専門性が異なります。企業の業務内容や従業員構成に応じて、適切な専門性を持つ税理士を選ぶことで、よりスムーズで正確な年末調整が可能になります。

関連記事:年末調整を税理士に依頼するメリットや依頼方法を解説

4-2. 社労士事務所

社会保険労務士(社労士)は、労働や社会保険に関する法律の専門家です。社労士の独占業務には、就業規則の作成や社会保険・労働保険の手続き代理などがあり、これらは社労士でなければ代行できません。

しかし、社労士と税理士は完全に異なる資格です。そのため、税理士資格を持たない社労士に年末調整を委託すると、法律上問題となる可能性があります。企業はこの点を十分に理解したうえで、委託先を選ぶことが重要です。

一方で、毎月の給与計算や社会保険料の算定、労務管理に関するアドバイスは社労士に委託できます。年末調整では1年間の実際の給与額を正確に把握する必要があります。また、社労士は補助金や助成金に関する知識も豊富で、企業のコスト削減や制度活用の提案もおこなえます。さらに、社労士と税理士の両方の資格を持つ事務所であれば、給与計算から年末調整まで一貫して委託できるため、手続きの正確性や法令遵守の面でも安心です。

参考:社労士じゃナイト、出来ないことがある。知っとかナイト、トラブルの恐れがある。|全国社会保険労務士連合会

関連記事:給与計算は誰に頼む?税理士と社労士の違いや費用相場を解説!

4-3. 経理代行サービス会社

経理代行サービス会社を利用するメリットのひとつは、比較的コストが抑えられる点です。専門資格が不要な経理業務であれば、一般的な経理代行サービスを活用するのも有効でしょう。

また、経理代行サービス会社のなかには、税務や労務に限らず、営業支援や制作、経営相談など幅広いサービスを提供している事業者もあります。ただし、年末調整に関する事務は税理士資格の独占業務に該当するため、無資格者が代行することはできません。

そのため、経理代行サービス会社に年末調整を委託する場合は、税理士資格を有するスタッフが在籍しているか、あるいは税理士法人と提携して対応できる体制が整っているかを事前に確認することが重要です。

5. 年末調整の代行サービスの費用

貯金箱と時計とコイン

年末調整の代行サービスを利用しようと考えた際に気になるのがコストのことです。

ここでは、年末調整の代行サービスの費用相場について解説します。導入を検討する際に、目安としてご参考下さい。

5-1. 年末調整の代行サービスの費用

年末調整代行サービスの料金体系は、主に「1回あたりの基本料金」と「1人あたりの追加料金」から構成されます。費用相場は次の通りですが、委託先によって大きく変わるので、必ず依頼前に確認をおこなうことが大切です。

  • 1回あたりの基本料金:1万円~3万円程度
  • 1人あたりの追加料金:1,000円~3,000円程度

例えば、基本料金2万円、1あたりの追加料金3000円の場合、従業員数10人であれば費用は5万円(20,000円+ 3,000円 × 10人)となります。

5-2. 年末調整に付随するサービス費用

年末調整代行サービスを利用する場合、基本料金に含まれないオプション業務には別途料金が発生することがあります。例えば、源泉所得税の納付手続きや法定調書・給与支払報告書の作成などは、基本料金に含まれないこともあります。

一方で、毎月の給与計算や会計帳簿への入力代行といった業務をまとめて依頼すると、セット割引などで費用を抑えられる場合もあります。逆に、書類の配布・回収・確認などは自社でおこない、所得税の計算のみを依頼する場合は、作業量が少ない分、通常料金より安くなる可能性もあります。

いずれにしても、年末調整を委託する際は業務範囲を明確にし、基本料金に何が含まれているのか、オプション料金がかかるかを事前に確認することが重要です。無料相談などを活用して、正確な見積もりを把握するとよいでしょう。

6. 年末調整の代行サービスの選定ポイント

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年末調整は従業員の給与や税額に直結する重要な業務であり、正確性と効率性が求められます。そのため、代行サービスを選ぶ際は、単に料金だけでなく、サービス内容や対応力、信頼性を総合的に判断することが重要です。ここでは、年末調整代行サービスを選ぶ際のポイントについて詳しく紹介します。

6-1. 実績と専門性は十分か

年末調整代行サービスを選ぶ際は、まず自社の従業員規模や業種に応じた対応実績があるかを確認することが重要です。年末調整や源泉徴収は所得税法に則った手続きであるため、税法のなかでも所得税法に詳しいことを謳っている業者を選ぶと安心です。

業者の実績や専門性は、公式サイトで具体的な事例や顧客数、対応可能な業種などを確認するとよいでしょう。公式サイトがない場合でも、口コミサイトでの評判やレビュー、事前の無料相談を活用することで、対応力や信頼性を見極めることが可能です。

6-2. 料金と業務範囲がニーズに合致しているか

年末調整を代行業者に委託する場合、まずは自社が依頼したい業務範囲を明確にすることが重要です。業務範囲を絞れば、その分作業量が減り、委託料金も抑えられるのが一般的です。

また、業務内容が具体的であれば、業者側も正確に作業量を見積もれるため、追加費用が発生するリスクも低くなります。料金の相場がわからない場合は、複数の業者から見積りを取り、内容と費用を比較することで、自社に最適なプランを選択できるでしょう。

6-3. コミュニケーションは円滑か

年末調整の業務では、従業員から提出される書類の確認や税額計算に関する問い合わせなど、迅速なコミュニケーションが求められます。例えば、書類に不備があった場合や控除内容に関する質問が発生した際、即座に確認・修正をおこなわなければ、業務全体が遅延し、年末調整の期限に間に合わない可能性があります。

そのため、外部に年末調整を委託する場合は、事前に連絡体制が整っているか、担当者が迅速に対応できるかを確認することが重要です。あらかじめコミュニケーションの取りやすさをチェックすることで、業務の遅延やトラブルを防ぎ、従業員と企業双方にとって安心・安全な年末調整を実現できます。

7. 年末調整代行サービスは業務効率化に加え採用コストも抑えられる

書き物をする女性

年末調整代行サービスは、企業に代わって書類の回収・計算・提出など、年末に集中する煩雑な年末調整業務を外部の専門業者が支援するサービスです。これを利用することで、社内担当者の負担を大幅に軽減でき、税制に精通した専門家による正確な処理で計算ミスの防止にもつながります。

ただし、年末調整後の源泉徴収票の作成などは税理士の独占業務に該当するため、代行を依頼する際は税理士資格を有する業者を選ぶと安心です。社労士事務所や経理代行サービス会社に依頼する場合は、税理士との連携体制が整っているかを事前に確認しておくとよいでしょう。

 

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jinjer Blog 編集部

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