死亡退職した従業員の年末調整はどうする?手順や注意点 | jinjerBlog

死亡退職した従業員の年末調整はどうする?手順や注意点

事務処理をおこなう男性 

死亡により退職した従業員の年末調査は、源泉徴収や給与所得の源泉徴収票の発行方法が少し特殊です。本記事では、死亡退職した従業員の年末調査はどうするべきなのか、概要をご紹介します。

▼そもそも年末調整とは?といった方はこちら
年末調整の基礎知識|必要な人や手続きの流れを詳しく紹介

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1.死亡退職した従業員の年末調整について

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死亡退職した社員は、死亡した時期によって対応方法が異なります。

また、年末調査は本来1年間の給与総額に対して行いますが、年の途中に社員が死亡した場合は、死亡した時点までに支払いが確定している給与総額を対象に年末調査を行います。

1-1.給料の支給期を迎える前に死亡した場合

給料の支給日前に死亡した場合は、死亡後の給料は相続遺産として扱われるので、相続税が課税されます。そのため、源泉徴収は行いません。

ちなみに支給期とは、「給与所得の収入金額の収入すべき時期」を指し、通常は支給期に給料が振り込まれます。よって支給期=支払日となります。

しかし、契約や株主総会の決議で支給期とは別に支払日が設定されている場合は、その支払日に合わせて給料が支払われるなら問題はありません。

給与の支給期前に死亡した場合、以下のようになります。

(例)
・締め日→月末
・死亡日→17日
・給与の支給期・支給日→25日

1-2.給料の支給期後に死亡した場合

給料の支給期を迎えてから死亡した場合は、死亡した社員の給与所得になるので源泉徴収を行います。

先ほど触れた「支給期」が支払日と異なる場合でも、支給期を迎えてから死亡した場合は、源泉徴収の対象になります。

実際に支払われる前に死亡してもその社員の給料になるので、混同しないように注意が必要です。

給与の支給期後に死亡した場合、以下のようになります。

(例)
・締日→月末
・死亡日→21日
・給与の支払日→25日

2.死亡退職した従業員の年末調整の手順

手順

社員の死亡した時期によって手続き方法が異なるのが分かりました。この注意点を踏まえ、死亡退職した従業員の年末調整手順を解説します。

2-1.相続財産になる給料を把握する

まずは給与のうち、相続財産として扱う給料を計算します。

少し分かりにくいので、会社Aと社員Xを仮定してみましょう。会社Aでは給与を末日締翌月25日支払いにしており、社員X917日に死亡したと仮定します。

・会社A:末日締翌月25日支払
・社員X917日に死亡

この場合だと、会社Aが社員Xに給所得として支払うべきなのは、825日に支払が完了した7月までの分。8月分は925日に支払われ、死亡日が支給期を超えていないので相続財産として扱います。

2-2.年末調整の対象になる給与を計算する

通常は1年間の給料に対して年末調査を行いますが、年の途中で死亡した社員の分はその時点までの給料で年末調整を行います。

8月の給料は相続財産になることがわかったので、年の始まりから7月分までが社員Xの「年間所得」です。

・11日~731日までの給与=社員Xの年間所得(年末調査の対象)
・81日~817日までの給与(死亡日)=遺族の相続財産

ちなみに臨時で支給される賞与(ボーナス)も死亡日よりも前に支給期が来ていれば給与所得になり、死亡日の後であれば相続財産となります。

関連記事:年末調整の計算方法5ステップや注意点を分かりやすく解説

2-3.遺族に給与所得の源泉徴収票を交付する

遺族は納税者が死亡した場合の確定申告「準確定申告」を行わなければならないので、遺族に対して「給与所得の源泉徴収票」を交付してください。

なお源泉徴収票の中央から下部分に「死亡退職」のチェック欄があるので、死亡退職に〇を付けて交付します。

3.死亡退職した従業員の年末調査を行う上での注意点

ポイント

死亡退職した従業員の年末調査を行う上での注意点は次の3つです。

・給与所得と遺産相続の区分
・生命保険料控除・地震保険料控除・社会保険料控除の対象範囲
・配偶者控除・扶養控除の判定基準

また、以下のように給与の取扱いや各種手続きにも細心の注意が必要です。

・遺族による相続税の申告漏れ
・健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料の支払義務
・給与の振り込み方法
・退職金に関して

3-1.生命保険料控除・地震保険料控除・社会保険料控除の対象範囲

年末調整では、以下の保険料の支払額に応じて控除を受けることができます。

・生命保険控除
・地震保険控除
・社会保険料控除

上記3つの場合は、死亡日までに支払った保険料が控除の対象額になります。

▼社会保険料控除について詳しく知りたい方はこちら
年末調整の社会保険料控除とは?対象となる保険の種類まとめ

3-2.配偶者控除・扶養控除の判定基準

配偶者控除と扶養控除は少し特殊で、死亡日の現況によって計算されます。このとき月割計算は行えないので、注意が必要です。

▼配偶者控除について詳しく知りたい方はこちら
年末調整は結婚したら何が変わる?書類の書き方のポイント

3-3.遺族による相続税の申告漏れ

企業に勤める従業員が死亡した場合、給与分の年末調整を行ったら、遺族に準確定申告のための引継ぎをしなければなりません。

遺族は給与所得の源泉徴収票をもとに準確定申告を行って納税する義務があるので、給与所得の源泉徴収票は確実に交付します。

なお、給与所得に含まれる範囲は、責任をもって年末調整の手続きを行いましょう。

3-4.健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料の支払義務

見落としがちな項目ですが、死亡した社員の社会保険料は通常の退職と同じように扱います。

死亡した社員は原則死亡の翌日に資格を喪失するので、521日に死亡した場合はその翌日522日が資格喪失日になります。

保険料は被保険者資格を取得してから、資格喪失の前月までの分を納めなければなりません。そのため、521日に死亡した社員の保険料は、喪失した前月の4月分までの保険料を納めなければならないのです。

3-5.給与の振り込み方法

死亡した社員が受け取れなかった給与は、遺族に支払いますが、振り込み方法で戸惑う方が多く見受けられます。

死亡した社員の銀行口座は社員の死亡によって凍結されてしまうので、確実なのは手渡しか、相続人の銀行口座への振込です。

3-6.退職金について

社員の死亡日を退職日とみなし、その1ヵ月後に退職金を支払う場合は、給料と同じく相続財産として扱われます。

退職金の支給期が1ヵ月後と考えると、わかりやすくなります。よって「退職所得の源泉徴収票」は提出せず、源泉徴収も行いません。

4.死亡退職した社員は年間所得分のみで年末調整を行う

デスクワークをする男性

死亡した社員の年末調整は、死亡日前に支給された給与のみで行います。死亡が発覚した時点で年末調整を行わなければならないので、年の途中でも手続きを行います。

支給期前に死亡したのか、支給期後に死亡したのかによって、給与所得と相続財産の区分が変わるのがポイントです。支給期が死亡日後にある場合、給料は相続遺産として扱うため、源泉徴収は行いません。

また、年末調整と同時に、社会保険料の納付についても少し知識が必要なります。それぞれの手続きが間違いなく行えるよう、手順や基本は繰り返し確認しておきましょう。

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