所得税納付書の入手方法は?所得税納付書の種類や提出方法・期限を解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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所得税納付書の入手方法は?所得税納付書の種類や提出方法・期限を解説

納付書

所得税納付書(所得税徴収高計算書)が税務署から自動的に発送されない場合は、自分で税務署に郵送の依頼をするか、管轄の税務署や金融機関に足を運んで入手しましょう。所得税納付書には9種類あり、所得の種類によって使い分けます。もっとも使用頻度が高いのは「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」です。
所得税納付書には提出期限があり、1日でも過ぎてしまうと不納付加算税や延滞税を負担しなければなりません。

今回は、所得税納付書の入手方法ほか、9種類の納付書についての説明や提出方法・期限について解説します。

関連記事:所得税とは?納税方法や確定申告が必要な人・不要な人について解説

所得税・住民税の計算方法にいつも迷ってしまう方へ

税金は収入から控除額を引いた所得額から計算します。

控除額は収入によって増減するため、なかなか覚えられない方も少なくないでしょう。

万が一、納税額に誤りがあった場合「附帯税」を科せられる可能性もあります。

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1. 所得税納付書を入手する方法

書類を受け取る様子

通常、所得税納付書(所得税徴収高計算書)は、税務署から源泉所得税を納付している事業主宛に郵送されます。しかし、フリーランスや自営業などの個人事業主の場合、確定申告をおこなっても所得税納付書が自動的に送られてくるわけではないため、自分で入手しなくてはいけません。

なお、所得税納付書は紙面ではなくe-Taxを利用したオンライン上で入力し、提出することも可能です。
ここでは、用紙の所得税納付書を入手する2つの方法を紹介します。

1-1. 税務署に郵送してもらう

税務署に直接連絡をして、納付書の郵送を依頼しましょう。税務署の電話受付時間は平日8時30分から17時です。納付期限に間に合うよう、余裕をもって郵送依頼しましょう。

所得税納付書の「合計額」の項目は、書き間違えた場合に訂正ができません。新しい納付書に書き直す必要があるため、予備として2〜3枚郵送してもらうことをおすすめします。

1-2. 管轄の税務署窓口や金融機関で入手する

所得税納付書は、税務署の窓口で直接入手することも可能です。所轄の税務署に足を運んで確定申告をした際に入手しておくとよいでしょう。

所轄の税務署が遠い、近くに行く予定がない場合は、銀行や郵便局といった金融機関で入手する方法もあります。場所によっては置いてない所もあるため、出向く前に事前に電話で確認しておくと無駄足になりません。

2. 所得税納付書の種類

書類

所得税納付書(所得税徴収高計算書)は、所得の種類によって使用する納付書が異なります。2020年以降の納付書は全部で9種類です。源泉所得税を納める際は、どの種類の納付書を使用するべきか事前に確認してから入手しましょう。

2-1. 給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書

最も使用頻度の高い納付書です。従業員への給与や賞与、退職所得のほか、弁護士や公認会計士、司法書士など、特定の資格を持つ個人への報酬に対して源泉徴収した際にも使用します。

2-2. 利子等の所得税徴収高計算書

利子や投信信託、特定受益証券発行信託、匿名組合契約等に基づく利益の分配に対する源泉所得税を納付する際に使用する納付書です。

2-3. 定期積金の給付補てん金等の所得税徴収高計算書

定期積金の給付補てん金や利息、懸賞金付預貯金などに対して源泉徴収をした際に使用します。

2-4. 配当等の所得税徴収高計算書

余剰金や株式など、投資信託を除く配当について源泉徴収をした際に使用する納付書です。

2-5. 上場株式等の源泉徴収選択口座内調整所得金額及び源泉徴収選択口座内配当等・未成年者口座等において契約不履行等事由が生じた場合の所得税徴収高計算書

源泉徴収選択口座にかかわる特定口座内保管上場株式などの譲渡、または上場株式などの信用取引等に関係する差金決済によって生じた源泉徴収選択口座内調整所得金額について源泉徴収した際に使用します。

この他、源泉徴収選択口座内配当などの額や、未成年者口座などにおいて契約不履行となる事由が発生した場合、上場株式の譲渡所得額や配当所得の金額などに対して源泉徴収した際も、この用紙での申請が必要です。

