小口現金はいくらまで残すべき?限度額や多い場合のリスクも解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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小口現金はいくらまで残すべき?限度額や多い場合のリスクも解説

日々の経費を精算するために小口現金を利用していく中で「補充っていくらすればいいんだろう…」や「上限ってどのくらい?入れすぎてない?」など感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

お金を多く手元においておくとリスクが大きく、少ないといざというときにお金が足りなくなってしまうため、注意が必要です。

今回は、小口現金の適正価格を調べる手順について解説していきます。あなたの企業にピッタリな小口現金の金額を知って、安全に小口現金を運用していきましょう。

関連記事:小口現金とは?その意味や現金との違いを詳しく紹介

目的別!小口現金廃止を実現するためのガイドブック

「帳簿にズレがないかのチェックが大変で、なかなか仕事が終わらない」「出金や両替で毎回銀行に行くのがとにかくめんどくさい」など、小口現金の管理でお悩みではありませんか?

とはいえ「小口現金を廃止したいけど、どうすればいいのか、そもそもどのような準備が必要なのか・・・?」など、小口現金の具体的な廃止方法や手順がわからないと疑問を抱えている方も少なくないでしょう。

そのような方にむけて小口現金を無くすための手順を解説したガイドブックを用意いたしました。経費精算をラクにしたいという方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご覧ください。

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1. 小口現金の上限はいくらまで?

ここでは小口現金の上限や適切な金額について解説いたします。

1-1. 小口現金の上限や金額に決まりはない

小口現金には正確な金額の決まりがなく、企業によって上限は異なります。10万円までと設定されている企業もあれば、なかには精算が多くて上限が30万円に設定されている企業もあります。

企業によっては経理規程に小口現金の上限額が明記されているケースもあるため、まずは会社の決まりを確認しておくことが重要です。

もしも、経理規程に記載がない場合やこれから小口現金制度を導入したい場合は、企業の支出に合わせて小口現金の金額を決める必要があります。

適正な金額の調べ方は記事の後半で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

1-2. 定額資金前渡制度で管理することが一般的

小口現金は、一定期間ごとに使用された分だけ小口現金を補給する「定額資金前渡制度」で管理することが一般的です。使った分だけ補給するので、当然補給後の残高は常に一定になります。

補給のタイミングは1週間に1回や1ヶ月に1回と企業によって異なりますが、補給前のタイミングでお金が足りなくなってしまっては大変です。

そのため、小口現金の金額を決めるときはよく考える必要があるのです。

一方で、小口現金を随時補給する管理方法を「随時補給制度」と言います。小口現金はどちらの方法で運用しても構わないので、企業にとって運用しやすい方を選びましょう。

関連記事:小口現金の仕組みや仕訳の方法など基礎知識を詳しく紹介

1-3. 金額が多いほどリスクが高まる

先述のとおり、小口現金の金額に法的な決まりはなく、企業ごとの経理規程や月毎の使用額によって異なります。

しかし、決まりがないからと言って高額の現金を社内で管理することはお勧めできません。

小口現金は日々、残高があっているかを確認する必要がるため、残金が多いほど数える手間がかかります。また、個人の計算ミスに見せかけることや帳簿の改ざんをおこない、窃盗や横領などの不正行為を働く、といったリスクも考えられるでしょう。

不正がなかったとしても、犯人探しといった社内の不和を招く可能性があることを忘れてはいけません。

小口現金管理のガイドブック

2. 小口現金の金額を決めるときのポイント

まずは、小口現金を決めるときに知っておいてほしいポイントについてみていきます。

2-1. 担当者に見合った金額に設定する

小口現金を経理で管理する方法もありますが、部署が多い場合は、部署ごとに小口現金係を設けて部署の精算を管理してもらう方法もあります。

この場合、部署に設けた小口現金係に見合った金額を渡すようにすることが大切です。

たとえば、役職者や会計知識がある人が小口現金を管理する場合は、ある程度の金額を渡しても適切に運用できるでしょう。

しかし、入社したばかりの人や会計について何も知らない人に大金を渡してしまうと、適切に運用できなくてトラブルにつながってしまうリスクがあります。

小口現金係の権限や知識をよく考慮し、担当者に見合った金額を渡してください。

2-2. 不足することがない金額に設定する

小口現金は経費の精算費用であるとともに、急な出費に備えるという意味も持っているお金です。

したがって、渡した金額があまりに少ないと、急な出費に対応できなくなってしまう危険性があります

とはいえ、あまりにも多すぎる金額を置くと、盗難などのリスクが高まってしまいます。そのため小口現金の金額を決めるときは、多すぎず少なすぎない適正金額にすることが大切なのです。

小口現金管理のガイドブック

3. 自社に合った小口現金の適正金額を調べる方法

それでは、小口現金の適正金額を調べる方法についてみていきましょう。

3-1. 安全在庫

小口現金の適正金額を調べるときは、在庫管理の欠品を防ぐ「安全在庫」の考え方を応用していきます。

安全在庫の考え方では、「1ヶ月の適正在庫=1ヶ月の平均使用量+安全在庫」となります。小口現金の適正金額を導き出すには、在庫数を金額に置き換えて考えればいいのです。

