育児休業とは?2025年法改正や男性育休の手続きなど最新トピックスを解説
更新日: 2026.2.26 公開日: 2022.9.12 (特定社会保険労務士)

仕事と育児の両立を図るために、育児休業制度が法律で定められています。一定の条件を満たす従業員が申し出た場合、企業は休業を認める義務があります。近年は男性の取得促進や柔軟な働き方の実現などを目的に、制度改正が続いており、最新の情報を正しく理解しておくことが重要です。
この記事では、育児休業とほかの制度との違い、対象者や給付金の仕組み、男性の育休取得の動向、最新の法改正ポイントまでわかりやすく解説します。制度を正しく知り、従業員が育児に専念できる環境づくりに役立てましょう。
目次
育児・介護休業に関する法改正が2025年4月と10月の2段階で施行されました。特に、育休取得率の公表義務拡大など、担当者が押さえておくべきポイントは多岐にわたります。
本資料では、最新の法改正にスムーズに対応するための実務ポイントを網羅的に解説します。
◆この資料でわかること
- 育児・介護休業法の基本と最新の法改正について
- 給付金・社会保険料の申請手続きと注意点
- 法律で義務付けられた従業員への個別周知・意向確認の進め方
- 子の看護休暇や時短勤務など、各種両立支援制度の概要
2025年10月施行の改正内容も詳しく解説しています。「このケース、どう対応すれば?」といった実務のお悩みをお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. 育児休業制度とは?


育児休業制度とは、労働者が子どもを養育するために一定期間仕事を休むことを、育児・介護休業法に基づいて保障した制度です。育児・介護休業法の正式名称は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」といい、育児や家族の介護を理由に仕事を辞めることなく、安心して働き続けられるよう支援することを目的としています。
育児休業は、原則として子どもが1歳になるまで取得でき、保育所に入所できないなど条件を満たす場合には、最長2歳まで延長することが可能です。
育児休業期間中は、一定の要件を満たすことで雇用保険から育児休業給付金が支給されます。休業を認めるだけでなく、収入面からも仕事と育児の両立を後押しする点がこの制度の特徴です。
ここでは、現状の育児休業取得率の課題や近年の法改正について解説します。
関連記事:育児介護休業法とは?制度と最新法改正、企業の対応方法を簡単にわかりやすく解説
1-1. 男女別の育児休業取得率の現状と課題
厚生労働省が実施する「雇用均等基本調査」によると、令和5年度の育児休業取得率は、女性が84.1%であるのに対し、男性は約30.1%にとどまっています。男性の取得率は年々上昇しているものの、男女間には依然として大きな差があるのが実情です。
さらに取得期間に目を向けると、女性は約7割が1年前後の育児休業を取得している一方、男性は約7割が3ヶ月未満と、取得しても短期間にとどまる傾向が強くみられます。制度としては利用できる状態であっても、職場の雰囲気や業務体制、評価への影響に不安を感じ、十分に活用できていないケースが少なくありません。
こうした状況は、育児の負担が一方に偏りやすい構造を生み、女性のキャリア継続や企業の人材定着にも影響します。そのため近年、国は男性の育児休業取得を社会全体で取り組むべき課題として位置づけ、制度面からの後押しを強めています。
参考:令和5年度育児休業取得率の調査結果公表、改正育児・介護休業法等の概要について|厚生労働省
1-2. 育児休業法は2025年に法改正へ
前述のとおり、育児休業制度は整備が進む一方で、男女間の取得率や取得期間の差、制度が十分に活用されていない実態が課題とされてきました。こうした状況を受け、育児・介護休業法が2025年に改正され、育児休業をより実効性のある制度とするための見直しがおこなわれています。
2025年の法改正では、男性の育児休業取得状況の公表義務の拡大や、子の年齢に応じた柔軟な働き方の選択肢の拡充などが盛り込まれており、「制度はあるが使いにくい」状態からの脱却が図られています。
2025年の育児・介護関連の法改正のポイントはほかにもあります。具体的な改正内容や、企業が実務上対応すべきポイントは次の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
関連記事:2025年の育児・介護休業法改正のポイントは?2025年4月・10月の施行内容と企業の対応をわかりやすく解説
関連記事:【2025年4月・10月施行】育児介護休業法の改正内容は?就業規則や手当への影響を解説
2. さまざまな育児関連制度との違い