2-6. 報酬・料金等の所得税徴収高計算書

フリーライターへの原稿料やイラストレーターへのデザイン料、翻訳家への翻訳料など、外部の個人に報酬を支払った場合に使用します。講演料も該当します。給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書同様、使用する頻度が高い納付書です。

2-7. 非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書

外国に住んでいる人や外国法人(外国に住所を置いている企業)への報酬に対して源泉徴収した際に使用する納付書です。

2-8. 割引債の償還金に係る差益金額の所得税徴収高計算書

公共法人や公益法人などの内国法人や外国法人、個人に対して、割引債の償還金や特定割引債、国外割引債の償還金を支払った際、その額に対して源泉徴収した際に使用します。

2-9. 償還差益の所得税徴収高計算書

割引債の償還差益に対して、源泉徴収した際に使用する納付書です。

本章で解説したように、所得税納付書にはさまざまな種類がありますが、そもそもとなる所得税に関する知識や計算方法を正しく理解していないと、納付書の作成時にミスが発生してしまうため注意が必要です。

当サイトでは、上述した税金の計算時に気を付けるポイントや計算方法などを解説した資料を無料で配布しております。不安な点があるご担当者様は、こちらから「所得・住民税 給与計算マニュアル」をダウンロードしてご確認ください。

関連記事:所得税徴収高計算書とは?基礎知識や記載するときの注意点を解説

3. 所得税納付書の書き方

所得税納付書

引用:別紙3 給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(一般用)の様式及び記載要領|国税庁

ここでは、使用頻度が最も高い「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」について、書き方のポイントを押さえながら解説します。

参照:所得税徴収高計算書(納付書)の記載のしかた|国税庁

3-1. 税務署名

源泉所得税を納付する税務署の名称を記載します。税務署番号の記載は不要です。

3-2. 整理番号

整理番号とは、法人を管理するために税務署が設定している番号のことです。

印字されている場合は記入の必要はありませんが、そうでない場合は記入しなくてはいけません。整理番号が不明な際は、税務署に確認すると良いでしょう。

3-3. 徴収義務者

源泉所得税を納付する事業者の名称と住所を記載します。はっきりと見やすい文字で書くようにしましょう。

3-4. 「俸給・給料等」の欄

会社員の給料や国家公務員の俸給などの給与のほか、財産形成給付金のうち給与としてみなされるものについて使用する欄です。

実際に給与を支払った「支払年月日」「人員」「支給額」「税額」を、それぞれ右詰めで記入します。「支払年月日」に関しては給料の支給日、「人員」は給与を支払った従業員の合計人数、「支給額」「税額」は支給した給与と源泉所得税の総額を記入しましょう。

3-5. 「賞与(役員賞与を除く)」の欄

役員以外に支払った賞与について記入する欄です。なお、個人事業主の場合は、必要経費として計上した賞与について記入します。

賞与の欄についても、俸給・給料等の欄と同様に「支払年月日」「人員」「支給額」「税額」について漏れなく埋めましょう。

3-6. 「日雇労務者の賃金」の欄

日雇い労働者に支払った賃金のうち、給与所得の源泉徴収税額表(日額表)の丙欄を適用して源泉徴収しているものに対して、この欄を使用します。

「人員」については延べ人員で記入し、「支給額」「税額」については、他の区分と同様に合計額でそれぞれ記入します。

3-7. 「退職手当等」の欄

退職手当や一時恩給のほか、退職手当等とみなされる一時金についても、この欄で記入をおこないます。「支払年月日」「人員」「支給額」「税額」の欄については、俸給・給料等の欄と記載方法は同じです。

3-8. 「税理士等の報酬」の欄

税理士や弁護士、公認会計士などに支払った報酬・料金について記載します。「支払年月日」「人員」「支給額」「税額」の欄については、俸給・給料等の欄と記載方法は同じです。

なお、司法書士と土地家屋調査士、海事代理士に支払った報酬・料金に関しては、「摘要欄」にある「司」を丸印で囲い、人員や支給額、税額について記入しなてくてはいけません。

