雇用保険料率とは?令和7年度の変更点やなぜ計算割合が異なるのか解説! - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

雇用保険料率とは?令和7年度の変更点やなぜ計算割合が異なるのか解説! - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

雇用保険料率とは?令和7年度の変更点やなぜ計算割合が異なるのか解説! - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

雇用保険料率とは?令和7年度の変更点やなぜ計算割合が異なるのか解説!

木の人形

雇用保険とは、失業や育児などといった事情によって働けなくなった人に向け、生活や再就職のために必要な給付をおこなう公的保険制度の一つです。雇用保険の保険料率は業種によって異なるため、使用者はもちろんのこと、就業者にも自分がどれくらい保険料を支払っているのかについて把握してもらうことが大切です。

この記事では、雇用保険料率の基礎知識と業種によって雇用保険料率が異なる理由について解説します。2025年度(令和7年度)の保険料率についてもまとめているので、適切な支払いや運用のために正しい知識を身につけておきましょう。

雇用保険の計算ミスは追徴金を言い渡されるかも
正しい計算方法と加入条件をくわしく解説

雇用保険への加入は、従業員が離職した時の手当だけでなく、出産や労災による補償など、会社と従業員を守るための公的保険です。
健康保険など「ほかの社会保険」と同様に加入が義務付けられていますが、雇用保険だけ計算方法や負担割合が異なるため、注意しなければなりません。

万が一、誤って納付してしまった場合、未納分の保険料だけでなく、追徴金もまとめて徴収される可能性があります。
当サイトでは、労働局から指摘を受けることがないよう、事前に確認しておきたい方に向けて、

賃金支給総額に含まれる範囲や⼊社・退職⽉の日割り計算など、併せて知っておきたい基礎知識をわかりやすく解説した資料を無料配布しています。

「計算方法に不安がある」「いつまでに加入させなければいけないの?」「雇用保険料が毎月変わる理由を知りたい」という方は、ぜひこちらから無料でダウンロードしてご覧ください。

雇用契約の計算方法まとめBOOK

1. 雇用保険料率とは?

保険

雇用保険料率とは、雇用保険料を計算する際に使用される割合のことです。雇用保険料は、従業員に支払う賃金と雇用保険料率を掛け合わせることで計算できます。ここでは、そもそも雇用保険とは何か説明したうえで、雇用保険料率の意味について詳しく紹介します。

1-1. そもそも雇用保険とは?

雇用保険とは、就業者の生活・雇用の安定と就職の促進を目的に用意されている公的な労働保険制度の一つです。雇用保険に加入すると、具体的に以下のような給付が受けられます。

  • 求職者給付:求職中に受けられる給付金
  • 就職促進給付:再就職の支援や安定雇用のために受けられる給付金
  • 教育訓練給付:仕事のスキルアップのために教育を受ける際に受けられる給付金
  • 雇用継続給付:高齢者や出産・育児中の保護者などが受けられる給付金

例えば、私たちになじみ深い「失業手当」や「育児休業給付金」などが雇用保険の保障に含まれます。
しかし、雇用保険はすべての労働者が加入できるわけではありません。次の要件を両方満たす労働者が原則として、雇用保険の加入対象となります。

なお、雇用保険と似た公的制度に「労災保険」がありますが、こちらは仕事中や通勤中に従業員が負傷・疾病した際に補償が支払われる保険です。どちらも労働保険の一種ですが、雇用保険は「使用者と就業者」、労災保険は「使用者」が保険料を負担する点に大きな違いがあります。

また、令和6年5月に「雇用保険法等の一部を改正する法律」が成立したことに伴い、2028年10月より、1週間の所定労働時間の条件が20時間以上から10時間以上へと適用拡大される予定です。

関連記事:雇用保険の加入条件とは?雇用形態ごとの条件や手続き方法を解説

1-2. 雇用保険料率とは雇用保険料の計算に使用される割合

従業員が雇用保険に加入した場合、使用者と労働者は雇用保険料を納めなければなりません。雇用保険料の計算に用いられる割合が雇用保険料率です。雇用保険料率を正しく把握していなければ、雇用保険料の計算間違えが発生し、給与計算や社会保険料納付の手続きでトラブルが起きる恐れもあるので注意しましょう。

2. 2025年度(令和7年度)の雇用保険料率

協力する一口に雇用保険料率といっても、実はすべての使用者・労働者が同じ料率で保険料を支払っているわけではありません。ここでは、雇用保険料率の中身について詳しく解説します。また、2025年度(令和7年度)の雇用保険料率についても紹介します。

2-1. 雇用保険料は会社と従業員で負担割合が異なる

納めるべき雇用保険料は、会社と従業員で負担割合が異なります。従業員は失業等給付・育児休業給付に対する保険料を支払わなければなりません。

一方、会社は失業等給付・育児休業給付に加えて、雇用保険二事業(雇用安定事業と能力開発事業)に対しても保険料を支払う必要があります。そのため、雇用保険二事業に対する分だけ、会社のほうが従業員よりも雇用保険料率が高くなり、納めるべき雇用保険料も多くなります。

