勘定科目内訳明細書の書き方や作成時の注意点・簡素化の具体的内容を解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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勘定科目内訳明細書の書き方や作成時の注意点・簡素化の具体的内容を解説

説明

勘定科目内訳明細書は、税務署に提出する法人税申告書に添付が必要な書類です。企業の取引内容に問題がないか、また、法人税申告書が正しく作成されているかを確認することを主な目的としています。

今回は、勘定科目内訳明細書の書き方や作成する際の注意点、簡素化の具体的内容を中心に紹介します。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

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などなど会計の理解を深める際に前提の基礎知識となる勘定科目や仕訳がよくわからない方もいらっしゃるでしょう。

そこで当サイトでは、勘定科目や仕訳に関する基本知識と各科目ごとの仕訳例を網羅的にまとめた資料を無料で配布しております。 会計の理解を深めたい方には必須の知識となりますので、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。


1. 勘定科訳明細書とは?目的や提出期限など網羅的に解説

疑問

勘定科目内訳明細書とは、法人税申告の際に添付する書類の1つです。賃借対照表や損益計算書の勘定科目の内訳を示した決算書類で、法人税法施行規則第35条で提出が義務づけられています。

勘定科目内訳明細書を提出することで税務署は企業の取引の実態や財務状況を正確に把握することができます。

1-1.勘定科目内訳明細書の提出期限

勘定科目内訳明細書は、決算日(期末)の翌日から2ヵ月以内に税務署に提出する必要があります。ただし、当該日が休日や祝日の場合はその翌日の平日が提出期限となります。

1-2. 勘定科目内訳明細書と総勘定元帳の違い

勘定科目内訳明細書と総勘定元帳は記載項目や役割が異なります。

日頃行われる取引を、勘定科目ごとに記録するものが総勘定元帳ですが、勘定科目内訳明細書は、決算書類を元に各勘定科目の残高や内容の確認を進めながら、期末残高の内訳をまとめた書類です。

関連記事:勘定科目とは?仕訳で頻出の勘定科目一覧や仕訳例をわかりやすく解説 

2. 勘定科目内訳明細書の記載要綱と書き方

書類

勘定科目内訳明細書を書く際には、以下16種類の内訳書を記載していく必要があります。原則として、期末に残高のない勘定科目の内訳書や作成の必要がない内訳書以外は、すべて作成しなければなりません。

国税庁が勘定科目内訳明細書のテンプレート配布も行っている為、活用しても良いでしょう。

参考:e-Tax|国税庁:勘定科目内訳明細書の標準フォーム等

ここでは、それぞれの内訳書について書き方を紹介します。

2-1. 預貯金等の内訳書

法人で保有している預貯金の内訳を、取引する金融機関や預貯金の種類別に記入します。
預貯金の口座名義が法人になっていない場合には、摘要欄に名義人名を記入します。

2-2. 受取手形の内訳書

法人が保有する受取手形の内訳を振出人別に明細を記入します。

振出人や振出年月日、支払期日、支払銀行などを記入しますが、同じ取引先で金額合計が100万円以上になる場合には、個別で記入していきます。そのほかは、一括で記入します。

2-3. 売掛金の内訳書

期末時点で売掛金や未収入金の残高がある場合に記入します。
記入の際には、取引先別に相手先や期末残高を記入します。

同じ取引先で合計金額が50万円以上のものを個別で記入していきますが、そのほかは一括で記入します。

2-4. 仮払金、貸付金及び受取利息の内訳書

仮払金内訳書には、取引先別に、科目や相手先、期末残高、取引内容を記入します。また、貸付金及び受取利息の内訳書には、貸付先と期末現在高、期中の受取利息額、利率、担保の内容を記入します。

いずれも取引先の期末残高が50万円以上のものを個別で記入していきます。

2-5. 棚卸資産の内訳書

期末時点で棚卸資産となるものについて、科目や品目、数量、単価を記入します。
項目が多くなりすぎないよう、グルーピングを行って記入することも可能です。

2-6. 有価証券の内訳書

期末時点で保有する有価証券について、区分種類銘柄や期末残高、期中増(減)の明細、摘要を記入します。期末残高がない場合でも、期中に売却や買入を行った場合には記入を行います。

2-7. 固定資産の内訳書

種類・構造や用途、面積、物件の所在地のほか、期末現在高、期中取得(処分)の明細を記入します。
土地や建物の保有がない場合や、期中に売却や評価替えなどが無い場合には、作成する必要はありません。

2-8. 支払手形の内訳書

支払先別に、支払先や振出年月日、支払期日、支払銀行名・支店名、摘要を記入します。
同じ取引先で支払手形の総額が100万円以上になる場合には、個別で記入していきます。