具体的な計算の手順を解説していくので、小口現金をいくらにしたらいいかわからないときは、ぜひ参考にしてみてください。

3-2. 毎月の現金支出を集計する

最初におこなうことは、毎月の現金支出を集計する作業です。経理で小口現金を持つ場合は社内全体の支出を、各部署に小口現金を渡す場合は部署ごとの支出を分析していきます。

可能であれば3期分の支出を集計し、年月日別にExcelに抽出しておきましょう。

3-3. 標準偏差を導き出す

次に、集計したデータをもとに「支出の平均」と「標準偏差」を導き出していきましょう。

標準偏差とは、対象データのばらつきの大きさを示す指標です。データが平均値の周りに集中していると標準偏差は小さくなり、平均値から離れていくと標準偏差は大きくなります。

平均偏差の明確な定義や計算方法を知る必要はないので、求め方だけ身につけておきましょう。

支出の平均と標準偏差を求める時は、Excelのデータ分析を使用します。手順は以下のとおりです。

  1. 「ファイル」タブから、「オプション」画面を開く
  2. 左側のメニューから「アドイン」を選択
  3. Excelアドインの「設定」ボタンをクリック
  4. 有効なアドインタブから「分析ツール」にチェックを入れて「OK」をクリック
  5. データタブ右上の「データ分析」をクリック
  6. 「入力範囲」で支出金額のデータを選択する
  7. 「統計情報」「平均の信頼区間の出力」「K番目に大きな値」「K番目に小さな値」にチェックを入れて「OK」をクリック
  8. 平均値と標準偏差が表示されれば分析完了

標準偏差は手計算で求めると複雑なので、Excelを使用した計算がおすすめです。

3-4. 安全値を求める

安全値は、標準偏差を安全係数にかけた数値のことを指します。

安全値を求める際も、安全在庫の考え方を応用していきましょう。安全在庫を求める安全係数には決まった値があり、欠品許容率によって係数が異なります。

欠品許容率(%) 1 5 10 20 30
安全係数 2.33 1.65 1.29 0.85 0.53

たとえば欠品許容率5%で計算した場合、小口現金が足りなくなる確率は5%ということになります。多くの場合、安全係数は欠品許容率5%の1.65が使われることが多いです。

安全値を求める際は、「平均偏差×安全係数」の計算をします。

3-5.小口現金の適正金額を求める

ここまでの情報が揃ったら、あとは小口現金の適正金額を求めるだけです。小口現金の適正金額を求める式は、以下の通りです。

平均支出額+安全値(安全値=平均偏差×任意の安全係数)

ここで導き出された金額を手元に置いておけば、小口現金が足りなくなることはまずないと言えるでしょう。

少し調べ方がややこしいですが、この方法であれば確実に小口現金が足りなくなることを防げます。適正金額はExcelで簡単に求められるので、ぜひ小口現金の金額を決めるときのひとつの指標にしてみてください。

小口現金管理のガイドブック

4. 小口現金の管理に手間を感じている場合

小口現金の金額に迷ったときは、思い切って小口現金の運用をやめてしまうのも一つの選択肢です。

備品などの必要経費は法人カードや電子マネーで決済し、社員が立て替えた交通費などは給与と一緒に振り込む精算方法にすると、小口現金が足りなくなってしまうことが防げます。

とはいえ、具体的にどのような手順で小口現金を廃止して、電子化していくのかが不明瞭な方もいらっしゃるでしょう。そのような方に向け、小口現金の廃止について順をおって細かく解説している資料を無料で配布しておりますので、気になる方はこちらからダウンロードページをご覧ください。

近年は、経費を入力すると自動で振り込み業務をしてくれるクラウド型経費精算システムも増えてきました。こういったシステムを導入することで、経理の業務負担を軽減することができます。

もしも小口現金の管理業務が煩雑だと感じている場合は、ぜひ経費精算システムの活用も検討してみてください。

関連記事:小口現金を廃止する3つのメリットやその方法を解説!横領や不正の対策にも。

小口現金管理のガイドブック

5. 適正な金額で安全な小口現金の運用を

小口現金は企業に置いておく現金なので、セキュリティ面も気にしながら適切に管理していく必要があります。不安だからと大金を置いておくと盗難のリスクが高まってしまうため、必要な分だけ手元に置くようにしてください。

小口現金は支出の平均額を手元においておけばいいと思われるかもしれませんが、万が一急な来客などがあったときにお金が足りなくなってしまう可能性もあります。

今回解説した適正金額の調べ方を参考に、リスクを最小限にできる小口現金の運用をしていきましょう。

目的別!小口現金廃止を実現するためのガイドブック

「帳簿にズレがないかのチェックが大変で、なかなか仕事が終わらない」「出金や両替で毎回銀行に行くのがとにかくめんどくさい」など、小口現金の管理でお悩みではありませんか?

とはいえ「小口現金を廃止したいけど、どうすればいいのか、そもそもどのような準備が必要なのか・・・?」など、小口現金の具体的な廃止方法や手順がわからないと疑問を抱えている方も少なくないでしょう。

そのような方にむけて小口現金を無くすための手順を解説したガイドブックを用意いたしました。経費精算をラクにしたいという方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご覧ください。

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jinjer Blog 編集部

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