認定タイムスタンプとは?電子ファイルに付与する方法と認定事業者を紹介!
更新日: 2023.1.20
公開日: 2021.10.18
HORIUCHI
電子文書を使って契約をおこなうときには、データが改ざんされていないかを厳密に証明しなければなりません。認定タイムスタンプを付与すれば、電子文書の非改ざん性や信頼性を担保できます。
そして、タイムスタンプを導入するときには認定を受けた信頼できる事業者を選ぶことが肝心です。
ここでは、認定タイムスタンプの導入方法を詳しく説明します。また、認定タイムスタンプの事業者についても紹介します。
関連記事:電子署名とは?仕組みや法律、クラウド型サービスなどをわかりやすく解説!
タイムスタンプは電子データの完全性を担保するための仕組みですが、それだけで完全な保証になるわけではないため注意が必要です。
タイムスタンプの弱点を補完できる電子署名と併用することで、電子データの完全性がより確かなものとなります。一体なぜ電子署名と併用することで完全性をより確かなものにすることができるのでしょうか。
ジンジャーサインでは具体的にタイムスタンプとは何なのか、付与する方法や発行の流れを資料でまとめました。
是非ダウンロードしてご確認ください。
■このような方におすすめ
・タイムスタンプの効力について調べている方
・タイムスタンプを付与する方法・発行の流れを調べている方
・タイムスタンプの具体的な有効期限を知りたい方
1.認定タイムスタンプとは電子データの信頼性を担保する技術
1998年に制定された電子帳簿保存法によって、事業所の書類の全部もしくは一部を電子データで保管できるようになりました。
しかし、電子データのやり取りや保管には改ざんのリスクがついてまわります。電子データが改ざんされていないことを証明するためには、タイムスタンプの付与が必要です。
タイムスタンプは電子データと時刻の組み合わせによって構成されています。電子データにタイムスタンプを付与することによって得られる効果は以下の2点です。
・その時間にデータが確実に存在していたこと
・その時間以降にデータが変更されていないこと
現在は、一般財団法人日本データ通信協会が総務省の「タイムビジネスに係る指針」をもとにタイムビジネス信頼・安心認定制度を運用しています。この制度では、日本データ通信協会の認定を受けた時刻認証業務認定事業者が「認定タイムスタンプ」を発行することになっています。
現状では認定対象となっていない事業者がタイムスタンプサービスを提供している例もあります。しかし、非認定のタイムスタンプサービスは信頼性に欠けることから、総務省や日本データ通信協会は認定事業者のタイムスタンプサービスの利用を促しています。
関連記事:電子署名とタイムスタンプそれぞれの役割とは?注意点も解説!
2.認定タイムスタンプの付与が必要な理由とは
これまでは契約書や請求書、領収書などを紙の書類で保管するケースがほとんどでした。しかし、紙の書類は量が膨大で、保管には大きな手間と負担がかかります。これらの書類を電子データ化することにより業務の効率化が実現できます。
ただし現行の電子帳簿保存法では、一定の書類を電子化して保管する際にタイムスタンプ付与が義務付けられています。電子データの保管には改ざんなどのリスクが付いてまわるため、内容が一定の時刻から変更されていないことを証明する必要があるのです。
また、国税関係書類は認定タイムスタンプの使用が必須とされているほか、電子帳簿保存や医療情報保存、電子契約などの分野でも認定タイムスタンプの利用が急速に進められています。
非認定のタイムスタンプサービスの中には、実際には認証が取れていないにも関わらず電子帳簿保存法に対応していると表記されているものもあるので十分な注意が必要になります。タイムスタンプを導入するときには、認定事業者をチェックしておくことが重要です。
また、タイムスタンプには有効期限があるため、長期署名をしたい場合は有効期限が切れる前に延長しなければならないので注意が必要です。
当サイトでは、上述したタイムスタンプの有効期限や長期署名に関して、図を用いて解説した資料を無料で配布しております。タイムスタンプや長期署名で不安な点があるご担当者様は、こちらから「3分でわかる!タイムスタンプ機能とは」をダウンロードしてご確認ください。
3.認定タイムスタンプの付与をおこなっている事業者一覧
認定タイムスタンプの付与をおこなう企業は、時刻認証業務認定事業者と呼ばれ、一般社団法人日本データ通信協会の承認を経て登録されています。
時刻認証業務認定事業者はTSA(Time-Stamping Authority)とも呼ばれます。TSAの認証を受けている企業は、日本データ通信協会による時刻認証業務認定マークを掲げることができます。
タイムスタンプは電子データの信頼性や完全性を担保する手段です。そのため、認定タイムスタンプの付与事業をおこなうためには厳しい審査を通過する必要があります。
日本データ通信協会は企業の信頼性や事業の継続性、セキュリティ体制などを総合的にチェックし、タイムスタンプ事業者を認定しています。
2021年の時点で時刻認証業務認定事業者の認定を受けている事業者は以下の5社に限られています。
・アマノ株式会社
・セイコーソリューションズ株式会社
・株式会社TKC
・株式会社サイバーリンクス
・三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社
なお、認定タイムスタンプを付与する事業者には、時刻配信業務認定事業者も存在しています。時刻配信業務認定事業者はTAA(Time Assessment Authority)とも呼ばれます。
