保険料控除申告書の書き方とは?注意点と確定申告が必要となるケースを解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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保険料控除申告書の書き方とは?注意点と確定申告が必要となるケースを解説

「保険料控除申告書とは?」

「保険料控除申告書の書き方は?」

上記の疑問をお持ちではありませんか。

年末調整では、従業員に保険料控除申告書を提出してもらう必要があります。内容に不備があり税務署への提出期限に間に合わなかった場合には、従業員自身が確定申告をおこなわなければなりません。

従業員が間違いなく書類を記入できるようサポートできれば、経理担当者や従業員の負担が軽くなるでしょう。

この記事では、保険料控除申告書の概要や書き方、従業員自身が確定申告をおこなわなければならないケースなどを紹介しています。

最後まで読むことで、保険料控除申告書の扱いへの理解が深まるでしょう。年末調整の手続きをスムーズに進めたい方は、ぜひ参考にしてください。

1. 保険料控除申告書とは

保険料控除申告書とは、年末調整時に従業員に記入し提出してもらう書類の一つです。年末調整の書類には「給与所得者の保険料控除料申告書」と記載されています。

保険料控除申告書は、従業員が加入している各種保険料をその年の所得から控除をするために必要な書類です。

従業員には、保険料控除申告書と控除証明書をセットで提出してもらいます。企業では、税務署から提出を求められた場合に速やかに提出できる状態にして7年間保存しましょう。

なお、該当する保険に加入していない従業員には、保険料控除申告書の提出をしてもらう必要はありません。

2. 保険料控除申告書により控除される項目

保険料控除申告書により控除される項目と、保険の種類は以下のとおりです。

控除される項目 保険などの種類
生命保険料控除 一般生命保険
介護医療保険
個人年金保険
地震保険料控除 地震保険
旧長期損害保険
社会保険料控除 健康保険
介護保険
厚生年金保険
国民健康保険
国民年金保険
後期高齢者医療保険
国民年金基金
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済
企業型確定拠出年金(企業型DC)
個人型確定拠出年金(iDeCo)
心身障害者扶養共済

各項目では、1月1日~12月31日の1年間に支払った保険料に応じた金額がその年の所得から控除されます。

3. 保険料控除申告書の書き方

保険料控除証明書には以下の項目があります。

  • 生命保険料控除
  • 地震保険控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除

各項目の書き方を紹介します。

3-1. 生命保険料控除

生命保険料控除の書き方を、以下の流れに沿って説明します。

  • 控除証明書から転記する
  • 1年の保険料の合計額を新制度・旧制度に分けて記入する
  • 計算式を使って金額を記載する
  • 合計額を記入する
  • 介護医療保険料・個人年金保険料も同じように記入する
3-1-1. 控除証明書から転記する

生命保険料控除の一般の生命保険料の欄は、控除証明書を確認しながら保険会社等の名称・保険の種類・保険期間や契約者の氏名など記入します。控除証明書に記載されていない情報がある場合には、保険証券を確認してください。

生命保険には、旧制度と新制度があります。旧制度は2011年12月31日以前に加入した保険契約で、新制度は2012年1月1日以降に加入した保険契約です。

3-1-2. 1年の保険料の合計額を新制度・旧制度に分けて記入する

「あなたが本年中に支払った保険料等の金額」の欄には、1月1日~12月31日の1年間に支払った金額の合計を記入します。さらに、新制度・旧制度に分けて合計金額を出し、「合計額」の欄に記入してください。

3-1-3. 計算式を使って金額を記載する

申告書の下の部分には、計算式が記載されています。新制度の場合には計算式Ⅰ、旧制度の場合は計算式Ⅱに当てはめてください。1円未満の端数は切り上げましょう。

3-1-4. 合計額を記入する

各計算式の答えを足し、「③」の欄には合計額を記入しましょう。足した額が40,000円を超えた場合には、40,000円と記載します。

「②と③のいずれか大きい金額」の欄には、新制度・旧制度で出した計算式の、答えの大きい金額をそのまま記入してください。

3-1-5. 介護医療保険料・個人年金保険料も同じように記入する

生命保険控除には、一般の生命保険のほかに「介護医療保険料」「個人年金保険料」の欄があります。生命保険料と同じように記入していきましょう。

3-2. 地震保険控除

地震保険控除の書き方を、以下の流れに沿って説明します。

  • 控除証明書から転記する
  • 合計額を記入する
  • 地震保険料控除額を記入する
  • 地震保険料控除額を計算して記載する
3-2-1. 控除証明書から転記する

地震保険料控除証明書を見ながら、保険会社等の名称や保険等の種類(目的)、期間、契約者の氏名などを記入しましょう。「給与の支払者の確認」の欄は空欄でかまいません。

「地震保険料又は旧長期損害保険料区分」の欄にある旧長期損害保険とは、以前廃止された損害保険控除のなかで控除の対象となる所定の要件を満たした保険です。どちらが当てはまるかは控除証明書に記載されているので、確認して◯をつけましょう。

