経費精算システムで軽減税率に対応するには?業務への影響や対策を紹介
更新日: 2024.10.7
公開日: 2020.4.10
jinjer Blog 編集部
経費申請システムで軽減税率に対応するために必要なのは、スマホで撮影した領収書の内容を読み取るOCR機能に加えて、シンプルでわかりやすい経費の入力機能です。
すべての経費精算システムが軽減税率に対応しているわけではないので、導入の際はこうしたポイントに注意しましょう。また、軽減税率対策を進めるためには、搭載されている機能の使い方を知ることも重要です。
今回は、経費精算システムで軽減税率に対応するために必要な対策や、軽減税率が企業の経理に与える影響などを解説します。
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目次
1. 軽減税率とは
1-1. 消費税の標準税率の割合を軽減した消費税率
軽減税率は2019年10月から導入された制度です。消費税率が8%から10%に引き上げられ、その際に同時に導入されています。
2023年11月現在も継続されており、標準税率は10%で軽減税率は8%です。
消費税はほとんどの場合標準税率が適用されますが、持ち帰る飲食料品と定期購読契約で週2回以上発行される新聞に対しては、軽減税率が適用されます。
軽減税率は消費者の負担を軽減するために導入された制度ですが、これによって経費精算は複雑になりました。
1-2. 軽減税率の導入で経費精算は複雑になった
軽減税率がなく、消費税率が一定の場合は品目による消費税率の違いを意識する必要はありませんでした。
しかし、軽減税率が導入されてからは、領収書や請求書が正しい税率で計算されているか確認しなくてはいけなくなっています。
間違いがある場合は修正や確認の業務が必要になり、これだけでも手間が増えて複雑さが増しています。
さらに、帳簿に記載するときも税率ごとの区分が必要になり、この部分も経費精算を複雑化している大きな要因です。
2. 経費精算システムで軽減税率に対応する方法
軽減税率の運用開始によって、企業は業種や規模を問わず、軽減税率の対象になる経費をあつかう際に「通常の税率」と「軽減税率」を区分しなくてはいけなくなりました。
経理の処理が煩雑になると、既存の経理担当者の工数だけでは対処しきれない場面が出てくるでしょう。
そこで注目されているのが、日々の経費入力を効率化し、より短時間で大量の経費処理ができるようになる経費精算システムの導入です。しかし、便利な経費精算システムを契約しても、軽減税率に対応しているとは限りません。
軽減税率対策として経費精算システムを使う際、役立つシステムは次の2つです。
2-1. スマホで撮影した領収書の読み取り機能
軽減税率とは、外食やケータリングなどを除いた飲食品と、週に2回以上発行される新聞に関してのみ、消費税が8%に軽減される制度です。
- 商談に来た顧客に出すお茶やお菓子
- 訪問先への手土産
- 会社で常備するコーヒーや水
軽減税率が適用される経費を処理する場合は、「消費税10%の品目」と「消費税8%の品目」ごとに領収書や請求書の作成が必要です。
ただ、これまで固定税率で処理していた経費を、税率別に管理するのは簡単ではありません。手作業で領収書を確認していたら、税率の区分を見落としたり間違えたりすることもあるでしょう。
写真内の文字を読み取るOCR機能が搭載されている経費精算システムを使えば、
- 経費を使って商品・サービスを購入する
- 領収書やレシートの写真をスマホで撮影してもらう
- OCRで内容を読み取る
という手順でミスを減らすことができます。
2-2. シンプルでわかりやすい経費入力システムの構築
OCRが搭載されていない経費精算システムでも、経費の入力システムが使いやすいものであれば、問題はありません。
品目や価格、税率などを選んでその場で経費を申請できる経費精算システムがあれば、「領収書を紛失した」「なんのために使った経費なのか忘れてしまった」といった申請ミスも避けられるでしょう。
3. 軽減税率の導入が業務にもたらす影響は
軽減税率の導入によって、業務にもたらされる影響は、経費の処理方法が複雑化してしまうことです。より具体的にいうと、
- 経費申請の内容を見て、軽減税率の対象かどうかを判別する
- 軽減税率の適用対象であることを明記する
という業務が増えることになります。
3-1. 軽減税率導入後は区分経理が必要に
企業が申請された経費を処理する際のプロセスは、以下のとおりです。
- 発生した経費の申請を受ける
- 申請内容が経費に当たるがどうかを審査する
- 経費に該当するものであれば会計ソフトに入力する
- 立て替えが必要な場合は精算する
しかし、軽減税率の導入によって、食料品や新聞などを経費で購入している場合、軽減税率の適用対象になるのかどうかを調べ、軽減税率を適用できる経費なら「税率8%の経費」であることを領収書に明記する作業が増えました。
たとえば、軽減税率の対象商品とそのほかの商品を同時に購入した場合、「税率10%が適用された金額」「税率8%が適用された金額」がわかるように、個別に追記する必要があります。
4. 経費精算システムで軽減税率も効果的な処理が可能
日々の経理業務で手いっぱいになっているところに、軽減税率の処理が増えると、経理担当者の対応が追い付かなくなることがあります。
経費精算システムを使えば、「軽減税率の対象になる経費」と「標準税率の経費」を簡単に区分して管理できます。スマホで領収書の写真を添付してもらえば、入力ミスを減らせる可能性も高いでしょう。
効率的な経費精算を検討している場合や、経理の人材不足に困っている場合は、軽減税率にも対応している経費精算システムを導入することをおすすめします。
関連記事:経費精算システムのメリット・デメリット・選び方をまとめて解説!
5. 経費精算システムで軽減税率の経理業務の負担を減らそう
軽減税率の導入後、企業の経理担当者にかかる負担は増加傾向にあります。働き方改革で残業時間の短縮が求められている現代社会において、仕事が増加して勤務時間が増えてしまうのはマイナスの影響が大きいです。
そこでおすすめしたいのが、軽減税率用の経費処理に対応できる経費精算システムの利用です。ただし、経費精算システムは、サービスによって使い勝手や対応サービスの幅が違います。
自社の経理作業を見直して、日々の経費精算を効率化できる経費精算システムを検討してみましょう。
関連記事:【比較表付き】人気の経費精算システムを価格・企業規模別に徹底比較
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