せっかくタイムスタンプを付与しても、時刻が正確でなければ効果を発揮しません。時刻配信業務認定事業者はタイムスタンプ発行にあたって正確な時刻を配信する業務を担います。
2021年の時点で時刻配信業務認定事業者の認証を受けているのは以下の2つの企業です。
・アマノ株式会社
・セイコーソリューションズ株式会社
時刻配信業務認定事業者にも、時刻認証業務認定事業者と同じように認定マークが制定されています。時刻認証業務認定事業者を探すときには認定マークの有無をチェックするとよいでしょう。
また、認定タイムスタンプを活用して電子契約サービスをおこなう会社が多数存在しています(後述)。そのため、電子契約サービス提供会社が認定タイムスタンプを活用しているのか、またどこの時刻認証業務認定事業者を活用しているか確認すると信頼性が増すでしょう。
4.認定タイムスタンプを電子ファイルに付与するには
電子データに認定タイムスタンプを付与したいときには、所定の手続きをおこないましょう。
まずはタイムスタンプを付与する電子データを用意します。紙の書類の場合にはスキャンまたは撮影をおこない、システム上にアップロードしておきます。この状態で申請をすれば、認定事業者からタイムスタンプの付与を受けることができます。
タイムスタンプ付与の手順は大きく分けて3つあります。ここからは、それぞれの手順についてご説明いたします。
4-1.タイムスタンプ認定事業者と契約
タイムスタンプを付与したいときには、認定事業者に発行依頼をおこないましょう。
まず電子データのハッシュ値を認定タイムスタンプ事業者に送信します。すると事業者側で電子データのハッシュ値と時刻情報の合成がおこなわれ、タイムスタンプトークンと呼ばれる証明書を発行してもらえます。
4-2.認定タイムスタンプ機能をもつサービスを導入
企業が使用している外部システムには、認定タイムスタンプ機能を有するものが数多くあります。
まず現在使用している電子契約サービスや経費精算システム、会計ソフト、クラウドシステム、営業支援システムなどの外部システムに認定タイムスタンプ機能があるかどうかをチェックしてみましょう。
これらのシステムに組み込まれたタイムスタンプサービスを利用すれば、認定事業者とのやり取りに手間をかけることなくタイムスタンプの付与をおこなえます。
普段使用しているシステムにタイムスタンプ機能がある場合には、これを有効活用するのが最適です。これからシステムを導入する予定なのであれば、タイムスタンプ機能を有するものを選ぶとよいでしょう。
認定タイムスタンプを活用している事業者の一覧です。ぜひ電子契約サービスを導入する際にこちらも参考にしてください。
日本データ通信業界HP:認定タイムスタンプを利用しているサービス又は業務
・電子契約の活用に伴う電子署名の管理規程の制定
・印章管理規程とは別で電子署名専門の管理規定の制定
・電子署名の制定、改廃、署名や管理に関する事項の管理 など
※電子帳簿保存法における適正事務処理要件の規程作成用のテンプレートではありません。 ⇛無料で資料をダウンロードして読んでみる
5.認定タイムスタンプを付与して電子データを保管しましょう
近年では業務効率化やテレワークの推進という観点から、多くの企業が文書の電子データ化を進めています。電子データを保管するときには、電子帳簿保存法に基づき必ずタイムスタンプを付与しましょう。
認定タイムスタンプにはデータの信頼性や非改ざん性を証明する役割があります。認定されている事業所を選んでタイムスタンプの付与を受けることが、リスクを避けるためのポイントです。
タイムスタンプ機能を有するシステムを導入するなどの正しい方法で認定タイムスタンプの付与をおこないましょう。
「【2022年保存版】電子契約の始め方ガイドブック」を無料配布中!
「印紙税がかからないから」「取引先が利用しているから」などのきっかけから電子契約に興味をお持ちの方に向け、当サイトでは「電子契約の始め方ガイドブック」を無料配布しております。
ガイドブックでは、電子契約にした場合の業務の流れや電子契約の根拠となる法律と関連する法改正、電子契約のサービスを導入するまでに準備すべきことまでを網羅的に解説しております。
「まずは電子契約がどのようなものか知りたい」という方におすすめの資料ですので、電子契約の概要を知りたい方はこちらからダウンロードしてご活用ください。
電子契約のピックアップ
-
電子サインで契約書の法的効力は担保される?電子署名との違いもあわせて解説!
電子契約公開日:2022.06.22更新日:2022.12.09
-
電子署名とは?電子署名の仕組みや法律などわかりやすく解説
電子契約公開日:2021.06.18更新日:2024.05.08
-
電子署名の認証局の役割とは?|仕組みと種類をご紹介します!
電子契約公開日:2021.07.01更新日:2023.01.20
-
電子署名の社内規程のポイントをサンプル付きで解説
電子契約公開日:2021.10.05更新日:2022.12.08
-
脱ハンコとは?メリット・デメリットや政府の動きについて解説!
電子契約公開日:2022.06.14更新日:2023.01.25
-
BCP(事業継続計画)対策とは?重要性やマニュアル策定の手順をわかりやすく解説
電子契約公開日:2022.09.15更新日:2022.12.13
電子署名の関連記事
-
電子署名と電子証明書の違いや特徴をわかりやすく解説
電子契約公開日:2022.11.10更新日:2022.11.24
-
ハッシュ値・ハッシュ関数とは?基本から使い方までわかりやすく解説
電子契約公開日:2022.02.16更新日:2023.01.20
-
売買契約書も電子化できる?|不動産業界を中心にすすむ電子契約
電子契約公開日:2022.02.11更新日:2024.05.08