タイムカードからICカード打刻による勤怠管理にかえるメリットとは?
更新日: 2025.9.29 公開日: 2021.9.8 jinjer Blog 編集部

従業員を働かせる企業には、正しく従業員の勤怠管理をすることで健康を管理し、適切な賃金を支払うことが求められています。勤怠管理にはさまざまな方法がありますが、手間を欠けずに正確な勤怠管理をおこなうためには、ICカードを使った勤怠管理がおすすめです。
この記事では、ICカードを用いた勤怠管理がおすすめの理由について紹介します。導入するシステムの選び方についても紹介するので、勤怠管理に課題を感じている企業はぜひ参考にしてみてください。
人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
さらに、働き方が多様化したことで管理すべき情報も多く、管理方法と集計にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな担当者の方には、集計を自動化できる勤怠システムの導入がおすすめです。
◆解決できること
- 打刻漏れや勤務状況をリアルタイムで確認可能、複雑な労働時間の集計を自動化
- 有給休暇の残日数を従業員自身でいつでも確認可能、台帳の管理が不要に
- PCやスマホ・タブレットなど選べる打刻方法で、直行直帰やリモートワークにも対応
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1. ICカードを活用した勤怠管理システム導入がおすすめの理由


勤怠管理の一般的な方法として、タイムカードの活用が挙げられます。タイムカードは、、従業員それぞれが自身のカードを専用の機器に通すことで出退勤時間が打刻されるしくみです。
ICカードも同様に、従業員が自身のICカードを専用の機械にかざすことで出退勤が打刻されます。一見違いがないように思える2つのシステムですが、ICカードの場合、タイムカードによる勤怠管理にはないメリットが挙げられます。
1-1. 勤怠管理と経費精算が同時におこなえる
ICカードを用いた勤怠管理のメリットは、さまざまな管理が同時におこなえる点です。導入するシステムによって可能かどうかは異なりますが、交通系のICカードを打刻に使うことで、「どれくらい交通費がかかったのか」を自動で精算できます。
こういった多機能なシステムを利用すれば、ICカードで打刻するだけで「勤怠管理」と「交通費精算」、「給与計算」を一気におこなえるようになります。従業員が立て替える経費をすべて交通系ICカードで支払うと経費精算も自動化されるため、経理部門の業務を大幅に軽減できるでしょう。
1-2. コストが削減できる
ICカードを使った勤怠管理は、コスト削減につながるというメリットもあります。従業員がもともと所有しているICカードを利用することができるため、企業側が新しくICカードを購入して貸与する必要はありません。
タイムカードで勤怠管理をおこなっている場合、従業員が入社するたびに新たにタイムカードを用意する必要があり、ランニングコストが発生していまいます。
ICカードでの勤怠管理は入社した従業員が使う交通系をはじめとしたICカードが流用可能なので、コストは発生しません。
また勤怠管理や経費精算、給与計算にかかる手間が大幅減り、人件費の削減効果も得られます。このように、ICカードでの勤怠管理はコスト面での恩恵が非常に大きいのです。
なお、自社で独自のICカードを自作する場合は、製作費用が発生してしまうため、コスト削減というメリットを享受できないかもしれません。
1-3. 使い方が簡単
使い方が簡単で誰でも利用できる点も、ICカードの特筆すべきメリットです。従来の勤怠管理では、従業員が自分で出勤時間や退勤時間を手打ちで入力しなくてはいけませんでした。決して難しい作業ではありませんが、毎日のこの作業を煩雑に感じる社員は少なくありません。
ICカードを勤怠管理であれば、カードをタッチするだけで打刻がおこなえます。1秒で打刻が終わりますし、わざわざ専用のシステムに勤務時間を打ち込む必要がなくなるため、従業員のストレスを大幅に軽減できます。
2. ICカードを打刻に使用するデメリット


