業務フローとは?わかりやすい書き方のルールや手順、作成ポイントを紹介
更新日: 2026.7.31 公開日: 2024.4.23 jinjer Blog 編集部

業務フローは、一連の作業手順や各担当者の役割を図形を用いて視覚的にわかりやすく可視化したものです。作成すれば、業務のボトルネックを発見しやすくなり、効率的な業務改善へとつなげられます。
本記事では、業務フローを作成する目的やメリット、初心者でも迷わず書ける基本的なルールや手順を解説します。さらに、作成時に意識すべきポイントやおすすめのツールも紹介します。
目次
- 「承認者が出張/直行/休暇などの不在で稟議が止まってしまう…」
- 「期日のある申請の進捗状況に関する問い合わせ対応に追われている…」
- 「稟議承認のためだけに出社するのはもうやめたい…」
このような課題は、ワークフローの見直しで解決できるかもしれません。本資料では、紙やExcelでの申請・承認業務が抱える課題と、システム化によって得られる解決策をわかりやすく解説しています。
◆この資料でわかること
- 自社の運用に合わせた承認ルートの組み方(直線・並列・条件分岐など)
- 導入で失敗しないためのシステム選定・運用のポイント
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1. 業務フローとは


業務フローとは、業務の流れを図形を用いて可視化したフローチャートです。「だれが」「いつ」「どのような業務を」といった業務の各行程を図形や矢印を用いて表現します。
業務フローは大規模なプロジェクトや業務の引き継ぎ、業務改善をする際に作成されることが一般的です。シンプルなフォーマットであるため、業務マニュアルや引継ぎ書に添付することで業務が理解しやすくなるでしょう。
1-1. 業務フローの目的・役割
業務フローを作成する主な目的は、業務内容を可視化し、誰でも同じ手順で業務を遂行できる環境を整えることです。
業務フローを整理すれば、各作業の内容や担当範囲が明確になり、業務の属人化や担当者間の認識の違いを防止できます。その結果、新入社員への教育や業務の引き継ぎも円滑に進められます。
また、業務フロー図により関係者が業務全体の流れを共通認識として把握できるので、部門間や担当者間の連携強化にもつながるでしょう。
さらに、業務プロセスを客観的に分析できるため、無駄な作業やボトルネックを発見しやすくなります。こうした課題を改善すれば、業務効率の向上や品質の安定化を効率よく実現できるでしょう。
1-2. 業務フローとワークフローの違い
業務フローとワークフローは似た言葉ですが、次のように対象とする範囲に違いがあります。
- 業務フロー:業務全体の流れや関係者の役割を整理したもの
- ワークフロー:特定の業務や手続きの具体的な作業手順を示したもの
例えば、経費精算業務の場合、申請から支払いまでの業務全体を示したものが業務フローです。一方で、「従業員が申請し、上司が承認し、経理部が処理する」といった承認手続きの流れを示したものがワークフローとなります。
つまり、業務フローは業務全体を把握するためのもの、ワークフローは特定の業務を効率的に進めるための具体的な手順やルールを示すものといえます。
業務改善を進める際は、まず業務フローで全体像を把握し、その後ワークフローを見直すことで、より効果的な改善につなげられるでしょう。
関連記事:ワークフローとは?意味や作り方・システムの比較方法も解説
業務フローの作成は単なる図表作成に留まらず、生産性向上のための具体的な第一歩です。
2. 業務フローの書き方の基本ルール・凡例


業務フローの書き方の基本的なルールは次の3つです。
- フローに関わる人を列で表記する
- 図形を使って業務プロセスを記述する
- 業務の流れを左右・上下で表す
ただし、職場の運用ルールや使用するツールによって、記載方法や細かな表現ルールが異なる場合があります。あくまでも基本的なルールとして理解してください。
2-1. フローに関わる人を列(スイムレーン)で記述する


まずは業務フローに関わる人を列で表記します。「だれが業務を担当するのか」という視点で関係者を洗い出し、担当範囲を明確にしましょう。
このように担当者や組織ごとに区切って業務の流れを表す形式は、プールのレーンに似ていることから「スイムレーン」とよばれます。
レーンには個人名だけでなく、部署名や担当業務など、実際の運用に合わせて記載すると、責任範囲や業務の流れを把握しやすくなります。
2-2. 図形や記号を使って業務プロセスを記述する
次に、複数の図形を使って業務プロセスを記述します。業務フローで使われる代表的な図形は次のとおりです。
開始・終了


業務の開始・終了で使われる図形です。
何をきっかけに業務が始まり、そして終わるのかを記述します。
プロセス・処理


作業や処理の内容を表す図形です。業務の流れを整理しやすくするため、作業内容を適切な単位で分割して記載します。
後から確認する人が内容を把握しやすいように、基本的には1つの作業を1つの図形で表すことを意識しましょう。
判断


フローの中で、特定の条件によって処理の進行方向が分かれる場合に使用する図形です。
図形内に分岐する条件を記載し、各方向へ条件に応じた矢印をつなげて表します。
データベース・システム図


