小口現金のルールとは?仕訳の記入例、管理方法までわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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小口現金のルールとは?仕訳の記入例、管理方法までわかりやすく解説

日々の経費の精算をするために、部署ごとに小口現金を渡している企業も多いのではないでしょうか。手軽に精算ができて便利な小口現金ですが、使うときはお金の流れを管理するために仕訳をする必要があります。

今回は、小口現金の仕訳ルールについて解説していきます。

仕訳時の注意点もご紹介するので、正しい仕訳方法を身に着けてスムーズな経理作業を行っていきましょう。

目的別!小口現金廃止を実現するためのガイドブック

「帳簿にズレがないかのチェックが大変で、なかなか仕事が終わらない」「出金や両替で毎回銀行に行くのがとにかくめんどくさい」など、小口現金の管理でお悩みではありませんか?

とはいえ「小口現金を廃止したいけど、どうすればいいのか、そもそもどのような準備が必要なのか・・・?」など、小口現金の具体的な廃止方法や手順がわからないと疑問を抱えている方も少なくないでしょう。

そのような方にむけて小口現金を無くすための手順を解説したガイドブックを用意いたしました。経費精算をラクにしたいという方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご覧ください。

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1. 小口現金とは

小口現金は、文房具代や切符代、お客さんへのお茶代などの日々の経費を精算するために社内に置いておく少額の現金を指します。

精算方法には、支出があるときにあらかじめ社員に渡して購入してもらう方法と、社員が立て替えて領収書を提出して経費を受け取る方法に2種類ががあります。

経費を精算するためにわざわざ経理部まで行くのは大変です。したがって部署ごとに小口現金を渡し、小口現金係を設けて管理している企業も少なくはありません。

小口現金は、タイムリーな精算で社員の立て替え負担が減らせるメリットの一方で、担当者の業務増加や盗難防止のためのセキュリティ強化が必要など、デメリットもあるシステムです。

導入の際は、メリット・デメリットの双方を理解しておく必要があります。

関連記事:小口現金とは?その意味や現金との違いを詳しく紹介

関連記事:小口現金の仕組みや仕訳の方法など基礎知識を詳しく紹介

1-1. 小口現金出納帳で管理する

小口現金で精算を行ったときは、小口現金の専用の帳簿である「小口現金出納帳」で収支を管理します。

小口現金出納帳には「受入金額・日付・摘要・支払金額・支払内訳・残高」の情報を記載し、一定期間ごとに精算金額と支払内訳ごとの合計を出して会計係や経理に報告する必要があります。

小口現金係になった人は精算のたびに小口現金に記入し、何にお金を使ったかを管理しましょう。

また一日に終わりには、小口現金の金額と小口現金出納帳の残高が一致しているかどうかをチェックします。もしも数字が一致しない場合は原因を追求し、金額が合わないまま新たにお金を出し入れしてはいけません。

1-1-1. 補助簿も10年間保管しなければならない

小口現金出納帳は会計帳簿のなかの「補助簿」にあたります。

仕訳帳にも記載しているため、小口現金出納帳は保管義務がないように思う方もいるかもしれませんが、補助簿(小口現金出納帳)にも保管期間が定められています。

この期間は税法で7年、会社法で10年間と定められており、途中で破棄することはできません。誤って処分することがないように注意しましょう。

関連記事:小口現金出納帳とは?実際の書き方や現金出納帳との違いなど網羅的に解説

小口現金管理のガイドブック

2. 定額資金前渡制度(インプレスト・システム)とは

大量の法律本

小口現金管理をしている企業の多くは「定額資金前渡制度(インプレストシステム)」を会社の規定として採用しています。

「定額資金前渡制度(インプレストシステム)とは、一定期間分の金額を各部署に在籍している小口現金の担当者に事前に渡し、日々の支払いをそのお金から支払う制度です。

小口現金の担当者は、支払った内容を「小口現金出納帳」という帳簿に勘定科目ごとに分けて集計を行います。その後、期限内に経理担当者へ報告し、経理担当者はその報告をもとに仕訳を記入し、使用された分を小口現金に補充するという流れです。