ここでは、実務上とくに混同されやすい制度を取り上げて、「育児休業と何が違うのか」という視点から整理します。
2-1. 育児休暇
「育児休暇」は、企業が独自に設ける任意の休暇制度です。法律で定められた制度ではなく、導入の有無や取得条件、期間、賃金の扱いは企業ごとに異なります。
一方、育児休業は育児・介護休業法に基づく法定制度であり、原則として子どもが1歳になるまで取得でき、一定の要件を満たせば育児休業給付金が支給される点が大きな特徴です。育児休暇にはこうした法的な保障や給付はありません。
なお、一般的に使われる「育休」という言葉は、多くの場合「育児休業」を指しています。
関連記事:育児休暇とは?制度概要や育児休業との違い、期間・対象者をわかりやすく解説
関連記事:【2025年4月・10月施行】育児休暇に関する法律が改正!就業規則や手当への影響を解説
2-2. 産休(産前・産後休業)
産休(産前・産後休業)は、労働基準法に基づく制度で、出産前後の母体保護を目的としています。女性のみが取得でき、出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から出産後8週間までが対象期間です。
産前休業は本人の請求によって付与されますが、産後休業は本人の希望にかかわらず、産後の母体保護のため、企業が必ず休業させなければなりません。ただし、産後6週間を過ぎて本人が希望し、医師から許可が出た場合に限り、8週間を待たずに復職することも可能です。
これに対し、育児休業は育児・介護休業法に基づく制度で、男女問わず取得でき、子どもを養育するための休業である点が大きな違いです。
関連記事:産休はいつからとれる?期間や育休制度との違い、給与計算・手当について解説
2-3. 産後パパ育休
産後パパ育休(出生時育児休業)は、2022年10月に創設された制度で、子どもの出生後8週間以内に最大4週間まで取得できます。
2回まで分割取得が可能で、労使協定を締結していれば休業中に一部就業できるなど、柔軟な取得スケジュールを組めるのが特徴です。また、通常の育児休業とは別枠で取得できるため、産後パパ育休の後に育児休業を取得することもできます。
いずれも子どもを養育することを目的とした休業ですが、産後パパ育休は男性の育児参画を促進することに特化した制度という点が、通常の育児休業との大きな違いです。
関連記事:産後パパ育休とは?育児休暇との違いや手続きのポイントを解説
2-4. パパ・ママ育休プラス
パパ・ママ育休プラスとは、父母の双方が育児休業を取得する場合に利用できる制度です。育児休業の取得可能期間を原則の「子どもが1歳になるまで」から、「子どもが1歳2ヵ月になるまで」に延長できます。
ただし、1人あたりの育児休業期間(産後休業を含め最長1年間)が延びるわけではなく、取得時期をずらすことで夫婦全体の育休期間を長くできる仕組みです。例えば、次のようなパターンで活用できます。
パパ・ママ育休プラスは、「夫婦で分担して育休を取得したい場合」に活用される制度といえるでしょう。
2-5. 子の看護等休暇
子の看護等休暇は、小学校3年生修了までの子どもを育てる従業員が、次のケースに該当した場合に年5日(子どもが2人以上の場合は年10日)まで取得できる休暇制度です。
- 病気、けがをした子の看護
- 子の予防接種・健康診断
- 感染症に伴う学級閉鎖等になった子の世話
- 子の入園式、卒園式、入学式の参列
育児休業のように長期間休む制度ではなく、短期間・突発的な対応を想定した休暇である点が特徴です。
関連記事:看護休暇とは?企業側のメリットや運用時の注意点を解説
3. 育児休業の対象者


