仕訳帳と総勘定元帳の違いや転記方法について解説
更新日: 2023.9.1
公開日: 2022.5.13
MEGURO
決算書の作成に欠かせない仕訳帳と総勘定元帳ですが、2つの違いや作成方法が少し複雑です。しかし、それぞれの役割や意味を一度理解すれば決算書の作成にも役立ち、会社の財政状態の把握も簡単に行えるようになります。
本記事では、「仕訳帳と総勘定元帳の違い」から「転記方法」まで、実際に近い表を使いながら詳しく説明していますので、仕訳帳と総勘定元帳について理解が深まるでしょう。
関連記事:仕訳とは?借方・貸方の考え方や仕訳の手順をわかりやすく解説
1. 仕訳帳と総勘定元帳の違い
仕訳帳と総勘定元帳の違いを理解するためには、それぞれの特徴を理解する必要があります。
ここからは2つの特徴についてご説明します。
1-1. 仕訳帳
仕訳帳は会社の取引の内容や、出費や収入があった際に、それらの取引を日付順に細かく記録した帳簿のことをいいます。
例:〇月〇日に、△△を売り上げて¥100,000が振り込まれた
このような取引やお金が動いた記録をするのが仕訳帳ですが、実際の仕訳帳は文章ではなく、表に記入していきます。
仕訳帳は日々の取引を時系列で記録していくので、日付ごとになぜお金が動いたかを確認できます。
関連記事:仕訳帳の扱い方とは?基本的な部分を5つの分類から詳しく紹介
関連記事:仕訳帳の項目ごとの書き方や仕訳する際の考え方を紹介
1-2. 総勘定元帳
総勘定元帳は、仕訳帳に日付ごとに記録していた内容を、「現金・売上・仕入・資本金・借入金」等の項目ごとにわけてまとめた帳簿のことをいいます。
この各項目のことを「勘定科目」と呼びます。
総勘定元帳は、勘定科目ごとの取引内容や残高をすぐに確認できるため、何にいくら使ったかを知りたいときに役に立ちます。
関連記事:総勘定元帳とは?作成する理由や転記方法、保存期間や形式など網羅的に解説
2. 総勘定元帳を使用するメリット
総勘定元帳を使用するメリットは大きく2つあります。
1.会社の財政状況が一目で分かる
2.ミスを見つけやすい
総勘定元帳を使用すると、勘定科目ごとのお金の動きが一目で分かるため、何にどのくらいお金を使っているのかをすぐに確認できます。また勘定科目ごとに取引内容やお金の動きがわかれていると、残高やお金が増減したタイミングもすぐに分かるため、非常に便利です。
また、決算書の作成の際に金額が合わなかった場合には、どこでミスしているかを確認する必要がありますよね。そのような場合に、勘定科目ごとのお金の流れをまとめた総勘定元帳があると、どこでミスをしたかを見つけやすいです。
3. 総勘定元帳の作成方法
総勘定元帳は、仕訳帳→総勘定元帳の順に作成されます。
仕訳帳に記入された取引を勘定科目ごとに書き写したものが総勘定元帳です。
勘定科目ごとに取引内容や金額を記入するところを「勘定口座」といい、現金の勘定口座には現金のみの取引を、売上の勘定口座には売上のみの取引を記入します。
そのため総勘定元帳では、現金の勘定口座に現金以外の取引が記入されることはありません。
このような帳簿では、左側を「借方」・右側を「貸方」と呼びます。
勘定科目によって「増えた場合には借方に記入する」・「減った場合には貸方に記入する」と決まっており、勘定科目によっては逆の場合もあります。
現金の場合は、増えた場合は借方に記入し、減った場合は貸方に記入する決まりです。
たとえば、
「2022年1月1日に1,000円の売上があり現金が1,000円増えた」
「2022年2月1日に500円の備品を購入し、現金が500円減った」
という記録が仕訳帳にされていた場合は、以下のように記入します。
日付順に記入していくので、1月1日には売上分の1,000円の残高がありましたが、2月1日に備品を購入して500円減ったため、「1,000-500=500」で残高は500円となります。
その後の現金の動きによって残高欄を変更していくので、現在の現金残高が一目で分かる便利な帳簿になります。
4. 仕訳帳から総勘定元帳への転記について
