給与計算ソフトとは?メリットや選定ポイントを解説
更新日: 2025.10.28 公開日: 2023.6.2 jinjer Blog 編集部

給与計算と一口にいっても、給与だけでなく社会保険や源泉所得税などさまざまな計算を取り扱います。また給与計算は法的観点や従業員からの信頼、会社への経済的影響などの理由から間違いがあってはならない計算であるため慎重に取り組まなければならず、業務の負担は大きいものです。
ここでは給与計算ソフトについて、概要や必要な理由、機能やメリット・デメリット、選ぶポイント7つなどから解説します。
関連記事:給与計算とは?業務内容ややり方・流れ、基礎知識をわかりやすく解説
関連記事:給与計算方法を11ステップに分けて解説!注意点・効率化のポイントも
目次
「給与計算が大変なのは当たり前」と思っていませんか?
バックオフィスが会社の成長を妨げる障壁となることを防ぎ、日々のルーティンワークから脱却して、業務改善に時間を充てられるようになった事例があります。
-
度重なる法改正もあり人的ミスが不安
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システム間のデータ連携に毎月の時間を奪われている
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業務が属人化していて離職リスクがある
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1. 給与計算ソフトとは


給与計算ソフトとは、社員の給与を計算したり給与に関連するデータを管理したりするソフトのことです。
あらかじめ、従業員の役職などに応じた基本給や各種手当を登録しておくことで、月末に締まった勤怠情報などをもとに、従業員の基本給や手当、残業代などの要素を元に正確な給与額を算出し、税金や社会保険料などの控除を差し引いて手取り金額を計算します。
また、給与計算だけでなく、勤怠情報の追跡や法的要件の遵守、給与明細の生成、賃金台帳の作成、給与振り込みの手配なども行います。
給与計算ソフトによって対応している範囲が異なるため、導入の際はどのような機能がついているのか確認することが重要です。
また、搭載したい機能がある場合は、給与計算ソフトを探す前に要望を洗い出しておくと安心です。
機能に加えて、導入にどれくらいの費用が発生するかも確認しておきましょう。ソフトによっては費用がかからない、フリーでの利用も可能です。
1-1. 給与計算ソフトが必要な理由
社員には、あらかじめ決められた基本給が設定されています。また社員によってはそこに、下記のような金額が加算されます。
| 変動給 | 休日や深夜、残業の度合いによって加算される給与 |
| 手当 | 住宅手当や家族手当、企業独自の手当など |
このような「社員に支給する額」だけではなく、控除額も計算しなくてはなりません。控除額に該当するのは下記のようなものです。
- 源泉所得税
- 住民税
- 社会保険料
また控除額を計算したら、納付といった手続きも行います。給与計算ソフトはこのような支給額と控除額を正しく計算し、支払いや各種手続きを間違いなく進めることができるため、多くの企業が導入を進めています。
給与計算ソフトを活用すれば、経理の業務効率化も見込めるため、従業員数が少ない企業にもメリットがあります。給与計算ソフトを導入することによって生まれた時間を活用して、これまで取り組む時間がなく手をつけられなかった、企業の戦略を考慮した人事管理や予算管理業務など、事業のコア部分にあたる業務に注力することができます。
関連記事:給与計算のDXを進めるには?効果や手順を詳しく解説
2. 給与計算ソフトの種類