2-9. 買掛金の内訳書

取引先別に、科目や相手先名称・所在地、期末現在高、摘要、未払配当金、未払役員賞与を記入します。

取引先の期末残高が50万円以上の場合には、個別で記入します。

2-10. 仮受金(前受金・預り金)の内訳書、源泉所得税預り金の内訳書

仮受金(前受金・預り金)の内訳書には、科目や相手先名称、期末現在高、取引の内容を記入します。
取引先の期末残高が50万円以上の場合は、個別で記入します。

源泉所得税預り金の内訳書には、支払年月や所得の種類、期末現在高を記入します。

2-11. 借入金及び支払利子の内訳書

借入先別に、借入先、法人・代表者との関係、所在地、期末残高、期中の支払利子額、利率、借入理由、担保の内容を記入します。
借入先の期末残高が50万円以上のものについては、個別で記入します。

2-12. 土地の売上高等の内訳書

区分、商品の所在地(地目・総面積)、売上(年・月)、売上先名称・所在地、売上面積、売上金額などを記入します。

土地を棚卸資産として保有しており申告期間中に売却した場合や土地や土地付き建物を仲介した場合には作成が必要です。

2-13. 売上高等の事業所別内訳書

事業所別に、事業所の名所・所在地、責任者氏名・代表者との関係、事業等の内容、売上高、期末棚卸高、期末従業員数などを記入します。

2-14. 役員給与等の内訳書

役員休養等の内訳書には、役員別に、役職名や氏名・住所・代表者との関係、役員給与などを記入します。
人件費の内訳には、役員給与と従業員手当(給与手当・賃金手当)を記入します。

2-15. 地代家賃等の内訳書

地代家賃の内訳書には、地代・家賃の区分、借地(借家)物件の用途・所在地、貸主の名称・所在地、支払対象期間・支払貸借料などを記入します。

権利均等の期中支払の内訳には、支払先の名称・所在地や支払年月日、支払金額などを記入します。

工業所有権等の使用料の内訳書には、名称、支払先の名称・所在地、契約期間、使用料等を記入します。

2-16. 雑益、雑損失等の内訳書

科目や取引の内容、相手先、所在地、金額を記入します。
同一科目や同一取引先で10万円以上になるもの、また、税金の還付額については必ず記入するようにしましょう。

3. 勘定科目内訳明細書を作成する際の注意点やミスがあった際の対応

発注書 注意点

勘定科目内訳明細書を作成する際には、それぞれの内訳書に記載する期末残高と、貸借対照表や損益計算書の残高とを一致させておかなければなりません。

残高が一致しない場合には、税務調査の対象となる可能性があるので、間違いのないように転記していきましょう。

正確な勘定科目内訳明細書を作成するためにも、勘定科目について正しい理解をしておくことや、早めの準備を心がけることをおすすめします。

勘定科目内訳明細書に何らかの理由で記載ミスが発生した場合でも、決算書類と法人税申告書にミスが無ければ大方問題はありません。

ただし、元となる決算書類にミスがある場合、会計報告が誤っていることになるため、税務調査でも指摘を受けることになるでしょう。

各取引がどんな勘定科目を用いて仕分けられるのか、各勘定科目は勘定科目の5つのグループのどれに該当するのか、をしっかりと把握しておきたいという方に向けて、当サイトでは無料のガイドブックをご用意しました。
80種類以上勘定科目の解説や、貸借対照表での仕訳例を一覧表にして紹介しています。
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4. 勘定科目内訳明細書の簡素化の具体的な内容

明細

勘定科目内訳明細書は、2018年の税制改正により、簡素化が可能となりました。
勘定科目内訳明細書の簡素化は、大企業だけでなく、中小企業にも適用されるものとなっています。

内容は以下の通りとなっています。

・記載する件数の柔軟化
売掛金や買掛金などの、記載件数が多くなりがちな勘定科目については、上位100件のみを記載

・記載する単位の柔軟化
売掛金や買掛金については、支店や事業所別に合計金額を記載

・記載欄の削除や変更等
1. 貸付金及び受取利息の内訳書の「貸付理由」欄の削除
2. 借入金及び支払利子の内訳書の「借入理由」欄の削除
3. 仮払金の内訳書、仮受金の内訳書の「取引の内容」欄を「摘要」欄に変更
4. 雑益、雑損失等の内訳書の「固定資産売却損益の記載」を不要

なお、具体的な簡素化の内容については、国税庁ホームページに記載されています。[注1]

[注1]電子申告の義務化についてよくある質問|国税庁

5. 勘定科目内訳明細書の正しい書き方を理解しよう

理解・納得

勘定科目内訳明細書の作成をスムーズにすすめるためには、正しい書き方を事前に理解しておくのがおすすめです。

作成した書類にミスがあると、税務署からの指摘を受けるだけでなく、銀行からの資金調達に影響を及ぼす可能性もあります。

正確な内容で作成して提出できるよう、早めに明細書に記載する内容の確認を行い、書類の作成に必要な情報を収集するようにしておくとよいでしょう。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

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MEGURO

MEGURO

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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