タイムカードを押し忘れたら手書きはあり?手書き対応する際の注意点
タイムカードを押し忘れたときの「手書き」対応について解説しています。原則として、タイムカードに出退勤時刻を手書きで記載する場合は、所属部署の上長の許可が必要です。他人が代理で手書きすることは、トラブルの原因になるため推奨できません。
また、不正な労働時間の申告を防ぐため、同じ部署やグループの従業員と事実関係のすり合わせをおこないましょう。
タイムカードの押し忘れにお悩みの企業の方は、ぜひ参考にしてください。
【関連記事】最新のタイムカード機5選!買い替え時に一緒に見ておきたい勤怠管理システムもご紹介
タイムカードによる勤怠管理で頭を悩ませるのが、打刻漏れです。毎月締め日に漏れを確認し、従業員に問い合わせるだけでも多くの時間がかかってしまい、人事業務を圧迫していませんか?勤怠管理システムでは打刻漏れがあった際にアラートが上がる仕組みになっており、すぐに打刻修正を行えるため、打刻漏れを減らし確認作業にかかる時間を減らすことができます。
実際、4時間かかっていた打刻漏れの確認作業がシステム導入によりゼロになった事例もあります。
「システムで打刻漏れを減らせるのはわかったけど、実際にタイムカードでの労働時間管理とどう違うのかを知りたい」
という人事担当者様のために、タイムカードの課題を勤怠管理システムでどのように解決できるのかをまとめた資料を無料で配布しておりますので、ぜひこちらからダウンロードしてご覧ください。
目次
1. タイムカードを手書きで記録することは違法?
従業員がタイムカードを押し忘れたとき、出勤時刻や退勤時刻を手書きで記載する企業は少なくありません。また、オフィスの外で仕事をしていて直行直帰したり、何らかの理由でタイムレコーダーが使えなかったりするケースもあるでしょう。
「手書き」での対応は原則として問題ありませんが、いくつかの注意点が存在します。安易に手書きでの記載を許してしまうと、不正な打刻が横行することにもなりかねません。
そこで今回は、タイムカードの「手書き」や、うち忘れを手書きで対応するときの注意点を解説します。
1-1. タイムカードの手書きは必ずしも違法にはならない
厚生労働省は、労働時間を把握する方法として「客観的な記録」であることを条件にしています。手書きのタイムカードは、従業員による改ざんが可能であり、実労働時間を正確に把握することが困難であるため、自己申告制とみなされてこの条件に該当しません。
しかし、必ずしも認められないわけではなく、手書きのタイムカードでも客観的に労働時間を把握できる場合は、自己申告制による勤怠管理として認められます。手書きのタイムカードが認められる条件は、従業員への十分な説明や、必要に応じた実態調査などが必要で、客観的に労働時間を把握する手段がない場合に限定されます。
手書きのタイムカードは必ずしも違法ではないものの、推奨されていない方法です。近年はさまざまな形での打刻が可能になっているため、手書きにこだわらず、柔軟に変化していくことも大切です。
参考:労働時間の適正な把握 のために 使用者が講ずべき措置に関するガイドライン|厚生労働省
1-2. タイムカード押し忘れ時の手書きも問題ない
打刻を忘れてしまった際にタイムカードへ手書きで記入することも問題はありません。ただし、必ず上長の許可をとってから記入する運用にしましょう。
厚生労働省が発表しているの「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によると、労働時間の記録方法は次の2点のどちらかであることが推奨されています。
①使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。
②タイムカード、ICカードなどの客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。
このガイドラインを一見すると、手書きすることは問題があるように見えるかもしれません。
しかし、過去の判例を参照すると、タイムカードへの記載が事実であると確認できる場合は、手書きでも実労働時間として認められます。
そのため、手書きで打刻する場合は、上長への報告を義務付けるなどして、周囲が本人の勤務実態をチェックできる仕組みが必要です。
タイムカードの押し忘れだけでなく、直行直帰するときや、なんらかの理由でタイムレコーダーが使えなかったときなども同様の対応が求められます。
どのような理由でも手書きでタイムカードに記載する際は、タイムカードを打刻できなかった理由と、その日の勤務実態を上長が把握していることを十分に確認しましょう。
2. タイムカードに手書きする際の6つの注意点
