物流・運送業界向け勤怠管理システムとは?選び方やおすすめ機能を解説
幅広い雇用形態や勤務時間を取っている物流・運送業界。全ての従業員の労務状況を正しく管理するためには、紙媒体やエクセルでの労務管理では正確性や効率性に限界があります。
そこで、今回は物流・運送業界で勤怠管理システムを導入するメリットを説明します。
関連記事:勤怠管理システムとは?はじめての導入にはクラウド型がおすすめ
「勤怠管理システム導入完全ガイド」
働き方改革が始まり、労働時間の客観的な把握や有給取得義務、残業時間の抑制など、これまでよりも正確な勤怠管理を求められるようになりました。
しかし、物流・運送業界はドライバーの働き方が複雑なため、働き方改革の対応には相当な工数がかかってしまうかもしれません。
そのようなお悩みを抱えている物流・運送業界の方のために、今回は「勤怠管理システム導入完全ガイド」をご用意いたしました。
ガイドブックには、以下のようなことがまとめられています。
・勤怠管理システムが普及している3つの理由
・勤怠管理システムの4つのメリット
・勤怠管理システムの導入までに必要な8つのステップ
簡単でラクな勤怠管理を実現させるため、ぜひこちらから「勤怠管理システム導入完全ガイド」をダウンロードしてご確認ください。
目次
1. 物流・運送業向けの勤怠管理システムとは?
物流・運送業向けの勤怠管理システムとは、運送業界特有の複雑な勤務形態に対応し、労働時間や勤怠状況を正確かつ効率的に管理するためのツールです。
一般企業向けのシステムと比較して、特に出退勤の管理や安全運行に必要な機能が豊富に搭載されています。このようなシステムを導入することで、業務の効率化や労働時間の正確な把握が実現できます。
2. 物流・運送業が搭載しておくと便利な勤怠管理システムの機能
ここでは、物流・運送業の企業が勤怠管理システムの導入を検討する際に特にチェックしておきたい機能をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
2-1. 改善基準告示に対応したアラート機能
勤怠管理システムには、特に2024年4月から適用される改善基準告示に対応したアラート機能があると便利です。この告示では、1年、1カ月、1日単位での拘束時間や休息時間、連続運転時間などが細かく指定されています。勤怠管理システムを検討する際は、この改善基準告示に基づいて拘束時間やインターバルの時間をリアルタイムに集計・チェックし、違反が発生しそうな場合には自動でアラートを発する機能を備えているか確認するとよいでしょう。これにより、労働法違反を未然に防ぎ、従業員の過労を防止し、企業が法令遵守を確保することができます。結果として、従業員の健康を守り、企業の効率も向上させます。
2-2. 残業申請
残業申請ができるシステムであることはもちろんのこと、「どうやって申請できるか」を確認しておくことがおすすめです。パソコンからしか申請が出せない場合、ドライバーは事務所に設置しているパソコンから申請しなくてはならないため、運用がうまくいかない可能性があります。
スマートフォンから残業や有給などの申請ができれば、ドライバーにもなじみやすく、申請漏れを減らすことができます。
2-3. GPS打刻
物流・運送業のドライバーは直行直帰が多くなりやすいため、スマートフォンを使った打刻がおすすめです。しかし、「スマホでどこでも打刻できるなら、不正打刻が起こるのでは…?」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。
勤怠管理システムの中には、スマートフォンを用いたGPS打刻ができるものがあり、打刻した場所が分かったり、特定の場所でしか打刻ができない設定にすることが可能です。
「打刻した場所が分かる」ということを従業員に伝えておけば不正打刻の抑止力になりますし、不正打刻が万一あっても、GPS打刻機能があれば不正な打刻であると判断することができます。
2-4. シフト・勤務表作成
ドライバーのシフトや勤務表の作成を手助けしてくれる機能があるかも確認しておきましょう。
