健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届とは?手続きの流れや注意点 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

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健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届とは?手続きの流れや注意点

男性とチェックボックス

従業員を採用したときに提出しなければならないのが、健康保険や厚生年金保険の「被保険者資格取得届」です。

被保険者資格取得届は、事業所番号・被保険者の氏名・生年月日・基礎年金番号など記載しなければならない項目が多いため、人事担当者の業務負担が増える原因の1つとなっています。業務効率化に向けて、被保険者資格取得届の手続きの流れや、電子申請の方法を前もって知っておくことが大切です。

この記事では、健康保険や厚生年金保険の被保険者資格取得届の内容や手続き方法、提出時に注意しなければならないポイントを詳しく解説します。

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1. 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届とは?

被保険者資格取得届

出典:被保険者資格取得届|厚生労働省

健康保険および厚生年金保険の「被保険者資格取得届」とは、従業員を採用したときに作成し、提出しなければならない書類の1つです。

被保険者資格取得届に対し、従業員が退職または死亡したときに作成する書類を「被保険者資格喪失届」とよびます。

本章では、健康保険や厚生年金保険の被保険者資格取得届に記入する項目と健康保険や厚生年金保険の適用事業所を解説します。

1-1. 被保険者資格取得届の記入項目9つ

被保険者資格取得届の記入項目は次の9点です。被保険者資格取得届の作成にあたって、人事担当者の方は必ず確認しておきましょう。

  • 事業所番号
    事業所が健康保険および厚生年金保険の適用対象となった際、年金事務所より交付された5桁の番号を記載します。
  • 被保険者の氏名・生年月日
    被保険者となる従業員の氏名や生年月日(和暦)を記載します。
  • 種別(性別)
    以下の通り、被保険者となる従業員の種別(性別)を記載します。
厚生年金基金の加入状況 性別 種別
厚生年金基金に未加入 男性 1
女性 2
坑内員※鉱業法に該当する事業所の場合 3
厚生年金基金に加入 男性 5
女性 6
坑内員※鉱業法に該当する事業所の場合 7
  • 取得区分
    被保険者となる従業員が、厚生年金保険に加入したことがない場合は「新1」、前職で加入している場合は「再2」を記載します。
  • 個人番号
    被保険者となる従業員のマイナンバーを記載しますが、基礎年金番号でも対応は可能です。
  • 資格取得年月日
    被保険者となる従業員の入社日を記載します。
  • 報酬月額
    「イ」の欄には基本給や残業手当など、通貨で支払われるすべての報酬を、「ウ」の欄には金銭以外の形式の給与を記載します。
  • 被扶養者の有無
    被保険者となる従業員の扶養家族の有無を記載します。
  • 郵便番号・被保険者住所
    被保険者となる従業員の住所および郵便番号を記載します。マイナンバーを記載した場合には不要です。

参照:記入例|日本年金機構

1-2. 被保険者資格取得届の適用事業所2つ

健康保険と厚生年金のうち、厚生年金保険には適用事業所があり、「強制適用事業所」「任意適用事業所」の2種類にわかれます。

強制適用事業所とは、法人の事業所、または従業員が常時5人以上いる個人事業所(農林漁業、サービス業などを除く一定の業種)を指します。これらの事業所は健康保険および厚生年金保険に必ず加入しなければなりません。

任意適用事業所とは、強制適用事業所以外の事業所を指します。事業主が申請し、厚生労働大臣の認可を受けた場合、任意適用事業所であっても健康保険や厚生年金保険に加入できます。

いずれの場合も、要件に該当する時点で速やかな手続きが求められるので、自社がどちらの適用事業所に当てはまるのか、被保険者資格取得届の作成前に確認しましょう。

2. 被保険者資格取得届の手続きの流れを解説

仕事をする人

健康保険や厚生年金保険の被保険者資格取得届をスムーズに提出するため、あらかじめ手続きの流れを確認しておくことが大切です。また、流れを確認するだけでなく、それぞれの提出時期や提出先なども把握しておく必要があります。ここでは、被保険者資格取得届の提出時期・提出先・方法・書類の4点について解説します。

