棚卸減耗損とは?計算方法や仕訳例、発生原因・対策も紹介 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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棚卸減耗損とは?計算方法や仕訳例、発生原因・対策も紹介

損の原因に悩む女性

商品を在庫として保管していると、破損や紛失などにより帳簿数量と棚卸数量に差が出ることがあります。これらの差分は、棚卸減耗損として会計上の処理が必要です。
本記事では、棚卸減耗損の概要や計算方法、仕訳例、発生原因と対策を解説します。

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1. 棚卸減耗損とは帳簿棚卸数量よりも実地棚卸数量が少ないときにする会計処理

電卓で計算

棚卸をした際、実際にある商品の数(実地棚卸数量)と帳簿上の商品の数(帳簿棚卸数量)に誤差が生じることがあります。
紛失や破損など、何らかの理由で帳簿上の数よりも商品の数が少なくなっている状態を「棚卸減耗損」といいます。読み方は「たなおろしげんもうそん」です。
棚卸減耗が生じたときは帳簿と合わせるために、消耗した分の商品金額を棚卸減耗損と繰越商品という勘定科目で処理しなければいけません。

なお、棚卸減耗損と同じく商品在庫にまつわる単語として商品評価損が用いられます。商品評価損とは時間の経過や在庫過多によって商品の価値が下がった際に実行する会計処理です。

1-1. 棚卸商品が多かった場合の処理

上記とは反対に、帳簿上よりも実地棚卸数量が多かった際は特に会計上の処理は必要ありません。
この場合、帳簿上の記録間違いや商品納品数の間違いなど、なんらかの原因があるため確認しましょう。
原因が特定できたら、帳簿や商品マスタなどを適切な数値に修正します。

2. 棚卸減耗損の計算方法

計算方法

棚卸減耗損は、帳簿記録よりも実際の数量が少ないことで生まれます。そのため、計算方法は以下となります。

  • 棚卸減耗損=@原価×(帳簿棚卸数量-実地棚卸数量)

原価は、商品1個あたりで計算します。

次に、具体例を挙げて棚卸減耗損の求め方を解説します。

【A商品の期末時点の状態】

  • 商品1個当たりの原価:80円
  • 帳簿棚卸数量:200個
  • 実地棚卸数量:196個
  • 80×(200-196)=320

以上よりA商品の棚卸減耗損は320円と分かります。
なお、計算では時価の影響を考慮しないため、原価を使う点に注意しましょう。

3. 棚卸減耗損の仕訳例

計算の見本

棚卸減耗損の額を求めたら、次に会計上の処理が必要です。ここでは、先ほどのA商品(棚卸減耗損320円)を例に解説します。

  • (借方)棚卸減耗損 320
  • (貸方)繰越商品 320

棚卸減耗損を費用として処理するだけでなく、商品自体も減っているため、繰越商品(資産)の減少も必要です。

4. 棚卸減耗損が発生する原因と対策

議論する

発生原因を知る前に、棚卸減耗損が企業にどのような影響を与えるか確認しましょう。
売上原価は「期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高」で求められるように、棚卸金額によって大きく左右されます。
売上原価を使って求めるのが、粗利とも呼ばれる売上総利益(売上高-売上原価)です。

以上のように、棚卸減耗損を過剰に計上していれば、売上原価に反映されるため、最終的には会社の売上総利益も悪化してしまいます。
売上総利益はその後計算する営業利益などのベースとなるため、棚卸がずさんであれば、決算書の内容に差異がでてしまうといっても過言ではありません。

棚卸減耗損は発生原因を特定し、現場で発生させないための対策を取ることは経営上の観点からも重要です。発生原因と対策を解説します。

4-1. 在庫受払時の記録間違い

実際の商品数量が動く受払時は、特に間違いが起きやすいため注意しましょう。
商品の出庫時は伝票などを確認し、商品と数量が合っているかチェックしましょう。その際は、払出をしている者とは別のものが伝票を元に確認作業を行います。目視だけだと間違いが多いため、指さし呼称をしてもよいでしょう。
入庫時も納品業者の方で数量や商品を間違っていれば、帳簿記録に差異がでてしまいます。発注伝票を元に、検品した後入庫しましょう。