データの入力・保存・参照や、利用するシステムを表す場合に使用します。
内部にはどのような情報が保存されているのかがわかるように記述します。
矢印


作業や処理の順序、業務の流れを表す線です。各工程をつなぎ、業務がどのように進むのかを示します。
2-3. いつどのような業務なのか流れを左右・上下で表す


これまで説明した図形を用いて、業務の流れをスイムレーンに記述します。人から人へと引き継がれる業務は左から右、同じ人で業務が続く場合には上から下へ記述することが基本です。
もちろん業務が複雑になってくると、これらのルールに当てはまらない場合も出てくるでしょう。事前に社内でルールを決めておき、共通の記法で記述しておくことが、見やすい業務フローを書くポイントです。
3. 業務フローを作成する際の基本的な手順


業務フローを作成する際は、まず業務の全体像を整理し、その後に具体的な作業手順や担当者を明確にしていくことが重要です。次の流れで進めると、誰が見ても理解しやすい業務フローを作成できます。
3-1. 業務フロー作成の目的と要件を整理する
まず、業務フローを作成する目的を明確にすることが重要です。目的によって、どの視点で業務を整理するべきか、必要となる情報の細かさが変わるためです。
例えば、次のように目的ごとに求められる内容は変わります。
| 目的の具体例 | 求められる内容 |
| 業務の引き継ぎ | 後任者が業務手順を正しく理解できるよう、作業内容や判断基準、注意点まで具体的に記載する |
| 新人教育 | 新人が業務の流れや担当者ごとの役割をわかりやすく整理し、教育資料として活用できる内容にする |
| 業務改善 | 経営層が業務全体の流れやボトルネックを把握できるよう、工程間のつながりや課題を可視化する |
また、作成前には要件を明確にしておくことも重要です。業務全体を対象とするのか、特定の業務や一部の工程のみを対象とするのかによって、フローの構成や必要な情報は変わります。
業務フローは作成すること自体が目的になってしまい、完成後に活用されないケースも少なくありません。あらかじめ目的や要件を明確にすれば、実際の業務に役立つ、実用性の高い業務フローを作成できます。
3-2. 業務に関わる人物を整理する
次に、業務フローのスイムレーンに記載する担当者や部署を整理します。業務フローを作成する際は「誰が」「どの業務を担当するのか」を明確にすることが重要です。
また、業務に関わるのは社内の担当者だけとは限りません。例えば、社外の取引先や委託先が業務の一部を担っている場合は、それらも含めて記載します。
関係者や役割を明確にすれば、業務の責任範囲や引き継ぎのポイントが把握しやすくなります。
3-3. 業務内容や作業手順を洗い出す
対象業務でおこなわれている作業を、実際の業務の流れに沿って整理します。まずは、通常時に発生する標準的な業務プロセスを洗い出すことが重要です。
そのうえで、差し戻しやシステムエラーが発生した場合、顧客から個別対応を求められた場合など、通常とは異なる対応パターンがないかを確認します。
標準的な業務の流れを整理してから例外ケースを洗い出せば、作業の抜け漏れを防ぎ、実際の運用に即した業務フローを効率よく作成できます。
3-4. 業務の流れを時系列で可視化する
洗い出した内容を、開始から終了までの流れに沿って図式化します。担当者ごとの役割や作業の分岐などを意識しながら、業務全体のプロセスを可視化しましょう。
ポイントは「いつ」「どのような条件で」「誰が」「どのような作業をおこなうのか」を具体的に整理し、実際の業務の流れが把握できるようにすることです。
3-5. 業務フローをもとにマニュアルや手順書を整備する
完成した業務フローは、実際に業務マニュアルや手順書に反映させましょう。
業務フローで全体の流れを可視化し、マニュアルで作業内容や注意点を補足すれば、担当者が変わっても業務品質を維持しながら業務を進めやすくなります。
また、業務改善や組織変更などが発生した際には、業務フローとマニュアルをあわせて見直し、常に最新の情報に更新しておくことが大切です。
4. 業務フローを作成する際に意識すべきポイント