勤務時間や勤務日を登録・変更できるだけでなく、必要な人数に対してどれくらい過不足が発生しているのかが一目でわかり、シフト・勤務表作成を手助けしてくれるようなシステムもあります。どのようにシフト・勤務表を作成しているかを改めて確認し、その流れに合ったシステムを選ぶことがポイントです。
2-5. モバイル管理機能
勤怠管理システムのなかにはモバイル管理機能が備わっているシステムがあります。
モバイル管理機能が備わったシステムであれば、スマートフォンやタブレットからでも打刻が可能です。そのため、外出が多い物流業や運送業での勤怠管理に適しているといえるでしょう。
また、モバイル管理機能により、ドライバーは休憩時間や出勤状況をリアルタイムで申告することができ、管理者もその情報を即座に把握できます。このような双方向のリアルタイムデータ更新は、勤怠状況の可視化を促進し、業務効率向上に寄与します。さらに、GPS打刻機能と組み合わせることで、打刻位置を確認し、不正打刻の防止につながるため、安心して勤務管理を行うことが可能です。
2-6. 日報管理機能
物流・運送業のドライバーは日報を記入するのが一般的です。そのため、勤怠管理システムには日報管理機能が備わっているかどうかを確認してみましょう。日報管理機能が備わっていれば、従業員の日報記入にかかる労力を軽減できます。また、人事評価システムと連携させることで、従業員へのフィードバックがしやすくなるでしょう。
当サイトでは、勤怠管理システムを導入して運用開始するまでにどのようなことが必要になるかのガイドブック「勤怠管理システム導入完全ガイド」を無料で配布しているため、こちらより資料ダウンロードページをご覧ください。
2-7. 給与計算ソフトへの連携、集計項目
物流・運送業の企業では、従業員や雇用形態によって労働時間が異なることに加え、深夜労働や時間外労働も発生しやすいものです。それに伴い割増賃金の計算に必要となる集計項目が複数必要になってくるため、労働基準法と自社の就業規則に照らし合わせて、給与計算に必要な項目を集計できるか、しっかりと確認しておきましょう。深夜労働時間や日付をまたぐ際の集計・管理に問題がないか確認しておくのもおすすめです。
3. 物流・運送業向けの勤怠管理システムの選び方
では実際に物流・運送業向けの勤怠管理システムとはどんなポイントに注意して選ぶべきなのでしょうか。チェックポイントを紹介します。
3-1. 価格が続けられる金額であること
物流・運送業にマッチした勤怠管理システムの導入を検討する際に重要な要素の一つは、その価格が年間を通じて無理なく支払える範囲であることです。
初期費用だけでなく、システムの維持やメンテナンス費用、新たな機能を追加する際の金額も注視すべきポイントです。最低限の条件として、継続的にサポートを受けられるシステムが求められます。
したがって、選定時には全ての費用が明確に提示されているか確認し、年間のトータルコストを見積もることで、問題なく運営できるかどうかを慎重に検討する必要があります。
3-2. 自社の運用要件に対応していること
物流・運送業界では効率的な勤怠管理が求められます。そのためには、自社の運用要件に適応できるシステムを選ぶことが不可欠です。
例えば、ICカードを利用した勤怠記録システムは便利です。ICカードを使えば、かざすだけで正確な打刻時間を取得でき、従業員のスケジュールに対した実績が正確かつ迅速に記録できます。この情報は自動的に処理され、必要なデータは瞬時に出力可能です。
さらに、勤務時間の可視化やアラート機能を活用することで、不正な勤怠や過剰労働を防ぎます。このように、現状の運用をなるべくスムーズに移管できるよう柔軟な機能に対応したシステムを選ぶことが重要です。
3-3. 打刻端末が選べること
物流・運送業界における効率的な勤怠管理を実現するためには、打刻端末の選択が重要です。
例えば、スマートフォンやタブレットなどモバイル端末を活用することで、移動がある場合も簡単に打刻が可能です。
このようなシステムは、特に配送業務や現場移動が多い形態において、リアルタイムでの勤怠把握が容易になるため有益です。また、GPS機能を活用することで、正確な位置情報とともに打刻が行えるため、不正打刻の防止にも役立ちます。
