社内回覧を電子化することは可能?紙を使わず効率化!
更新日: 2024.5.8
公開日: 2021.12.12
HORIUCHI
東京都の調べによると、2021年8月の都内企業(従業員30人以上)のテレワーク実施率は65.0%を記録し、過去最高を更新しました。[注1]
テレワークや在宅ワークが身近なものとなる一方で、様々な課題も噴出しています。その代表例が、出社しないと閲覧・回覧できない紙の書類の問題です。
日本生産性本部の「第6回働く人の意識調査」によると、テレワークの課題として、35.3%の人が「職場に行かないと閲覧できない資料・データのネット上での共有」を挙げています。[注2]
社内の回覧文書を電子化し、インターネットで共有することは可能なのでしょうか。
この記事では、回覧文書を電子化するメリット・デメリットや、回覧文書の電子化に役立つワークフローシステムの選定ポイントを解説します。
ワークフローを電子化する場合、現状のフローをシステム上で再現できるかが鍵となります。そのためには、必要な機能を確認することも大切ですが、システムを入れた後にどのような社内体制を作るかも考慮する必要があります。
当サイトでは、ワークフローの電子化をご検討中の方に向け、ワークフローを電子化する際のベンダー選定のチェックポイント、社内体制整備の方法についてまとめた資料を無料で配布しております。「ワークフローの電子化で必要なことを把握しておきたい」という方は、こちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
1.回覧文書とは
回覧文書とは、伝達事項を担当者間で順番に回覧し、情報共有をおこなうための文書です。口頭よりも確実に情報伝達できるため、重要事項の伝達や、誰がいつ回覧したかを把握したい場合に社内回覧がおこなわれます。
ここでは、回覧文書の電子化のポイントを解説する前に、回覧文書の意味や役割、回覧のルールについておさらいします。
1-1.回覧文書とは
回覧文書とは、重要な伝達事項を社内で共有するために回覧される文書のことで、大きく6種類に分けられます。
上申書
企業の上層部への意見具申をおこなうための文書
稟議書
担当者や関係者で回覧し、承認や決済をおこなうための文書
議事録
会議の内容を記録した文書
通知文
社員に対し通知すべき事項を記載した文書
案内文
行事やイベント、レクリエーションなどの案内のための文書
依頼文
特定の部署や担当者に対し、業務の依頼をおこなうための文書
いずれの回覧文書も、回覧担当者が押印などをおこない、閲覧済みかどうかを判断できるようになっています。
1-2.回覧文書の役割
回覧文書の役割は、あやふやな口頭での情報伝達ではなく、文書ベースで重要事項を確実かつ迅速に社内で共有することです。社内回覧の方法として、紙文書での回覧のほか、メールでの回覧、ワークフローシステムと呼ばれる情報システム上での回覧などがおこなわれています。
いずれの方法も、閲覧者が速やかに文書を閲覧し、次の閲覧者へ回すことにより、スピーディな情報共有が可能な仕組みになっています。
1-3.回覧文書のルール
回覧文書を適切に運用するため、次のようなルールを設けるのが一般的です。
1. 回覧文書は速やかに閲覧し、忙しい場合でも回覧を後回しにしない
2. 欠席や離席により次の閲覧者が不在の場合、飛ばして次の閲覧者に回す
3. メールで回覧をおこなう場合は、未読・既読を判別するため、閲覧者が必ずメール返信をおこなう
ポイントとなるのは、なるべく社内回覧を早く回すことです。とくに従業員数が多い企業の場合、回覧ルールが守られないと情報伝達が滞ってしまう可能性があります。
1-4.回覧文書の書き方
回覧文書の書き方にもいくつかルールが存在します。
1. 回覧文書は簡潔にわかりやすく書き、タイトルも短くシンプルに
2. 前置きや結びの言葉を省き、いきなり主文から書きはじめる
3. 回覧主や回覧担当者の氏名・部署を記載する
4. 回覧文書の作成日や回覧期限を記載する
スムーズな回覧のため、回覧文書は冗長な表現を使わず、いきなり要件から書きはじめるようにしましょう。
また、回覧主や回覧担当者、回覧文書の作成日・回覧期限などを記載することで、誰がいつ情報を発信し、いつまでに回覧しなければならないのかが伝わりやすくなります。
2.回覧文書は電子化が可能か
最近は回覧文書を電子化し、メールでの回覧や、ワークフローシステム上での回覧をおこなう企業が増えています。
回覧文書を電子化すれば、一度に複数の相手にデータを送れるため、紙の回覧文書を回すよりも効率的な情報伝達が可能です。一方、回覧文書の電子化にはデメリットもあります。
ここでは、回覧文書を電子化するメリット、デメリットを比較します。
2-1.回覧文書を電子化するメリット
回覧文書を電子化すれば、回覧文書を手渡しで回覧するよりもスピーディーな情報伝達が可能です。複数の閲覧者に対し、同時にデータを送ることもできるため、社内回覧を大幅に効率化できます。
