建設業における電子契約のススメ!|本当に業務効率を改善できる?
更新日: 2024.5.8
公開日: 2021.9.2
HORIUCHI
ペーパーレスや判子レスが進む昨今、電子契約は業務効率の改善が期待できる効果的な策としてますます注目を集めています。
電子契約は、どのような業種でも使用できるかどうかは気になるポイントです。
今回は、建設業における電子契約の導入について詳しく解説しています。
業務効率の改善する効果的な策を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
【弁護士監修】でデジタル改革関連法を徹底解説!
デジタル社会の実現に向けて法整備が進み、建設業界においても今まで電子化できなかった書面のほとんどが電子化できるようになりました。
とはいえ、「どの書類を電子化できるのか?」「実際に契約を電子化した際の業務の流れは?」と、電子契約についてイメージがついていない方も多いでしょう。そのような方に向け、当サイトでは建設業界にかかるデジタル改革関連法について弁護士が監修した解説資料を無料で配布しております。
建設業界で電子契約できる書類について法的根拠をもとに解説しているほか、電子契約を用いた実際の業務フローや電子署名の導入手順までを網羅的に解説しており、これ一冊で電子契約について理解できるため、電子契約に興味があるという方は、こちらから資料をダウンロードしてご覧ください。
1.電子契約と建設業法
電子契約の導入によって業務効率の改善やペーパーレス、ハンコレスといった効果が期待できますが、建設業においてはそう簡単にいく話ではありません。
建設業はほかの業種と異なり、電子契約をめぐってこれまでさまざまな移り変わりがありました。細かく見ていきましょう。
1-1.法改正の変遷
近年まで日本で扱われている建設業法は、1949年の5月24日に交付されたものです。
以来、70年以上使われている法令です。
当初、建設業における契約のやり取りは、書類で作成して当事者間でお互いに交付することが義務とされていました。この当事者とは、注文した側と請負人だけでなく、下請けも含まれます。
当事者間でお互いに交付しなければならないため、1つの契約でもやり取りに用いられる書類の量はとても多いことがわかります。
契約にともなう手間が増えれば、それだけ業務効率を大きく下げてしまいます。
時代は平成に入り2001年4月、建設業の一部が改正され、第19条と第22条、第23条に手が加えられました。第19条に第3項が追加されたことで、以下2つの要件を満たしていれば電子書面を用いて契約が可能になりました。[注1]
・政令で定める相手方の承諾
・国土交通省令で定める措置
これまで大量の書面を必要としていた契約業務にかかる時間や労力が少なくなり、大幅な業務効率の改善が期待されました。
しかし、それでも書面での契約が原則なのは変わりありません。改正されたところで、どこまでの書面が電子化しても問題ないのかは曖昧でした。
そこで、2018年1月にグレーゾーン解消制度が設けられます。これは、法解釈が難しい部分に関して、対象の分野を所管する省庁に対し確認ができる制度です。
現在では、建設工事に関する契約のすべてを電子契約でおこなうことが合法だと認められています。
グレーゾーン解消制度が導入されてからまだ日は浅いですが、今後は建設業の分野においても多種多様な電子契約サービスが登場することが期待できます。
また、2021年9月にはデジタル改革関連法が施行され、建設業界の電子化を進めることになりました。
サイトにて無料で配布している「デジタル改革関連法マニュアル」では、建設業界の法律(建設業法、建築士法など)で、具体的にどの書類が電子化できるようになったかなどを解説しております。
どの書類が電子化されたのかや、電子化することで得られるメリットなどをまとめて解説しているので、法改正の内容が気になるご担当者様は、こちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
[注1]建設工事の電子契約についての解説|国土交通省総合政策局建設業課
2.建設業で電子契約を導入するメリット
電子契約の導入によって、契約に関する多くの業務効率の改善が期待されます。
建設業でも同様で、電子契約を導入することでさまざまなメリットが得られるでしょう。なかでも重要な3つのメリットについてご紹介します。
2-1.コスト削減
契約を書面でおこなおうとすると、さまざまな費用がかかります。