3-2-2. 合計額を記入する

「Aのうち地震保険料の金額の合計額・Aのうちの旧長期損害保険料の金額の合計」の欄に、1月1日~12月31日の1年間に支払った金額の合計を記入します。地震保険料と旧長期損害保険料をそれぞれ分けて記入しましょう。

3-2-3. 地震保険料控除額を記入する

地震保険料控除額の「Bの金額」の部分には、地震保険料の合計を記入します。50,000円以上の場合は、50,000円と記入しましょう。

旧長期損害保険料の合計額は、「Cの金額」の欄に記入します。金額が10,000円を超える場合には、「C×1/2+5,000円」の計算式に当てはめ、算出された金額を書いてください。答えが15,000円以上の場合には15,000円と記入します。

3-2-4. 地震保険料控除額を計算して記載する

「Bの金額」と「Cの金額」に記載された金額を足すと、地震保険料の控除額がわかります。上限は50,000円なので、足した答えが50,000円以上だった場合には50,000円と記入しましょう。

3-3. 社会保険料控除

社会保険控除の書き方を、以下の流れに沿って説明します。

  • 社会保険料の種類を記入する
  • 保険料の支払先を記入する
  • 自分や家族の氏名・続柄を記入する
  • 保険料の合計額を記入する

なお、社会保険料控除の欄は、給与や賞与から天引きされている社会保険料以外で保険料を支払った場合に記入します。具体的には以下の場合です。

  • 勤務先が社会保険に未加入、国民年金保険料・国民健康保険料を自分で払っている
  • 1年のうちに就職した場合で、国民年金保険料・国民健康保険料を払っていた時期がある
  • 生計をともにする配偶者・子ども・親などの国民年金保険料・国民健康保険料を支払った

記入した社会保険料の合計は、全額控除対象となります。書き方を押さえておきましょう。

3-3-1. 社会保険料の種類を記入する

社会保険料控除の「社会保険の種類」の欄には、社会保険料の種類を記入しましょう。社会保険料で控除される主な保険の種類は以下の通りです。

  • 健康保険
  • 介護保険
  • 厚生年金保険
  • 国民健康保険
  • 国民年金保険
  • 後期高齢者医療保険
  • 国民年金基金

社会保険料控除証明書や保険料の納入告知書などを見ながら、正確に記入してください。

3-3-2. 保険料の支払先を記入する

「保険料の支払先」には、各保険の支払先を記入しましょう。各保険の支払先は以下のとおりです。

保険の種類 支払先
国民年金保険料 日本年金機構
国民健康保険料 お住まいの市区町村
介護保険料 お住まいの市区町村
厚生年金保険料 日本年金機構
後期高齢者医療保険料 お住まいの市区町村
3-3-3. 自分や家族の氏名・続柄を記入する

「保険料を負担することになっている人」の欄には、自分(本人)や配偶者(妻・夫)・子ども(子)・親(母・父)などの氏名と続柄を記入しましょう。

3-3-4. 保険料の合計額を記入する

「あなたが本年中に支払った保険料の金額」の欄には、1月1日~12月31日の1年間に支払った金額の合計を記入してください。社会保険料控除証明書や領収書、納付証明書などを参考にしましょう。

3-4. 小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除の書き方は、小基礎企業共済等掛金払込証明書を見て金額を記入することが基本です。

1月1日~12月31日の1年間に支払った掛け金の金額を種類ごとに記入しましょう。合計の欄には、掛け金の合計を記入してください。合計の欄に記載した金額が控除額となります。

なお、小規模企業共済等掛金では、以下の掛け金が全額控除です。

  • 小規模企業共済
  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)
  • 企業型確定拠出年金(企業型DC)
  • 心身障害者扶養共済

漏れなく計算するようにしましょう。

4. 保険料控除申告における注意点

保険料控除申告における注意点は以下のとおりです。

  • 保険料控除証明書を失くした場合には再発行の必要がある
  • 12月までに転職により入社した従業員には、以前の勤務先から配布された「給与所得の源泉徴収票」を提出してもらう必要がある

保険料控除証明書を失くした場合には、本人に元勤務先へ再発行を依頼するよう案内しましょう。

転職により入社した従業員が「給与所得の源泉徴収票」を無くした場合にも、本人が以前の勤務先に再発行を依頼しなくてはなりません。また、1年間のうちに数回転職している場合には、各企業が発行した「給与所得の源泉徴収票」が必要となります。

5. 従業員自身で確定申告する必要があるケース

従業員自身で確定申告する必要があるケースは以下のとおりです。

  • 給与収入が2,000万円を超える場合
  • 給与収入以外の収入があった場合
  • 1月以降に転職した場合

当てはまる従業員がいる場合には、確定申告の必要がある旨を伝え、確実に手続きをするよう促しましょう

6. 保険料控除申告書の不備を減らして円滑に年末調整しよう

保険料控除申告書には記載しなくてはならないところが多く、慣れていない従業員は記入の際に戸惑うことが多いです。内容に不備があった場合には、従業員自身に訂正してもらわなくてはなりません。

経理担当者や従業員の負担を減らすためにも、記入例や書き方のガイドを使用し正しく記入できるようサポートすべきでしょう。書類の不備が減れば、年末調整の手続きが円滑に進められます。

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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