給与計算ソフトにはさまざまな種類があり、目的やニーズに合わせて適切なものを選ぶ必要があります。それぞれどのようなものなのか特徴を解説します。ここでは次の種類の給与計算ソフトについて解説します。
- クラウド型
- インストール型
- 統合型人事・給与計算システム
- 企業規模別給与計算システム
2-1. クラウド型の給与計算ソフト
クラウド上で提供される給与計算ソフトウェアで、インターネットを通じてアクセスできます。データの保管やバックアップ、セキュリティなどがサービス提供元によって管理されるため、利用中の運用保守管理が簡単です。
特に、給与計算は法令や税法を遵守しておこなわなければならず、日々の業務に取り組みながら最新の法改正の情報などを常にキャッチアップするのは簡単なことではありません。クラウド型の給与計算ソフトを取り入れることで、システム提供側が自動で最新の法改正などに対応したシステムアップデートをおこなってくれます。
2-2. インストール型の給与計算ソフト
インストール型の給与計算ソフトウェアは、コンピューターシステムに直接インストールして使用するタイプのソフトウェアです。データはインストールしたPCもしくは、自社のサーバー内に保存されるため、セキュリティなどの管理コントロールがしやすい点がクラウド型との違いになります。一方で、サーバーの保守なども自社で行わなければならず、専門知識を持ったスタッフを用意する必要があるなど、保守面での負荷が高くなってしまう恐れもあるでしょう。また、インストール型の場合、WindowsやMacといったOSによって使用できるかどうかが異なる可能性があります。
導入方法という切り口以外にも、特徴的な形態のシステムや従業員規模ごとに給与計算ソフトを開発しているソフトウェア会社もあります。
2-3. 統合型人事・給与計算システム
人事管理と給与計算を一つのシステムで統合的に扱うソフトウェアです。人事情報や給与データの管理だけでなく、労働時間の追跡、社会保険料や税金の計算、勤怠管理などを網羅的に行うことができます。
最大のメリットは従業員データを一元管理できる点です。給与管理のソフト、勤怠管理のソフトなどと個別に導入してお互いを連携させることも可能ですが、各ソフトそれぞれに従業員情報を登録しなければならない場合もあります。
統合型システムを導入すれば従業員情報が一か所に集められるため、職種や役職、所属部署など何か変更点があった際は一つのシステムの人事情報を修正するだけで給与管理や勤怠管理のソフトにも反映されます。
2-4. 企業規模別の給与計算ソフト
企業の規模によって給与計算ソフトに求めるニーズも異なってきます。
例えば、中小企業や個人事業主向けに開発された、使いやすく手軽な給与計算ソフトウェアです。コストを抑えつつ、基本的な給与計算機能を提供します。
反対に、大企業や複雑な給与体系を持つ組織向けには、高度な機能やカスタマイズ性を備えた給与計算ソフトが開発されています。中には多言語対応や多国籍法規への対応などがおこなえるものもあります。
3. 給与計算ソフトの便利な機能


給与計算ソフトを使えば、手作業でおこなっているさまざまな工程を集約し、業務の効率化が可能です。具体的にどのような業務を自動化できるのか見ていきましょう。
3-1. 給与支払いに関する機能
給与計算ソフトのメイン機能が給与支払いに関する機能です。具体的には次のような工程を給与計算ソフトで実行可能です。
- 給与の計算
- 給与の振り込み
- 給与明細の発行
3-1-1. 給与の計算
「誰がいつどのように働いたか」といった勤怠管理のデータをもとに、給与を計算します。
給与計算ソフトの多くは、正社員やアルバイト、派遣社員や契約社員など雇用形態に合わせた設定が可能です。基本給や時給を従業員ごとに設定したり、従業員情報と残業時間や休日出勤時間を掛け合わせて、時間外労働手当の算出を自動でおこなってくれます。税金や社会保険料、住民税などの各種控除の自動計算も可能です。
あらかじめ設定をしておけば、自動で間違いのない計算ができます。
3-1-2. 給与の振り込み
給与計算ソフトの中には、振り込み方法を設定できるものもあります。
手作業で給与を振り込む場合、従業員ごとに振り込み先の銀行口座を調べて振り込まなくてはならず、従業員が多ければ多いほど作業の時間や手間がかかります。 また、手作業の場合、金額の入力ミスや振り込み漏れなどが発生してしまうかもしれません。
給与計算ソフトを用いることでこれらの作業が自動化できるため、漏れなく確実に社員へ給与を振り込めるでしょう。
3-1-3. 給与明細の発行
企業は、所得税法において給与明細を従業員へ発行しなければならない義務があります。一方で様々な働き方が取り入れられている昨今、中々オフィスに出社する機会のない従業員もいるのではないでしょうか?都度郵送するには、手間だけでなく切手代や封筒代のコストが発生してしまい、PDFで送るにしろ送付用のフォーマットを用意してPDF発行するのは大変な作業です。
給与管理ソフトを用いれば、従業員がWEB上で給与明細を確認することができます。また、過去分もシステム上から閲覧できるため、過去分の確認や再発行といった問い合わせがなくなります。
3-2. 各種管理・対応する機能
給与計算ソフトには給与計算機能だけでなく、各種管理機能が備わっているのが一般的です。ここでは次のような機能について解説します。
- 法定三帳簿含めた台帳の管理・対応
- 年末調整の管理・対応
- マイナンバーの管理・対応
3-2-1. 法定三帳簿含めた台帳の管理・対応
法定三帳簿とは、企業に備え付けると定められた下記3つの台帳のこと。
- 賃金台帳
- 労働者名簿
- 出勤簿
給与計算ソフトを用いることで、各台帳に必要な情報だけを集めてまとめることが可能です。そのほか、社会保険といったさまざまな台帳を管理できるものもあります。
3-2-2. 年末調整の管理・対応
給与計算ソフトでは、給与に関連するデータが自動で計算されます。よって源泉徴収額も自動で計算されるため、それを含むこれまでの給与や勤怠のデータをもとに、社員それぞれの年末調整をおこなえるのです。
年末調整は、計算だけでなく書類の作成もある煩雑な業務といえます。給与計算ソフトを使えば、この書類作成も効率化でき、繁忙期の負担を軽減できます。
3-2-3. マイナンバーの管理・対応
マイナンバーは、取得や保管、削除や破棄において、適切な対応が必要です。また重大な個人情報のため、扱う場合はセキュリティにも注意しなければなりません。そうした点においても給与計算ソフトなら、安全かつ確実に管理・対応が可能です。
関連記事:マイナンバー法とは?企業の人事担当が知っておくべき基礎知識
4. 給与計算ソフト導入で得られるメリット