育児休業を取得できる対象者の条件や、対象外となるケースについて解説します。育児休業は以前より利用しやすくなってきていますが、一部は取得対象外となる場合もあるため、注意しておきましょう。
3-1. 対象者になる条件
育児休業を取得できる対象者は、原則として1歳未満の子どもを養育している従業員で、男女問わず取得できます。
【有期雇用労働者の取得要件】
子が1歳6ヵ月に達する日までに、労働契約の期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと
※以前は、「同じ企業に1年以上雇用されていること」も条件でしたが、2022年4月の改正により要件緩和され、廃止されました。
【育児休業の対象となる子】
原則として1歳に満たない次に該当する子(要件を満たせば最長2歳まで取得可能)
- 実子・法的に認められた養子
- 未成年後見人が養育している子
- 特別養子縁組等の関係にある子
- 事実婚の妻の子
これらの子供が実際に労働者と同居していることが前提です。同居していない場合や、短期間だけの預かりの場合は対象外となります。
3-2. 労使協定により対象外になるケース
労使協定で条件を定めている場合、該当する労働者は取得対象外とすることもできます。
【労使協定による除外対象】
- 雇用期間が1年未満
- 申出の日から1年(1歳以降の休業の場合は6ヵ月)以内に雇用関係が終了
- 週の所定労働日数が2日以下
従業員から育児休業の申し出があった際には、労使協定の除外規定に該当しないかを必ず確認しましょう。
4. 育児休業の取得期間と申請期限


育児休業は、子どもの年齢によって取得できる期間が限定されています。また、申請期限も定められているため、しっかりとルールを把握しておきましょう。
4-1. 取得期間と期間の延長方法
育児休業は、原則として「子どもが1歳になるまで」取得できます。一括での取得のほか、2回までの分割取得も可能です。
育児休業満了の時点で、保育所への入所を希望しているが保育所に入所できない等の特別の事情がある場合、「1歳6ヵ月になるまで」延長できます。さらに、1歳6ヵ月の時点でも保育所に入所できない場合、「最長で2歳になるまで」延長が可能です。
関連記事:育児休業は延長できる?延長ができる条件や期間、申請方法を徹底解説
4-2. 育児休業の申請期限
育児休業の申請期限は、子どもの年齢によって次のように定められています。
|
子どもの年齢 |
申請期限 |
|
1歳まで |
休業開始予定日の1ヵ月前まで |
|
1歳から1歳6ヵ月まで |
休業開始予定日の2週間前まで |
|
1歳6ヵ月から2歳まで |
期限は人事担当者が把握しておくだけでなく、取得予定の従業員にも事前に伝えておきましょう。
なお、育児休業期間中の社会保険料免除を申請する場合は、育児休業期間中または終了後1ヵ月以内に日本年金機構への手続きが必要です。漏れがないよう、育児休業が開始したら早めに対応するようにしましょう。
5. 育児休業中の給与の扱いと育児休業給付金
育児休業を取得する従業員にとって、休業中の収入は大きな関心事です。従業員から質問された際、正確に答えられるよう、給与の取り扱いと育児休業給付金の支給条件・計算方法を確認しておきましょう。
関連記事:育児休業給付金とは?支給条件や申請手続き、計算方法を解説!
5-1. 育児休業給付金の支給条件
育児休業期間中は、原則として企業が給与を支払う必要はありません。ただし、企業が社内規定によって、独自に有給扱いや一部給与を支給することも可能です。
そのため、実務上は「給与の有無」と「育児休業給付金」は分けて説明することが重要です。
育児休業給付金は雇用保険から支給される給付です。次の条件をすべて満たすことで、支給されます。
- 雇用保険の被保険者であること
- 子どもが1歳(一定の条件で最長2歳)になるまでの間に育児休業を取得していること
- 育児休業開始日前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金支払基礎時間数が80時間以上の)完全月が12ヵ月以上あること
- 就業日数が1ヵ月につき10日以下、または就業時間が80時間以下であること
- 育児休業期間中に、休業開始前の賃金の80%以上の賃金が支払われていないこと
- 有期雇用労働者の場合、養育する子が1歳6ヵ月に達する日までに、労働契約の期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと
条件を満たしていない場合、申請をおこなっても給付を受けられません。取得予定の従業員には事前に支給要件を確認し、誤解のないよう周知しておくことが大切です。
5-2. 育児休業給付金の計算方法
育児休業給付金は、休業開始時の賃金を基準に次の計算式で算出されます。
育休開始後180日(約6ヵ月)目まで:休業開始時賃金日額×支給日数×67%
育休開始後181日(約7ヵ月)目以降:休業開始時賃金日額×支給日数×50%
なお、「休業開始時賃金日額」は、育児休業開始前の直近6ヵ月間に支払われた賃金の総額を180日で割った金額です。
育児休業給付金を受け取るには、休業開始日前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上の月が12ヵ月以上あるなど、一定の支給要件を満たす必要があります。
6. 【人事の実務】育児休業取得手続きの流れ


