建設業従業員の打刻に勤怠管理システムを活用する2つのメリット
更新日: 2022.12.7
公開日: 2020.3.3
OHSUGI
ほかの業界と違い、建設業界では従業員が打刻した勤務データを元にして、人件費に対する予実管理や、プロジェクトの工数管理などをおこなう必要があります。
事務作業やオフィスワークの負担が肥大化しやすい構造で、業務生産性の向上の妨げとなっているケースが少なくありません。
勤怠管理を効率化するなら、勤怠管理システムの導入がおすすめです。
この記事では、建設業において勤怠管理システムを導入する2つのメリットを解説します。
複数の現場で業務を行っている従業員の勤怠管理や、出勤簿への記入ミス、現場単位での報告の信憑性など、建設業界の勤怠管理は解決しなければならない課題が多くあります。
建設業における勤怠管理の課題を解決するには、勤怠管理システムの導入がおすすめです。
とはいえ、「システムが便利そうなのはわかるけど、そもそもどのようなもので実際に何ができるのか、どう課題が解決されるのかイメージがつかない」という方も多いでしょう。
そのような方に向け、当サイトでは勤怠管理システムとは何かや、実際にどのようなことができるのか、導入までに何をしなくてはいけないのかをまとめた資料を無料で配布しております。
勤怠管理システムについてこれ一冊で情報収集できる資料ですので、システム化に興味がある方はこちらから資料をダウンロードしてご覧ください。
目次
1. 建設業での勤怠管理が直面しやすい3つの課題
建設業での勤怠管理は、ほかの業界よりも工夫が求められます。まずは建設業界で起こりがちな3つの課題を整理しておきましょう。
1-1. 日報による勤怠報告の信憑性・客観性が乏しい
建設業の従業員の打刻は、ほとんどが作業現場などの外出先からの打刻です。
現場へ向かう前に会社に寄ってもらい、タイムレコーダーで打刻してもらうケースもありますが、多くの場合は作業現場で日報などを書いてもらい、後で事務員が回収するといった勤怠管理が行われています。
手書きの日報は第三者の改ざんや、虚偽報告、従業員の記憶を頼りにした報告などが可能なため、業務記録としてそれほど信憑性が高いわけではありません。
一方で、2019年4月1日から、働き方改革にともなう労働安全衛生法の改正により、使用者は労働時間や残業時間などを正確かつ客観的に記録することが求められるようになりました。
厚生労働省の「労働時間の適正な把握 のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によれば、客観的な記録として「タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録」などが挙げられており、やむをえず自己申告による労働時間の把握をおこなう場合は、正確な実態調査や適正な報告が行われるようにするため、ガイドラインに定められている措置を必要としています。
1-2. 勤怠の集計に時間がかかる
人手不足に悩む建設業界では、勤怠管理に多くの人員を避けず、勤怠の締め作業が毎月パンクしてしまう企業も少なくありません。
1日で複数の現場を回ることも多々あるため、従業員一人ひとりの労働時間を把握するだけでも大変です。
また、作業現場で作成した日報や、事務員によるタイムカードの代理打刻で労働時間を把握することが多く、打刻漏れ・不正打刻が起きやすい傾向にあります。
日報やタイムカードが虫食い状態の従業員がいると、出勤時間や退勤時間などの事実確認をする必要があり、さらに集計作業の工数が増加してしまいます。
人手不足だからこそ、勤怠管理の生産性を上げ、無駄な工数をなるべく減らす必要があります。
1-3. 建設業では「勤怠管理」と「工数管理」の連携が必要
建設業界の勤怠管理は、各現場やプロジェクトの「工数管理」とも連動しています。
プロジェクトに必要な工数を見積もったうえで、予定工数に対しどれだけの実績工数があるかをモニタリングするには、従業員一人ひとりの勤務データの管理が欠かせません。
手書き日報やタイムカードを使ったアナログ勤怠管理では、この「勤怠管理と工数管理の連結」自体にかなりの工数を必要としてしまいます。
とくに工場やプラントの建設現場など、厳格な工数管理を必要とするケースでは、外部ツールやサービスを利用するなどして、勤怠管理と工数管理の「見える化」をおこなうことが大切です。
関連記事:裁量労働制の従業員の打刻管理で注意すべき2つのこと
関連記事:労働時間を正しく理解してタイムカード打刻のミスをなくそう
2. 建設業が勤怠管理システムを導入する2つのメリット
建設業界が勤怠管理システムを導入するメリットは2つあります。勤怠管理システムなら、作業現場からでも正確に打刻でき、勤務状況を自動で集計してくれます。
1日に複数の現場を回るケースや、シフト制・フレックス制を導入しているケースでも、勤怠管理システムがあれば事務作業が複雑化しません。人手不足に悩む企業の心強い味方となるのが、勤怠管理システムです。
2-1. 勤怠管理システムなら自動で勤務状況を集計できる
勤怠管理でもっとも手間やコストがかかるのが、従業員一人ひとりの労働時間や残業時間の計算です。
とくに建設業界はタイムカードや手書きの日報などを使い、アナログで勤怠管理を行っている企業が多く、事務員が少ない場合は月末の締め作業が長期化しやすい傾向にあります。
手作業だと計算ミスや入力ミスが発生しやすく、残業時間や年休消化状況の把握が遅れ、慢性的に法令違反の状態となっているケースも少なくありません。
勤怠管理システムの最大の特長の1つは、従業員の打刻データが蓄積され、自動で労働時間や残業時間を集計できる点です。
タイムカードや日報を転記し、電卓を叩いて計算する必要がないため、事務作業を大幅に簡略化できます。