3-9. 「役員賞与」の欄

法人税法第2条第15号の規定に該当する役員に対して支払った賞与は、この欄を使用します。ただし、使用人兼役員に対して支払った使用人職務分の賞与は除きます。

役員賞与では、「支払年月日」「人員」「支給額」「所得税額」のほか、「同上の支払確定年月日」欄に役員賞与の支払いが確定した年月日の記載も必要です。

また、支払確定日から1年を経過した未払い役員賞与の源泉所得税を納付する場合は、納付書を別に作成し、「摘要」欄に「1年経過賞与分」と記入します。

3-10. 「納期等」の区分

給与や退職手当、税理士や弁護士などの報酬を支払った年月を記入します。例えば、令和5年8月分の給料を8月25日に支給した場合は、以下のように記入します。

(記入例)令和05年08月

納期の特例を受けている場合は、特例期間の最初と最後の年月を記入が必要です。

また、支払確定後1年を経過して未払いとなっている役員賞与の源泉所得税を納付する場合については、1年を経過した日が属している年月で記入します。

このほか、給料と俸給の支払年月と支払確定年月が異なる場合、支払確定年月が異なるも
のごとに納付書を個別に作成し、「摘要」欄に「支払確定年月」を記入しなくてはいけません。

3-11. 本税

各区分ごとの「税額」欄の合計額を記入します。

3-12. 合計額

本税のほかに延滞税がある場合は、本税と延滞税の合計額を記入します。合計額を記載する際は、必ず金額の頭に「¥」を入れるようにしましょう。

4. 所得税納付書の提出方法・提出期限

提出する様子

所得税納付書の提出方法と提出期限は次のとおりです。

関連記事:所得税の納付方法の種類や支払い期限・選び方を解説

4-1. 所得税納付書と源泉所得税は税務署や金融機関に提出する

記入した所得税納付書と納付すべき源泉所得税は、管轄の税務署窓口だけでなく、郵便局や銀行・信用金庫などの金融機関に持参して提出することも可能です。管轄の税務署の所在地や、提出可能な金融機関は、国税庁のホームページに記載されています。

なお、税務署・各金融機関共に、源泉所得税の納付は現金のみとなっています。カードや電子マネーでの支払いはできないため、納税に出向く前にきちんと用意しておきましょう。

参照:現金に納付書を添えて納付(金融機関又は税務署の窓口)|国税庁

4-2. 所得税納付書の提出期限は一般納付と納期特例の適用で異なる

所得税納付書には提出期限がありますが、一般の納付と納期の特例が承認された場合では、期限が異なります。

一般の納付の場合は、給与や報酬を支払った月の翌月10日までに提出します。一方、従業員が10人未満の会社が税務署に申請書を提出することで受けられる「納期の特例」が適用された場合は、提出期限は下記の年2回です。

納期の特例適用時の提出期限
1月~6月支払分:7月10日まで
7月~12月支払分:翌年1月20日まで

所得税納付書の提出および源泉所得税の納付は、提出期限を過ぎると、「不納付加算税(10%)」と「延滞税(原則7.3%、2か月を経過した日以降は14.6%)」を負担しなければなりません。なお、納税額が5,000円未満の場合、不納付加算税の支払いは免除されます。

源泉所得税が還付によって相殺されたなどの理由から、税額がゼロになった場合でも、合計額に「0円」と記入した所得税納付書の提出が義務付けられています。源泉所得税が0円であることの証明をするために必要なので、所得税納付書は必ず期限までに提出しましょう。

参考:[手続名]源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請|国税庁

5. 所得税納付書は余裕をもって入手し提出期限を守ろう

ビジネスマン

所得税納付書を入手したい場合は、税務署に郵送で取り寄せるか、管轄の税務署窓口または金融機関に直接出向いて交付してもらいましょう。所得税納付書は納税額が0円でも提出しなければならない書類です。提出期限を過ぎると不納付加算税や延滞税が課せられるため、期限内に必ず提出することが大切です。

所得税納付書には、所得の種類ごとに9種類の納付書があります。使用すべき納付書の種類を事前に確認し、間違いがないようにしましょう。

所得税・住民税の計算方法にいつも迷ってしまう方へ

税金は収入から控除額を引いた所得額から計算します。

控除額は収入によって増減するため、なかなか覚えられない方も少なくないでしょう。

万が一、納税額に誤りがあった場合「附帯税」を科せられる可能性もあります。

・税額が合っているか不安
・税金の計算式や控除額を確認したい
・計算業務を効率化したい
という方に向けて、所得税と住民税の正しい計算方法、税金計算時によく起きるミスとその対策をまとめた資料を無料で配布しております。

本資料にて、税金計算のミスを減らし、効率化が図れる給与計算システムの解説もあるので、税金計算をミスなく効率的におこないたいという方は、こちらからダウンロードしてご覧ください。

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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