専用の打刻端末を用いる場合でも、現場に応じた柔軟な対応が可能です。物流・運送業界の経営者や人事担当者は、効率的で精度の高い勤怠管理を実現するために、自社の運用環境に適した打刻端末を選ぶことが求められます。
4. 2024年4月働き方改革で企業には厳密な勤怠管理が求められる
2024年4月に施行された改正労働基準法の影響で、企業には厳密な勤怠管理が求められます。特に物流・運送業界では、この改正により、ドライバーの拘束時間、運転時間、休息時間、休日時間について改善基準告示が新しく定められました。
特に重要なのが、トラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されることです。これにより、輸送能力や売上の低下、ドライバーの賃金構造に影響が出る可能性があります。このような変動が2024年問題として物流・運送業界に認識されています。輸送能力の低下は、荷物の輸送拒否や新鮮な生鮮品の供給困難という消費者への影響をもたらします。
この問題に対処するためには、勤務状態や労働時間を客観的かつ精確に記録する運送業向け勤怠管理システムが不可欠です。これにより、法令遵守を確実に行い、業務の効率化とドライバーの健康管理を同時に実現することが可能となります。
5. 物流・運送業界における勤怠管理の現状と課題
会社の規模にもよりますが、物流・運送業界では勤務形態や労働時間が幅広く、管理者がすべての従業員の労務状況を常に把握しておくことは困難です。
まずは物流・運送業界における勤怠管理の現状を知っておくことで、労務管理にどのような問題があるのかを知っておきましょう。
5-1. 会社が従業員の勤怠状況を正確に把握できない
1つ目は、従業員の勤怠状況を正確に把握できないことです。
多くの会社では従業員が出勤時・退社時に打刻をしており、中には休憩時間の前後で打刻をする会社もあります。しかし、物流・運送業界ではドライバーが常に外出しているため、出勤簿や日報など自己申告による勤怠管理にならざるを得ない面があります。
長距離走になれば日付をまたいで勤務することになるため、後日まとめて自己申告で労務状況を報告するといった会社も多いため、正確性に欠けるという欠点があります。
5-2. 従業員によって労務時間を不正操作される可能性がある
2つ目は、従業員によって労務時間を不正操作される可能性があるということです。
物流・運送業界では出勤時間に退勤時間が定まっていないことが多いため、管理者がいない時間帯に打刻をすることがあります。そのため他の人に打刻を依頼する人や、本来打刻すべき時間ではないときに打刻をするなど、従業員の中には不正に労働時間を報告する人もいます。
5-3. 勤怠時間を集計する際にミスが起りやすい
3つ目は、勤怠管理を集計する際にミスが起こりやすいということです。
物流・運送業界では、ドライバーのみでなく事務員や仕分けスタッフなど様々な職種の従業員が勤務しています。ドライバーだけでも勤務時間が異なる上に、職種によっても業務時間や雇用形態が異なるため、勤怠の集計作業を手作業でおこなおうとすると、どうしてもミスが発生しやすくなってしまいます。
6. 物流・運送業界で勤怠管理システム化するメリット
勤怠管理を手間をかけずにおこなうためには、物流・運送業界特有の労務管理の課題を解決しなければなりません。ここからは物流・運送業界に勤怠管理システムを導入することで得られるメリットを紹介します。
6-1. 法改正への対応がスムーズにできる
勤怠管理システムを導入すると、法改正への対応にかかる時間を減らすことができます。
特に物流・運送業のドライバーが従事している自動車運転の業務は、36協定における残業時間の上限規制が通常の基準と異なったり、法改正の施行タイミングが異なったりと、注意して法改正に対応していかなくてはなりません。
クラウド型の勤怠管理システムであれば、法改正の内容は基本的に自動でアップデートして対応してくれるため、エクセルの計算式を直すなどの対応工数やそれによって起きる給与計算のミスなどを減らすことができます。
関連記事:勤怠管理システムを導入する目的とは?メリット・デメリットも確認