続いて給与計算ソフトの導入によって生じるメリットを見ていきます。
給与計算システムを導入することで、業務の効率化や法改正への対応がおこなえます。
主なメリットをまとめたので、確認しましょう。
4-1. 各種法改正に自動対応
社員自身で法改正に関する情報を追っていても、見落しや勘違いはどうしても起こり得ます。その点、給与計算ソフトなら改正される法律や保険料率などに自動で対応してくれるため、安心して使えるのです。
ただし自動で対応できるのはクラウドタイプのみといえます。自社のパソコンにインストールするタイプの場合、アップデート用に配信されたデータをインストールしなくてはなりません。
4-2. ミスの削減と業務効率化
2023年4月から、時間外労働の割増率が変更されました。これはすでに大企業には適用されていたもので、中小企業においても時間外労働が60時間以上生じた場合、これまで25%だった割増率を50%に変更しなくてはなりません。
また残業代においては、「深夜なのか時間外労働だけなのか、どのような残業だったのか」その区分に応じた割増率を適用した計算が必要です。
もしこれらを表計算ソフトで計算する場合、一つひとつ割増率の数字を変えなければなりません。またその数字変更を間違えたら、計算される金額も間違ったものになってしまうでしょう。
給与計算ソフトを導入すればこのようなミスを防げるうえ、作業にかかる時間も減ります。その時間をほかのコア業務に充てたり、別の業務を進めたりなども可能になるのです。
4-3. 属人化を防ぐ
給与計算ソフトなら、必要な数字を入力すれば自動計算で数値を導き出せるため、経理の知識が少なくても、経理業務を進められます。
とはいえ、経理業務の知識があるに越したことはありません。給与計算ソフトで業務を効率化した時間を新しいスキルの習得に充ててみてはいかがでしょうか。
関連記事:給与計算を自動化するメリット・デメリット、具体的な方法や手順も紹介
5. 給与計算ソフト導入のデメリット


給与計算システムには、多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。
システムを導入した後で後悔することがないよう、確認しておきましょう。
5-1. 必要な機能が搭載されていない場合もある
給与計算ソフトはさまざまあり、どれも搭載されている機能は異なります。そのため、選ぶソフトによっては、必要な機能が搭載されていない場合があるというのがデメリットです。
ただし、このデメリットは正しい選び方をすれば回避できます。
給与計算ソフトを選ぶ前に、給与計算に関する課題を洗い出し、どのような業務負担を軽くしたいのかを把握しましょう。課題がはっきりしていれば、その課題を解決する機能を搭載しているソフトを選べます。
逆に、多機能すぎても使いこなせなければ意味がないので、必要な機能を把握して選ぶのが失敗しないコツです。
5-2. 想定以上の料金がかかる場合もある
使いたい給与計算ソフトのタイプによって、料金設定は変わります。例えば下記のようなものです。
- インストールタイプ:初期費用はかかるが、その後の料金は発生しない
- クラウドタイプ:月額制や従量制(社員の人数に応じて変わる)などが多い
これだけ見ると、初期費用しかかからないインストールタイプを選べばいいと思うかもしれません。しかし、インストールタイプは給与管理担当者それぞれの端末にソフトをインストールしなければならないため、利用人数によっては導入コストが高くなります。
また、ソフトのバージョンが同じでなければ、給与計算に誤差が出る可能性もあるので、バージョン管理やアップデートを正確におこなうことが求められます。
クラウド型はランニングコストがかかりますが、導入コストが少なく、アップデートも自動なので担当者の負担を減らすことが可能です。
いずれにしても、従業員の人数や端末の数によってコストは異なるので、給与計算ソフトを選ぶ際は、あらかじめ試算をしておくとよいでしょう。
6. 給与計算ソフト選定から導入までの流れ