関連記事:【最新版】雇用保険料とは?会社側の負担額や金額についても解説

2-2. 雇用保険料率は業種によっても違う

雇用保険料率は会社と従業員だけでなく、事業の種類によっても異なります。雇用保険料率は、以下のように3つの業種に分けて算定されます。

  • 一般の事業
  • 農林水産・清酒製造の事業
  • 建設の事業

一般の事業の保険料率がもっとも低く、建設の事業の保険料率がもっとも高く設定されています。雇用保険料率が業種によって変わる理由の一つとして、雇用保険料率が高く設定されている業種は、就業状態が不安定になる可能性が高いためです。農林水産業・清酒製造の事業では、季節によって仕事が途絶えてしまう期間が出てきてしまう人も少なくありません。建設の事業では現場ごとに雇用契約を結ぶケースも多く、雇用契約を結んでいない期間中に失業手当を受ける可能性が考えられます。

また、雇用保険料率が高い業種は、助成金の支給が多いという特徴もあります。これは、建設の事業が該当します。助成金の財源は、使用者が支払っている雇用保険料です。助成金はどの業種にも用意されていますが、建設業は一般的な助成金に加えて独自の助成金の種類がとくに多いため、保険料率が上乗せされているのです。受けられる恩恵が多いぶん、どうしても保険料は高くなってしまいます。ほかの就業者と公平性を保つためにも、業種によって保険料を調整することは必要な措置なのです。

2-3. 【ポイント】2025年4月からは雇用保険料率引き上げ?引き下げ?

表

引用:令和7(2025)年度 雇用保険料率のご案内|厚生労働省

これまで雇用保険料率は引き上げられてきましたが、令和6年度(2024年度)は引き上げられることなく、令和5年度(2023年度)と同じ雇用保険料率でした。また、令和7年度(2025年度)からの雇用保険料率は、安定的な財政運営と保険料の負担軽減の観点から、保険料率引き下げとなっています。

雇用保険料率が改定されることで、雇用保険料の計算方法も変わります。従業員の給与から天引きする雇用保険料の額も変わるため、給与計算にも影響が出ます。そのため、給与計算ソフトなどを使って給与計算をしている場合、雇用保険料率が正しく設定されているか定期的にチェックし、見直すことが大切です。

3. 雇用保険料の計算方法

雇用保険料は、雇用保険料率を用いて、次の計算式で計算できます。

雇用保険料 = 従業員に支払われる賃金額 × 雇用保険料率

ここでは、雇用保険料の計算方法の流れやポイントについて詳しく紹介します。

3-1. 雇用保険料の計算対象になる賃金をチェックする

雇用保険料を計算するためには、その基となる従業員に支払われる賃金を算出しなければなりません。雇用保険料の計算対象になる賃金とは、労働の対償として従業員に支払われるすべてのものです。

例えば、基本給だけでなく、残業代や割増賃金、通勤手当・家族手当といった手当なども雇用保険料の計算対象になる賃金に含まれます。一方、役員報酬や慶弔手当、傷病手当などの労働の対価として認められないものは除外して計算することになります。名称だけでなく、何に対して支払われるものなのか確認したうえで、計算に含めるか判断しましょう。

参考:雇用保険料の対象となる賃金|厚生労働省

3-2. 適用される雇用保険料率を確認する

雇用保険料の計算に含まれる賃金が確定したら、適用すべき雇用保険料率をチェックしましょう。先述したように、雇用保険料は、会社と従業員で負担割合が異なり、業種によっても変わってきます。そのため、自社の業種を確かめたうえで、最新の雇用保険料率を適用することが大切です。

3-3. 1円未満は端数処理をする

雇用保険料は、小数点以下が含まれる保険料率を乗じて算出するため、1円未満の端数が生じることも多々あります。端数があると賃金から雇用保険料を控除することができません。

そのため、雇用保険料を源泉徴収する場合については、50銭以下の端数は切り捨て、50銭1厘以上の端数は切り上げして良いとされています。例えば、給与が200,550円の従業員の場合、労働者負担(令和7年度一般事業)の雇用保険料率0.55%を乗じると、雇用保険料は1103.025円です。端数は50銭以下のため、切り捨てして1103円となります。

ただし、労使間で慣習的な端数処理に関する特約がある場合、従来どおりの端数処理で雇用保険を徴収しても問題ありません。

関連記事:雇用保険料の端数処理方法と端数が出たときの雇用保険料を解説

3-4. 【注意】65歳以上従業員や日雇労働者の計算方法

65歳以上の従業員も雇用保険の加入条件を満たせば、「高年齢被保険者」として雇用保険に加入することになり、一般被保険者と同様の方法で、雇用保険料が計算されます。しかし、2022年1月からマルチジョブホルダー制度が始まり、複数の事業所に勤める65歳以上従業員の場合、1社のみで加入条件を満たせなくとも、2社の勤務時間を合算するなどして一定の要件を満たせば、「マルチ高年齢被保険者」として雇用保険に加入できる可能性があります。

この場合、雇用保険料は、自社の事業所で支払われる賃金のみを対象に雇用保険料率を掛けて計算します。つまり、2つの事業所の賃金を合算して雇用保険料を計算するわけではない点に注意が必要です。