2019年4月1日に施行された改正労働基準法に対応したシステムなら、残業時間や年休消化状況の異常値を自動で検出し、アラートを鳴らすことで迅速なケアも可能です。
2-2. 打刻漏れや不正打刻が起きにくい
建設業界で課題となるのが、打刻漏れや不正打刻を防ぐ仕組み作りです。
オフィスワーカーを除き、多くの従業員は作業現場に直行直帰し、出勤時刻や退勤時刻を外出先から報告します。
多くの企業では、手書きの日報などでの事後報告や、事務員に代理で打刻してもらうといった方法をとっており、打刻漏れや不正打刻の温床となっています。
勤怠管理システムなら、スマホやタブレット、フィーチャーフォンなどを使った打刻方法と連携し、従業員に外出先から手軽に打刻してもらうことが可能です。
出勤・退勤と同時に、従業員自身の手でリアルタイムに打刻してもらうため、「誰が」「いつ」打刻したかがはっきりします。
また、近年注目を集めている「GPS打刻」なら、携帯端末のGPS機能を利用し、打刻時刻と同時に位置情報を送信するため、「どこで」打刻したかもわかります。
たとえば、「現場に行っていないのに出勤したかのように報告する」「遅刻しそうになり、事務員に頼んで始業時間に打刻してもらう」といった不正ができなくなるため、不正打刻の防止策としても効果的です。
関連記事:打刻忘れが起きてしまう原因とは?対策方法も合わせて解説
関連記事:外出先からでも正確な打刻を可能にする勤怠管理の3つのポイント
3.予実管理や工数管理とも連携!勤怠管理システムの役立つ機能
勤怠管理システムを導入する際は、給与計算に必要な項目がしっかりと算出できるかや、就業規則に対応した管理ができるか、サポート体制が整っており、運用にのるイメージがつくかを基準にして選ぶのがおすすめです。
ここでは、建設業の企業が勤怠管理システムを選ぶ際に、特にチェックしておきたい機能をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
GPS打刻機能
現場への直行・直帰が多くなる建設業では、スマホを利用した打刻がおすすめです。現場に簡易的な事務所があれば、タブレットを設置して打刻してもらうことも可能です。
スマホでの打刻をするときにチェックしておきたいのが不正打刻を防止する機能です。GPS打刻ができるシステムであれば、どこで打刻したのかが分かったり、特定の場所でしか打刻できない設定にできるため、不正打刻を防止することができます。
工数管理・日報機能
日報などによって工数管理を常に行っている建設業では、「勤怠管理システムで工数管理も一緒にできたら便利だ」と思われる方が多いでしょう。
工数管理機能が実装されている勤怠管理システムも存在しますが、工数管理機能そのものがない勤怠管理システムでも、給与計算用に集計する労働日数や労働時間などの項目を出力することで、工事原価や工数の管理に役立てることができます。
工数管理については、システムによってどの程度対応できるかに差があるため、勤怠管理と工数管理を同じシステムで行いたい場合は、注意して確認しておくとよいでしょう。
労働時間の自動集計
労働時間の自動集計はどの勤怠管理システムでも備わっている機能ですが、集計できる項目はシステムによって異なるため、就業規則に合わせて必要な項目が集計できるかを必ずチェックしておきましょう。
特に、工数管理を行う建設業では、現場ごとなどで労働時間を分けて集計することが可能かをチェックしておくと安心です。
また、長時間労働になりやすい建設業では、残業時間が上限規制を超えないように管理することも重要です。勤怠管理システムであればリアルタイムで労働時間を把握することができますが、設定した労働時間数を超えると従業員・管理者双方へアラートを出せるシステムもあるため、チェックしておくとよいでしょう。
関連記事:打刻まるめとは?考え方やルールの設定方法について詳しく解説
4. 建設業で勤怠管理をするなら「勤怠管理システム」の導入がおすすめ
今回は、建設業界が勤怠管理システムを導入する2つのメリットを解説しました。日報やタイムカードなどを使った、従来型のアナログ勤怠管理をしている企業が少なくありません。
アナログ勤怠管理だと、労働時間・残業時間の集計作業に手間がかかり、予実管理や工数管理との連携もスムーズに行えません。勤怠管理システムを導入すれば、作業現場からでもスマホ・タブレット・フィーチャーフォンなどを使って手軽に打刻でき、勤務状況をリアルタイムに把握することが可能です。
給与計算システムや工数管理システムとの連携もしやすく、業務生産性の向上につながります。人手不足に悩む建設業界だからこそ、勤怠管理システムを導入して事務作業やオフィスワークを効率化しましょう。
関連記事:従業員のタイムカード打刻忘れ対策として企業がおこなうべき3つのこと
複数の現場で業務を行っている従業員の勤怠管理や、出勤簿への記入ミス、現場単位での報告の信憑性など、建設業界の勤怠管理は解決しなければならない課題が多くあります。
建設業における勤怠管理の課題を解決するには、勤怠管理システムの導入がおすすめです。
とはいえ、「システムが便利そうなのはわかるけど、そもそもどのようなもので実際に何ができるのか、どう課題が解決されるのかイメージがつかない」という方も多いでしょう。
そのような方に向け、当サイトでは勤怠管理システムとは何かや、実際にどのようなことができるのか、導入までに何をしなくてはいけないのかをまとめた資料を無料で配布しております。
勤怠管理システムについてこれ一冊で情報収集できる資料ですので、システム化に興味がある方はこちらから資料をダウンロードしてご覧ください。
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