選定から導入までどのような流れでどのくらいの期間かかるものなのか把握しましょう。
給与管理ソフトを利用するのは担当者だけでなく、従業員も含まれます。既存システムとの連携を考慮すると社内の情報システム担当者も重要な関係者になります。
導入する際の関係者が多い給与計算ソフトは、一度導入した後に気軽に変更することが難しいです。それなりの時間をかけて慎重に進めることをおすすめします。一般的な給与計算ソフト導入の流れと要する期間は以下のとおりです。
- ニーズの調査: 1週間〜2週間
- プロジェクト計画: 2週間〜4週間
- 給与計算ソフト選定: 2週間〜4週間
- スタマイズと設定: 4週間〜12週間
- データ移行と統合: 2週間〜8週間
- テストと従業員への周知・説明: 2週間〜4週間
- モニタリングと改善: 継続的に実施
設定で3ヶ月くらい目安
システム導入3ヶ月~
6-1. 【Step1】ニーズの調査: 1週間〜2週間
現状の給与計算業務プロセスの調査と分析、解決すべき課題を特定します。
給与計算ソフト開発元へのヒアリングや作成してもらった提案書の評価をおこない、どの給与管理ソフトを導入するか選定します。
6-2.【Step2】プロジェクト計画: 2週間〜4週間
導入の範囲や目標、予算、スケジュールを定義します。
プロジェクトチームの組織化や役割の割り当てましょう。
6-3. 【Step3】給与計算ソフト選定: 2週間〜4週間
まとめた要件や予算、スケジュールを元に、システム開発元へのヒアリングや提案書を作成してもらいます。作成してもらった提案書の評価をおこない、どの給与管理ソフトを導入するか選定します。
6-4. 【Step4】カスタマイズと設定: 4週間〜12週間
選定した給与計算ソフトを自社の体制に合わせる必要があります。
そのため、4週間から12週間を目安に、カスタマイズして自社の要件に合わせます。
6-5. 【Step5】データ移行と統合: 2週間
給与計算ソフトは他のシステムと連携することで、より業務がスムーズに進みます。
そのため、既存のデータの移行や他のシステムとのデータ統合を行います。
6-6. 【Step6】従業員への周知・説明: 2週間〜4週間
給与計算ソフトのテストとバグの修正を行います。
ソフトのテスト、バグを終えたら、従業員への管理画面の説明を実施しましょう。
修正)テストは6-4,6-5あたりで実施
6-7. 【Step7】導入と展開: 1週間〜2週間
給与管理ソフトを本番環境に導入し、給与計算担当者や従業員による実際の業務で使用を開始します。特に初回の給与振り込み時は正しく給与が振り込まれているか念入りに確認しましょう。従業員へ確認の協力を仰ぐのもひとつの手です。
6-8. 【Step8】モニタリングと改善: 継続的に実施
ソフトを導入してもより効率的に作業を進めるには、改善していく体制が必要です。
導入後は使用感をモニタリングし、必要に応じて改善をおこないます。
7. 給与計算ソフトを選ぶポイント