また、日雇労働者の場合、一般的な雇用保険の加入条件を満たさないため、原則として一般被保険者になることができません。しかし、日雇労働者でも、一定の要件を満たせば、「日雇労働被保険者」として雇用保険に加入できる可能性があります。この場合、一般保険料に加えて、印紙保険料も支払わなければならないので気を付けましょう。

当サイトでは、雇用保険の加入条件や計算方法、イレギュラー対応についてまとめた資料を無料配布しております。ほかの社会保険との違いも解説しているので、雇用保険料の計算に不安がある方はもちろん、社会保険の種類が多く違いがわからなくなっている方にもおすすめです。適切に雇用保険の加入手続きや計算をおこないたい方は、ぜひこちらからダウンロードしてご覧ください。

関連記事:雇用保険料の計算方法は?保険加入後の計算時期や計算するときの注意点

4. 雇用保険料率に関する注意点

ブロックが倒れかけている

雇用保険料率は改定がおこなわれるなど、気を付けるべき点がいくつかあります。ここでは、雇用保険料率に関する注意点について詳しく紹介します。

4-1. 雇用保険料率は毎年改定される可能性あり

雇用保険料率は、雇用保険における財政状況などを基に、毎年見直しがおこなわれます。前年度と変わらない場合もあれば、前年度よりも引き上げられたり、引き下げられたりする場合もあります。

雇用保険料率を変更せず同じ数値を適用していると、改定があった場合に、納付すべき雇用保険料額にズレが生じ、追加徴収などが発生する恐れもあります。また、従業員の給与計算に影響も出るので、雇用保険料率の改定がきちんと給与計算や社会保険料計算に反映されるよう、社内体制を整えましょう。

4-2. 雇用保険料率の変更タイミングに気を付ける

まず雇用保険料の納付の仕組みを理解しておきましょう。雇用保険料は、労災保険料とともに労働保険料として支払います。労働保険料は、年度初めに概算で納付し、翌年度初めに確定申告で過不足分を精算することになっています。なお、労働保険料の納付期限は、原則毎年7月10日です。

そして、雇用保険料率は、一般的に年度ごとに改定されます。例えば、令和7年度(2025年度)からは雇用保険料率が引き下げられます。労働保険料は「支払いが確定した賃金」に対してかかるので、2025年4月1日以降に締日を迎える給与から、改定後の雇用保険料率を適用しなければなりません。

月末締め翌月20日払いの会社であれば、5月20日に支払われる給与(4月1日~4月30日分)から雇用保険料率の変更が必要です。また、20日締め当月末日払いの会社であれば、4月30日に支払われる給与(3月21日~4月20日分)から雇用保険料率を変更する必要があるので注意しましょう。

4-3. 賞与に対しても雇用保険料はかかる

雇用保険料は、毎月支給される給与だけでなく、賞与・ボーナスも計算対象です。賞与額に対して雇用保険料率を掛けることで、賞与にかかる雇用保険料を計算することができます。なお、賞与に対する雇用保険料率は、毎月の給与に対して適用する保険料率と変わりません。

関連記事:雇用保険料は賞与から引かれる?退職後の雇用保険料や社会保険料の種類

5. 雇用保険料率を正しく理解して適切に計算をおこなおう!

働く男性就業者の生活や安定雇用を維持するために欠かせない雇用保険は、事業の種類によって雇用保険料率が異なります。また、会社と従業員で負担割合も違うので、給与から天引きする雇用保険料の計算に注意が必要です。令和7年度(2025年度)からは雇用保険料率が引き下げられます。正しい雇用保険料率を適用して、給与計算をし、雇用保険料の納付をおこないましょう。

雇用保険の計算ミスは追徴金を言い渡されるかも
正しい計算方法と加入条件をくわしく解説

雇用保険への加入は、従業員が離職した時の手当だけでなく、出産や労災による補償など、会社と従業員を守るための公的保険です。
健康保険など「ほかの社会保険」と同様に加入が義務付けられていますが、雇用保険だけ計算方法や負担割合が異なるため、注意しなければなりません。


万が一、誤って納付してしまった場合、未納分の保険料だけでなく、追徴金もまとめて徴収される可能性があります。
当サイトでは、労働局から指摘を受けることがないよう、事前に確認しておきたい方に向けて、

賃金支給総額に含まれる範囲や⼊社・退職⽉の日割り計算など、併せて知っておきたい基礎知識をわかりやすく解説した資料を無料配布しています。

「計算方法に不安がある」「いつまでに加入させなければいけないの?」「雇用保険料が毎月変わる理由を知りたい」という方は、ぜひこちらから無料でダウンロードしてご覧ください。

雇用契約の計算方法まとめBOOK

jinjer Blog 編集部

jinjer Blog 編集部

jinjer Blogはバックオフィス担当者様を支援するため、勤怠管理・給与計算・人事労務管理・経費管理・契約業務・帳票管理などの基本的な業務の進め方から、最新のトレンド情報まで、バックオフィス業務に役立つ情報をお届けします。

勤怠・給与計算のピックアップ

新着記事