育児休業を円滑に取得してもらうためには、企業として手続き方法や流れを正しく理解しておくことが必要です。ここでは、育児休業の申し出から終了までの基本的なフローを解説します。
6-1. 育児休業の申し出を受けて必要書類の提出を依頼する
まずは、従業員本人からの育児休業の申し出を受けます。2022年4月からは、妊娠・出産予定の申し出があった従業員に対して、企業が育児休業制度の説明や取得の意向確認をおこなうことが義務化されました。制度内容をきちんと説明し、取得希望の有無を確認しましょう。
育児休業の申し出を受けたら、従業員に書面で「育児休業申出書」を提出してもらいましょう。法律で定められたフォーマットはないため、企業が任意で作成できますが、次の項目を盛り込むと実務上わかりやすくなります。
【申出書に必要な基本項目】
- 申出年月日
- 従業員本人の氏名
- 子どもの氏名、カナ、生年月日、性別、続柄(出産前の場合は、予定情報)
- 育児休業開始日、育児休業終了日
あわせて、「母子手帳コピー(子どもの氏名記載がある市町村認定のページ)」「育児休業給付金を受け取る振込先銀行口座情報」が必要なことを伝えておきましょう。
6-2. 社会保険料免除の手続きをおこなう
育児休業中は、健康保険料・介護保険料と厚生年金保険料が本人負担分・企業負担分ともに免除されます。
従業員から免除の申し出を受けたら、「育児休業等取得者申出書」を日本年金機構へ提出します。育児休業を延長した場合は、延長のたびに手続きをおこなわなければなりません。
また、予定より早く育児休業が終了した際は、「育児休業等取得者終了届」を提出する必要があるため、忘れないようにしましょう。
関連記事:育児休業中の社会保険料はいつまで免除される?免除期間や申請方法を解説
6-3. 育児休業給付金の手続きをおこなう
育児休業が開始したら、ハローワークに育児休業給付金の申請をおこないましょう。初回は、育児休業開始から2ヵ月経過後に、受給資格確認と同時に申請することが多く、その後は2ヵ月ごとに「育児休業給付金支給申請書」を提出します。
申請に必要な書類は次のとおりです。
【申出に必要な書類一覧】
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書(初回)
- 育児休業給付受給資格確認票(初回)
- 育児休業給付金支給申請書
- 賃金台帳、出勤簿、育児休業申出書など
- 母子手帳コピー(初回)
支給が決定すると、ハローワークから「育児休業給付金支給決定通知書」が交付されるため、従業員に渡しましょう。期限内に申請しないと不支給となる場合があるため、申請スケジュールを従業員と共有し、漏れなく対応することが重要です。
関連記事:育児休業給付金支給申請書とは?書き方や申請手続きの方法を解説
6-4. 育児休業の延長可否の確認と案内をする(子が保育園に入れない場合)
育児休業は原則として子どもが1歳になるまでです。しかし、保育所に入所できないなどの事情がある場合は2回の延長ができます。
- 第一次延長:1歳6ヵ月まで(1歳時点で入所できない場合)
- 第二次延長:2歳まで(1歳6ヵ月時点で入所できない場合)
2025年4月からは延長時の審査が厳格化され、従業員には次の3つの書類を準備してもらう必要があるようになりました。
【延長時審査に必要な書類】
- 育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書
- 市区町村に保育所等の利用申し込みをおこなったときの申込書の写し
- 市区町村が発行する保留通知書(改正前と同様)
企業はこれらの書類を受け取り、延長申請のタイミングで「育児休業給付金支給申請書」に添付して申請します。3つの書類が揃わない場合は給付金を受けられなくなるため、従業員には事前に十分な案内と確認をおこないましょう。
7. 男性(父親・夫)の育児休業の最新動向