関連記事:法改正された労働基準法による勤怠管理への影響とポイント
6-2. 勤怠管理にかかるコストが大幅に削減できる
1つ目のメリットは、勤怠管理にかかるコストを大幅に削減できることです。
多種多様の職種や雇用形態の従業員がいる物流・運送業界では、労働時間の集計や給与計算など勤怠管理にかかるコストや時間がどうしても多くなってしまいます。勤怠管理システムを導入することで物流・運送業界で働く従業員の労務状況自動的に入力して集計することが可能になります。
そのため勤怠管理を任せられている従業員の負担が大幅に軽減し、他の業務に専念できるようになるのです。
6-3. 従業員に適切な賃金を支払うことができるようになる
2つ目のメリットは、従業員に適切な賃金を支払うことができることです。
物流・運送業界では、雇用形態や労働時間によって従業員ごとに計算方法を変えなければならなかったり、早朝勤務や深夜勤務がある場合は割増賃金を計算しなければならないため、手作業で計算していてはミスが発生しやすくなってしまいます。
勤怠管理システムを導入すれば従業員の雇用形態や時給、労働時間を設定・入力するだけで、自動的に給料計算してくれます。
6-4. クラウド化により勤怠報告における不正を防止できる
3つ目のメリットは、勤怠報告における不正を防止できることです。
物流・運送業界では、幅広い勤務時間は労働時間が特徴であるため、管理者が不在になっている間に不正打刻や労務状況の虚偽報告をおこなうケースが見られます。
勤怠管理システムにはGPS機能を備えているものもあり、事業所から離れた場所で勤務している従業員や直行直帰が多い従業員でもリアルタイムで勤務状況を把握することができます。
6-5. 場所を選ばずに休憩時間や勤怠状況を申告できる
従来の紙ベースの勤怠管理では、事業所に設置してあるタイムカードやパソコンを使用しなければ労務報告ができませんでした。勤怠管理システムを導入することで、インターネット環境とパソコンやタブレットといった端末さえあれば場所を選ばずに勤怠を報告できます。
また、事業所を離れて勤務するスタッフが多い物流・運送業界では、従業員の労働場所やフレキシブルな勤務時間に合わせて休み時間や休憩時間を報告してもらえます。それにより、様々な働き方をしている従業員の勤務状況をより正確に把握できるようになります。
6-6. ドライバーの負担を軽減できる
勤怠管理システムを導入することでドライバーの負担を軽減可能です。勤怠管理システムを導入することで、ドライバーに発生していた打刻の手間を大幅に軽減できます。また、勤怠管理システムでスムーズに残業申請ができるため、申請にかかっていた時間や負担を軽減可能です。
7. 勤怠管理システムを導入して物流・運送業の正しい労務管理を
ここでは物流・運送業界における勤怠管理の現状や問題点、物流・運送業界に勤怠管理システムを採用することによるメリットを紹介しました。
事業の規模にもよりますが、会社で働いている職種が多かったり、多くの従業員が様々な勤務時間で働いている運送業の場合は、勤怠管理システムを取り入れることで労務状況の把握にかかる業務をより効率化させることができるでしょう。
関連記事:大企業が導入すべき勤怠管理システムを選ぶ際のポイント4つ
関連記事:中小企業向け勤怠管理システム|導入前の課題、導入後の効果とは
「勤怠管理システム導入完全ガイド」
働き方改革が始まり、労働時間の客観的な把握や有給取得義務、残業時間の抑制など、これまでよりも正確な勤怠管理を求められるようになりました。
しかし、物流・運送業界はドライバーの働き方が複雑なため、働き方改革の対応には相当な工数がかかってしまうかもしれません。
そのようなお悩みを抱えている物流・運送業界の方のために、今回は「勤怠管理システム導入完全ガイド」をご用意いたしました。
ガイドブックには、以下のようなことがまとめられています。
・勤怠管理システムが普及している3つの理由
・勤怠管理システムの4つのメリット
・勤怠管理システムの導入までに必要な8つのステップ
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