2-1. 被保険者資格取得届の提出時期

被保険者資格取得届の提出期限は、原則として被保険者資格を取得した日、つまり従業員の入社日から5日以内です。例えば、8月1日に採用した場合は8月6日までに届出をおこなう必要があります。もし期限までに被保険者資格取得届が提出されなかった場合、再提出が求められます。

この期限は、厚生労働省および日本年金機構により定められており、遅延すると保険証の発行が遅れたり、保険給付が受けられない可能性があります。とくに月末や繁忙期など、手続きが立て込みやすい時期は注意が必要です。

また、老齢厚生年金の被保険者の場合、年金額の一部または全部が支払い停止となる可能性があるので、従業員の入社日が確定した段階で速やかに必要書類を準備し、期日内の提出を徹底しましょう。

2-2. 被保険者資格取得届の提出先

被保険者資格取得届の提出先は、事業所の所在地を管轄する日本年金機構の「年金事務所」か「健康保険組合」です。

年金事務所への提出方法は、書面での郵送または電子申請(e-Govや日本年金機構の「届書作成プログラム」など)があります。電子申請を利用することで、届出の手間や郵送コストを削減できるほか、受付状況の確認も可能です。

健康保険組合に加入している場合は、年金事務所ではなく加入している健康保険組合に提出します。提出先の間違いや遅延は、保険証の交付遅れや法令違反につながるおそれがあるため、提出先は必ず事前に確認しておきましょう。

2-3. 被保険者資格取得届を提出する方法

被保険者資格取得届を提出する方法は、郵送、窓口持参、総務省が運営する「e-Gov」上での電子申請の3つです。

電子申請の場合は、e-Govや日本年金機構が提供する届書作成プログラムを利用して提出します。紙による提出の場合は、管轄の年金事務所へ郵送または持参する必要があります。

電子申請は人事担当者の手間が少ないため、近年多くの企業で普及しつつあります。また、労務管理システムを導入している場合は電子申請に対応しているものもあるので、使い慣れたシステムから簡単に被保険者資格取得届を提出することが可能です。

テレワークやリモートワークを導入した方や、人事部門の業務効率化を目指す方は、郵送・窓口持参よりも電子申請がおすすめです。

参照:電子申請・電子媒体申請(事業主・社会保険事務担当の方)|日本年金機構

2-4. 被保険者資格取得届の必要書類

「被保険者資格取得届」は、被保険者となる従業員1人につき一部を用意する必要があります。

そのほか、原則として添付書類は求められませんが、60歳以上の従業員を退職後1日も空けずに再雇用する場合は、以下の3点の書類提出が必要です。[注1]

  1. 就業規則、退職日が確認できる退職辞令の写し
  2. 継続して再雇用されたことが確認できる雇用契約書の写し
  3. 「退職日」及び「再雇用された日」を事業主が認めた書類(証明書)

また、国民健康保険組合に加入している従業員が、健康保険についてのみ適用除外の承認を受けたい場合は、「健康保険被保険者適用除外承認申請書」の提出が求められます。

[注1] 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届|日本年金機構

3. 健康保険や厚生年金保険の被保険者資格取得届の手続きで注意すべきポイント

ポイントをゆびさす

健康保険や厚生年金保険の被保険者資格取得届の手続きをおこなうとき、注意しなければならないポイントは4つあります。

  • 基礎年金番号が不明の場合は「基礎年金番号通知書再交付申請書」の提出が必要
  • 70歳以上の従業員を採用した場合も手続きをおこなう
  • 外国籍の場合は別途必要な書類がある
  • パート・アルバイトも条件を満たせば被保険者資格取得届の提出が必要

被保険者資格取得届の手続きでわからないことがあれば、以下の項目の内容を確認してください。

3-1. 基礎年金番号が不明の場合は「基礎年金番号通知書再交付申請書」の提出が必要

被保険者資格取得届の作成にあたって、被保険者となる従業員の基礎年金番号またはマイナンバーを記載する必要があります。

もし、基礎年金番号もマイナンバーも不明の場合、「基礎年金番号通知書再交付申請書」を提出し、基礎年金番号を確認しましょう。基礎年金番号通知書再交付申請書の様式は、日本年金機構のホームページでダウンロード可能です。