ここまで、育児休業制度の基本や給付金、取得手続きといった制度の全体像と実務対応を解説してきました。近年、こうした制度の中でも特に注目を集めているのが、男性の育児休業です。
共働き世帯の増加や価値観の変化を背景に、家事・育児を夫婦で分担することが社会的に求められるようになり、育児休業を「女性だけが取るもの」から「男性も取るのが当たり前」とする考え方へと転換が進んでいます。こうした流れを受けて、国も男性育休の取得促進を重要課題と位置づけ、法改正による後押しを強めています。
具体的には、産後パパ育休(出生時育児休業)の創設や、男性の育児休業取得状況の公表、数値目標の設定が企業に義務付けられました。また、意識改革を目的とした啓発プロジェクトの開始など、制度面・意識面の両面から取得を促す取り組みが進められています。
そこで、男性育休をめぐる最新の動向について、実務に関わるポイントを中心に解説します。
7-1. 男性の育児休業等の取得状況の公表が義務化
2023年4月から、従業員数が1,000人を超える企業には、男性の育児休業取得状況の公表が義務づけられました。さらに2025年4月からは、この義務が従業員数300人を超える企業まで拡大されています。
対象となる企業は、男性の育児休業等の取得率を年1回公表しなければいけません。公表によって企業の取り組み状況が可視化され、男性が育児休業を取得しやすい職場環境づくりにつながることが期待されています。
実際に、厚生労働省の「雇用均等基本調査」によると、令和5年度の男性の育児休業取得率は前年度の17.13%から30.1%へと上昇しました。
7-2. 男性の育児休業等の取得状況の数値目標設定が義務化
2025年4月から、次世代育成支援対策推進法の改正により、従業員数101人以上の企業では、一般事業主行動計画策定時に次の2点の目標を明記することが義務づけられました。
- 男性労働者の「育児休業等取得率」または「育児休業等及び育児目的休暇の取得率」
- フルタイム労働者1人あたりの時間外労働および休日労働の合計時間数
参考:次世代育成支援対策推進法の改正に伴い、くるみん認定、プラチナくるみん認定の認定基準等が改正されます|厚生労働省
2025年4月にjinjerが実施したアンケート調査では、すでに30.5%の企業が数値目標の設定に対応済みで、現在目標の設定に向けて進めている企業が34.4%との結果でした。同時に、「義務化を知らなかった」と回答した企業も16.3%ありました。


未対応の企業には、厚生労働省から数値目標の公表を求めて勧告される可能性があるため、早めの対応が必要です。
7-3. 共育(トモイク)プロジェクトが2025年7月から開始
2025年7月から、厚生労働省による「共育(トモイク)プロジェクト」が開始されました。このプロジェクトは、男女ともに育児を主体的に担う「共育」文化を社会全体に広めることを目的とした啓発事業です。
主な取り組みとしては、次の内容が予定されています。
- 企業向けセミナー・シンポジウムの実施
- 企業版両親学級の取得促進
- 若年層向け意識調査・結果発表記者会見の実施
- 個人・若年層向けオンラインセミナーの実施
- 「共育の推進」に向けたコンテンツの発信
8. 育児休業の普及に向けて企業が取り組むこと