4-2. 紛失や破損

紛失や破損による減損は、商品管理がずさんであったり、商品の扱いが乱雑であったりするために起きている可能性があります。
まずは倉庫内の整理整頓を徹底し、どこに何があるか一目で分かるように整えましょう。同一の商品は同じ場所に置く、棚にラベリングをするなどが基本です。
また、商品数が多いなら在庫管理システムなどを使い、数量をデータ上で把握できるようにしてもよいでしょう。
破損対策としては、通路に物を置かない、重量のあるものは人員を確保して運ぶなどが対策です。
商品の扱いが乱雑で破損させることの多い従業員には、商品は会社の資産そのものであることを教え、丁寧な作業をするよう指導しましょう。

4-3. 使用期限切れ

賞味期限や使用期限のある商品を扱っているなら、期限切れに注意しましょう。
小売店なら、POSシステムやバーコードで商品の状態を管理する、飲食店なら先入先出法の徹底、商品表面への賞味期限の記載などが有効な対策です。
通常の倉庫では、適正在庫数を把握し過剰に商品を仕入れることのないように徹底しましょう。
特に、季節性の強い商品を扱っているときは、天気・気温・曜日・社会情勢なども売れ行きを左右します。これらは事前に状況を確認し、仕入数量を調整する必要があります。

4-4. 盗難や窃盗

盗難の原因は万引きなどの外的要因だけでなく、不正利用など内部に原因があるケースもあります。どちらか一方だけでなく、双方の対策を取れるようにしましょう。
まずは、倉庫の施錠を徹底し、必要に応じて監視カメラの設置や入退室管理を行い、夜間の管理は警備会社に依頼してもよいでしょう。
店舗であれば、防犯ゲートの設置も有効です。
内部不正が疑われる場合は、倉庫の入退室管理、持ち物検査、伝票チェックなどが有効です。

4-5. 事務処理誤り

棚卸差異が発生する原因としては、倉庫だけでなく事務処理を誤っている可能性もあります。
代表的なものは、インプット時の数字の打ち間違い、伝票の数字の読み間違い、納品・返品・交換などの処理漏れです。
仮に、仕入時に数字を過剰にインプットしてしまい、返品も難しい状態となればそれだけでも在庫過多を招いてしまいます。
事務処理では数字の読み間違い、打ち間違いに注意することはもちろん、インプットと確認を別の者が担当するなど、誤りがあっても発見できる体制を整えましょう。

4-6. 棚卸時の間違い

棚卸減耗損は棚卸当日のミスでも起きてしまいます。
棚卸では、在庫のカウント、集計、帳簿やシステムへのインプット、差異の修正など、全行程で間違いのないように注意して処理を進めなければいけません。
特に在庫のカウントは間違いも多いため、2人体制で進めるようにしましょう。
在庫の多い企業では決算時だけでなく、多少時間をとっても、日次や月次で棚卸を実施すると減損を早期に発見できます。
事務処理では、棚卸表に書かれた数字の読み間違いに注意し、帳簿数量と差異の大きいものは棚卸担当者に間違いがないか確認後インプットしましょう。入力後のデータも別担当者によるチェックをすると安心です。
最後に、これらのデータがシステム上に反映されているかも、念のため確認した後、処理を終了しましょう。

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5. 棚卸減耗損は費用として処理が必要!発生しないように対策しよう

対策する様子

商品などの帳簿数量よりも実数量が少ない状態を減耗といいます。
会計上は、棚卸減耗損を費用として、資産である繰越商品の減少が必要です。
棚卸減耗損が多い場合、在庫管理が適切に行われていない可能性があります。
棚卸高は売上総利益を左右するため、減耗が多いと思ったら現場担当者に連絡するなどして、対処するように指示しましょう。

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jinjer Blog 編集部

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