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3. 小口現金の仕訳ルールと記入例

ルール

それでは、小口現金の仕訳ルールについてみていきましょう。はじめは慣れなくて大変ですが、解説するルールに沿って仕訳を進めていけば初心者でも小口現金の仕訳ができるようになります。

3-1. 勘定科目

はじめに、小口現金の仕訳で使用する勘定科目を見ていきましょう。

小口現金の勘定科目は、「小口現金」で、貸借対照表の資産にあたります。そのため、小口現金が増加したときは借方に、小口現金が減少したときは貸方に仕訳します。

小口現金と一緒に使用する勘定科目には、以下の6つです。

勘定科目 利用例
1 旅費交通費 電車代、バス代、タクシー代など
2 消耗品費 文房具代、コピー用紙代、封筒代など
3 水道光熱費 水道代、電気代、ガス代など
4 通信費 インターネット代、携帯代、電話代など
5 修繕費 備品の修繕費など
6 雑費 お茶代、新聞代など

これらの勘定科目は損益計算表の費用にあたるので、費用が増加したときは借方に、費用が減少したときは借方に仕訳します。

企業によって小口現金の勘定科目は異なるので、企業の決まりに合わせて仕訳をするようにしましょう。名称が変わっても、「〇〇費」とある場合は基本的に費用の勘定科目なので、仕訳ルールは一緒です。

3-2. 前渡しの仕訳

勘定科目を理解できたら、さっそく小口現金を仕訳していきます。

まずは、小口現金を経理や会計係が小口現金係に渡すときの仕訳をします。前渡しの仕訳は、以下の通りです。

借方 貸方
小口現金 100,000円 当座預金 100,000円

資産である「当座預金」が減少して同じく資産である「小口現金」が増加したので、当座預金を貸方、小口現金を借方に仕訳します。

3-3. 報告時の仕訳

次に小口現金を仕訳するのは、小口現金係から精算した金額の報告を受けたときです。

報告時の仕訳は、以下の通りです。

借方 貸方
光熱費 30,000円 小口現金 50,000円
消耗品費 10,000円
雑費 10,000円

このときは、資産である「小口現金」が減少して費用である「光熱費・消耗品費・雑費」が増加したので、小口現金を貸方、費用を借方に仕訳します。

3-4. 補給時の仕訳

最後に小口現金を仕訳するのは、使用した分の小口現金を補給するときです。

小口現金を補給時の仕訳は、以下の通りです。

借方

貸方

小口現金 50,000円 当座預金 50,000円

前渡し時と同様、資産である「当座預金」が減少して「小口現金」が増加するので、当座預金を貸方、小口現金を借方に仕訳します。

3-5. 報告時と補給時の仕訳をまとめる

大抵の企業では、生産金額の報告と小口現金の補給を同時におこないます。そのため、ルール3とルール4で紹介した報告時の仕訳と補給時の仕訳の2つの仕訳を連続して記帳することになります。

この場合、わざわざ2つの仕訳を別で書くと手間なので、それぞれの仕訳に含まれる「小口現金」を相殺して1つの仕訳にまとめることが可能です。

借方

貸方

光熱費 30,000円 当座預金 50,000円
消耗品費 10,000円
雑費 10,000円
小口現金管理のガイドブック

4. 小口現金を管理するときの注意点

解説した仕訳ルールを理解すれば、初心者でも簡単に小口現金の仕訳をすることが可能です。ただし、小口現金の管理には注意点があるので、その注意点も理解した上で管理や仕訳をすることが大切です。

小口現金を管理するときは3つのポイントに注意しましょう。

4-1. 日々の精算時は仕訳しない

小口現金は日々の精算に使用されますが、この精算の内容は小口現金出納帳があれば仕訳をする必要がありません。

ただし、どんなことに使ったお金なのかを把握するために「支払内訳」を記録しておき、報告時は内訳ごとの金額を会計係に正確に伝える必要があります。

仕訳が必要ないからと支払内訳(勘定科目)を無視して記録してしまうと、報告時に会計係が混乱してしまいます。必要な情報を記録し、報告不備がないように準備しておきましょう。

