労働基準法による休業手当の意味と計算方法を詳しく紹介 | jinjerBlog

労働基準法による休業手当の意味と計算方法を詳しく紹介

計算方法

企業がやむを得ず休業するときには、労働者に対して休業手当を支払わなければならないことがあります。
休業手当は労働基準法第26条に詳しく取り決められています。これによると、企業が労働者を休ませるときには100分の60以上の手当を支払う必要が生じるのです。
この記事では、労働基準法による休業手当の意味と計算方法をご説明いたします。

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例外や特例なども含めて法律の内容を理解しておくと、従業員に何かあったときに、人事担当者として適切な対応を取ることができます。

今回は、労働基準法の改正から基本的な内容までを解説した「労働基準法総まとめBOOK」をご用意しました。

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1.労働基準法による休業手当の意味とは

休業手当

労働基準法の第24条には、ノーワーク・ノーペイの原則が定められています。これは原則として、労働者による労働の提供がおこなわれなかったときには賃金の支払いが発生しないという取り決めです。
しかし、企業側の事情が従業員を休ませるときには、労働が提供されていない場合であっても企業は休業手当を支給しなければなりません。

労働基準法第26条には休業手当について「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない」記載があります。
つまり、企業の事情によって発生した休業の期間中には、使用者が労働者に対して平均賃金の60%以上の手当を支払わなければならないのです。
近年では新型コロナウイルス蔓延を原因として企業が休業する例も増加しています。こういった場合に休業手当の支払いが必要となるかどうかはケースバイケースです。
新型コロナウイルス感染症が原因で休業を余儀なくされたときには、支援金や給付金の特例を活用するとよいでしょう。

関連記事:労働基準法第24条における賃金支払いのルールを詳しく紹介

2.労働基準法による休業手当の適用例とは

休業手当の適用例

労働基準法第26条における休業とは、労働者との労働契約が交わされており、さらに労働者が労働の意思をもっているにもかかわらず、結果的に労働ができない状態のことを指します。
労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」とは、具体的には以下のようなものです。

・経営上の障害
・使用者の故意または過失
・経営不振で仕事がない、または資金調達が困難、運転資金が不足している
・資材や燃料、電力などが不足している
・従業員が不足している
・注文が少なく人員が余り、交代で休業させる必要がある
・組合のストライキによって業務の履行ができない
・親会社の経営不振

近年では、東日本大震災の影響で夏期に節電対策が求められ、多くの企業が休業を余儀なくされました。さらに、新型コロナウイルスの蔓延によって労働者を業務に従事させることができない場合に、使用者の自主的な判断で休業させるケースもありました。
このようなケースも「使用者の責に帰すべき事由」と判断されるため、休業手当支払いの対象となります。

上記のような事情がない場合には「使用者の責に帰すべき事由なし」と判断され、休業が適用されないことがあります。
休業手当の対象とならない休業には以下のようなものがあります。

・組合員の一部がストライキをおこなったとき、ストライキに参加していない組合員を休ませる
・天変地異等の不可抗力
・ロックアウト
・災害によって事業所が直接的な被害を受けたための休業
・新型コロナウイルス対策の一環として養成された就業制限や休業養成

これらの問題は不可抗力とみなされるため、企業側の責任として休業をおこなう理由にはなりません。そのため、労働基準法による休業手当の対象ともならないのです。
休業に追い込まれるような問題が起きたときには、休業手当の対象か否かを見極めるようにしましょう。
たとえば、休業の原因が事業の内部ではなく外部から発生した事故であれば、使用者の責に帰すべき事由とは言い難いため、適用にはなりません。また、事業者が最大限の努力をしても避けられない事故の場合にも、使用者の責に帰するとは認められないのです。

関連記事:労働基準法第26条による休業手当について分かりやすく解説

3.労働基準法による休業手当の適用範囲とは

適用範囲

休業手当は正社員だけでなく、契約社員やパート、アルバイトなど雇用形態を問わずすべての労働者に対して支払われます。
派遣社員の場合には休業手当の適用が妥当か否か判断に悩むこともあるかもしれません。派遣社員であっても労働基準法第26条が適用されるのであれば、雇用関係にある企業には休業手当の支払い義務が発生するのです。
業務委託契約を結んでいる場合には一般的には休業手当の対象外となります。しかし、委託している企業の業務内容や程度によっては休業手当の支払いが妥当とされるケースもあります。

4.労働基準法による休業手当の計算方法とは

計算方法

労働基準法第26条では、休業手当の支給額について平均賃金の60%以上と定めています。
休業手当の支払金額は基本給ではなくあくまで平均賃金に準拠するので注意しましょう。
平均賃金は、使用者の責に帰すべき事由が発生した以前3カ月間に支払われた賃金総額を3ヶ月間の総日数で割って求めます。3カ月以内に支払われた賃金総額には通勤手当や時間外手当、年次有給休暇取得分、皆勤手当なども含まれます。
ただし、この金額には傷病手当や見舞金、退職金、結婚手当などは含みません。

直近3カ月以内に出産や育児、介護、就労中の負傷や病気療養などのために休業したのであれば、ほかの手当が支給されることがあります。こういった場合には、ほかの手当の支給日数や賃金額を控除した上で、あらためて休業手当の総額を求めることになります。
勤務期間が3ヶ月に満たなかった場合には、入社から直近の給与締日までの賃金総額で休業手当を算出します。なお、試用期間は直近3カ月の労働に含まれません。

休業手当は一般の給与と同じタイミングで支給しましょう。休業手当は給与所得の一部として扱われるため、課税の対象となります。社会保険料などを引いた正しい金額を支給することが大切です。
休業手当を支払うときにはまず、休業補償給与支給請求書を社員に送付します。社員が書類を提出したのちに担当者が労働基準監督署で手続きをおこなえば支給が決定されます。

関連記事:労働基準法第26条による休業手当について分かりやすく解説

5.労働基準法による休業手当の対象外となる休日や休暇とは

休日

企業が休業する原因が使用者の責に帰すべき事由であっても、状況によっては休業手当の対象外となることもあります。
たとえば土日祝日のように会社が休日として定めた日にはそもそも労働の義務がないため、休業手当も適用されません。企業の休業に土日などの休日が含まれる場合には、その休日を除外した上で休業手当を算出することになります。
ストライキや従業員の休暇のように、従業員に労働の意思がない場合にも休業手当は適用されません。また、従業員が感染症を発症したなどの理由で労働ができないときにも、休業手当の適用対象外となります。

6.労働基準法による休業手当と休業補償の違い

休業手当

休業手当とよく似た精度に休業補償がありますが、この2つの意味は違っています。
休業補償とは業務中に発生した怪我や病気が原因で休業を余儀なくされたときに支払われる費用です。支給総額は平均賃金の60~80%とされており、休業日数分が支払われます。
なお、休業補償の場合には労働基準監督署での手続きが必要となるため、支給には1~2カ月程度の時間がかかります。

関連記事:労働基準法76条に規定された休業補償の金額や支払期間を紹介

7.労働基準法による休業手当の意味を知り、必要に応じて支払いをしましょう

労働基準法第26条には、使用者の責に帰す休業が発生したときに支払われる休業手当についての取り決めがあります。
休業手当の対象となる場合に適正な金額の休業手当が支払われない場合には、労働者が労働基準監督署や弁護士に相談して対処することがあります。トラブルを防ぐためにも、休業をするときには必ず休業手当の支払いをおこないましょう。

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