まずは書面を用意するための用紙代やインク代が必要です。紙の書類ですので、印紙代もかかります。先方に対して書面を送る必要があれば、郵送代や封筒代も必要になります。
また、契約に関わった書面は、すべて大切に保管しておかなければなりません。複数の取引があれば、それだけ場所を取りますので多額の費用がかかります。
そして、これらを手がける人件費も必要です。さらに、これらだけでなく、ホッチキスのような備品代もかかってきます。一つひとつは小さな費用かもしれませんが、積み重なればかなりの費用になります。
それらに対し、電子契約を導入すれば書面の契約にかかっていた費用のほとんどを削減できます。
とくに、業務の手間を大幅に削減することで人件費をカットできるのは嬉しいポイントです。契約にかかる手間を削減することで、ほかの重要な業務に労働力を配置できます。
2-2.業務効率化
書面で契約業務をおこなうには、かなりの労力が必要です。契約書を用意するにあたり、印鑑を押して切手を貼り、郵送、そして返送する手間がかかります。
また、郵送や返送にはそれなりに時間を要してしまい、場合によっては数週間かかることもあるでしょう。万が一、契約書のなかに誤字脱字や内容の誤りがあった場合、また最初から書類を作成しなければなりません。
郵送や返送にさらに倍の時間を要してしまうのは、もどかしいでしょう。書面の場合に必要なこういった手間が、電子契約ではほとんど不要です。
オンライン上で電子ファイルのやり取りをするので、よほどトラブルがない限り送信してからあっという間に相手の元に届きます。
万が一問題が見つかったとしても、誤りを修正してすぐに送り直せます。過去の書類が必要になった際も、サーバ上から検索機能を活用して迅速に見つけ出せるでしょう。
2-3.コンプライアンス強化
契約書には、契約に関わっている当事者たちの重要な情報が多数記載されています。多くのやり取りをするなかで、コンプライアンスは徹底して厳守しなければなりません。
電子契約は、コンプライアンス強化の観点においても優れています。
紙の契約書の場合、鍵をかけて倉庫や棚で大切に保管していたとしても、誰がいつ閲覧したり持ち出したりしているのかは特定できません。
電子契約であれば、そのデータに関するアクセスの履歴が自動で保存されます。そのため、誰がいつ閲覧したのかすぐに把握でき、改ざんも防止することが可能です。
また、電子署名とタイムスタンプによってその内容を確実に証明してくれます。
3.電子契約の導入による成功事例
建設業において、電子契約の導入によって業務効率やコストの削減を実現した例について紹介します。
3-1.店舗企画~運営までワンストップでおこなう企業の事例
これは、19名の従業員が勤務している企業における成功事例です。店舗の企画や建設、開発、運営を主な事業内容としています。
導入にあたり、どうしても高額になってしまう印紙代の削減や契約書類の管理を目的としていました。導入することで、月々およそ60万円かかっていた印紙代が0円になりました。
電子契約によってこれほどまでにコスト削減を実現できます。
契約書類が増えれば、それだけ管理が大変です。紙は実体がありますので、多くなればそれだけ倉庫のような管理できる場所を用意しなければなりません。
電子契約なら、クラウド上で安全に管理できるので、スペースはまったく取りません。保管にかかるコストも最低限です。
また、工数の削減による大幅な業務効率の削減も実現しています。これまで、契約書を用意して発送するまでに、1件につき平均で20分ほどかかっていました。
導入後は、1件あたり平均2分まで作業時間を短縮できました。
4.建設業だからこそ電子契約の導入メリットは大きい
電子契約の導入によるメリットは非常に大きいです。
建設業の場合、電子契約での契約の締結が完全に認められるようになってからまだ日が浅いですが、今後は業種に特化した電子契約サービスが多数登場することが期待されます。
印紙代一つとっても、積み重なればかなりの費用となります。しかし、紙の書面ではない電子契約であれば、印紙代は一切かかりません。
契約書を作成して締結するまでだけではなく、その後の管理も電子契約のほうが圧倒的に便利です。
ぜひ、電子契約をご検討ください。
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デジタル社会の実現に向けて法整備が進み、建設業界においても今まで電子化できなかった書面のほとんどが電子化できるようになりました。
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