労働契約法8条に規定された労働契約の内容の変更方法 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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労働契約法8条に規定された労働契約の内容の変更方法

雇用契約を結ぶ様子

企業側の諸事情によって、従業員と一度締結した労働契約の内容を変更しなくてはならない時がありますが、法律に則って手続きをおこなわないと後々のトラブルとなりかねません。
労働契約法では、労働契約の内容変更についてルール化されているため、しっかり押さえておく必要があるでしょう。本記事では、労働契約の変更に関する労働契約法8条について詳しく解説します。

▼そもそも労働契約法とは?という方はこちらの記事をご覧ください。

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その有期契約、リスクを抱えていませんか?
改正労働契約法の3つのポイントを解説

改正労働契約法によって、有期雇用契約に関するルールが大幅に変わりました。自社の運用はこの3つのポイントに沿ってルール更新、できていますか?

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◆押さえておくべき3つのポイント

  • 無期転換ルール:勤続5年を超えると、従業員から無期雇用への転換を求められる 。
  • 雇止め法理:安易な契約更新を繰り返すと、正当な理由なく契約終了(雇止め)できなくなる 。
  • 同一労働同一賃金:正社員との間で、手当などの不合理な待遇差が禁止される 。

資料ではこの3つのポイントについて、よりわかりやすく解説しています。正しく理解しておくことで、労働者とトラブルに発展する可能性やリスクを軽減できるでしょう。

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1. 労働契約法8条に定められた労働契約の内容とは?

労働契約の内容の変更

労働契約法8条では、労働契約の内容を変更するには、雇用主と労働者双方の合意が必要であると明記されています。これは、契約の基本原則である「当事者間の合意」が、労働契約においても適用されていることを示しています。

労働契約法8条に記載されている労働契約の内容には、従業員を雇用した際に書面等で明示した労働条件や就業規則が含まれています。労働条件と就業規則に記載すべき内容については以下の通りです。

1-1. 労働条件に記載する内容

労働基準法第15条によって、労働条件を記載した「労働条件通知書」を労働者に交付することが義務付けられています。なお、記載が必要となる労働条件は具体的に以下のようなものがあります。

1.労働契約の期間

2.労働契約の更新基準

3.就業場所と従事する業務

4.始業および終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交代制5.勤務の場合は、就業時転換(交代日など)に関する事項

6.賃金の決定、計算および支払い方法、昇給に関する事項 

7.退職に関する事項 

このほかにも昇給や退職手当といった決まりを定めている場合には、同様に従業員に明示していなくてはなりません。

また.2024年4月からは法改正によって「就業場所・業務の変更の範囲」が、新たに明示が必要な労働条件に加わりました。有期雇用契約の場合はさらに、「更新上限の有無と内容」「無期転換申込機会・無期転換後の労働条件」の明示も必要です。

1-2. 就業規則に記載する内容

労働基準法89条によって、常時10人以上の労働者を雇用する場合には、就業規則の作成が義務付けられています。

また、作成した就業規則は労働基準監督署に届け出る必要もあるため、特に10人以上となった事業所を運営している場合には注意しましょう。

記載項目は、前項で紹介した労働条件に加えて、従業員が守るべき行動規範を記載するのが一般的です。
ただし、労働基準法によって定められた「絶対的必要記載事項」に関しては、必ず就業規則に明記しなくてはいけません。

関連記事:雇用契約書と就業規則の優先順位とは?見直す際の2つのポイントをご紹介
関連記事:労働基準法第89条で定められた就業規則の作成と届出の義務

2. 労働契約法8条により労働契約の内容が変更できる条件

労働契約の内容変更

労働契約法8条に則って、労働契約の内容を変更するにはどのような条件を満たす必要があるでしょうか。

労働者の合意とみなされるために必要となる、3つの条件について解説します。

2-1. 労働契約の内容の変更が一方的なものではないこと

労働契約の内容を変更するには、労働契約法8条で「労働者と雇用主の双方の合意が必要」と明記されています。つまり、雇用主が一方的に変更するものではないことが条件となるのです。

万が一、一方的に労働契約の内容を変更してしまった場合には、労働契約法8条が適用となり、変更した労働契約の内容は無効となります。

労働契約の内容を変更するには、従業員からの合意を取ることが重要です。ただし、双方の合意によって労働契約の内容が変更されても、就業規則を下回るような労働条件の変更であった場合には、無効となりますので注意が必要です。(労働契約法12条)