先述したとおり、総勘定元帳は仕訳帳をもとに作成するため、仕訳帳の内容を書き写す作業を行います。
このように仕訳帳から総勘定元帳へ書き写す作業を「転記」といいます。
仕訳帳も借方と貸方にわかれており、勘定科目ごとに増えた場合に記入する場所と、減った場合に記入する場所は違いますので注意が必要です。
仕訳帳から総勘定元帳へ転記する例を解説します。
仕訳帳では、借方と貸方の両方に勘定科目を記入します。
2022年3月1日の内容は、「現金で備品を1,000円購入した」というお金の動きを意味しています。
・現金が1,000円減った理由は、備品を1,000円購入したから
このような内容が仕訳帳では一目で分かるようになっており、お金が増減した記録とその理由が記録されています。
そのため、借方と貸方の金額がズレることはありえません。
上記の仕訳帳を総勘定元帳に転記していくと以下の表になります。
今回作成した仕訳帳では、勘定科目が「現金・備品・仕入」と3つあるため本来であれば3つの勘定口座を作成することになりますが、今回は現金のみ作成していきます。
仕訳帳では、借方か貸方に「現金」の勘定科目を記入しますが、総勘定元帳では現金の取引のみをまとめているため「現金」を記入する必要はありません。
そのかわりに、「相手の勘定科目=現金が増減した理由」と動いた金額を記入します。
5.転記のミスを防止する方法
手書きで仕訳帳の作成から総勘定元帳への転記をする際は、記入漏れなどのミスが起こりやすいですが、大きなミスは決して許されません。
転記のミスを防ぐためには、二重確認や別の人に確認してもらうなど、念入りな確認作業が必要になります。
また仕訳帳に記入したらすぐに転記するなど、こまめに転記を行うことで一度の転記作業の量を減らし、ミスを防ぐ方法もあります。
しかし、人が行う作業ですので100%ミスを防ぐのはとても難しいです。
会社の取引やお金の動きは手で数えられるほどの件数ではありませんので、後々ミスが発覚した場合もミスの原因を突き止めるのは簡単ではありません。
そこで、仕分けや転記の負担を減らせる「管理システム」をおすすめします。
転記以前に仕分けの時点でミスがあると、転記した総勘定元帳もズレが生じてしまうため原因を見つけるのに手間がかかります。
しかし管理システムを使えば、申請書をもとに自動で仕訳を行ってくれるためミスをする心配がありません。
正確に素早く仕分けをしてくれる管理システムを使えば、経理の作業効率も上がりミスの防止にもつながります。
6. 管理システムを利用して効率よく仕訳しよう
パッと見ただけでは仕訳帳と総勘定元帳は同じように見えますが、それぞれ役割は全く違います。
仕訳帳は「日々の細かいお金の動きを忘れないようにメモしたもの」というイメージで、それらを項目ごとにまとめたのが総勘定元帳です。
総勘定元帳は決算書の作成には欠かせない重要な帳簿で、会社の財政状況を把握するためにも必要なため、ミスなく作成しなければなりません。
総勘定元帳の作成に必要な仕訳帳は、取引やお金の動きがあるたびに記録する必要があります。
管理システムを利用して効率的に仕分けができると、経費の申請漏れや重大なミスを防げるので、経理全体の効率アップも図れます。
紙やエクセルの申請書で経費精算をしている場合、以下のような課題はないでしょうか。
・申請書のミスが減らず、確認や差し戻しに工数がかかる
・紙で保存しているため、管理が大変でスペースもとる
・仕訳内容を会計ソフトへ手入力するのが手間
そのようなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、システムを用いた経費精算のペーパーレス化です。システムを利用すると、申請書の入力ミスを減らせるほか、オンライン上で申請・承認ができ、自動仕訳もしてくれるため経費精算にかかる工数を削減することができます。また、電子帳簿保存法に対応したシステムなら、書類の電子保存も可能です。
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