4-2. 小口現金出納帳は任意

小口現金は小口現金出納帳で管理すると解説しましたが、小さい企業や小口現金を使う部署が少ない場合は、小口現金出納帳を用意しなくても構いません。

小口現金出納帳の内容は、最終的に会社の現金を管理する「現金出納帳」にまとめられればいいので、小口現金の使用頻度が低い場合は現金出納帳で管理してもいいのです。

ただし、部署が多い場合や精算の頻度が高い場合、経理がその都度対応して仕訳していると業務が煩雑になってしまいます。

小口現金出納帳の設置は任意ですが、経理の負担を減らすためには、現金出納帳ではなく小口現金出納帳で管理したほうがいいケースもあります。

4-3. 小口現金出納帳の管理は手書きでなくてもいい

帳簿というと手書きのノートをイメージしてしまうかもしれませんが、小口現金出納帳はデータで管理しても構いません。

もしも手書きで記帳することを手間に感じているなら、Excelやクラウド型経費精算システムなどを利用すると業務負担の軽減につながるかもしれません。

手書きの記帳にとらわれず、やりやすい方法で小口現金を管理していきましょう。

小口現金のルールが複雑で、やりやすい方法がなかなか見つからないので、小口現金管理自体をなくしていきたいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。

そのような方には、小口現金をなくしていく手順や方法をガイドブックにまとめて無料で配布しておりますので、
こちらから「目的別!小口現金廃止を実現するためのガイドブック」をダウンロードして、ぜひご覧ください。

4-3-1. 手書きの帳簿をスキャナ保存することはできないので注意

小口現金出納帳などの補助簿も、会計帳簿のひとつであり、電子データで保存するためには「電子帳簿保存法」の保存要件を満たさなければなりません。

電子帳簿保存法において、帳簿の電子化には「一貫して電子データで作成すること」が要件に盛り込まれています。

そのため、手書きで作成していた帳簿を事業年度の途中で電子データに切り替えることはできません。

記載の内容が正しいものであっても、途中で電子保存に切り替えた場合は、税務調査では認められないため注意しましょう。

4-4. 管理方法は規程を定めて運用マニュアルにまとめること

小口現金は、「前渡し時」「報告時」「補給時」の3つのタイミングで仕訳をする必要があります。仕訳のルール自体は難しくありませんが、管理・運用の方法は社内規程を定めて、きちんとマニュアルを用意する必要があります。

もし、規程やマニュアルがない状態で運用してしまうと、「今は忙しいから」と記載を後回しにしてしまったり、申請書を適切に管理していなかったせいで紛失してしまうこともあるかもしれません。

小口現金は会社のお金が関わることであり、管理者には適切に管理する義務があります。管理手順を定めるとともに、「お金の受け渡しは複数人で確認する」や「小口現金の精算担当と小口現金出納帳の記載者を分ける」など、ミスや不正を防ぐ対策を講じる必要があるでしょう。

小口現金管理のガイドブック

5. 小口現金の廃止とその方法

退職

ここまで小口現金管理の方法について解説してきましたが、小口現金は出納帳への記載や出金などを人力でおこなうため、どうしてもミスが発生しやすくなってしまいます。

特に従業員が増えたり、会社の規模が大きくなると小口現金管理をすることがより難しくなり、そのため小口現金の廃止を検討する企業も増えています。

小口現金を廃止することで経理業務の負担軽減や、盗難や紛失などのリスクの軽減など多くのメリットがあります。

小口現金を廃止するためには、経費精算システムの導入や、法人カードの採用などあらゆる方法があります。

自社の中長期的な管理をふまえて、各会社にあった運用方法を考えていきましょう。

関連記事:小口現金を廃止する3つのメリットやその方法を解説!横領や不正の対策にも。

目的別!小口現金廃止を実現するためのガイドブック

「帳簿にズレがないかのチェックが大変で、なかなか仕事が終わらない」「出金や両替で毎回銀行に行くのがとにかくめんどくさい」など、小口現金の管理でお悩みではありませんか?

とはいえ「小口現金を廃止したいけど、どうすればいいのか、そもそもどのような準備が必要なのか・・・?」など、小口現金の具体的な廃止方法や手順がわからないと疑問を抱えている方も少なくないでしょう。

そのような方にむけて小口現金を無くすための手順を解説したガイドブックを用意いたしました。経費精算をラクにしたいという方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご覧ください。

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jinjer Blog 編集部

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