業務フローは、作成するだけでは十分な効果を発揮できません。実際の業務で活用し、関係者が正しく理解・運用できる状態を整えることが重要です。
ここでは、業務フローを導入する際に押さえておきたいポイントを紹介します。
4-1. 表現ルールを統一する
業務フローを作成する際は、あらかじめ表記ルールを定めて関係者へ共有しておくことが重要です。次のような項目についてルールを決めておくとよいでしょう。
- 業務フローのフォーマット
- 使用する記号や表現方法
- 記載する業務内容の粒度
例えば「依頼」と「申請」のように似た意味で使われる言葉でも、同じ資料内で異なる表現を使用すると、読み手が混乱する可能性があります。そのため、用語や表現はあらかじめ統一しておくことが大切です。
特に、業務の粒度は業務フローのわかりやすさを左右する重要なポイントです。細かすぎると複雑になり、粗すぎると業務内容がわかりにくくなるので、目的に応じた適切な粒度で整理しましょう。
4-2. 最初は全体像の可視化を優先する
業務フローを作成する際は、最初から細かな作業手順まで盛り込もうとせず、まずは業務全体の流れを把握できるレベルで整理することが重要です。
初めから詳細な内容を盛り込もうとすると、作成に多くの時間や手間がかかります。また、情報量が増えすぎて全体像を把握しにくい業務フローになる可能性があります。
そのため、まずは業務の開始から終了までの大まかな流れを整理し、利用目的に応じて必要な部分から段階的に詳細化していくとよいでしょう。
全体像を整理した後は、担当者へのヒアリングや既存マニュアルの確認をおこなうこともポイントです。各工程の例外対応や他部署との連携ポイントなどを補足していくことで、実態に即した業務フローを作成できます。
4-3. 業務の開始・終了をわかりやすくする
業務フローを作成する際は、業務の開始地点と終了地点を明確にすることが重要です。これにより、業務の範囲が明確になり、関係者が共通認識を持って全体の流れを把握しやすくなります。
また、開始条件や終了条件が複数存在する場合は、分岐条件を整理して明確に表現することも大切です。条件が曖昧なままだと、担当者ごとに判断が異なったり、不要な確認作業が発生したりするおそれがあります。
そのため「どのような条件で業務が開始するのか」「どの状態になれば完了となるのか」を明確に定義したうえで業務フローに反映することがポイントです。
4-4. 業務全体が把握できるように1枚にまとめる
業務フローは、業務全体の流れを把握できるよう、できる限り1枚にまとめて一目で理解できる形に整理することが重要です。
複数ページに分かれると、工程同士のつながりが把握しにくくなり、業務フローによる可視化の効果が十分に発揮されません。
業務が複雑な場合は「開始・終了点を設定して分割する」「業務の粒度を下げて簡略化する」などの工夫が必要です。また、印刷して使用する場合は、用紙サイズや文字の大きさにも配慮し、見やすいレイアウトに整えることが大切です。
4-5. 変更した箇所は判別しやすいように記載する
業務フローは一度作成したら終わりではなく、業務内容や組織体制の変化に合わせて継続的に更新する必要があります。その際、変更箇所を誰が見ても把握できるように明確に記載することが重要です。
変更箇所にはマーカーや注釈を付けるなど、視覚的にわかりやすく示す工夫をするとよいでしょう。
また、変更内容や影響範囲を共有すれば、関係者間の認識を統一でき、業務への反映もスムーズになります。最新の業務フローを正しく把握できる環境を整えることで、ミスの防止や業務効率の向上につながります。
5. 業務フロー作成に役立つツール


業務フローを作成する際は、目的や業務内容に適したツールを選定することで、作業手順を整理しやすくなり、関係者間での共有や業務改善にも活用できます。
作成後の運用方法や必要な機能を踏まえ、自社の業務特性に適したツールを選ぶことが重要です。
5-1. エクセルやパワーポイント
Excel(エクセル)やPowerPoint(パワポ)は、多くの企業で日常的に利用されているため、業務フローの作成にも取り入れやすいツールです。
エクセルでは、表形式で担当者や作業内容を整理できるので、業務手順の一覧化や管理表としての活用に適しています。既存の業務データと組み合わせて管理できる点もメリットです。
一方、パワポは図形やレイアウト機能が充実しており、矢印やフロー図を使って業務の流れを視覚的に表現できます。そのため、関係者への共有や説明用の資料としても活用しやすいでしょう。
ただし、分岐が多い複雑な業務や、大規模なプロセスを継続的に管理する場合は、更新作業やバージョン管理が難しくなることがあります。
そのため、業務の規模や目的に応じて、専用の業務フロー作成ツールと使い分けることが重要です。
5-2. フローチャート作成ツール
フローチャート作成ツールは、業務の流れを視覚的に整理し、図式化することに特化したツールです。
あらかじめ用意された図形やテンプレートを活用できるため、専門的な知識がなくても効率的に業務フローを作成できます。また、複数人による同時編集やリアルタイム共有に対応したツールも多くあります。
近年では、AIを活用して業務フロー作成を支援するツールも増えています。業務内容を文章で入力するだけでフローチャートの下書きを自動生成できるので、作成にかかる時間や負担の削減が期待できるでしょう。
さらに、業務上の問題点を分析したり、改善案を提案したりする機能を搭載したツールもあり、単なる可視化だけでなく業務改善の手段としても活用されています。
6. 業務フローを活用して生産性の向上につなげよう


業務フローは仕事の流れを可視化し、属人化の解消や業務効率化を実現する重要なツールです。作成時は目的を明確にし、標準プロセスだけでなくイレギュラー対応も洗い出すことで抜け漏れを防げます。
また、表記ルールの統一や、最初は全体像の把握を優先して段階的に詳細化していくことが、実用的なフローを作るポイントです。本記事を参考に業務フローを整備し、組織全体の生産性向上へつなげましょう。



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