ICカードを打刻に活用することで勤怠管理と経費精算が同時にできるなどのメリットがあります。しかし、ICカードを打刻に使用することは次のようなデメリットにつながりかねません。
- ICカードを紛失するリスクがある
- スキャナ導入にコストがかかる
- 従業員が打刻を忘れる可能性がある
2-1. ICカードを紛失するリスクがある
ICカードを打刻に活用していると、紛失のリスクがあります。タイムカードであれば社内で一括管理できます。一方、交通系ICカードで打刻可能な場合は、カードを管理するのは従業員です。そのため、従業員が自身のICカードを紛失してしまうかもしれません。
ICカードの再発行には時間を要するため、従業員の紛失防止策を考えておきましょう。
2-2. スキャナ導入にコストがかかる
ICカードで打刻するためには、専用のスキャナが必要です。ICカードでの打刻をスタートするためには、読み取り用のスキャナ導入のコストがかかってしまいます。しかし、スキャナ導入コストがICカード打刻によって削減できた人件費よりも多くなることはないでしょう。
2-3. 従業員が打刻を忘れる可能性がある
ICカードにしたからといって従業員の打刻忘れが解消されるわけではありません。ICカードで打刻をしている場合であっても、タイムカードと同じく、従業員が打刻を忘れる可能性があります。
そのため、ICカードを読み取るスキャナを分かりやすい場所に設置する、打刻を促すポスターを目につくとこに掲示するなどの対策を講じましょう。また、ICカードでの打刻のやり方がわからないと、従業員が打刻を疎かにしてしまうかもしれません。そのため、ICカードでの打刻のやり方を伝えることも大切です。
3. ICカードの種類


タイムカードシステムにおいてICカードを利用する場合、その読み取り・書き込み方法によって非接触型と接触型の2種類が用いられるのが一般的です。どちらのタイプを採用するかは、システムの利便性、コスト、セキュリティ要件によって選択されます。
3-1. 非接触型ICカード
非接触型ICカードは、カードリーダーに直接触れさせることなく、電波を介して従業員の出退勤時刻を記録するシステムです。SuicaやPASMOなどの交通系ICカード、Edyやnanacoなどの電子マネーカードと同様の技術が利用されています。
非接触型の場合、従業員はカードリーダーにカードをかざすだけで打刻が完了します。財布やパスケースに入れたままでも認識されるため、スムーズな打刻が可能です。
3-2. 接触型ICカード
接触型ICカードは、カードに設けられた金属端子(接触面)をタイムカードリーダーの端子に物理的に挿入または接触させることで、従業員の出退勤時刻を記録するシステムです。金融機関のキャッシュカードやクレジットカードのICチップと同様の技術が用いられます。
接触型ICカードは物理的な接触があるため、電波干渉などの影響を受けにくく、より安定したデータ通信が可能です。
4. ICカードでの打刻が適した企業


ICカードを使ったICカード式の打刻は多くの企業に適しています。そのなかでも次のような企業は、ICカード式への移行がおすすめです。
- 勤怠管理を簡素にしたい企業
- コスト削減をしたい企業
- ひとつのデバイスを共有している企業
4-1. 勤怠管理を簡素にしたい企業
ICカードを使った打刻にすることで、勤怠管理の簡素化が期待できます。タイムカードで打刻をしている場合、印字ミスや不明瞭な印字などで、集計業務が滞ってしまうかもしれません。また、従業員ごとの勤務時間をタイムカードを基に集計する作業は多くの時間を費やします。
一方、ICカードを使った勤怠管理であれば、勤務時間の集計、給与計算などにかかる作業を大幅に簡素化可能です。
4-2. コスト削減をしたい企業
コストを削減したい企業にもICカードでの打刻導入はおすすめです。交通系をはじめとしたICカードを打刻に活用すれば、企業はタイムカードを購入する必要はなくなります。また、先述のようにタイムカードで勤怠管理していたときよりも集計作業が減るため、人件費の削減にもつながります。
4-3. ひとつのデバイスを共有している企業
ICカードであればカードをスキャナにかざすだけで打刻が可能です。そのため、ひとつのタイムカード打刻機や打刻専用のパソコンを共有している企業におすすめです。ひとつの打刻機や打刻専用のパソコンを共有している場合、人が多いと打刻を後回しにしてしまうかもしれません。その結果、打刻漏れにつながってしまいます。
一方、ICカードであればかざすだけで打刻できるため、混雑している状況でもすっと打刻が可能です。
5. ICカードでの勤怠管理システムを導入する際のポイント


ICカードを使った勤怠管理システムを導入するときは、よりメリットを最大化するためにも2つのポイントに気をつける必要があります。ここでは、導入時に意識して欲しいポイントを見ていきましょう。
5-1. ICカードの種類の違いを理解しておく
ICカードには2つの種類があり、導入するカードリーダーによって対応している規格が異なるため注意が必要です。具体的に、ICカードは以下の2つに分類できます。
- FeliCa規格:交通系ICカード、nanaco、おサイフケータイ など
- MIFARE規格:taspo、社員証 など
FeliCa規格は通勤や日常生活でもよく利用されているため、社員がすでに所有しているというメリットがあります。FeliCa規格であれば、経費や交通費の精算も簡単におこなえます。対してMIFARE規格は価格が安価で導入しやすいため、ICカードでの勤怠管理システム導入にともなって社員証を配布したい場合は、こちらのほうが適しているでしょう。
どちらの規格を利用しても構いませんが、導入する規格に対応したカードリーダーを選ぶことが大切です。
5-2. 自社の課題を洗い出しておく
ICカードの勤怠管理を導入するときは、自社の課題を洗い出しておくことが大切です。
ICカードを使った勤怠管理システムには打刻や経費精算機能だけではなく、シフト管理機能や休日申請機能、年末調整機能など、さまざまな機能が搭載されています。せっかく勤怠管理の方法を見直すのであれば、今自社が抱えている課題を洗い出し、一緒に解決できる勤怠管理システムを選んだり、機能を追加したりすることがおすすめです。
前もって自社の課題に必要な機能をリストアップしておくと、今後の労務管理がグッと効率化されます。
6. ICカード勤怠管理システムの選び方


