不渡手形とは?仕訳や回避方法をわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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不渡手形とは?仕訳や回避方法をわかりやすく解説

銀行

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

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1. 不渡手形とは「決済できない約束手形」のこと

不渡手形とは、支払期日を迎えたにもかかわらず、なんらかの理由により支払銀行で決済できない約束手形のことをいいます。

約束手形とは、期日に代金を支払うことを約束する有価証券のことです。約束手形を振り出す場合、振出人は支払期日までに代金を当座預金に用意しておく必要があります。

もし支払期日に代金を準備できなければ、約束手形の受取人は決済できません。これを不渡りといいますが、不渡りになった約束手形は回収不能の有価証券となり、不良債権として扱われます。そのため最悪の場合、約束手形の受取人は貸し倒れになることもあります。

2. 不渡りの種類

小切手

不渡りの種類は、以下の3つです。

  • 0号(ゼロゴウ)不渡り
  • 1号不渡り
  • 2号不渡り

種類によって、不渡りを起こした振出人のペナルティがまったく異なります。それぞれの特徴を詳しく解説します。

2-1. 0号(ゼロゴウ)不渡り

0号(ゼロゴウ)不渡りとは、手形や小切手において、形式に不備がある際の不渡りのことです。たとえば、以下のような例があります。

  • 振出人の署名が無い・押印が無い
  • 支払地の記載が無い
  • 呈示期間を過ぎている
  • 支払い期日が来ていない
  • 裏書不備

約束手形に不備があることによる不渡りには、支払い義務はなく、銀行は不渡届を提出しません。単純なミスなので、いきなり信用を損なうこともありません。

2-2. 1号不渡り

1号不渡りとは、振出人が発端として発生する不渡りです。たとえば、以下のような例があります。

  • 口座に約束手形の決済に必要な資金が無い
  • 銀行との取引を解約しており支払口座がすでに無い

この場合は0号不渡りと違って会社の信用にかかわる問題なので、もっともペナルティが大きいです。半年以内に2回の不渡りをしてしまうと、銀行取引停止処分になります。

出典:「06B-Q18 銀行取引停止処分件数」|総務省統計局

2-3. 2号不渡り

2号不渡りとは、0号(ゼロゴウ)不渡りや1号不渡りに該当しないものをいいます。たとえば、以下のような例があります。

  • 契約不履行
  • 偽造
  • 詐称
  • 盗難
  • 紛失

2号不渡りは、1号不渡りと違って振出人の信用とは関係のないものです。そのため、不渡届は作成されますが、異議申し立てができます。具体的には、不渡りになった約束手形と同額を提供金として手形交換所に提供することで、不渡り処分の猶予を請求できます。

ただし注意点としては、必ず異議申し立てすることです。何もせずに放置したままでいると、1号不渡りと同じように扱われます。2号不渡りでも安心できるわけではないので、注意しましょう。

3. 不渡手形の仕訳【ケース別に解説】

ペンと電卓

ここでは、不渡手形の仕訳を下記の3つのケースに分けて紹介します。

  • 不渡りが発生したときの仕訳
  • 不渡手形を回収できなかったときの仕訳
  • 不渡手形を回収できたときの仕訳

約束手形の不渡りは突然訪れるものです。いざというときに適切な仕訳ができるようにしておきましょう。

3-1. 不渡りが発生したときの仕訳

例:自社が保有するA社振り出しの約束手形5万円が不渡りとなった。自社は支払拒絶証明作成の費用として5,000円を現金で支払った。

借方 金額 貸方 金額
不渡手形 55,000 受取手形 50,000
現金 5,000

保有している約束手形が不渡りになった場合、手続きにかかった費用もすべて振出人に請求できます。今回の例では「支払拒絶証明作成の費用」を含めた金額を勘定科目「不渡手形」として仕訳します。

3-2. 不渡手形を回収できなかったときの仕訳

例:A社は破産宣告を受けたので、当社は不渡手形に関する債権を放棄した。

借方 金額 貸方 金額
貸倒損失 55,000 不渡手形 55,000

いわゆる貸し倒れの状況です。不渡手形を回収できない場合は、勘定科目「貸倒損失」を用いて仕訳します。

3-3. 不渡手形を回収できたときの仕訳

例:無事に不渡手形の代金を回収できた。なお、延滞利息500円も合わせて現金で受け取った。

借方 金額 貸方 金額
現金 55,500 不渡手形 55,000
受取利息 500

不渡手形の代金を回収できたので、勘定科目「現金」は増加、勘定科目「不渡手形」は減少します。
今回の例のように、支払い遅延による延滞利息も受け取ったのであれば、勘定科目「受取利息」を用いて仕訳します。