タイムカードにやむをえず手書きで記載してもらう場合は、次の4つの注意点を守りましょう。誰でもタイムカードに手書きできる状態では、慢性的に不正打刻や改ざんがおこなわれる可能性があります。
2-1. 必ず本人が手書きをする
タイムカードに手書きする場合は、必ず本人に記載してもらうようにしましょう。
厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」にも、「使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること」と定められているとおり、本人が勤務時間を正確に把握したうえで、自ら記録する必要があります。
また、タイムカードへの記載を他人任せにしていると、誤った出勤時刻や退勤時刻が記載されてしまい、勤務実態とずれが出るという実務上のリスクもあります。
後々、残業代の計算などでトラブルの原因になる可能性があるため、本人以外の記載は原則としてNGとしましょう。
2-2. 記入は鉛筆は不可とする
タイムカードに手書きする際の注意点として、記入は鉛筆は不可とすることが重要です。鉛筆での記入は容易に消去や改ざんが可能であり、これにより労働時間の不正確な申告や後からの変更が生じるリスクが高まります。その結果、実際の労働時間と報酬計算の間に矛盾が生じ、労働者と使用者間での信頼関係が損なわれる可能性があります。このようなリスクを避けるために、消しゴムで消せないボールペンやサインペン、フェルトペンなどの消去や改ざんが困難な筆記具を使用することが推奨されます。
2-3. 上長の許可を得てから修正する
すでに述べたように、タイムカードへの手書きは、原則として上長の許可を得ている必要があります。勝手にタイムカードへ手書きする習慣ができてしまうと、不正な打刻の温床になりかねません。
タイムカードに手書きできるのは、所属部署の上長からの承認印があるときのみに限定するなどとルールを決めて、必ず上長のチェックを受けさせるようにしましょう。
また、こうした仕組みを作ることで、「タイムカードを押し忘れると後で手間がかかる」といった意識が生まれるため、打刻漏れの再発防止につながるというメリットもあります。
2-4. 周囲の従業員に必ず勤務実態の確認をとる
タイムカードに手書きで記入してもらう場合は、同じ部署やグループの従業員へヒアリングをし、当人の勤務実態の事実確認をするようにしましょう。PCのログを確認することや、入退室履歴を確認することも有効です。
当人からの自己申告だけでは、その出勤時刻・退勤時刻が正しいものか判断できません。簡単に「遅刻がなかったか」「どのくらい残業していたか」といった事実関係のすり合わせをおこないましょう。
タイムカードへの手書きは事実関係がとれたときのみに限定すれば、不正な申告を防止できます。
2-5. 不正があった際のルールを決めておく
手書きでのタイムカード修正に際しては、不正行為が発見された場合のルールを事前に決めておくことが重要です。自分で記録できるため、改ざんや不正のリスクが伴うため、企業としてのガイドラインを策定しておくことが欠かせません。万が一、改ざんや不正が行われた場合には、厳格な監査を行い、必要に応じて懲戒処分を検討するなどの厳正な対応が求められます。これにより、公正な労働環境を維持することができます。さらに、事前にルールを通知し、従業員に周知徹底することが必要です。ガイドラインは従業員に対してしっかりと説明し、理解を深めさせることで、未然にトラブルを防ぐことができます。
2-6. 打刻忘れが原因の欠勤扱いは違法
タイムカードの打刻を忘れたからといって、欠勤扱いにし給料を支払わないことは、労働基準法と労働契約法に違反します。たとえタイムカードへの打刻を忘れてしまったとしても、労働した実績があるならば、賃金を支払わなければなりません。
ただし、減給のペナルティを設けることは可能です。減給する場合は、就業規則への記載が必須であり、減給額も労働基準法で「一回の額が平均賃金の一日分の半分の超えないこと」「減給総額が月給の十分の一を超えないこと」と定められています。このルールを守ってペナルティを設けましょう。
ここまで手書きにおける4つの注意点をお伝えしましたが、手書きが必要にならないように事前に対策することが、より本質的な対策になることが考えられます。そこで以下の記事では、タイムカード打刻をする際の具体的なルールを5点説明していますので、気になる方はご確認ください。
▶タイムカードで打刻ミスをなくすために用意しておきたい打刻ルールの具体例
【関連記事】タイムカードの押し忘れで給料なしや減給、欠勤扱いの処分は妥当?労働基準法の規定に注意!
3. タイムカードの「押し忘れ対策」には勤怠管理システムがおすすめ!
