入社手続きを電子化するメリット・デメリットを徹底解説
更新日: 2024.8.1
公開日: 2020.12.9
OHSUGI
オフィスのペーパーレス化が進んでいる現在、入社にまつわる手続きの電子化も加速化しています。
入社手続きの電子化には多くのメリットがある一方、いくつか留意しておきたい点もあるため、導入前に正しい知識を仕入れておきましょう。
今回は、入社手続きを電子化するメリット・デメリットや、電子化する方法について解説します。
「入社手続き・雇用契約の書類作成や管理業務を楽にしたいが、どうしたらいいかわからない…」
とお困りの方におすすめなのが、入社手続き・雇用契約の電子化です。入社手続き・雇用契約を電子化すると、入社手続きを郵送ではなくシステム上で行えるため、差戻や修正書類の回収にかかる時間や工数を削減することができます。
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目次
1. 入社手続きを電子化するメリット・デメリット
入社手続きを電子化した場合のメリット4つと、気を付けておきたいデメリットについて解説します。
1-1. メリット①書類の作成・提出の手間が減る
入社手続きにはさまざまな書類を準備または作成する必要があります。
特に雇用保険や社会保険の雇用手続きについては、年金事務所や協会けんぽまで出向いて届出をしなければならず、かなりの手間と時間がかかります。
入社手続きをを電子化すれば、紙の書類を作成・仕分け・管理する手間が減り、スムーズに手続きを済ませることが可能です。
雇用保険や社会保険も、電子申請をおこなえばオンラインで手続きを完結できるので、わざわざ各事務所まで足を運ぶ必要はありません。
1-2. メリット②手続き漏れを防げる
入社にまつわる手続きは複数にわたるため、すべて手作業でおこなおうとすると、記載漏れや提出忘れといったヒューマンエラーが発生しやすくなります。
入社手続きの電子化に用いられる人事管理システムの中には、やるべきことをWEB上で管理できるToDo機能が備わっているものもあり、上手に活用すれば手続き漏れ・忘れを未然に防ぐことができます。
採用担当者同士で同じシステムを使っていれば、不在時でも情報を共有できるので、引継ぎミスも防止することが可能です。
1-3. メリット③コストカットできる
紙の書類は用紙代やプリント代がかかるうえ、保管・管理するためのファイルやキャビネットも揃えなければなりません。
入社手続きを電子化すれば、データをコンピューターやサーバー上で作成できるので、書類を作成するたびに用紙代やインク代などのランニングコストを費やす必要がなくなります。
データの保管・管理にファイルやキャビネットを使うこともないので、入社手続きにかかるコストを節約することができるでしょう。
1-4. メリット④テレワークに対応できる
昨今、柔軟な働き方に対応する動きの一つとして、テレワークの導入が各企業で盛んに進められています。
働き方の選択肢を増やすことは、従業員のエンゲージメントを高める効果や求職者に対する自社のアピール効果が期待できます。
入社手続きを電子化することにより、出社しなくても内定者とのやり取りがおこなえるため、テレワークの導入を進めることが可能です。
内定者に対しても「テレワークに対応した企業なんだ」と、良い印象を与えることができるでしょう。
2. 入社手続き電子化のデメリットは、専用ソフトが必要なこと
入社手続きを電子化する際、デメリットとなるのが専用ソフト・アプリの導入です。
エクセルなどの表計算ソフトを使って、手続きに必要な書類の作成や、従業員情報の管理をおこなうことも可能ですが、一からフォーマットを作るとかえって手間と時間がかかってしまいます。
そのため、人事管理システムなど、専用ソフト・アプリを採用するのがおすすめですが、導入・利用にはそれなりのコストがかかります。
ただ、コストに関してはペーパーレス化が進むぶん、用紙代やインク代を節約できるので、メリットの方が大きいでしょう。
3. 入社手続きの電子化が進む背景
入社手続きの電子化が加速化している背景の一つが、国のペーパーレス化推進です。
国は地球温暖化対策への取り組みの一環として、貴重な紙資源の消費を抑えるべく、企業に対し書類の電子化を推進しています。
また、日本は少子高齢化の進行により、将来的に労働力の担い手である労働生産人口の減少が避けられない状況です。
今後ますます労働者1人あたりの負担が大きくなることが推測されるため、書類や手続きの電子化による業務効率化を奨励しています。
その最たる例が、書面の保存等にIT技術を利用することを認めた「e-文書法」や「電子帳簿保存法」などの制定です。
また、政府は社会保険などの諸手続を電子申請できる「電子政府の総合窓口e-Gov」というシステムも開発し、24時間いつでも申請をおこなえる環境を整備しました。
ペーパーレス化の推進については、これまで企業の裁量に委ねられていましたが、2020年4月からは特定の法人に対し、一部手続きの電子申請が義務化されることになっています。
条件に該当しない場合、手続きの電子化および電子申請は任意ですが、将来的には企業の規模にかかわらず、電子申請が義務化されることも考えられるでしょう。
いざ義務化された時にあわてることのないよう、現段階から入社手続きの電子化を進めておくと安心です。
4. 入社手続きを電子化する方法
入社手続きを電子化するための主な方法を2つご紹介します。
4-1. 人事・勤怠管理システムの導入
人事・勤怠管理システムとは、人事業務に必要な従業員のデータや、従業員の勤怠データを一元管理できるシステムのことです。
入社手続きでは、従業員の個人情報を記した労働者名簿や、出勤日数、労働時間などをまとめた出勤簿、従業員に支払う賃金や手当などを記入する賃金台帳などを作成する必要があります。
新入社員ひとりひとりの帳簿を作成・管理するのは非常に手間がかかりますが、人事・勤怠管理システムを導入すれば、勤怠データの管理や給与計算などを自動でおこなってくれるため、担当者の手間を大幅に省くことができます。
人事・勤怠管理システムの機能や利用料はメーカーごとに異なりますので、複数のシステムを比較検討し、自社に合ったものを選びましょう。
システムの導入自体は、専用ソフトをダウンロード&インストールするだけなので簡単です。
関連記事:勤怠管理をペーパーレス化するには?電子化のメリット・デメリットも解説
4-2. 電子証明書の取得
社会保険などの手続きを電子申請するためには、電子証明書の取得が必要です。
電子証明書の発行申請には、法務省のHPからダウンロードできる専用ソフト「商業登記電子認証ソフト」を使用し、「鍵ペアファイル」と「証明書発行申請ファイル」を作成する必要があります。
証明書発行申請ファイルは、電子証明書発行申請書と共に、企業の本社所在地を管轄する登記所に提出します。
5. 入社手続きを電子化すれば、担当者の業務を効率化できる
入社手続きは新入社員を採用するたびにおこなわなければならないうえ、さまざまな書類を作成・提出する必要があります。
ひとつひとつ手作業でおこなうと多大な時間と手間がかかってしまいますので、人事勤怠管理システムや電子申請を上手に活用し、手続きの電子化を進めてみてはいかがでしょうか。
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