2-2. 労働者の自由な意志に基づく合意であること

労働者からの合意が得られた場合であっても、労働者の合意が自由な意思に基づいておこなわれていたかという点が、後にトラブルになった場合に問われる可能性があります。これは、とくに労働者に不利益な変更をおこなって訴訟に発展した場合に、裁判で問われることがあります。

例えば、雇用主が労働者に強要して労働契約の内容変更への合意を得るような場合も、自由意思に基づいていないとみなされます。また、従業員に十分な説明をせず理解させないまま合意を得たり、労働者が著しく不利益を被るような変更内容である場合も、同様に変更が無効とされる可能性があります。

2-3. 労働契約の変更内容について事前に説明をおこなう

従業員からの合意を得るためには、労働契約の内容変更について、事前に十分な説明をおこなう必要があります。労働契約法4条にも、雇用主は労働契約の内容や労働条件について労働者の理解を深めることに努めなければならないと明記されています。

労働契約の変更に関わる内容について、従業員から合意を得ていたとしても、説明が不十分なために従業員が不利益を被ることがあった場合は、変更した内容は無効とされてしまう可能性があります。従業員から労働契約の変更について合意を得る前に、事前に説明する内容に過不足がないか確認しておく必要があるでしょう。

3. 労働契約法9条・10条で定められている就業規則の変更とその合理性

労働契約の内容の合理性

労働契約法8条では、労働条件の変更に労働者の合意が必要であることを規定していますが、現実的には就業規則の変更をもって、労働条件の変更をおこなうことが一般的です。

そのため、雇用主が従業員の合意なしに就業規則を変更することで、労働者にとって不利益となるような労働条件に変更することを、労働契約法9条によって禁止しています。

しかし、業績の悪化などによって企業を存続させるために、やむを得ず労働条件を変更しなくてはならないときもあります。労働契約法10条によると、こういった事情がある場合には、変更する就業規則の内容に合理性が認められれば、変更後の就業規則を従業員に周知したうえで、変更が認められる場合があります。

合理的であるかどうかの判断には、以下の内容が考慮されます。

・従業員が受ける不利益の程度

・労働条件の変更の必要性

・変更後の就業規則の内容の相当性

・労働組合等の交渉の状況 など

合理性があるかどうかといった判断は、法律の知識がないとなかなか判断が難しいものです。このように判断が難しい場合には、自社の顧問弁護士や社会保険労務士に相談するとよいでしょう。

関連記事:労働契約法9条が定める就業規則の変更の原則を詳しく紹介
関連記事:労働契約法10条の規定による就業規則の変更の条件や方法

4. 労働契約法8条により労働契約の内容を変更する方法

労働契約の内容変更

つぎに、労働契約法8条に則って労働契約の内容を変更する方法について詳しく説明します。

4-1. 労働者から個別に書面で合意を得る

労働者から個別に合意を得られれば、労働契約の内容を変更することができます。これは、口頭でもあっても効力はありますが、後々トラブルになった場合に、解決が難しくなる可能性があります。

トラブルを未然に防止するためにも、覚書など書面での約束を取り交わしておく必要があるでしょう。覚書を作成する場合には、以下の項目を盛り込みましょう。

・作成年月日

・変更前の雇用契約書の締結日

・労働条件の変更内容

・覚書の効力発生日

・当事者の名前・住所

・雇用主・労働者の署名捺印

社員数が多い企業では、全員から合意を得ることが難しい場合もあります。このような場合には、就業規則を変更するという方法もあります。

4-2. 就業規則を変更する

就業規則の変更をもって労働条件を変更させる場合でも、原則として従業員の合意無しで不利益な変更はできないことになっています。

ただし、前述した「変更内容について従業員に周知している」、「変更内容に合理性がある」という2つの条件を満たしている場合には、合意なしでの変更が認められます。

就業規則を実際に変更するにあたっては、まず就業規則の改正案を作成します。その後、労働者の過半数を代表する者または労働組合の意見書、就業規則変更届を作成し、労働基準監督署に提出します。