この申請書の提出は、原則、被保険者本人がおこないます。事業主が代行して提出する場合は、本人確認書類の写しとともに年金事務所へ提出しなければならないので注意しましょう。この申請書を記入するのは、従業員ではありません。記入するのは事業主で、本人確認書類の写しとともに年金事務所へ提出しなければならないので注意しましょう。(削除文)

基礎年金番号が特定できないままでは、被保険者資格の登録が完了しないため、早急に手続きを進めることが重要です。

3-2. 70歳以上の従業員を採用した場合「70歳以上被用者」の手続きをおこなう

厚生年金の被保険者資格は70歳までとなっていますが、次の条件を満たす場合は70歳以上であっても手続きが必要です。

  • 70 歳以上の従業員
  • 過去に厚生年金保険の被保険者であった期間がある
  • 厚生年金保険法第27条に規定する適用事業所に雇用(法人事業所の事業主を含む)、かつ同法第12条各号に該当しない者

70歳以上の場合は「厚生年金保険70歳以上被用者該当届」を提出しますが、健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届と同一フォームのため、同じ書類を使って作成します。

70歳以上は被保険者期間ではないため、この書類を提出したことによる厚生年金保険料の徴収はありません。また、年金額計算の基礎とされることもありませんが、老齢厚生年金の在職老齢年金制度による支給停止の対象になります。

3-3. 外国籍の場合は別途必要な書類がある

外国籍の従業員を採用した場合は、通常の被保険者資格取得届に加えて、在留カードやパスポートの写しなどの追加書類を添付する必要があります。特に在留資格の種類や期間は健康保険・厚生年金の加入要件に影響するため、正確な確認が不可欠です。

また、個人番号と基礎年金番号が結びついていない場合は「厚生年金保険被保険者ローマ字氏名届」も合わせて提出しなくてはいけません。これは、マイナンバーが付番されていない外国籍の従業員も同様です。

氏名や生年月日、ローマ字表記に誤りがあると届出が受理されない可能性があるため、各種書類の記載内容と公的書類の情報が一致しているかも必ず確認しましょう。

なお、電子申請によって被保険者資格取得届の手続きをおこなう際は、電子添付書類として画像ファイル(PDF形式またはJPEG形式)での提出も認められています。

3-4. パート・アルバイトも条件を満たせば被保険者資格取得届の提出が必要

正社員ではなく、パート・臨時職員・アルバイトとして働く従業員の場合も、条件を満たせば健康保険や厚生年金保険に加入しなければなりません。

健康保険や厚生年金保険の被保険者となるのは、原則従業員が51人以上いる企業が対象で、下記の条件をすべて満たしている人が対象です。。

    • 週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
    • 所定内賃金が88,000円以上
  • 2か月を超える雇用見込みがある
  • 学生ではない

これらの条件を満たす場合は、必ず該当者の被保険者資格取得届を作成し、所轄の年金事務所に提出しましょう。

対象となる従業員を見逃すと、後の追徴や行政指導につながる可能性もあるため、採用時点で適用可否を慎重に判断することが求められます。

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4. 健康保険・厚生年金保険の被保険者資格取得届の手続き方法を確認しておこう

チェックマーク

健康保険や厚生年金保険の「被保険者資格取得届」は、従業員を採用したときに速やかに作成しなければならない書類の1つです。

被保険者資格取得届には、事業所番号や被保険者の氏名・生年月日、基礎年金番号や資格取得年月日など、記載しなければならない項目がたくさんあるので間違えないようにしなければなりません。

また、提出期限や必要書類、提出先、方法に関する基本事項を押さえるとともに、パート・アルバイトや高齢者、外国人など多様な雇用形態に応じた注意点も押さえておく必要があります。

不備や遅延があると事業主責任を問われることもありますし、被保険者資格取得届を効率的に作成するためにも、手続きの流れをあらかじめ確認しておきましょう。

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