4. 不渡り発生時の3つのリスク

注意

不渡りが発生すると、さまざまなリスクが生じます。ここでは、主なリスクを3つ解説します。

  1. 取引先からの信用を失う
  2. 銀行取引処分になる
  3. 金融機関から融資を受けられなくなる

4-1. 取引先からの信用を失う

不渡り発生時の大きなリスクは、取引先に資金を受け渡せず、信用を損ねることです。

不渡りを起こした会社が倒産するとなれば、有価証券である約束手形は価値が無いも同然です。そのため約束手形の受取人は資金繰りに悩まされる可能性が高く、将来の取引にも影響が出てきます。場合によっては、取引停止の可能性もあります。たとえ不渡りを解消しても、今後約束手形での取引は難しいでしょう。

また、不渡りを起こしたことが外部に漏れると、他の取引先に警戒されることもあります。取引先としても、貸し倒れのリスクだけは避けたいものです。たった1度の不渡りでも、取引先からの信用を失うことは覚えておきましょう。

4-2. 銀行取引処分になる

先述のとおり、半年以内に2回の不渡りがあると、約束手形の振出人は銀行取引停止処分となります。これは、銀行をはじめとする金融機関からの融資を受けられないことを意味します。

具体的には、銀行停止処分を受けた日から2年間は手形交換所に加盟している金融機関と一切取引できません。すでに借入金がある場合は、借入残高とあわせて返済する必要があります。よほどの資金力がなければ、倒産は避けられません。

4-3. 金融機関から融資を受けられなくなる

1度でも不渡りを起こすと、金融機関から新規あるいは追加で融資を受けるのはほぼ不可能となります。なぜなら、不渡りを起こした事実はまたたく間に全国に広まるからです。

不渡り発生時の流れは以下のとおりです。

  1. 銀行は不渡届を作成し、手形交換所に届ける
  2. 手形交換所は確認した後、全国銀行協会に報告する
  3. 全国の金融機関に不渡りした記録が共有される

共有された記録は消えないので、新規の融資を受けることは難しいです。そうなれば、やがて資金繰りが苦しくなり、倒産するしかない状況に陥ります。金融機関からの信用は会社の将来を大きく左右するので、不渡りは避けたいものです。

5. 不渡りの回避方法

原因を調査

約束手形の不渡りが起きたとしても、以下の方法で回避できる可能性があります。

  • 手形のジャンプ
  • 過振り
  • 売掛金の資金化

それぞれ解説します。

5-1. 手形のジャンプ

手形のジャンプは、支払期日までに資金を用意できないとわかった際に、約束手形の受取人に新しい手形と交換してもらう方法です。約束手形がすでに金融機関に渡っている場合は、金融機関に返却を求める必要があります。

この方法を使えば、一時的に不渡りを回避し、猶予期間を延長できます。そのため、猶予期間内に資金を用意できる場合にはおすすめの方法です。とはいえ、受取人には不渡りを回避したいことが伝わるので、信用を損なう可能性は高いです。

5-2. 過振り

過振りは、支払いの不足分を金融機関に立て替えてもらう方法です。ただし、この方法で不渡りを回避できる人は限られています。

なぜなら、金融機関から厚い信用があることが条件であるためです。たとえば、定期預金や小切手など担保になるものが必要です。基本的には当座預金残高以上の支払いはできないので、参考までに覚えておきましょう。

5-3. 売掛金の資金化

売掛金の資金化は、売掛金を売却することで資金繰りを改善する方法です。不渡りを回避するには、約束手形の支払期日までに当座預金残高の不足分を確保しなければいけません。

他の取引先に売掛金があれば、ファクタリングを利用することで売掛金を充当できます。なお、ファクタリングとは売掛金をファクタリング会社に売却し、手数料分を差し引いた現金を調達する方法です。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
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jinjer Blog 編集部

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