ICカードで勤怠管理をおこなう際は、どのシステムの選ぶかで使い勝手や業務の効率化度合いが異なってきます。最後に、ICカードを用いた勤怠管理システムの選び方について見ていきましょう。
6-1. セキュリティ対策が万全かどうか
勤怠管理をおこなうときは、セキュリティ対策を万全にしておく必要があります。ICカードにはクレジット機能や個人情報などが搭載されているため、こういった情報が漏れないように管理しましょう。
また、従業員の勤務時間に関するデータは、労働基準法109条によって5年間保存することが義務付けられています。外部からの攻撃でこういったデータを破損してしまうと、法令違反とみなされ30万円以下の罰則が課されてしまうため注意が必要です。
パスワードなどでデータを保存することはもちろんのこと、「プライバシーマーク」や「ISO27001」を取得しているシステムの導入を心がけましょう。
6-2. コストや手間の削減ができるかどうか
ICカードを用いた勤怠管理システム導入による最大のメリットは、コストや手間の削減ができる点です。しかし、企業によってはコストや手間が思ったよりも削減できず、逆効果になってしまうこともあるため注意しましょう。
例えば、カードリーダーを何台も設置しないといけない企業の場合、初期費用が高くなってしまいますし、運用費も高くつきます。だからといって台数を減らしてしまえば、朝の出勤ラッシュの時間に打刻渋滞が発生しかねません。
そのため「どれほど手間やコストが減るのか」については、しっかりと事前に検討する必要があります。無料試用期間がある勤怠管理システムであれば、費用対効果を確認してから安心して勤怠管理システムを導入できるでしょう。
6-3. サポート体制が充実しているかどうか
勤怠管理に関わるシステムの導入時は、サポート体制の充実度も確認しておいてください。もしも故障によって数日でも勤怠管理システムがストップしてしまえば、正確な勤務時間の把握ができなくなってしまいます。こういったときにすぐサポートしてくれる企業が提供する勤怠管理システムであれば、安心して利用できます。
導入時の初期サポートはもちろんのこと、導入後のトラブルに関するサポートも手厚い勤怠管理システムを選ぶことが大切です。こういったサポートが充実している会社は、導入時のヒアリングが丁寧で、雇用形態や就業規則に合った提案をしてくれます。
導入するシステムを選ぶときは、導入前の対応についてチェックし、導入後も手厚いサポートを受けられるかどうかを確認しておきましょう。
7. ICカードを使ったタイムカード式勤怠管理で経理業務を効率化しよう!


ICカードをかざすだけで打刻ができる勤怠管理は、企業にとって非常にメリットが多いシステムです。勤務時間の管理だけではなく経費精算や給与計算も一度におこなえるため、導入することで経理業の手間が大幅に削減できます。
ICカードを使った勤怠管理システム導入では自社の課題を解決できる多機能なシステムの活用がおすすめです。勤怠管理システム「ジンジャー」ではICカードでの打刻と一緒に交通費の申請をおこなうことも可能なので、企業における業務の効率化に役立ちます。ICカードを用いた勤怠管理システムの導入を検討している企業は、ぜひお気軽にご相談ください。
タイムカードの集計作業の効率化には様々な方法がございますので、気になる方はこちらの記事も併せてご覧ください。
関連記事:タイムカードで計算する簡単な方法は?電卓で集計する計算式も紹介



人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
さらに、働き方が多様化したことで管理すべき情報も多く、管理方法と集計にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな担当者の方には、集計を自動化できる勤怠システムの導入がおすすめです。
◆解決できること
- 打刻漏れや勤務状況をリアルタイムで確認可能、複雑な労働時間の集計を自動化
- 有給休暇の残日数を従業員自身でいつでも確認可能、台帳の管理が不要に
- PCやスマホ・タブレットなど選べる打刻方法で、直行直帰やリモートワークにも対応
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