育児休業制度を形だけ整えても、従業員が利用しにくい環境では効果を十分に発揮できません。企業が積極的にサポート体制を整えて、安心して利用できる職場環境を作ることが不可欠です。ここでは、企業が取り組むべき3つのポイントを解説します。
8-1. 育児休業給付金や育児休業の円滑な手続き
育児休業給付金の申請や社会保険料免除の手続きは、育児休業制度を運用するうえで企業が必ず対応すべき業務です。従業員が安心して育児休業を取得できるよう、企業は適切に手続きをおこなう責任があります。
具体的には、育児休業給付金や出生時育児休業給付金の申請に必要な書類を漏れなく準備し、期間内に事業所を管轄するハローワークに提出します。また、育児休業期間中の社会保険料を免除するため、年金事務所や健康保険組合への届出を確実におこなうことが必要です。
これらの手続きを滞りなく進めるためには、
- 申請スケジュールをあらかじめ整理しておく
- 従業員へお休み前の面談などで、必要書類や提出期限を早めに案内する
- 人事・労務担当者間で対応フローを共有しておく
といった工夫が有効です。
手続きが円滑に進めば、従業員は収入面の不安を抱えることなく育児に専念でき、企業としても制度利用を前向きに促しやすくなります。育児休業制度を形だけで終わらせないためにも、日常業務として確実に回る運用体制を整えておくことが大切です。
8-2. 育休制度の周知徹底と取りやすい環境づくり
企業が育児休業制度を運用するうえで、就業規則や育児介護休業規程に制度の内容を明確に記載することが重要です。ただし、規程を定めているだけでは十分に機能しません。
制度の存在や内容が社内に正しく伝わっていなければ、せっかく整備した制度が利用されず、形骸化してしまうおそれがあります。そのため、制度をただ知っている状態から、安心して使える状態にするための周知が欠かせません。
- この記事を執筆した社労士からのコメント
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育休制度を効果的に周知するためには、「一度知らせて終わり」にしないことが大切です。例えば、従業員が日常的に目にする社内ポータルやハンドブックに育休制度を掲載する、朝礼や社内メールで人事から定期的に情報発信する、管理職向けに育休対応の研修をおこなうなど、継続的かつ多角的な周知をおこないましょう。
特に重要なのが、管理職が育休取得を前向きに受け止める姿勢を示すことです。制度があっても、「周囲に迷惑がかかる」「評価に影響する」と感じる職場環境では、育休取得は進みません。管理職の理解と関わり方が、育休の取りやすさを大きく左右します。
なお、2022年の育児・介護休業法改正により、企業には次のいずれか1つ以上の措置を講じることが義務付けられました。
- 育休制度に関する研修の実施
- 育休制度に関する相談体制の整備(相談窓口設置)
- 育休制度の取得事例の収集・提供
- 育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知
周知と環境整備をセットで進めることが、育児休業制度を社内に定着させる鍵となります。あわせて、業務の引継ぎルールを整備したり、育休取得者がいても業務が回る体制を平時からつくることも合わせて行うことで、従業員が制度を利用しやすい職場環境が実現し、取得率の向上につながるでしょう。
参考:育児・介護休業法 令和3年(2021年)改正内容の解説|厚生労働省
8-3. ハラスメントへの対策
育児休業の申し出や取得を理由に不利益な取扱いをすることは、育児・介護休業法第10条および男女雇用機会均等法第9条第3項で禁止されています。また、企業には上司や同僚によるハラスメントを防止する義務もあるので対策が必要です。
具体的には、育児休業中の就労強要や、育児休業制度の利用を控えるように圧力をかける行為、逆に育児休業制度を利用していない従業員に取得を強制する行為もハラスメントに該当します。
現場で適切なコミュニケーションがおこなわれているか、企業は常に把握し、必要に応じて是正措置を講じることが重要です。育児休業制度の適切な運用とハラスメント防止策の徹底は、従業員が安心して制度を利用できる環境づくりの基本になります。
9. 育児休業を理解して育児に専念できる環境を整えよう


育児休業は、子どもが健やかに成長するための大切な時間を確保できる法定制度です。制度の内容や対象者、取得期間、給付金の仕組みを正しく理解し、申請の流れを押さえることで、従業員は安心して育児に専念できるでしょう。
また、企業としても、制度の周知やハラスメント防止、男性の育児休業取得促進に向けた取り組みなどの環境整備が不可欠です。2022年から段階的に施行されている法改正に適切に対応することは、これからの企業価値向上にも直結します。
育児と仕事の両立を支える制度を有効に活用し、従業員一人ひとりが安心して子育てに向き合える職場づくりを進めていきましょう。



育児・介護休業に関する法改正が2025年4月と10月の2段階で施行されました。特に、育休取得率の公表義務拡大など、担当者が押さえておくべきポイントは多岐にわたります。
本資料では、最新の法改正にスムーズに対応するための実務ポイントを網羅的に解説します。
◆この資料でわかること
- 育児・介護休業法の基本と最新の法改正について
- 給付金・社会保険料の申請手続きと注意点
- 法律で義務付けられた従業員への個別周知・意向確認の進め方
- 子の看護休暇や時短勤務など、各種両立支援制度の概要
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