また、変更した就業規則は、従業員に周知しなくてはいけません。この場合、社内のイントラネットに掲示するなど、いつでも閲覧できる状態にしておくことが必要です。

5. 労働契約の内容を変更する際の注意点

ビックリマークのブロック

労働契約の内容を変更する場合には注意点がいくつかあります。

注意点を押さえておくことで、労働契約の内容を変更する機会があった場合にも従業員とトラブルを起こすことはほぼないでしょう。

5-1. 合意書への署名を強要してはならない

労働契約の内容を変更する場合には従業員に合意を取る必要がありますが、トラブルを起こさないためにも合意書を作成した方がよいでしょう。

その際、異動や解雇をちらつかせるなどして、従業員に署名を強要してはいけません。あくまでも、従業員の自由な意思に基づく合意形成が必要となります。

また、当日中など即日で回答を求めることもないよう、提出には一定の期限を設けるようにしましょう。万が一、従業員が合意書を持ち帰って検討することを希望した際には、会社側はこれに応じなくてはいけません。

5-2. 合理性のない労働条件の変更は無効になる

上述した通り、合理性が認められない労働条件の不利益変更は無効となるので注意しておきましょう。不利益な変更には、賃金の減額や手当の廃止、休日の削減、福利厚生の廃止などが挙げられます。

このような不利益変更をおこなう際に、「単に業績が悪いから」「事業の失敗を補填するため」といった企業側の都合だけに基づく理由は合理性が認められない可能性が高いため、慎重な判断が必要です。

最悪の場合には、従業員から訴えられ裁判に発展する可能性もあります。そのような事態を避けるためにも、不利益な条件変更をおこなう際には、従業員に対して労働条件を変更する背景を丁寧に伝達しましょう。

5-3. 法令や労働協約に沿った内容にしなければならない

労働条件を変更する場合には、法令や労働協約に反した内容にならないように気を付けましょう。たとえば、賃金を変更する場合には、各都道府県ごとに決められた最低賃金のルールに従う必要があります。変更した賃金が最低賃金を下回った場合には、最低賃金法の罰則が適用となるため注意しましょう。

なお、有効期間の定めがない労働協約は、労働組合法15条に基づき解約することも可能なので、労働条件の変更を優先したい場合には解約を検討しても良いでしょう。

労働協約の解約は90日前に相手方に予告する必要があるので、計画的に手続きをおこないましょう。

関連記事:雇用契約の条件は途中変更できる?契約期間内に変更する方法をご紹介

5-4. 労働契約法8条に違反した際の罰則は?

労働契約法はもともと罰則規定が設けられていないため、労働契約法8条に違反したとしても罰則が与えられることはありません。

しかし、労働者から変更内容の不当性を理由に、訴訟を起こされるリスクがあります。労働契約法8条に違反している場合は、該当の変更内容は無効となるため、損害賠償を負う可能性もあるでしょう。違反内容が悪質である場合は、社名が公表される恐れもあります。これにより、企業イメージが低下すれば、売上の減少は免れません。

この他にも、労働基準監督署からの指導・勧告など、労働契約法8条の違反には様々なリスクが想定されるため、法律に準じた運用が必要です。

6. 労働契約法8条の内容を理解したうえで、労働契約の内容を変更しよう

労働契約法8条の変更

従業員と一度締結した労働契約の内容を変更するには、雇用主と労働者双方の合意が必要であることが、労働契約法8条で明記されています。

労働契約の内容を変更するには、雇用主の一方的な変更ではないこと、合意が労働者の自由な意思に基づいていること、合意を得る前に十分な説明がなされていることがポイントとなります。労働契約の内容を変更する際には、これらのポイントをしっかり押さえたうえで、労働者からの合意を得るようにしましょう。

その有期契約、リスクを抱えていませんか?
改正労働契約法の3つのポイントを解説

改正労働契約法によって、有期雇用契約に関するルールが大幅に変わりました。自社の運用はこの3つのポイントに沿ってルール更新、できていますか?

比較的新しいルールであるため前例も少なく、対応にお困りの人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

そんな方に向けて、当サイトでは、法律に違反することなく労働契約を結ぶために参考になる資料を無料配布しています。

◆押さえておくべき3つのポイント

  • 無期転換ルール:勤続5年を超えると、従業員から無期雇用への転換を求められる 。
  • 雇止め法理:安易な契約更新を繰り返すと、正当な理由なく契約終了(雇止め)できなくなる 。
  • 同一労働同一賃金:正社員との間で、手当などの不合理な待遇差が禁止される 。

資料ではこの3つのポイントについて、よりわかりやすく解説しています。正しく理解しておくことで、労働者とトラブルに発展する可能性やリスクを軽減できるでしょう。

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