ここまで、従業員がタイムカードの手書きについて解説しました。一定の条件を満たしていれば、手書きのタイムカードや手書きによる修正は問題ありません。
しかし、当人の勤務実態を同じ部署やグループへヒアリングする必要があるため、一つひとつ手書きでの対応をしていると、総務担当者や人事担当者の負担が増加します。そもそも、タイムカードを押し忘れないような仕組みを作れば、こういった手間はかかりません。
タイムカードの押し忘れへの対策がしたい方は、勤怠管理システムの導入がおすすめです。勤怠管理システムは、2つの点で押し忘れの対策になるでしょう。
3-1. アプリからのアラートで押し忘れを防げる
勤怠管理システムには、従業員一人ひとりの勤務実態をリアルタイムで監視し、必要に応じてアラートを鳴らす機能があります。
もちろん、タイムカードへの打刻し忘れがあった場合も、当人へ自動でお知らせすることが可能です。これまで、打刻し忘れの確認は、担当者が手動でおこなっていた企業も多いでしょう。
勤怠管理システムなら、1度システムやアプリを導入すれば、後は自動で押し忘れを検出してくれます。また、アラートは従業員だけでなく、部署やグループの管理者に送信することもできます。
あまりにも押し忘れが続くようであれば、当人に口頭で注意し、意識改善を求めるといった使い方も可能です。
3-2. スマホやタブレットからも打刻ができる
勤怠管理システムなら、スマホやタブレットからもすばやく打刻できます。とくに朝の忙しい時間帯は、その日の仕事のことで頭がいっぱいになってしまい、ついつい打刻を後回しにする社員が少なくありません。
スマホやタブレットに対応した勤怠管理システムなら、専用アプリにログインするだけで、後は1クリックで簡単に打刻できます。SlackやChatworkのようなチャットアプリと連携している勤怠管理システムであれば、始業前の業務連絡のついでに打刻する使い方もできます。
最近注目を集めているのが、GPS機能を使って打刻できる勤怠管理システムです。タブレットやスマホのGPS機能を使い、打刻と同時に従業員の位置情報を送信してもらうことで、打刻した時間と場所の両方を取得します。
営業など外回りが多い職種でも、位置情報を使って勤務実態を把握できるため、多くの企業がタイムカードの虫食い防止を目的に採用しています。
スマホやタブレットを従業員に貸与している企業や、私的端末の業務利用(BYOD)を許可している企業なら、すぐに実施できる「押し忘れ対策」の1つです。
当サイトでは、勤怠管理システム「ジンジャー勤怠」を例に、システムの使用感をイメージして頂ける資料を無料で配布しております。実際の管理画面の画像もありますので、自社で導入した際のことをイメージしながらご確認いただけます。システムの導入で打刻漏れが減りそうだと感じた方は、こちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
どの勤怠管理システムを選べばよいか分からない方は、管理部門の課題を解決するビジネスメディア『労務SEARCH』が公開している「おすすめ勤怠管理システムをタイプ別に徹底比較」の記事を参考にしてみるとよいでしょう。
4. 手書きタイムカードのリスクを理解して押し忘れを防ぐ対策をしよう
タイムカードの打ち忘れがあったときや、直行直帰するとき、タイムレコーダーが使えないときなど、やむをえずタイムカードに手書きをするケースがあります。手書きすること自体は違法ではありませんが、必ずルールを守って、客観的な証拠になる記載をしなければいけません。
打ち忘れが発生した場合は、同じ部署やグループの従業員にヒアリングをおこない、「遅刻がなかったか」「どのくらい残業していたか」といった事実関係のすり合わせも必要です。こうした対応には手間も時間もかかるため、タイムカードの押し忘れを防ぐ対策もおこないましょう。
押し忘れを防止するには、打刻し忘れを自動でお知らせしてくれる勤怠管理システムの導入がおすすめです。スマホやタブレットで手軽に打刻できるため、始業前の忙しい時間でも、1クリックで簡単に打刻ができます。
【関連記事】従業員がタイムカードを押し忘れる理由で意外と多い3つのポイント
タイムカードによる勤怠管理で頭を悩ませるのが、打刻漏れです。毎月締め日に漏れを確認し、従業員に問い合わせるだけでも多くの時間がかかってしまい、人事業務を圧迫していませんか?勤怠管理システムでは打刻漏れがあった際にアラートが上がる仕組みになっており、すぐに打刻修正を行えるため、打刻漏れを減らし確認作業にかかる時間を減らすことができます。
実際、4時間かかっていた打刻漏れの確認作業がシステム導入によりゼロになった事例もあります。
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