また、紙ベースの回覧文書には、印刷・製本・押印などの手間や、用紙代・インク代などのコストが発生します。社内回覧をペーパーレス化することにより、こうした手間やコストの削減につながります。
2-2.回覧文書を電子化するデメリット
一方、ワークフローシステムなどを新たに導入する場合、初期費用や利用料金などの運用コストが発生する点に注意が必要です。システム導入にあたって、回覧文書の電子化によって削減できるコストや労力と比較し、十分な費用対効果があるかどうか検討しましょう。
3.ワークフローシステムの選定ポイント
回覧文書の電子化なら、ワークフローシステムの導入がおすすめです。ワークフローシステムとは、あらかじめ設定した作業手順に従い、各担当者が順番に承認や決済などをおこなうシステムです。
社内回覧の場合、ワークフローシステムで回覧の流れを登録すれば、決められた順番でスピーディーに文書を回覧できます。サービス選定で失敗しないため、自社に合った機能があるか、どこまでカスタマイズが可能かなどを細かくチェックしましょう。
関連記事:ワークフローシステムとは?導入メリットや注意点、比較ポイントを紹介
・ワークフロー導入のメリット、実現できること
・ワークフローの導入事例
・ベンダー選定のチェックポイント、社内体制整備のガイド など
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3-1.ワークフロー固定機能があるか
ワークフロー固定機能とは、回覧担当者をあらかじめ登録しておき、社内回覧の流れを固定する機能のことで、今までの社内承認フローを変えずに電子化できます。
例えば、紙の稟議書の承認の順番が管理責任者⇒経営企画責任者⇒経理責任者のように決まっていた場合、ワークフロー固定機能であらかじめ承認順番を管理責任者⇒経営企画責任者⇒経理責任者で設定することができ、確実に各担当者の承認を挟むことが可能です。
また、社内回覧のたびに設定し直す必要がないため、業務効率化につながります。
ワークフローシステムによっては、ワークフロー固定機能がなく、承認順番を指定しなければならない場合や一通ごとに承認者を設定しなければならない場合があります。ワークフローシステムを導入する場合は、ワークフロー固定機能の有無を確認しましょう。
3-2.閲覧権限や承認権限を付与できるか
ワークフローシステムを導入するときに考えなければならないのが、セキュリティ対策です。回覧文書が誰でも見られる状態になっていると、社外への情報漏えいにつながるリスクがあります。
そこで、ワークフローシステムを導入するときは、IP制限などの機能により、閲覧権限・承認権限を付与できる製品を選びましょう。回覧文書のアクセスを制限し、関係者のみ閲覧できる状態にすることが大切です。
3-3.社内外の契約締結まで一気通貫で利用できるか
ワークフローシステムには、社内回覧や社内稟議に特化したツールと、対外的な契約業務にも使える「電子契約サービス」の2種類があります。回覧文書もふくめ、社内の資料を全社的に電子化したい場合は電子契約サービスがおすすめです。
なお、電子契約サービスの場合、ワークフロー機能を利用するため、別途オプション料金の支払いが発生する場合があります。ツールの導入前に、本当に自社に必要なタイプのサービスか必ず確認しましょう。
当サイトでは、本章でも解説したワークフローシステムに関して、できることや導入の際の注意点、導入までのフローについて、図を用いて解説した資料を無料で配布しております。ワークフロー機能の情報収集をされている方や導入検討中のご担当者様は、こちらから「ワークフロー機能ガイドブック」をダウンロードしてご確認ください。
4.電子契約サービスを導入して社内回覧の電子化を進めましょう
社内回覧の電子化に役立つのが、ワークフローシステムです。ワークフローシステムのなかでも、社内回覧や社内稟議に限らず、対外的な契約手続きに対応可能な「電子系客サービス」を選ぶのがおすすめです。
電子契約サービスなら、社内で取り扱う書類のほとんどを電子化し、全社的なデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現できます。社内回覧の電子化なら、電子契約サービスの導入を検討しましょう。
[注1] 東京都:テレワーク実施率調査結果をお知らせします!8月の調査結果
[注2] ⽇本⽣産性本部:第 6 回 働く⼈の意識に関する調査
ワークフローを電子化する場合、現状のフローをシステム上で再現できるかが鍵となります。そのためには、必要な機能を確認することも大切ですが、システムを入れた後にどのような社内体制を作るかも考慮する必要があります。
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