給与計算ソフトでできる作業は多岐にわたりますが、それぞれのソフトによって得意分野が異なります。操作が複雑でもサポートが充実しているもの、最低限の機能でとにかくコストが安いものなど現場のニーズに合わせて選びましょう。
7-1. 目的や希望に合っている
まず、「何のために」具体的には、「どのような機能を使って何がしたいのか」を明確にしておきます。また「のちのちカスタマイズしたいかどうか」も確認が必要です。さまざまな点を洗い出して、給与ソフトを選ぶための基準となる自社の要望を絞っておきましょう。
以下に、よく検討の際にあがる項目を記載したので参考にしてください。
7-2. 企業規模に合っている
給与計算ソフトは企業規模によって、適したソフトが異なります。具体的には次のようなポイントに応じて給与計算ソフトを選びましょう。
| 企業タイプ | ポイント | 重視すべき給与計算ソフトの機能 |
| 中小企業 | 給与計算業務の専任担当者がおらず、給与計算にかかる作業時間の削減や効率的な給与計算を実現したい | コスト効率の良いシンプルな給与計算ソフト |
| 成長中の企業 | 企業を成長させている期間中で、急激な従業員の増加など成長に対して柔軟に対応したい | 拡張性と適応力に優れ、自社で準備するものが少ない、クラウド型の給与計算ソフト |
| 多国籍企業 | 多くの国で事業を展開しており、本社で一括して給与の管理をおこないたい | カスタマイズ性や柔軟性が高く、多言語や国際的な法律・通貨にも対応している給与計算ソフト |
| 複雑な給与体系を持つ企業 | 複雑な手当や報奨金、勤務時間や勤務形態が様々な従業員を抱えており、一括して給与の管理をおこないたい | カスタマイズ性や柔軟性が高い給与計算ソフト |
7-3. 既存システムと連携できる
すでに勤怠管理システムなど、何かしらの人事労務業務に関するシステムを導入していて、今回あらたに給与計算ソフトの導入を検討している場合、今自社にあるシステムと連携できるのか、連携できるならどの程度連携できるのかを事前に確認しておきましょう。
特に念入りに確認しておきたいのは、勤怠管理システムです。勤怠管理データと給与計算ソフトの連携は、給与計算ソフトの肝の部分です。万が一導入後に連携できないことがわかった場合、給与計算業務の作業効率化は当初想定していたほど進まないかもしれません。
給与計算に必要なデータを取り扱う「既存システム」と連携できるかどうか、必ず確認しましょう。
7-4. セキュリティ対策
支給額も控除額も、どちらも重要な個人情報かつ内部情報です。よって情報漏洩がないよう、確実なセキュリティが必要となります。ログ解析やアクセス制限など、セキュリティの施策がどこまでおこなわれているか、確認しておきましょう。
7-5. 操作性
給与計算ソフトの中には、給与担当者だけでなく従業員側にもマイページというものが発行され、マイページを介してやり取りすることができるものもあります。
システム上で連絡出来るメリットの代わりに、従業員にはマイページの使い方を覚えてもらわなければなりません。
「どこに何があるかわかりにくい」「何度も操作が必要」など使いにくい・見にくい場合、社員が慣れるまでに時間がかかったり使われなくなったりするリスクも高いです。慣れるまでの時間が短く、確実に操作できる給与計算ソフトを選ぶとよいでしょう。
7-6. 予算とのバランス
選ぶ給与計算ソフトによってコストが変わります。月額が安くても続けたら負担になるかもしれません。初期費用は高くても、買い切りならコストは安く済む可能性もあります。また状況によっては追加費用がかかるかもしれません。
毎月なのか毎年なのか、最初なのか、どこにどのようなコストがかかるのか、試算と確認が必要です。
7-7. サポート体制
給与計算ソフトは導入の期間も重要ですが、運用時に実際に使ってみることで気づく不具合もあります。
導入時だけでなく導入後もサポートを受けられるのか、サポートの方法は電話なのかメールなのかチャットなのか対面なのか、サポートの範囲や対応してくれる時間帯を確認しておきましょう。
試用版や無料版の場合、サポートがついていない場合もあります。また、導入時のサポートは費用に組み込まれているが、運用時のサポートは別料金のような場合もあります。
8. 給与計算と勤怠管理を同時に効率化する方法


これまでも何度かお話しましたが、給与計算は勤怠の情報を元におこなわれます。そのため、勤怠管理システムと給与計算システムを結びつけて運用することで、多くのメリットがあります。
勤怠情報が給与計算ソフトウェアに自動的に取り込まれることで、正確な出勤日数や労働時間が給与計算に反映され、従業員に対する正確な給与が支給されます。この連携により手作業の入力や計算ミスが減少し、給与計算プロセスの効率が向上します。
さらには、勤怠情報と給与データの統合により、従業員の勤怠傾向や給与に関する分析が容易におこなえるため、活用方法によってはリソース管理の戦略検討や改善も可能になります。
このように、給与計算業務の時間短縮や正確性向上をはじめとするメリットをもたらすため、給与計算システムの導入を検討している方は、ぜひ勤怠管理システムの導入もご検討ください。
9. 給与計算ソフトで給与計算業務を効率化しよう


給与計算には多くの業務が存在するうえ、間違いがあってはなりません。給与計算ソフトを導入すれば、日々や毎月、毎年など定期的に行われる業務から突然生じた業務まで、効率化が可能になるでしょう。さらに、改正される法律や保険料の改定にもスムーズに対応可能です。
しかし、給与計算ソフト導入にあたっては必要な機能が搭載されていない可能性や、想定以上のコストがかかる可能性もあります。そのため、どのような機能が備わっているのか、導入~運用にどれだけの費用がかかるのかを確認しておきましょう。
また、自社が使用している各種システムと連携できるか、操作性に長けているか、セキュリティ、サポート体制が整っているかなども選定の際に考慮しましょう。



「給与計算が大変なのは当たり前」と思っていませんか?
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